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(短編集)

罪悪



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【この小説が収録されている参考書籍】
罪悪
罪悪 (創元推理文庫)

罪悪の評価: 4.11/5点 レビュー 37件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.11pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全37件 21~37 2/2ページ
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No.17:
(4pt)

暗き人間の業

もうすでに多くのレビューがあるので簡潔に。
前作「犯罪」と基本的には似た傾向の短編集ですが、より救いのない、暗澹たる話が多いです。ことに「性」にからんだ犯罪が目立つと思う。(初っ端の話からして、そうだ。)個人的には前作の方が読んでいてほっとしました。しかし、そこに人間の恐るべき業がリアルに描かれているという点で、本を措くあたわざるという類の書物です。
同じ著者の長編(すでにドイツでは出版)がどんな本か、興味深いです。
罪悪Amazon書評・レビュー:罪悪より
4488013449
No.16:
(5pt)

理不尽とも因果応報とも言わず唯黙って罪を犯した人々の運命を見守る文学掌編集。

処女作「犯罪」が大ベストセラーとなり数々の文学賞に輝いたドイツの刑事事件弁護士兼作家シーラッハが著した注目の第2短編集です。昨年の「犯罪」も今回の個々の短編に於いても読んで感じた点は、著者が結果の良し悪しとか理不尽とか因果応報とかは一切言わず唯黙って罪を犯した人々の運命を見守る姿勢です。この2冊が日本の翻訳小説には珍しく全く解説を付されていないのは私にはその事が関係しているのではないかと思えます。要は作品自体に全てを語らせて解釈は読者の感性に委ねるという著者の創作姿勢を編集者も尊重されているのでしょう。私は作風から見て著者はミステリー作家と言うよりも人間の暗い側面を描く純文学作家と呼べるだろうと思います。本書の各編も前作同様にシンプルで過度に複雑ではなく理解し易い掌編揃いで、きっと貴方もささやかな犯罪ドラマの主人公達に感情移入してその秘めた心情に思いを馳せられる事でしょう。
『ふるさと祭り』小さな町の夏祭りで8人のブラスバンド楽団員が酔った勢いで娘をレイプした事件の裁判で新米弁護士が味わった苦い感慨。『遺伝子』若い家出娘と男友達が老人の家に誘われ起きた犯罪が19年後に露見し再び新たな悲劇を生む。『イルミナティ』寄宿学校に入った12歳の少年が秘密結社イルミナティに属する3人の悪童達の犠牲になり女教師が偶然巻き込まれた凄惨な事件の顛末。『子どもたち』ある既婚の男が突然若い娘から虐待の告発を受け妻に離婚され3年間服役した後の更に5年後意外な真相が明らかになる。『解剖学』美しい娘に振られた怨みを晴らそうと企み残忍な殺意を抱いて待ち伏せをする男に一瞬で訪れる皮肉な運命。『間男』妻と関係を結んだ間男に襲い掛かった殺人未遂の夫の事件の裏側に隠された意外な事情。『アタッシュケース』高速道路の検問で偶然外国人の男の所持していたアタッシュケースの中に驚くべき犯罪の物証が見つかり大掛かりな犯罪組織の存在が浮上するのだが・・・・。『欲求』夫と子どもと共に満ち足りた生活を送っていた妻が不意に心身の不調に襲われ異常な行動に走る。『雪』麻薬密売の受け渡しに自宅を使わせていた老人が逮捕されるが彼は黒幕について黙秘し、やがて雪降る聖夜に黒幕の若者とその情婦と老人の運命が幸不幸にそれぞれ分かれるのだった。『鍵』ロシア人に麻薬取引のうまい話を持ち掛けられた男二人が途中でしくじりながらも何とか粘って悪党と警察を見事に出し抜く。『寂しさ』14歳の少女が父親の悪友に強姦され身ごもった果てに起きた不幸な事件の裁判での温情ある判決。『司法当局』足の不自由な憐れな四十男が似た名前のせいで喧嘩のトラブルの犯人と疑われて誤認逮捕された事件を弁護士が無罪に導く。怠慢な司法当局と現行制度への反省を促す著者の意図を感じます。『清算』結婚後に暴力を振るい次第にエスカレートする夫の行為に耐えかねて遂に殴殺した妻に裁判で下される異例の判決。『家族』努力して財を成した男が海外に住む常習犯罪者の異父弟に対し弁護士を雇って何度も助けて来たがすぐに凶悪な事件を起こす懲りない態度に遂に自明の決断を下す。『秘密』いかれた男の依頼を受けた弁護士の私がとうとう精神科医の所に連れて行った時に男が発した一瞬あ然とする言葉。男は恐らく多重人格者なのでしょうね。
著者はまだ48歳と若く今後の活躍がますます期待されますし、近刊の2011年に発表された初長編小説ではどんな持ち味を発揮されているのか非常に気になる所ですので、何れ紹介される日を楽しみに待ちたいと思います。
罪悪Amazon書評・レビュー:罪悪より
4488013449
No.15:
(4pt)

