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図書館の神様
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図書館の神様の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全108件 21~40 2/6ページ
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『図書館の神様』(瀬尾まいこ著、ちくま文庫)は、飲み心地が爽やかなサイダーのような青春小説です。 「私」、早川清(きよ)は、地方の小さな私立大学卒業後、海の近くの鄙びた高校の教師(1年契約の講師)になりました。高校時代にバレーボールに熱中した経験から、バレーボール部の顧問を狙っていたのに、文芸部の顧問にされてしまいます。 「自分が生徒の頃には図書室なんてまったく寄りつかなかった。昼休みはいつも体育館で過ごしたし、読書感想文の宿題が出る夏休み前に本を借りる程度だった。なのに、どうして私が文芸部の顧問なのだ。担当教科が国語だから? だったら困る。別に国語が得意なわけじゃない。文学なんてまったく興味がない。小説どころか雑誌や漫画すら読まない。確かに私は文学部出身だ。でも、大学進学を間近に進路変更をした私は、日本人が日本語を勉強するという最も簡単そうな道を安易に選んだだけだ」。 「文芸部の部員はたった一名だった」。「(三年生の)垣内君は本当に川端康成の本を開き、読み始めた。本気で文学をやりたいと思う高校生がいることにも、川端康成を自ら進んで読む若者がいることにも度肝を抜かれる」。 清は、垣内との部活動を通じて、少しずつ文学の世界に親しみを感じていきます。そして、大学生時代から続いている不倫にピリオドを打ちます。 卒業式を控えた発表会で、文芸部代表として垣内が体育館の檀上に立ちます。「垣内君はみんなを見回しながら、堂々と語った。『文学を通せば、何年も前に生きてた人と同じものを見れるんだ。見ず知らずの女の人に恋することだってできる。自分の中のものを切り出してくることだってできる。とにかくそこにいながらにして、たいていのことができてしまう。のび太はタイムマシーンに乗って時代を超えて、どこでもドアで世界を回る。マゼランは船で、ライト兄弟は飛行機で新しい世界に飛んでいく。僕は本を開いてそれをする』。垣内君はそう言うと、いつもの顔に戻って、照れくさそうに『以上です』と頭を下げた。しばらくの沈黙の後で、拍手が響いた。垣内君は拍手にお辞儀で答えると、私に『どうだった?』って合図を送った。私はにっこり笑ってみせた」。 都立富士高時代に入部した文芸部は、男子生徒は私一人だけだったことを、懐かしく思い出しました。 | ||||
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高校時代の私は、おそらく早川先生レベルでしか文学作品を読んでいなかった。それでも高校で読んだ『こころ』に衝撃を受け、『雪国』の文章の美しさに心を打たれた。中学・高校とスポーツに明け暮れた私にとって、自分の心の反応がとても意外だった。あれ?早川先生と同じじゃないか。 大学でも体育会系の部活動(サークルではない)をやっていた私だったが本も読んだ。まずは川端康成を読もうと決めて『伊豆の踊子』を読み『山の音』を読み『古都』を読み『眠れる美女』読んだ。文学作品を高尚なものと思い込んで敬遠していたのがバカらしくなった。おもしろいじゃないか。このおじさん(川端)頭がいかれてる、とも思った。同じように自らの命を絶った芥川龍之介にも手を広げた。『羅生門』『藪の中』『地獄変』『河童』。やっぱりこのおじさん(芥川)もどうかしている。 文学にまったく興味のない、あまり人の来ない高校の図書館に毎日通う、文芸部顧問の早川先生。ただ一人だけの部員は3年生の垣内君。講師である早川先生は1年契約で3月までしかこの学校にいない。垣内君も3年生だから3月で卒業する。大学を出たばかりの若い女性教師と高校3年の男子。ところが二人の関係はロマンとはまるで縁がないまま終わる。ゆるゆると時間が過ぎて行く中で、二人の心の中には恋愛とはまったく違う結びつきが生まれる。そうした心の成長は、やはり文学作品がもたらしたと思うのだが。そう思えれば文学というものはとても楽しい。 | ||||
