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図書館の神様
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図書館の神様の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全108件 61~80 4/6ページ
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余分なものがなく、今まで出会ったことがないような、とにかく爽やかな小説です。 主人公は、高校時代に打ち込んでいたバレー・ボールで、自分の一言から自殺者を出し、そこから離れる道を選んだが、何がしたいか解らないまま高校の講師になった清が主人公です。 そんな清が高校で出会ったのは、いやいや顧問をやるはめになった文芸部の垣内君です。 この二人のつかず離れずの絶妙の関係が素晴らしく、読んでいる者の心まで清々しい気持ちにしてくれます。 当然、傷ついていた清の心も洗われてゆき、やがて本格的に先生への道に進むことになります。 実はこの垣内君も中学の時のサッカー部の時代に、同様の傷を負って文芸部に来たのですが、二人の会話はそうした具体的な互いの「傷」の話にはゆきません。 それでも、川端康成や山本周五郎などの文学を読んだり、詩を作ったり、走ったり、サイダーを飲んだりといった、とりとめのない行為のなかから、二人のいいなあと思える関係は生まれてきます。 この二人の感情に流されず互いに思いやるそっけない言葉。 これが実に素晴らしい。 この感覚が、この本の読後感を素晴らしいものにしているのでしょう。 同時に収録されている「雲行き」も、なかなか楽しい短編です。 | ||||
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ぐずぐずした心の時に読むと、いい処方箋になると思います。 | ||||
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誰だって人生につまづく事はある。 そんな挫折から抜け出せないままに、海辺の高校に勤め始めた清(きよ)。 そして、たった一人の部員の文芸部の顧問になってしまう。 じぶんが何をしたいのか分からないままに、 部員の垣内君と会話したり、質問することによって、だんだんと何かが変わり始めるのだ。 ありきたりの実らぬ恋。 風変わりな部員。 やさしい弟。 いつのまにか教師になってゆく。 教師って熱血でなくてもいいんだ。 聖職なんておこがましい。 生徒と知り合い、対等にコミュニケーションし、短いある期間を時間を共有する事で素晴らしい人生にするために存在する。 それが教師だ。 ポケットに入れて、旅行や散策の合間に読んで欲しい本です。 | ||||
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バレー部の顧問になりたいというだけで 高校の国語の講師になったのに、 任された部活はまさかの文芸部…!!(しかも部員は1人) はじまりからしておもしろい! 本を読むのが大好きな人も、文学の何がおもしろいの?という人にも 是非読んでもらいたい一冊。 見た目は明らかに体育会系、唯一の文芸部員垣内君と これまでバレー命!できたのでなかなか文芸部が理解できない清。 二人の会話がすごくいい。 さばさばとした、時に素っ頓狂な清の発言に対して 実に的確で淡々としているのに優しさのある垣内君の返し。 本当にすごくいい。 山本幸久さんの解説にも、とても共感。 私も垣内君の意見に激しく賛同します。 文学はすごくおもしろい。 これからも文学を勝手にたのしくやっていきます。 | ||||
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「明日から朝練しようよ」 心に傷を持つ体育会系講師、清が文芸部の顧問となり、ただひとりの部員・垣内君との部活動を通じ、過去を克服していくお話。 まっすぐに、公明正大に、生きることが、唯一の正解なのか。そんな生き方を否定されたときに、逃げるのではなく、新しい世界に触れ、受け入れることで見えてくるものがある。そんなことに気づかせてくれる。 また、文系学生がぬぐい去り難く持っている、体育会系学生に対する言いようのない劣等感を払拭してくれる点もポイントが高い。 「文芸部は何一つ同じことをしていない。僕は毎日違う言葉をはぐくんでいる」。 なんとかっこいいセリフでしょう!スポーツだけが青春じゃないですよね。 | ||||
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この本との出会いは五年前、高校の図書室で…幼い頃から読書好きな私が部活動やら勉強やらで教科書や楽譜以外には目もくれなかった、そんな時に新しく赴任された司書さんに勧められて読みました。読み終わった後の清々しさは何年たっても変わりません☆ 本をきっかけに司書さんと仲良くなり大幅な図書室改革を手伝ったり貴重な体験もでき、思い出深い一冊!贔屓目に☆5つです! | ||||
