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図書館の神様
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図書館の神様の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全108件 81~100 5/6ページ
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放課後の図書館で先生と生徒一人づつの小さな文芸部をベースにして物語は進んでいく。高校の講師である「私」と文芸部たったひとりの部員「垣内くん」この二人の関わりが次第に心通じていく様が心地よかった。全体にさらさらと読めたので、読後はさわやかだった。「私」の不倫相手である浅見さんや、弟の拓実もそれぞれに魅力的だったし、重すぎもしないので読んで良かった作品かな。 | ||||
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心が半身浴のようにじんわり温められるような作品です。順番は逆ですが、ひとつ前に読んだこの作者の「幸福な食卓」にも傷ついた心の再生のドラマが描かれていましたが、この作品のほうが、両親との絡みがない分、より笑えて、元気をもらえるような気がします。軽いブンガク入門にもなっていて、「さぶ」を読み返したり、読んだことのない「夢十夜」や川端康成を読んでみようかとも思いました。 | ||||
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図書館に神様は本当にいるのかもしれない。 この本を読み終わったときふとそう思った。誰しもが何らかの傷を負って、日常を生きている。 その傷がなんであれ、生きていくのが辛いと思うときは必ずあると思う。 そんな気持ちのときは特に本書を読むことをお勧めする。文学、本、思考、 それらの様々なものを通じて私たちは言葉の中で生きている。 その言葉の渦に呑みこまれそうになったとき、 防波堤となってくれるのはやはり中身の詰まった言葉しかない。 だからみずみずしい文章で書かれた本書は、勧めるに値する本である。 読後感は爽やかな風と生への静かな渇望、何より本の素晴らしさを感じることができると思う。 | ||||
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この本を読んで、ひさびさにのほほんとした気分になりました。 主人公の清(キヨ)と、垣内君とのやり取りがとっても自然に描かれています。 清の考え方が変わっていくさまと、垣内君のはなつ表現力ある 言葉が印象に強く残っています。普通の生活を、あまりに自然に描いているため そこに人がいるような感覚におちいります。 学校の状況をこれだけ詳しく書けるのはすごいと思ったら、 著者は教師だったんですね。納得です。また、清の考えを追っていくうちに主人公になったような 暗い気持ちや、楽しい気持ちを体験できました。 昔から成長した清の考え方、とってもよかった。こういった気持ちは誰しも、ちょっとはあると思う。 その気持ちに気づかせてくれた。 がんばりすぎて、疲れた時は気持ちをリラックスして 気楽な気持ちで読めるこういう本がいいですね。 | ||||
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どんな人にも、心の中には悩みがあるし、傷もある。それを癒やしてくれるのは、時の流れと、人の思いやり。清の心を癒やしてくれたのは、図書室でいつも一緒だった垣内君。それに弟の拓実と不倫相手の浅見さん。 特別なことをしたわけではない。何気ない日常の思いやりが、心を癒やしていくのだ。その過程がとてもよく描かれていた。 本の整理を終えた後の清と垣内君のハイタッチ、そして山本さんのお母さんからの手紙のところではじんときた。清はきっと、人の心の痛みが分かる、思いやりのある先生になるだろう。 | ||||
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とても文章は平易でわかりやすく、難しい表現や抽象的な文句もあまり出てこないけれど、瀬尾さんの文章には行間にぎゅっと旨みが詰まっているんです。会話だけで進む場面でもちゃんと間があるんです。作者本人を近くに感じられる作品。作品を読むのがちょっととお思いの方は瀬尾さんの初期の作品たぶん「卵の緒」の後ろに書かれた見開き1ページのあとがきを読まれることをオススメします。その内容にぐっときた方は完璧な瀬尾ファンです。 | ||||
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清く、正しく生きてきたひとりの少女・清(きよ)が、思いがけず、同級生の自殺という、悲劇的な出来事の当事者になってしまう。大好きだったバレーボールをやめることになった彼女の生きる道。 淡々とした文体と、主人公の生き方に、この本の魅力がある。彼女の回りにいて、彼女を支える人たち(弟・教え子・恋人・同僚など)との関わりが、とてもいい感じの距離をもって語られていく。出発点が負の要素をもって始まっているのに、とても気持ちよく読めるのは、文章がからっと乾いているせいだろうか。 | ||||
