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ロマンス
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ロマンスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.92pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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「ジョーカー・ゲーム」「トーキョー・プリズン」など、昭和前半を扱った柳作品は文句なく面白いので、彼の作品が出るたびに読むことにしている。本作も昭和初期を舞台にしていることもあり大いに期待したのだが、一言で言ってしまえばつまらなかった。 推理小説としては、犯人や動機、トリックに意外性が欠けることもあって、短編集でおなじみの「やられた!」という心地よい感覚ではなく、「ああそうですか」という程度の感覚しか持ち得なかった。また、「ロマンス」という直球なタイトルから察せられるように、作者は推理小説仕立ての恋愛小説を構想していたと思うが、いい恋愛小説の必須条件である主人公への感情移入が全くできなかった。特に、本作後半で特別な銃を手にした主人公が抱くある計画(妄想)については、完全に理解の範疇を超えていた。要するに、恋愛小説としての「ロマンス」がまるで感じられかったのである。 昭和初期の不安な社会情勢を背景にした推理小説で、主人公が貴族という点では北村薫のベッキーさんシリーズとよく似ている。しかし、少女の心の成長をきめ細かく描く一方で、推理小説としての面白さもふんだんに兼ね備えていたベッキーさんシリーズに比べると、本作はすべてが中途半端な印象が否めない。ベッキーさんシリーズは何度も読み返したが、本作を読み返すことはもうないだろうと思う。 | ||||
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