ベルリンに堕ちる闇



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初公開日(参考)2021年11月
分類

長編小説

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ベルリンに堕ちる闇 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ス 22-1)

2021年11月17日 ベルリンに堕ちる闇 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ス 22-1)

1939年、ベルリン。自らの信条によってナチス・ドイツへの入党を拒否している元レーシングドライバーの警部補ホルスト・シェンケは、元女優である党幹部の妻が殺された事件の捜査を命じられる。どの派閥にも属さない彼は、一歩間違えれば党内の勢力図を変えかねないこの事件を調査するのに適任だった。だが、捜査を進めていくうちに、もう一つの事件が起こり……。第二次世界大戦下のベルリンを描き出した歴史ミステリ。(「BOOK」データベースより)




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ベルリンに堕ちる闇の総合評価:8.75/10点レビュー 4件。Aランク


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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(8pt)

主人公の悲哀がヒリヒリと伝わる歴史警察ミステリー

英国の歴史小説作家によるナチ時代のベルリンを舞台にした初の歴史ミステリー。連続女性殺人事件の捜査を中軸に虚実交えて、犯人探し、ナチ政権下の生きづらさを鮮明に描いた傑作エンターテイメントである。
1939年12月、戦時下のベルリン。元レーシングドライバーで切れ者の国家保安警察の警部補シェンケは突然、ゲシュタポの局長に呼び出され強姦殺人の捜査を命じられる。被害者は元女優でナチ党の古参党員の妻だが、生前の行状に問題があったという。事件が党内の勢力争いに利用されたり党の体面を汚すことを恐れる党幹部が、党員ではないシェンケを選んだらしい。政治に距離を置くシェンケは刑事の本分を全うすべく淡々と捜査を進めるのだが、まもなく同様の手口の事件が発生。さらに事故として処理されてきた過去の案件の中に関連性がある事案が見つかり、連続殺人の疑いが濃くなった…。
単なる連続殺人(この本筋もよくできている)だけでなく、ナチ党内の勢力争い、戦時下、ナチ政権下の閉塞感がリアリティ豊かに描かれた歴史ミステリー。警官として愚直に任務を果たしたいシェンケが否応なく権力闘争に巻き込まれ苦悩する姿は、今の時代の閉塞感にも通じるものがあり、多くの読者の共感を呼ぶだろう。
歴史ミステリーファン、警察小説ファンのどちらにもオススメする。

iisan
927253Y1
No.1:
(9pt)

ベルリンに堕ちる闇の感想

時代考証も入念にされ、細部にわたってスキのない描写、ストーリー展開も無理無駄を感じない。ナチズムの抗しがたい世相の中で、ぎりぎりの所で果敢に戦う姿勢に憧憬の思い。初のミステリーとのことだが、次回作を熱望する。

万年筆
E1AWJZGL
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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No.2:
(5pt)

最高 重厚でとにかく丁寧なサスペンス

中盤でシェンケとはどういう男なのかがハッキリしてくるにあたり、彼に対する好感や落胆で感情が目まぐるしく変わり、ラストまで全く飽きずに面白さは加速していった。正義の為にとにかく中立をはかりたいと考える彼と、周囲との軋轢にやるせない気分にさせられる。ミスリードも巧みだった。歴史好きが講じて大学で教鞭を取っていた歴史作家ということだが、やはり歴史に敬意を持っており整合性も相当に調べながら書いた一冊なんだろうと思う。私は特にリーブヴィッツのキャラ性が非常に珍しく、生簀がなかったがラストは彼をスピンオフでみたいというほどに惚れ込んだ。続編マジでおねがいします単発と言わずに恵んでください
ベルリンに堕ちる闇 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ス 22-1)Amazon書評・レビュー:ベルリンに堕ちる闇 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ス 22-1)より
4151848010
No.1:
(4pt)

ナチス政権下の警察小説

1939年12月末、第二次世界大戦開戦から4か月後のドイツ。ヒトラー政権下、ドイツ国民はまだ勝利できることに疑いを持っていない。ユダヤ人迫害、言論・思想統制、灯火管制、食料配給制などは始まっているが、上流階級人のパーティーやホテルレストランでのディナー等は行われている。
ホルスト・シェンケ警部補は、クリポと呼ばれる刑事警察の班長。警官の職務には無関係としてナチス党員になっていないが、内心では現政権の在り方を問題視していた。
元女優が性的暴行を受けたのち撲殺され線路わきに遺棄される事件が起き、管轄外なのにシェンケのチームが担当するよう上部から命令される。――元女優にいわくありげな背景があり、シェンケがナチス党員に属さないが故に、政治利用されたのであった。
そのような状況下でも着実に捜査するシェンケのチームは、同一犯によるものと推定される酷似した事件が広範囲にいくつも起きていることに気づく…。

ヒトラー政権下における恐怖政治は完全なる縦社会で、不服従ならば社会的立場を奪われるだけでなく、投獄あるいは処刑される。シェンケは優秀で熱心だが、上部の干渉や指示が捜査の邪魔をする。
事件自体もさることながら、当時のドイツ社会の在りようが前面に出されているストーリーだ。
このような政権下においても人種差別をすることなく公平な立場で精一杯職務を果たそうとするシェンケを読み手は応援するが、不条理でも上部に逆らえず言いなりになるしかないところにはいらだちが生じ、小説としてのおもしろさを減じていると感じた。史実に基づいているので、リアリストには納得できると思うが(私もどちらかといえばそうなのだが)。
シェンケが付き合っているドイツ人の女性より、被害者のユダヤ人の女性のほうが魅力的なのだが、そちらには行かない(行けない)ところも“リアル”なのだろう。
自分はこの時代のこのような国に生まれなくて本当によかったと、細かいことは多少あっても今の時代の日本に生きるありがたみを切々に感じさせられた作品でもあった。
ベルリンに堕ちる闇 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ス 22-1)Amazon書評・レビュー:ベルリンに堕ちる闇 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ス 22-1)より
4151848010



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