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う~ん。面白かった。一見、あまり読んできてない種類の本。。という感じなのだが、ふと手にとって、読みかけてみると、意外に文章が乾いていて、読みやすかった。主人公 清(きよ)が清く正しく生きていた頃に起きた、部活の同級生の自殺が、彼女の生きる道に影を落とすところまでを読んでみてから、借りてきて、夜、一息に読んでしまった。久しぶりのヒットである。中学の講師になって、どこか引きながら生きているように見える清。 清が好きになった相手には結婚相手がいる。彼女の回りの、人たち(恋人、弟、彼女が顧問の文芸部のただひとりの部員の男の子、同世代の同僚教師・・など。)との関係や、やりとりが、適当な(いい感じの)距離で、語られていて、読んでいて、気持ちよかった。人が、抱えてしまった、負の要素をもつ出来事をきちんと乗り越えるためには、時間がかかる。生きていくことは、そんなに劇的でもなければ、そんなに悲劇的でもない。 でも、寄り添う人が必要なのだ。寄り添う人との間に流れる汗や時間は、けして、非凡ではないし、親しい人たちの書いた文章には、感動するものだということを教えてもらった。それは充分に劇的だ。文芸部っていうものが、存在価値のあるものだと、あまり、人は思わないけど、文芸部ってものも、朝練してもいいんだという可能性を教えてもらった。。実にいい感じだ。なんのことかわからないような感想を書いているけど、これは読んでみてもいい、面白い本だった。私も、朝練と称して、図書室の本の整理をしにきてくれる男の子が欲しいなあ。あっ、これは、もちろん、脱線しての感想です。(笑) | ||||
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文章が乾いていて、とても読みやすい。 主人公・清(きよ)の生き方が好き。 清く正しく生きることだけが、正解じゃない。 負の要素をもつ出来事を乗り越えるためには、時間がかかる。そして、寄り添う人が絶対に必要なのだということも。 文芸部顧問という立場を与えられて、人々との関わりの中で、ゆっくり、じんわり、ひたひたと、ココロは癒されていく。熱く語ることではなく、クールに距離を置いた語り方が、気持ちよく、一気に読んでしまった。久々のヒット! | ||||
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淡々と続く軽くて一気に読める(読んでしまった)題名がなんで『図書館の神様』なのかさっぱりわからない (図書館も神様も出てこないので。ファンの方すいません)主人公の雰囲気や垣内くんとのやりとりにふふふと笑えるこういうのがTVドラマになりやすいのかな、と思う。自分的には可もなく不可もなくなので★三つです。 | ||||
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落ち込んでいるとき、頑張らなきゃいけないとき、 「頑張れ!」といわれるのはどうしようもなく重荷だったりしませんか? 頑張らなきゃいけないのは自分がいちばんよくわかっている。 けど、心も体もついてこない。 どうしようもない自分を持て余しながら、ただ時を過ごすしか術が見つからない日々。この物語のヒロイン・清もそんな日々を過ごしています。 過去に心に傷を負い、特になりたいわけでもないけどなんとなく高校の教師になった清。 部員が一人しかいない文芸部の顧問を押し付けられて、 不倫の恋もうまくいかなくなってきている清の心を溶かしていったのは、 なんとそのたった一人の部員・垣内君。 教師と生徒というよりは、対等な大人同士のような二人。 垣内君が教えてくれた「文学のすばらしさ」。 垣内君と清と通して、著者は文学の持つ力を思いっきり力説している。 小説ではあるけれど、瀬尾まいこ流の≪文学のススメ≫ともいえる内容。文学や人との出会い。 どんな出会いでも成長のチャンス。そしてまた、傷つくことも同じくチャンス。 そしてみんな大きくなっていくんだから。それを優しく教えてくれる本。 | ||||
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なんとなく教師になった主人公。 国語の教師だというだけで、文芸部担当となる。 部員は元サッカー選手の生徒一人。どうみても教師と生徒ではなく、対等な、時には生徒のほうが大人びているのだが、二人で部の活動として朝練と称して、図書館整理をすることに・・・主人公は自分の学生時代のトラウマや、恋人との関係で悩み?を抱えている。いったいどうしたらいいのか。自分は何をしたいのか。図書館というのは学校の中でも特異な場所だ。 そこが仕事場である私には、臨場感溢れる?内容でもあった。人は何かしらを抱えている。 あなたはこの本をどう解釈するのでしょうか。 | ||||
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清は海の見える高校の国語講師。 部員1人のマイナーな文化部の顧問になるが体育館のバレーボールの音が気になる元バレー部員。 高校時代にチームメイトが清の言葉に押されるように自殺してしまい それ以来自分の意思ではないように流されるような生き方をしてきた。 故郷を逃げるように他県の大学に進学し やはり故郷とは離れた場所で勤め始めた。淡々と語るヒロインの孤独と やりきれなさに胸が苦しくなると共に 図書館を舞台にたった一人の部員「運動神経抜群の垣内君」との 些細な出来事の繰り返しで 本来の自分に近い気持ちに戻っていく姿がなんとも小気味いい。 投げやりになったり 努力したり 心が揺れるのもとても親近感のわく感じで 「きっと幸せになれる!」って最後に思える そんな作品です。 | ||||