『犯罪』とともにおすすめ

薄い本ですが、読み応えありました。

『犯罪』を読んで、刑事事件の弁護士って面白い仕事だな、と思ったんですが、
『罪悪』では悲惨な事件が多くて、読むのがつらく感じるほどでした。

何年もこうした仕事をされながら、それをもとにこんな小説が書けるなんて
シーラッハさん、すごいです。
罪悪Amazon書評・レビュー:罪悪より
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No.14:
(5pt)

「犯罪」より秀逸

「犯罪」の各物語に「正義」や「贖罪」の具現化を見出した読者には、後味が悪いストーリーが多く不満が残るかもしれない。

 しかし、現実の犯罪には後味のいいものなどあるはずもなく、その意味でこの「罪悪」は犯罪の実相を見事にとらえた作品群と高く評価できる。

 再読に十分耐える秀作である。
罪悪Amazon書評・レビュー:罪悪より
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No.13:
(4pt)

むごい内容が多いのに…ページをめくる手を止められない。

昨年話題になった「犯罪」の作者による新作短編集。
そんな私、実は「犯罪」は未読。
したがってこの「罪悪」がこの作者の作品では初読となります。

奇妙な事件や猟奇的な犯罪の顛末が簡潔に描かれた実にシンプルな「物語」の数々。
しかし読後の心中に残るザラりとした澱にも似た微妙な感情。

悲惨だったり悪意に満ちたりする事件を描いた作品は今では国内外を問わず珍しくもありません。
しかしともすると猟奇的な事件・犯罪自体を克明に描くことにのみ力を注ぐ多くの作品群とは一線を画した本書の客観的な筆致には惹かれるモノが確かにありました。
逆にその冷徹な犯罪描写の行間から浮き上がる人の持つ残忍さやその行動の予測不能性への恐怖にもにた感情。

「小説」としては意外性に富んだお話も多く楽しめます。
がしかし、かなり奇矯な展開のお話もあるのですが「これやっぱり実際にあった話が元になってるんだろうなぁ」と納得させられるリアルさが信条です。
そこで効果を上げているのは、やはり「私」という刑事事件弁護士の視点が何らかの形で必ず盛り込まれている点。
もしこれが無ければ結局只の猟奇犯罪を描写するだけの物語で終わってしまう筈。
事件の顛末を社会(法律)の規範に照らし合わせて読者に提示する視点が盛り込まれているからこそ事の異常さや歪な状態に対する問題提起となっているのだと思います。
読者としてもその視点があるおかげで只の猟奇的な犯罪描写を楽しんでいるという罪悪感(?)を持たずに済むとも言えましょう。

そうは言っても勧善懲悪できれいに片付くようなお話はほとんど出てこない。
それが人の心の闇の深さや社会(あるいは法制度)の不完全さを露呈させているようでやはり作者の経験の重みが生かされていると思います。

クエンティン・タランティーノの映画を彷彿とさせる悪党たちのラプソディ「鍵」。
(魔が差した)男たちが引き起こした暴行事件の弁護を引き受けた若き弁護士の(喪失感)が後を引く「ふるさと祭り」。
人を作るのは血脈なのかそれとも環境なのかという古くて新しいテーマを突き付ける「家族」。
そのまま陰謀テーマで一本映画が出来そうな「アタッシュケース」。
どれも短編ではありますが切れ味の鋭いものから真綿で首を絞められる気分のものまでバラエティに富んだ内容。