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舞台は、高校の図書室がメインである。図書館は、作品中、主人公の活動の舞台として一切出てこない。 そして、主人公は図書室での「文芸部」のやりとりをとおして先生になることを決意する。つまり、学校の施設の一部である図書室での出来事が、人生の進路を決めたことになっている。 図書室なら、学校の一部だと想像ができ、先生になるならないと関係性がわいてくる。図書館は当然、それ単体で、存在する建物で、そこから主人公の人生の過去、未来は想像できない。 一体、なぜ、図書室の神様でなく、図書館の神様というタイトルにしたのか、全く、理解できない、それだけが読んでいて、常につきまとう疑問だった。 内容は、不倫小説で、面白かった。 | ||||
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男子校に赴任することになった女性教師なんかほっとさせられる日常 女性教師の弟君が、男子校に赴任するにあたって、官能小説的な展開になるぞと姉を心配する所、なんか笑えた。 | ||||
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かなり地味な小説なのだと思う。だが、称えるに値する一冊であることに疑いは無い。 心に傷を負った女性。彼女は赴任先の高校で文芸部の顧問となる。そこで出会うのは文学好きの少年。 他愛ない会話と淡々と流れていく日常。何か大きな事件が起こるわけでもなく、物語は静かに紡がれていく。 その日常は少しずつ彼女を癒し、少年との不思議な絆を紡いでいく。 やがて訪れる別れの季節。新たなる希望を胸に2人は別の道を歩んでいく。 ささやかな日常が、実は尊いもので溢れている。二度と訪れることの無いその瞬間を大事に生きていく。爽やかな読後感とともにそんな温かい気持ちにさせてくれる。まさに称えるに値する物語だった。 | ||||
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いやぁ、ちくま文庫にはちょくちょく良品がありますね。爽快感溢れる本作もそんな一冊。 文学なんて性に合わないバレーの世界で生きてきたスポーツ少女が大人になって、偶然の積みかさねの結果、高校の国語の先生になってしまいます。そこで文芸部顧問になり、ただひとりの部員である男子高校生・垣内君と交流するうちに言葉の力に気付いていくというストーリーです。たとえば垣内君に書かせた詩を読んで「知っている人の紡ぐ言葉は、こんなにも心を打つのかと驚いた」りします。 ただそれだけの話なんですけど、妙に共感できる人生の真実がちりばめられているような気がします。主人公は妻のある男性と不倫関係にあるのですが、その男性はこんなことを主人公に話します。 「子どもの頃は何だってできるって思えて、何だって大好きになれたけど、そのうち、自分の特性みたいなのが見えてきて、飛行機になんて乗れないことがわかってしまう。そうなると、ギターとかケーキとか自分で動かせる範囲のものを好むようになっちゃうんだよな。そうして、好きなものもできることもどんどん削られていくんだ」 また、垣内君はこんなことを主人公に言います。 「面白くなろう、楽しくしよう。そう思ってるんだけど、そう思えば思うほど、僕はだんだんつまらない人になってしまう。難しいですね」 年齢を重ねて、世間の常識を身に付けてしまう。だんだんと大人になっていく。そうするうちに、いつのまにか自分で自分の世界に制限をかけてしまう。気付いたときにはつまらない大人になってしまうんです。でもそうなっちゃいけない、というのが本書が伝えたいことのひとつなんじゃないかな。主人公の弟は「水清ければ魚棲まず」「正しいことが全てじゃないし、姉ちゃんが正しいって思うことが、いつも世の中の正しさと一致するわけでもない」と言って、そこに助け船を出してくれます。なるほどなと唸らされると同時に、自分の人生を振り返ってしまいました。 | ||||
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起承転結のようなストーリー性はないに等しいので先が気になることもなく、のんびり字面を眺めながら数日かけて読了。やはりこの作家さん好き。主人公の性格があまりよろしくないのがリアルで、逆に可愛く思えた。文芸部の男子生徒も何とも言えず魅力的だった。 | ||||
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心がスーーーっとする。読み終わった後そんな感覚に襲われます。なんだか爽やかな風が自分の中に吹き込んでくるようです。 青春時代を思い出させてくれるような、いや実際こんな爽やかな青春を自分は送っていないな〜と思いながら読んでいました。しかし読むにつれて段々と、自分では気づいてないだけで私も高校生のとき実はこんな青春があったのかもしれないと気づかされた気もします。 なにも大きなことは起こらないけれど、1つ1つの言葉を大事に見ていくと、ずっしりとだけど軽やかに頭に残ります。よく考えてみたら、自分の人生そんな大きなことは起こりません。だからこそこういった話がスーーーっと染み渡るのかなと思いました。 | ||||