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清の傷ついた心が、蘇っていくようすが、こちらの気持ちまで解きほぐしていく、そんな物語です。清の過去には、何もかもを振り捨てなければならなくなった出来事がありました。目的のためには己を律して努力し、達成する。本来なら褒められて然るべきことが、山本さんのことに関しては暗転して、清という人間の全てを切り捨てる周囲の目がありました。誰も知り合いのいない土地での大学生活でも、心は回復しないまま。愛した人は、清の本質に近い性格の持ち主でしたが、“不倫”という道に踏み込まざるを得ませんでした。恋愛は清を、蘇生させることはできなかったのです。瀬尾さんは、この清の恋愛を、孤独な一人の女性の姿を浮かび上がらせる要素として、うまく使っていると思いました。清を、素のままの心、恋に囚われていない状態の心に戻したからこそ、ラストにかけての垣内君との、気持ちの交流が活きてくるのだと思います。垣内君、いいですね。老成した大人のように落ちついて、ちゃんと清を見ていて。先生と生徒が一人ずつの文芸部の“活動”も、ユニークで真面目で、それがちっともダサイ感じがしませんでした。文芸部最後の日に、清と垣内君が二人で、校庭を走りまくるシーンは、(ここは『卵の緒』の「7’s blood」の中で、七生が七子にパジャマのままで今すぐ旅行に行こう!と言って、二人闇雲に夜の町を歩きまくるところを、思い出させます。)清の心の浄化作用が進んだのがわかるシーンでもあります。そして、清を一気に覚醒させ、前を向かせ、決意をさせるのが、垣内君の文芸部の発表の場面でした。清が自分のすることは一つしかないと確認し、再び自分の外の世界に触れてみようと思うところは、とてもいい。ラストシーンは、清を支え続けたもう一人の重要な人・弟の拓実と見る美しい海辺の夕暮れの光。開かれて行くであろう清の心に射す光のようでもありました。 | ||||
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名前のエピソードなどから徐々に展開される22歳の主人公の今は、少し影を帯びている。目標達成型人間だった自分を見直さざるをえなくなり、幼い頃から描いていた人生の方向性を失ってしまった。深刻にではないけれど、進むべき道や自分にとっての幸せとは何か?について思い悩んでいる。そして、3人の異性と交流するうちに、その悩みが緩やかに解けていく。はやりの「自分探し」「自分らしく生きる」「がんばる」とかいうことじゃない。無理に能動的でなく、人との関わりによって自然に癒され再生されていく。目立つ山場はないけれど、読む人に誠実なエンディングが用意されている。前作に続いて、安心してゆったりと読むことができる。そこが瀬尾さんの作品の美点だと私は思う。 | ||||
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過去の過ちを引きずり、不倫相手との恋愛に悩む1人の女性が、文学との出会いをキッカケに、前向きに人生を歩み始める過程がとても爽やかに描かれています。舞台は、海にほど近い田舎の高校。筆者が中学教師ということもあってか、生徒のセリフや表現に躍動感があり、全体的に若々しく仕上がっています。内容自体は静かで抑揚がない、淡々としたものなのですが、その間を埋める表現がとてもキレイ。氷が溶けて美しい緑色に変化する緑茶、不倫相手が作る甘くて優しい味のケーキ、陽射しをたたえ光を放つ海。五感を心地よく刺激してくれます。読み終えた後、潮風が吹きぬけるような爽快感を誰もが感じることでしょう。 | ||||
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登場人物のキャラクターがそれぞれすごくいい。それぞれがとてもかわいく思えてきます。すごく読みやすく、読んだあとは軽い気持ちになれました。 | ||||
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結構薄めの本でさらりと読めてしまうんですが、すごく面白かったです! キャラクターがほのぼのと優しくて嬉しくなるし、大人びた垣内君とのやり取りには、必ず「ふふふ。」と笑わされます。自分としては頑張って、真面目に、一生懸命、誠実に、取り組んだつもりでも、それだけじゃいけない時もあるんだよねぇ。で、身動きが取れなくなっちゃったりしてさー。あぁー分かるなぁ。とじーんとくるところもありました。あまり本を読まない主人公が文学になじんでいく過程も描かれているので、本の楽しみ方が分からない人などはすごく参考になるんじゃないかなぁと思います。 | ||||
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男子生徒ひとりと顧問の教師がひとり。 そんな文芸部の活動は、案外動的だ。 バレー一筋で、漫画しか読まなかった主人公が、文学のおもしろさにはまっていくところがいい。 しかも彼女なりの個性的な「はまり方」が。軽く読みやすい文章だったので、一気に読んでしまいました。 ほんわかとした瀬尾世界は、なかなか心地いい。 | ||||
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「何にでも一生懸命」が持論だった清(きよ)が、仕事も恋愛も中途半端になってしまった原因は、高校最後のバレーボールの試合後に起きた。それ以来、一生懸命になると周りが見えなくなることに恐怖を抱く清だが、ふとした思いつきで高校で講師として働くようになって。。。設定としてはものすごく暗い話になりそうなのに、寂しさや心細さ、心の痛みも淡々と書きつづられています。でもその分、清の受けた傷がいつまでも発散されないで胸の奥につかえたままなのがわかる。今のままじゃだめだってわかってても、断ち切れない恋人への思いや過去のしがらみ。居心地のいい場所を失う怖さ。そんな清の心が、脇を固める濃いキャラに見守られて、規則正しい健康な暦の中で、ほぐされ開かれていく。ほんのすこしのきっかけで、見えなかったことが急に見えてくる。それだから人生おもしろいんですよね。 | ||||
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