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初エッセイ『見えない誰かと』の中で、 “今作のモデルはこのときの高校生”との一文に興味をそそられ手にしました。 エッセイで、 モデルとなった高校生の話を知っていたため、 より一層、作品の世界に浸ることができました。 実体験に基づいているからでしょう。 登場人物も魅力的な息吹が吹き込まれて、とても自然。 瀬尾さん、お得意の ノーマルな文章を続けていたと思ったら、 音楽の転調みたいに、突然ニュアンスを変える。 そこでドキッとしたり、クスッと笑ったり、眼が離せなくなってしまう。 「雑草の詩」 「一人の大きな愛もいいけど、たくさんのささいな気持ちも悪くない」 これまで読んだ 『幸福な食卓』『天国にはまだ遠く』同様に 最後は爽やかなハッピーエンドで終わる展開も大好き。 今作は、迂闊にも電車内で眼を潤ませてしまいました。 今作だけでも十分、世界を味わえますが、 できることならエッセイ『見えない誰かと』をお読みに なってから、通読されることを、お奨めします。 | ||||
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たった一人しかいない文芸部だが、清と垣内のやりとりはコミカルでおもしろかった。文芸部では運動部と違って同じことをしている日は1日もないと言い切ることや、朝練で図書室の本を整理したりと文芸部を盛り上げるための発想もよかった。また、曲がったことが大嫌いな清に対して柔軟な発想をもつ垣内くんとのやり取りが印象的だった。特に頭痛もちの理由として自分の正しさを相手に押し付ける図々しさの話はもっともだと思った。作品中に実際の本もいくつか紹介されておりタメになる話も多く、山本周五郎の「さぶ」は機会があったら読んでみようと思う。 | ||||
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瀬尾さんの作品の登場人物は多才で羨ましいと思う。 非凡な才能の中にある楽しみかた、その世界を巧妙にでも読みやすく描いていると思います。 だから親近感も湧くし、素直にいいなと思わされるんだろうな。 | ||||
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瀬尾さんの言葉遣いは、とっても好きです。 あんまり大きな声ではなく、ていねいに話している口調で、柔らかくしみいる感じがします。 「図書館の神様」は、主人公のキヨが気の乗らないまま文芸部の顧問を引き受けて、 たった一人の垣内くんという部員と向き合う1年が書かれています。 瀬尾さんが教師をしているという話を別の本で読んだ後だったので、 「教えている生徒によって自分も癒されて、また成長させてもらえる」 っていう経験がおありなのかなと思いました。 この話の中では一言も書かれていないけれど、きっと垣内くんはキヨ先生が好きだったんだろうな。 キヨの弟が、あんまり言葉を交わしていなくても姉のことをとても理解してくれていて、それが 「姉ちゃん、悪くないのに」 という一言によく現れていると思いました。 また、自分の一言が原因で自殺してしまった同級生のご両親様からキヨに宛てられた手紙が とっても印象的。 相手を責めて生きたくなるものなのに、キヨの心遣いに感謝しながらも、彼女をそっと未来に押し出すようで、 温かさがいっぱい詰まった手紙でした。 | ||||
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瀬尾まいこの作品は「卵の緒」に続いて2作品目です。 少々センチメンタルな内容ですが、でも大人の心をキュッとつかみます。 高校時代にバレーボールのチームメイトの自殺の原因を作ってしまった主人公の女性。 その心のとげを抱えたまま大人になり、非常勤の教師になります。 恋人、生徒、弟とのちょっと不器用な人間関係がちょっと切なくてやさしい物語です。 本当ならどろどろになりそうな不倫の恋もなんとなくほんのり悲しいやさしい恋です。 そんなのある訳無いじゃんといわないように。小説だから。 身内に教師を持つ身としては「おいおい、そんないいかげんな気持ちで教師になるな」といいたくなりますが、まあ、それは人それぞれだし、小説だしね。 読後感もさわやかでお勧めの一冊。 | ||||
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他のものがどうでもよくなるものがあるということは、幸せなことだ。 水清ければ魚棲まず きっぱりさっぱりさせるのは楽じゃん。そうしていれば正しいって思えるし。実際間違いを起こさない。 だけどさ、正しいことが全てじゃないし、姉ちゃんが正しいって思うことが、いつも世の中の正しさと一致するわけでもないからね。 『黙るべきときを知る人は、同時に言うべきときを知っている』 なるほどなあ〜〜と思った作品中の文章です。 | ||||
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清く正しく生きていたバレー部のキャプテン清は、部員の山本が自殺しその責任が自分にあるかもしれないという負い目を抱えて、大学は地方都市へ。卒業後は高校の講師として、海の見える町で暮らしている。 文芸部顧問として放課後は図書室でたった一人の部員垣内くんと過ごす。週に何度か不倫相手の浅見さんと過ごす。別れることになっても修羅場はない。弟の拓実も優しい気遣いで姉の元を訪れる。教師採用試験にも合格。教師として実家のある町に帰ることになると、山本の母から、清が毎月欠かさず墓参りに行っていたことへの労りのような手紙がとどく。どの登場人物も物わかりがいいというか、傷つけ合わず適度な距離をもって物語は淡々と語られていく。 清はほんとうにまじめに生きているのだとは強く思ったけれど。 物語の中だけでもこんな風に人生動いていって欲しいってことなんだろうか。図書館の神様ってどういう意味か、考え込んでしまった。 | ||||
