オーディンの末裔
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ギルバースの邦訳2作目。ナチスドイツ時代のベルリンに生きる元刑事が主役の物語。というとフィリップ・カーのベルリン3部作が想い出起こされる。実際、話の要素に共通点が見られるのは、ギルバースがカーをリスペクトしているからであろうが、何とはなしに二番煎じ感は否めない。何より、ラストで問題が解決せず次作に持ち越されてしまったのは実にもどかしく、作者の意図にまんまとハマってしまった。早く次作を出版してほしい。 | ||||
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「ゲルマニア」の続編である。 本書についての私の評価は、内容的には星3つであると思う。しかし、全体的に考えて、星5つとしたい。 内容的に、星3つとする理由 ●これだけの枚数を費やして、本書は未完である。裁判も、オーディンの末裔も、決着がついていない。これはずるい。 ●「ゲルマニア」があまりにも傑作すぎるので、落差が大きい。 ●いろいろ詰め込みすぎて、本筋の印象が薄くなっている。 ●登場人物の取る行動について、なぜそういう行動をするのかわかりにくい部分が、いくつもある。また、連合軍の侵入の迫っているという厳しい状況が、登場人物の行動に十分に反映されていない感がある(現実にそうだったのかもしれないが) 全体的に考えて、星5つとする理由 ●第3作もぜひ翻訳してほしい。 ●貴重なるドイツミステリーの翻訳である。翻訳が終わってほしくない。 ●連合軍の侵入せまるベルリンを舞台にした意欲作である。 ●「ゲルマニア」はミステリーであったが、本書は冒険小説色が強い。ミステリー的な期待が外れるのは仕方ないのかもしれない。 ●悪役はなかなか個性的である。 ●主人公のオッペンハイマーは魅力的である。 評価と関係ないこと。 オッペンハイマーは本書では、ヒルデを救うために奔走するのだが、その一方でリザへの夫婦愛が切々と描かれる。これは、オッペンハイマーがヒルデに抱く感情が、あくまで、友情、感謝に留まることを、作者が強調しているのだろうか・・??? | ||||
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1945年1月、敗色濃厚なドイツの帝都ベルリンで、元刑事のユダヤ人リヒャルト・オッペンハイマーはヘルマン・マイアーという偽名を使って潜伏していた。友人のヒルデが、ナチ親衛隊員殺害の疑いで逮捕されてしまう。ヒルデとかつていわくつきの関係だった弁護士クーンたちとともに、オッペンハイマーは彼女の嫌疑を晴らすために捜査を始めるのだが…。 ------------------------- 前作『』の連続猟奇殺人事件を解決してから半年、事件を知る関係者として口封じされることを恐れたオッペンハイマーは妻リザとも便宜上別居し、素性を偽った末に夜警の仕事でなんとか糊口をしのいでいます。 そこに降ってわいたように、首と両手を切り落とされた男の遺体が発見され、ヒルデが容疑者として拘束されます。ナチス支配下の、しかもソ連軍が東から、連合軍が西から迫る混乱の時代に、正当な裁判など期待することはできません。そうした状況下でオッペンハイマーたちがどうやってヒルデの無実を証明するのか、というのがこのドイツ発ミステリーの要諦です。 前著では捜査をともにするナチス親衛隊大尉のフォーグラーとの間に緊張感を伴った関係が続きましたが、今回は弁護士のクーンや元弁護士のシュムーデ、さらには暗黒街の顔役エデやその子分ハンスやパウレといった個性的な連中との間に仲間意識ともいえるものが生じてくる点が目を引きます。前著で孤独な捜査を強いられた主人公が、今回はときにそうした仲間たちに信頼を寄せていくのです。その裏には、やがて戦争が終わったときに自分たちがどうあるべきかを見通したうえでの思惑や野心がないとはいえませんが、戦争末期の混乱の中で人々がそれぞれ信じることを胸に奔走する姿は大変興味深いものです。 「著者あとがき」で語るように、1969年生まれの作者ハラルト・ギルバースは大量の文献資料にあたって1945年当時のドイツとベルリンの姿を緻密に再構成してみせます。イギリス軍の空爆を避けて人々が駆け込む防空壕内の様子、代用コーヒーを啜るしかない日々に政府高官が本物のコーヒーを味わう特権を享受している姿、敵性放送の聴取や国防力を損なう発言などが死刑の対象となる戦争末期の状況、やがて進出して来るであろうソ連兵に暴行される前に服毒自殺を図るなら青酸カリとベルナールとどちらを選ぶべきかを真剣に相談し合う女性たち――。戦時下の緊迫したベルリン市民の暮らしぶりが綴られ、20世紀半ばのドイツ民衆生活史としても読むことができます。 前著『ゲルマニア』よりも私はこの『オーディンの末裔』のほうを好みます。前著の事件よりも戦争が苛烈を極め、物語の緊迫度はぐっと深まっているといえます。527頁だった前著よりも物語は長大化して581頁となり、さらに読み応えが増しています。 600頁になんなんとする長編ですが臆することはありません。ネレ・ノイハウス『』やフォン・シーラッハ『』といったドイツ語圏の小説の名翻訳家として知られる酒寄進一氏の訳文に助けられて、頁を繰る手が滞ることは一度としてありませんでした。 物語は1945年1月18日に始まり、同年3月12日に幕を閉じます。史実をひも解けば、ヒトラーの自決まであとひと月半、そしてドイツの降伏まで2か月を切っています。作者のギルバースがこの時点で物語に終止符を打ったのは、ドイツ現代史が間もなく迎えるその時を知っている読者ならばこれで十分と考えたからなのか、それとも戦後のオッペンハイマーと妻リザの物語を新たな形で私たち読者に提示する意思を隠し持っているからなのか。それは今の時点ではわかりません。 ですが、この長編ミステリーを読み終えた今、主人公のその後をぜひとも読みたいという強い気持ちが私の中に生まれたのは間違いありません。 ------------------------- *332頁:「それから炸裂弾を使っきたんだ」とありますが、おそらく「それから炸裂弾を使ってきたんだ」の誤りでしょう。「て」の字が抜けています。 *391頁:「彼がはじめてはないだろう」とありますが、おそらく「彼がはじめてではないだろう」の誤りでしょう。「で」の字が抜けています。 *578頁:巻末に添えられた北上次郎氏の「解説」文中に「個人的には、一九四四年のベルリンを克明に描いているので大変に興味深い」とありますが、正しくは「一九四五年のベルリン」です。前作『ゲルマニア』と勘違いされているようです。 | ||||
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前作は全部読んで何かモヤモヤした所が多かったが。 今作は良かった。命の恩人の為自分の危険を顧みず犯人を捜す というベタだけど納得できるストーリーに、敗戦直前のベルリンの グダグダした風景やその中で必死に生き延びようとする人々の色々 汚い所がしっかりと描かれてスイスイ読むことが出来た。 ラストがなあ・・・独裁体制だからああいった理不尽なことは沢山 あったんだろうが、ヒルダの運命というのはどうにかならなかったのか。 全二部作と聞いたがソビエト軍がベルリンに進撃する中での主人公達の 運命に興味があるので三作目を出して欲しい。 | ||||
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