前作「犯罪」との比較で辛めのご意見も多いようですが、私はその前作はまだ未読ですので「犯罪」を読むのが楽しみになりました。
しかしふと考えて見れば我々の周囲でも俄かには信じがたいような事件が連日のように報道されている現実が。
その意味で、あまりありがたくない話ではありますが本書の各編にも妙なリアリティを覚えます。
罪悪Amazon書評・レビュー:罪悪より
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No.12:
(4pt)

前作と比較すれば物足りさが目に付きました。

『犯罪』で人の深遠を端的に顕した簡潔な文体は、罪悪感でなく罪悪そのものを取り上げた本書でも同様に効果を上げたように見受けられます。
ですが出来得る限り情感を削ぐ事で、より明確に罪の輪郭を浮き上がらせはしても心情面での掘り下げ方に甘さが目立ってしまっていました。
またストーリーに意外性が足りず先の展開が簡単に読めてしまう所為で、後味の悪さを除けばこれといって心に残る話が少ないのも残念です。
ただ前作にはない趣向で、合間に挿しこまれた幾つかの小話がピリリと全体を引き締めており私のお気に入りです。
『犯罪』が優れた物だっただけにどうしてもハードルを上げて読んでしまったのですがこれはこれで面白い作品だと思いますし是非次回作にも期待しようと思っております。
罪悪Amazon書評・レビュー:罪悪より
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No.11:
(4pt)

期待通りかな?

「罪悪」に興味を持たれるということは、「犯罪」を読んだ方が多いと思います。
「犯罪」はインパクトが強烈で、一気に読みました。
それに比べると若干インパクトは薄いです。
でも、やはり面白いです。
各ストーリーも趣向を凝らして少し変わっています。
ただ、それが前作と比較すると若干変わったので評価がわかれるでしょうか。

僕は、2冊目としては、全く同じだと意味ないのでよいとは思います。
ただ、「犯罪」は、よくできてますw

気になるぐらいなら、ぜひ読んだ方がいいですよ。
オススメするぐらいに、おもしろいです。
罪悪Amazon書評・レビュー:罪悪より
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No.10:
(4pt)

前作より「私」が見え隠れする秀作

おそらくはドイツの弁護士である「私」が、自らが出会った事件をレポートするような形の連作短編集です。

前作「犯罪」と同じ形式の短編集です。
相変わらずクールな語り口はそのままに、淡々と事件を描画して行くスタイルです。

前作と比較すると、前作が「ある事件の内容」を中心に書いたレポートという印象だったのに対し、今作は「案件と私」というようなスタイルで、「私」が書いたことありきのエッセイのような味わいが強く残ります。
前作のような徹頭徹尾貫かれたクールさはややうすれ、いち弁護士が持っている連載コラムのような印象を受けました。

そのため、前作ほどの痺れるようなかっこよさというものは影を潜めてしまいますが、相変わらず面白いです。
1篇1篇もそれほど長くないので、空いている時間にのんびり少しずつ読み進めたい人にもお勧めです。
罪悪Amazon書評・レビュー:罪悪より
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No.9:
(3pt)

「犯罪」読んで引き続き読んでみました。

刑事事件専門のドイツの弁護士さんが現実の事件に材を得て書き上げた短編集。中には、へっ!っと思うほど短い話もあります。前作よりも後味は悪い感じがしました。読み進めていっても、どうしても最初の「ふるさとの祭り」に気持ちが戻ってしまい、被害者家族のその後も気になりますが、それよりも同じ町に住んでいる加害者家族のその後が気になりました。お話と思って読めば辛く無いけど、弁護士さんが現実の事件を元にと言われればどうしても気になってしまいます。個人的に好きなのは、「鍵」ドジな主人公と思いきや本当は狡猾な…(^^)
罪悪Amazon書評・レビュー:罪悪より
4488013449
No.8:
(3pt)