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一度心に深手を負った主人公が弟である拓実、文学クラブの生徒である垣内君との心の交流を通して、まわりの人の気持ちをしっかりと受け止め、かつ自分自身の夢を持ちそれに向けて努力できる人間に再生していく物語。心が洗われます。 | ||||
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私が悲しいとき、寂しいとき、困ったとき、彼の一言や抱擁がほしかった。それだけで元気が充電できるのに、彼は近くにおらず、私は独りだった。 そんな不在を抱えている今の自分と、図書室の本を制覇せんとばかりに片っ端から読み漁っていた子どもの頃の自分と、両方がこの本の中で出会っているようなくすぐったい感じがした。 本を開くだけで、時間を超えて、空間を越えて、さまざまな人になり、人と交わる。 世界を味わい、感情を揺らされ、問題に晒され、思考に挑み、また自分自身へと還っていく。 同じ本について、人と話し合うのも、たまらなく素晴らしい。趣味の合う読書友達は貴重だ。 心に元気を補充したいとき、こんな本に出会えることが嬉しい。これも神様の仕業かも。 | ||||
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瀬尾作品で初めて読んだ本、この本に出合えて良かった心から思えた一冊。心に傷を持つ高校の国語講師となったキヨは、たった一人の文芸部の垣内君と顧問として接していくうちに、自分の持つ正しさだけが全てではないと気付き成長して行く過程が丁寧に瑞々しく描かれている。垣内君とのやり取りが軽快で楽しく、キヨが成長の過程で文学の面白さにも気付くのがこの作品の面白いところ。この作品を読み終えると他にも 沢山の作品に触れてみたくなるのだ。この作品は文学への窓口の様な作品だと思う。とても素敵な一冊、読んで損はない。 | ||||
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『幸福な食卓』も大好きですが、 主人公の年齢がこちらの方が自分と近いので グッとくる部分が多いかも。 瀬尾さんの作品は、人との距離が微妙なんだけど こんな感じあるよね、というところが好きです。 垣内くんがたまに発言する「はぐくんでいる」が 妙に心に残り、この作品の裏テーマかなぁ〜 とも思いました。 読み進めていくうちに、 すっかり垣内くんファンになっていました。 | ||||
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爽やかで軽やかなタッチで描かれた小説。始めはなんとなく読んでいただけだったが,瀬尾さんのやわらかな文章にいつの間にか引き込まれていた。 主人公の女性の心情の変化の描き方も素晴らしい。そして忘れてはならないのは魅力的な登場人物たちの存在。ユニークで、でもきっとどこかにいそうな登場人物たち。瀬尾さんならではの繊細な描写にいっそう引き込まれた。 特に印象に残ったのは、文芸部の垣内くんの存在。少し風変わりなこの学生が主人公の成長の鍵ともなるが、彼自身も彼女の存在によって変化を見せている。二人の間の関係は心地よい。そこにあるのはベタな恋愛感情とも友情とも違う。深い情が爽やかで美しかった。垣内くんのつむぐ言葉は何とも味があって良かった。 1度呼んだときよりも2度目の方が、2度目よりも3度目の方が。読むたびに新鮮ですがすがしい気持ちになれる、短編映画のような作品である。 | ||||
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大人になってみればささいとも思えることで心に傷を負ってしまった主人公。惰性のまま教師になった彼女が田舎町での人との触れ合いで心を癒していきます。主人公を取り巻くシチュエーションが抜群にうまく、彼女が本を読むようになっていく経緯にはくすりとさせられました。呑気な弟や同僚教師もいいスパイスになってます。悪意を持った人が出てこないことをこの作家の欠点とする見方もありますが、わたしはそんなの欠点じゃないと思うな。作品としては幸福の食卓以上のおもしろさです。 | ||||
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最初タイトルが気になった。「小僧の神様」と似たタイトルだと。手にとって少し読んで、気がついたらすっかり、気に入ってしまった。図書館での二人の会話がとてもとてもいい。かろやかな文章のようで、でもすごく重いものも深いものも含んでいて、しっとりこころに入り込んでくる。読み終わったとき、この作者のほかの作品もすべて読もうと思った。 | ||||
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