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(短編集)
花まんま
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花まんまの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.41pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全87件 81~87 5/5ページ
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人の死、差別、社会(大人)の理不尽さなどが子供の感性を通して随所に描写されていてる。子供ゆえにまだこれらの事を頭で消化する事ができない。しかし、これらは感性として、怖く、面白く、楽しく、悲しく表現されているので、私たち誰もが子供の頃に感じた懐かしく、夢のような感覚を思い出させてくれる。 私たちが子供の時に感じたあの不思議な感覚が、具体的な場面と一体になって蘇る。きっと皆さんをあの忘れていた時に連れて行ってくれると思います。そして失われた感性を懐かしく思うでしょう。 | ||||
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6篇の作品どれもが秀逸ですが、「花まんま」はダントツですね。 主人公である兄が、子供ながらに妹をこよなく愛し、彼女が前世の家族に心を移していくことを必死に拒もうとする様子が、痛いほどに伝わってきました。「花まんま」の意味がわかったとき、涙がとめどなくあふれました。ラストの描写は心にくいばかりです。中3の息子に勧めたら、20分ほどで一気に読み終え、「おもしろかったぁ」と言っていました。それほどに読みやすく、でも、しっかり組み立てられた小説です。 | ||||
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6編の独立した物語から成っている。 主人公はいずれも子供で、ほとんどが、大人になった男女が過去を回想する一人称形式で書かれている。 いちおうホラーに分類されているみたいだが、恐怖ものではない。 個々のテイストに異同はあるが、全部まとめての印象を言えば、ロバート・マキャモンの『少年時代』の雰囲気を、『じゃりン子チエ』の世界に移したような感じ。ノスタルジックで(昭和40,50年代の世相を背景とした大阪の下町が舞台)、怪しく幻想的で、切なくて、それでいて、大阪弁をしゃべる子供たちの飄々としたユーモアがあったりする。最も感動したのは、表題作の『花まんま』。 幼い妹にせがまれて、妹の「前世」の家族がいるという町を一緒に訪ねてゆく。いったいどうなるのだろうという緊迫感と期待感、そして胸を打つ出来事・・・。かけがえのない肉親への愛情が切なく交錯する(あえて言えば、クライマックスの描写にちょっと不満あり)。 登場する「繁田喜代美」という名前が、妙に既視感があって、いっそう不可解な気分にさせられた。個人的感覚というより、ネーミングのうまさと思うがどうだろう。一方、『摩訶不思議』は、完全に浪花のドタバタ喜劇で、大いに笑えた。騒動がエスカレートしたところで、不意に放たれる子供の何気ない一言が絶妙。 他の4編も、みな物語にひきこまれ、読みやすかった。さすがは直木賞受賞作。二度と戻れない少年時代への感傷を刺激された。 | ||||
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なんとも不思議な話が6篇。ありえないようでいて、じわじわとあるいはズキンと胸に入り込んでくる話だ。 “昭和”の時代の空気を色濃く漂わせた、どこか懐かしくしかし決して綺麗事ではない子供時代の思い出が語られてゆくにつれ、物語の世界に引きこまれていった。 大阪の下町、路地の子供、いかがわしい大人……そんな物語の設定のなかに滲みでてくるのは、6篇とも子供時代の“秘密”や“不思議な体験”であり、それが<死>と隣り合った思い出であることだ。 人の死、幽霊、墓場、葬式等々、死と関連するモチーフが、人間の弱さや切実な願いや、どうにもならない現実の重さや……いろいろな<生>を浮き上がらせていく。 「トカビの夜」のチェンホのいじらしさに胸打たれ、「凍蝶」の現実の苦みに自分が大人になってしまったことを思い知らされたりした。6篇とも本当に甲乙つけがたい話で、うまくは言えないが、みぞおちのあたりを軽く小突かれたような思いが残る。ただの不思議な話ではないのである。 本来は賞の結果に関係なく評されるべき作品だろうが、「朱川さん、直木賞受賞、おめでとうございます」と、一言添えさせていただきたい。 | ||||
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知っている人は知っている、朱川湊人さんの短編集。 カテゴリー的にはホラー小説扱いされているのですが、この人の作品は怖さの中に、人間の哀愁を組み込んだ、懐かしいにおいのする怪談話といったほうがピンと来るような気がします。 特に今作は、人間の喜怒哀楽がつまった、とても気持ちの良くなる、怪談小話です。怖いながらも読後の安らぎ感は、なんともこそばゆい感覚。涙腺がちょっぴり熱くなる、怪談をここまで書ける人はそうはいないでしょう。 とくに舞台設定が昭和の中ごろなので、その当時の年代を知っている人には特におすすめ。ものすごく懐かしい香りのする、日本のファンタジー小説でしょう。 絶対、お勧めです!!! | ||||
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六編の話が入っていますが、そのどれもが甲乙つけがたいレベルの高さです。朱川さんって、ほんとに芸域広いですね。個人的には表題作の「花まんま」がベストだと思いますが、「妖精生物」のいかがわしさにも心惹かれます。読んで絶対に損のない一冊です。 | ||||
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テレビで紹介されているのを見て買いました。 ちょっと怖くなる話、不思議な話、ちょっぴり哀しい話など、話の玉手箱とでもいったような短篇集です。どの作品も、人が生きること、死ぬことをテーマにしているように思いました。早速周りの人にも読んでもらおうと思っているところです。 | ||||
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