「犯罪」ほどのインパクトはない

かなり売れて評判になった「犯罪」に続く短編集です。

「犯罪」はとてもショッキングな内容で,短編でありながら展開が読めないストーリーと,何とも言えない読後感が残る結末が印象的な作品でした。
残念ながら「罪悪」は「犯罪」には及んでいないと思います。物語のラストの意外性,インパクトが正直弱い。ネタはいいんですけどね。
罪悪Amazon書評・レビュー:罪悪より
4488013449
No.7:
(3pt)

納得出来るレベルも、期待し過ぎた感もあります

私が好きな短編は、作者にとっての出発点となりし事件を扱いしかも『空気』の支配を見せる「ふるさと祭り」、科学の発達で起こった悲劇とは簡単に言えない「遺伝子」、偶然というか伝承というか事故というべきかいろいろなモノが入り混じった「イルミナティ」、悲劇としか言いようが無い本作品群の中で最も恐ろしい「子どもたち」、最も短くも鮮烈な印象を残したうえ奇妙な因果を考えさせられる「解剖学」、類い稀なることが起こり正義が負けることを描く「アタッシュケース」、トラブルが徐々にエスカレートする様「鍵」、短編映画になりそうな「清算」、個人的に最も好きな話しで読後感が深い「家族」、そしてオチである「秘密」です。

かなりのレベルの本だと思いますし、文体といい、リアリティといい、出来栄えは良いと思いますが、読者とは勝手なモノで、あの「犯罪」のシーラッハの新作、と言う期待からすると、失望を感じてしまうという部分あると思います。もちろん素晴らしい作品だと思いますが。もっと驚かせてくれ、と言ったのはディアギレフでしたが、そんな都合の良いことを考えてしまうくらい「犯罪」が凄かったです。

シーラッハの「犯罪」が面白かった方にオススメ致します。
罪悪Amazon書評・レビュー:罪悪より
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No.6:
(5pt)

「大人になること」の痛ましさを感じた作者に心が添った

ドイツの作家フェルディナント・フォン・シーラッハの『犯罪』に次ぐ第2短編集。現役弁護士である作者自身が取り扱った犯罪事件に材を得た、15の短編が収められています。

 抜群の面白さを持つ『犯罪』の姉妹編と聞けば手にしないわけにはいきません。『犯罪』の短編群がどちらかというと、やむにやまれぬ事情で犯罪に手を染めざるをえない主人公たちの痛ましさを描いていたのに比べれば、今回の『罪悪』に登場する人々はむしろ何の罪もないにもかかわらず凶悪な犯罪に巻き込まれてしまった無垢の人々のむごさを語っているものが多いように感じられます。

 物語を恬淡と描写しているようにみえる乾いた文章が、犯罪の無慈悲ぶりを鋭く浮き上がらせていて、日本語訳の素晴らしさにほれぼれします。口の中が不快に乾き、暗澹たる思いにかられるにもかかわらず、頁を繰る手を休めることができません。

 そして巻頭の「ふるさと祭り」は作者自身が残忍な犯罪者を弁護することで味わわざるをえない現実の苦さについて語った秀作です。その苦さを味わうことを作者は「私たちは大人になったのだ」と記しています。
 子どもだったころ、大人になるということは、立派で明るくて、生き生きとして可能性に満ちた世界に自身が近づくことだと思っていたはず。しかしそうした思いは子どもが抱く幻想でしかないと気づくことこそが、大人になることの意味なのだ。
 現実がもつ冷たい肌触りに、読み手の私も心震えたのです。
 この掌編を読んで味わった感触は、以前読んだ『あなたに不利な証拠として』(ローリー・リン ドラモンド/早川書房)を読んだときに得たものと大変良く似ています。

 作者のプロフィール紹介によれば、昨2011年に初の長編作品『Der Fall Collini』を上梓したとのことです。これまで二つの短編で生かされた著者の手腕が、長編ではどのように冴えわたっているのか。今から訳書が出るのが大変楽しみです。
罪悪Amazon書評・レビュー:罪悪より
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No.5:
(5pt)