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嫌いな小説だった。 とにかく主人公とストーリーが気持ち悪い。 心も体もだらしのない女(主人公)が、自身のヒステリーを肯定する一人語りを延々続けるだけで、一冊終わってしまった。 この主人公は、現実にいたら仕事中に職場のパソコンからヤフー知恵袋の浮気トピックに連投してそう。 あと、いきなり「ぶっ殺す」とかも言わないで欲しい。ただ唐突なだけで、おどろきもしない。かっこよくもない。 | ||||
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淡々と話が進んでいく中で気が付くと主人公の態度や感情が変わっていた。最後の短編もそんな感じでした。ちょっと物足りなさを感じましたが・・・おもしろかったです。 | ||||
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結構、eye-openerでした。 盛り上げる必要があるからか表面は盛り上がってますが、不倫って本番の恋愛前の予行演習だったんですね。 で、男の子がずっと一緒にいられる女の子とくっつくためには、知り合ってからの展開を本でも読んで頭の中だけでもシュミレートしておき、3年計画でアプローチ。 相手は本番の恋愛未経験の女の子で(不倫は可)、できれば、似たような背景・経験があればより強固にくっつきそうです。 まあ、このストーリーどおりに運ぶかどうかわかりませんが、なかなか参考になります。 | ||||
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図書館の神様は叔母にもらって読んだ本なのですが、それまでは私自身小説なんてずっと読んでいませんでした。 この本を手に取って読んでみたところ、本嫌いなわたしでもサクサク読み進められました。 寝る前の時間や暇な時に読んでいたのですが3日ほどで読み終えました。 この本のいいところは夏目漱石や石川啄木、三島由紀夫などの有名な作家さんに興味を持てるところでしょうか。 私は文学史に興味がなかったのですが、一度夏目漱石のこころを読んでみたくなりました。 そこから本も好きになれるんじゃないかなと期待しています。 | ||||
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なんとも心地よい読後感。 瀬尾ワールドは、いつも元気をくれます。 | ||||
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とにかく爽やかでした。ページ数が少ないのもあって1時間ほどで一気に読んでしまいまた。 垣内くんはとても素敵だ 清と垣内くんの掛け合いに、ニヤニヤしました 「これって、青春?」 「どうやらそのようですね」 が何故か1番のお気に入りです | ||||
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読後感がいい。爽やかな気分になりました。作者の作品をもっと読んでみたいです! | ||||
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女性作家が描く、青春小説。文章が読みやすく、親しみが持てるが、男の自分には共感できる部分が少ない。 | ||||
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久しぶりに、泣ける小説でした。 でも、読み終わって、ホッコリできる、とってもいい本です。 娘たちにも、読ませたい! | ||||
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特に大きな事件もなく、さらっと物語が終わってしまって、あれ?という感じだった。 それでもさわやかなストーリーはあっという間に読み終え、読後感も良かった。 この方の本は全編に優しい空気が流れているようで好きだ。 | ||||
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瀬尾さんワールドは安心して読めるけど、 やはりこれも素晴らしかった。 中学生から大人まで多くの人に読んで欲しいです。 | ||||
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主人公の成長が、二人の男性との関係を軸に上手く描かれていると思います。 | ||||
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