やや淡白に

前作のインパクトが余りにも大きかった為か、続編になる今作には全体的に平坦な印象で、ちょっと物足りなさを感じた。
しかし、相変わらずの感情を排した淡々とした語り口には読み手の魂を燻られる。そこには著者の物言わぬ訴えや思いが潜んで
いるのではとすら思えてくる。今回は、前作の"エチオピアの男"に代表されるような感動を誘う話は少なめで、不可解であったり、後味の悪い編が多かった。
極めつけはラストの「秘密」。きっと、一様に首を傾げるに違いない。なかでも、「鍵」は異色を放っている。全編中最も長く、読み応えも十分。
あまりの意外な展開の連続に、「これ本当に実話なの?」と思ってしまうほど。ミステリと言うよりは、コメディタッチで新しかった。読後感については、
前作「犯罪」よりも若干淡白になったが、著者の独特の文体と、作品の虚無的な雰囲気がどこか気に入っているので、決して読んで損をしたとは思わない。
短篇集なので、手軽に読めるところもいい。
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4488013449
No.4:
(5pt)

またもや絶品の短篇集に仕上がっている

著者が弁護士として弁護を引受けた事件について描いた連作短篇のかたちをとっているところは、前作の『犯罪』と同様である。
15の短篇には、罪を犯した人間が必ずしも相応の罰を受けるわけではない不条理な事件がある一方、証拠を斟酌しない大岡裁きのような判決や、ほっと胸を撫で下ろす事件の結末もある。
比較的長いものも数ページのものもあり、バリエーションに富んでいて読み易い。
たとえば、最後の『秘密』はまるで落語のようなオチのある短い話。
無駄が省かれたストレートな文体で、登場人物の心理や事件の核心が淡々と語られ、ぐいぐいと引き込まれていく。
二匹目のどじょうを狙った本書は、またもや絶品の短篇集に仕上がっている。
罪悪Amazon書評・レビュー:罪悪より
4488013449
No.3:
(3pt)

小粒になった

前作を100点とすれば個人的には65点くらいの印象。

エピソードは多いが、5〜6ページしかない話も複数あり、前作ほど濃密な話が少ない。

最高のネタは一作目で出尽くしてしまったのか。

確かに、色々な話は面白いし、組織犯罪から個人の小さな犯罪まで幅広く取り上げられているので飽きることはない。

しかし、前作の様に読むのが止められないほどの中毒感はなかった。
罪悪Amazon書評・レビュー:罪悪より
4488013449
No.2:
(3pt)

前作のほうがインパクトが強かった

前作よりストーリーのバラエティーやインパクトの強さが弱くなっていると感じた。 短いストーリーの中に人生が凝縮されているような強烈なインパクトを与える作品が前作では多かったが、本作ではどちからというと淡々とストーリーが展開されている話が多い。 とはいえ、上質なエンターテインメントとしてのクオリティーはあるので、安心して楽しめます。
罪悪Amazon書評・レビュー:罪悪より
4488013449
No.1:
(4pt)

前作より凄惨を極める犯罪の数々

前作「犯罪」よりも、性的暴行やいじめなど、目を覆いたくなる凄惨な犯罪の多かったこの作品。
一話目から理不尽な犯罪の意外な結末で始まる。
読んでいると重く鬱々とした気分になり、本の暗部に沈み込んでいく感覚だが、
相変わらずの淡々とした独特のリズムを持つ、静かな語り口が雰囲気をやわらげている。

私たちは「どんな理由があろうと、罪を犯した者は裁かれるべき」という当然の理念を信じているが、
「本当にそれが正義だろうか」と作者が投げ掛けてくる。
作者はこの理念をあっさりと否定し、誰もが「こうなって欲しい」と願う結末を用意している。
やはり感情なくして人は裁けないものなのだ。

最終話「秘密」は、暗澹たるムードから一転、「イカレた男」と作者なやり取りが笑える、ユニークな作品。

「犯罪」が面白かった方なら、この作品もぜひ一読を。
罪悪Amazon書評・レビュー:罪悪より
4488013449

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