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カラマ-ゾフの兄弟



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カラマ-ゾフの兄弟の評価: 4.26/5点 レビュー 681件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.26pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全554件 361~380 19/28ページ
No.194:
(5pt)

さすがは最高傑作

史上最高峰との文学と言われるほど名高い、ドストエフスキーの最晩年の作品である。
その「謳い文句」に関わらず、私がこれまでの人生で最も感動した、うち震えるほどの感動をしたのがこの作品であった。
私は現在32歳であるが、『カラマーゾフの兄弟』は3回通読した程である。

淫蕩の限りを尽くす、父フォードル、自らを卑劣漢とまで称しながらも最も誇り高い長男ドミートリー、冷徹な哲学的見地に立つことで「カラマーゾフ的血縁」を憎みながらも生命の崇高さを誰よりも強く思う次男イワン、神学の道に身を置きながら俗世へ下りその後最も「カラマーゾフ的な性質」の現れが臭われた聖人アレクセイ。

この4人の「カラマーゾフ」によって物語は展開する。

神学的なモチーフがふんだんに用いられながらも、父フォードルの謎の死というプロットによって物語はサスペンス的なスピード感を持つことになり、これが読者を一気に惹き付けることになる。

直情的なドミートリーが最も怪しまれつつ、イワンの皮相な思想談義に動機が臭いそれを後押しするかのように登場する従僕スメルジャコフによるイワンの思想の極端化、どの兄とも決して疑わないアレクセイの愛と献身、これらが折り重なり、最終的には最も悲劇的な結末を迎えることになる。

一般にロシア文学は難関だというイメージがあるかと思われるが、私はそこらの娯楽小説を読むくらいなら時間をかけてでも『カラマーゾフの兄弟』を読むべきだと強く奨めたい。
カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫)より
4102010114
No.193:
(5pt)

さすがは最高傑作

史上最高峰との文学と言われるほど名高い、ドストエフスキーの最晩年の作品である。
その「謳い文句」に関わらず、私がこれまでの人生で最も感動した、うち震えるほどの感動をしたのがこの作品であった。
私は現在32歳であるが、『カラマーゾフの兄弟』は3回通読した程である。

淫蕩の限りを尽くす、父フォードル、自らを卑劣漢とまで称しながらも最も誇り高い長男ドミートリー、冷徹な哲学的見地に立つことで「カラマーゾフ的血縁」を憎みながらも生命の崇高さを誰よりも強く思う次男イワン、神学の道に身を置きながら俗世へ下りその後最も「カラマーゾフ的な性質」の現れが臭われた聖人アレクセイ。

この4人の「カラマーゾフ」によって物語は展開する。

神学的なモチーフがふんだんに用いられながらも、父フォードルの謎の死というプロットによって物語はサスペンス的なスピード感を持つことになり、これが読者を一気に惹き付けることになる。

直情的なドミートリーが最も怪しまれつつ、イワンの皮相な思想談義に動機が臭いそれを後押しするかのように登場する従僕スメルジャコフによるイワンの思想の極端化、どの兄とも決して疑わないアレクセイの愛と献身、これらが折り重なり、最終的には最も悲劇的な結末を迎えることになる。

一般にロシア文学は難関だというイメージがあるかと思われるが、私はそこらの娯楽小説を読むくらいなら時間をかけてでも『カラマーゾフの兄弟』を読むべきだと強く奨めたい。
カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)より
4102010122
No.192:
(5pt)

ドスト初心者へのレビュー!

読みやすい!って事で話題になってますが

・話が非常に長い
・進んでいくスピードもゆっくりでダラダラ感を感じる(部分もある)
・日本ではあまり馴染みのない「キリスト教」色が異常に強い

↑翻訳が読みやすくなったからって上記に書かれた事が変わるわけじゃないので
あまり普段本を読まない人は最後まで読むのは非常に厳しいかもしれません

まずは「ドストエフスキー」という作家にある程度信頼を置いてから読むべきでしょう。

まずドストを読んだことない人は「罪と罰」を読んでください(亀山訳でも出てます)
「罪と罰」の方が話は非常にスリリングに進んでいくし、主人公の不安や焦りが直に伝わってきてほんとに興奮します
初心者は絶対!罪と罰の方が読みやすいです
それで「ドスト」面白い!ってなったらカラマーゾフも読んでくださいな。

あと翻訳について
この光文社の翻訳で面白い!って思えたら他の翻訳(たとえば新潮文庫)でも読んでみたい!って思えると思いますから全然初心者は光文社のでかまわないと思います。世界的な名作ですから何回も読むきっかけにもなるでしょうし。

(あと巻末の「読書ガイド」も初心者にはすごくありがたい!)

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)より
4334751067
No.191:
(5pt)

カラマーゾフの兄弟を一生のうち一回は読み通したい!と 思っている方にお勧めします。

いままで出版されたカラマーゾフの兄弟は、
非常に長い物語かつ難解な日本語訳文章で
学生時代から何度も何度も途中で挫折していました。

しかしながら、この亀山新訳文庫では、
現代的なとても読みやすい文章で訳されていて、
五巻最後まで読破できました。

たとえば、いままでわかりにくかった
登場人物の名称名前が統一されており、
読者にとてもわかりやすくなっています。

私のように、
カラマーゾフの兄弟を一生のうち一回は読み通したい!と
思っている方にお勧めします。

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)より
4334751067
No.190:
(5pt)

大審問官

上巻の中で1番面白い部分は「大審問官」の話のところだろうか。大審問官については、僕の稚拙な文章ではうまく伝えられそうにないので、「とにかく読んで下さい」と言うしかない。このエピソードは『カラマーゾフの兄弟』全体のテーマと深く関わってくる。
 『カラマーゾフの兄弟』は「世界文学史上最高の作品」などと言われたりして、とっつきにくい感じがするかもしれないが、読んでみるととても面白いし、読ませる文章である。
カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)より
4102010106
No.189:
(5pt)

面白い

『カラマーゾフの兄弟』というと、「世界文学史上最高の傑作」などと言われる堅苦しくて長い小説、という印象があるかもしれない。「長い」というのはそうかもしれないが、決して「堅苦しい」ものではない。推理小説として読み進めていくこともできる。
 ただ、中巻のゾシマ長老の過去の話の部分はちょっと退屈で、せっかく大審問官の話ではまっていったのに、冷めてしまった感じがした。しかし、そこを超えると、どんどん話が加速していって、ページをめくる手が止まらなかった。
カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟〈中〉 (新潮文庫)より
4102010114
No.188:
(5pt)

読み終えた

ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』を読み終えた。金原ひとみは、上巻を読むのに4ヶ月、中下巻を読むのに3日かかったらしいが、僕は、上巻1週間、中巻1ヶ月、下巻3日だった。読み終えて感じたものは、達成感ではない。なんだろう。よく分からない。終わるべきものが終わるべくして終わったような感じだ。
 本書の解説を読んではじめて知ったのだが、ドストエフスキーの構想では、本書には続編が存在するはずだったらしい。本書の事件の13年後の話で、アリョーシャがテロリストになって皇帝暗殺を目論む、とかいう話になるはずだったとか。ひょっとすると、ドストエフスキーが本当に書きたかったのはその第二部の方で、第一部はおまけのようなものとしか考えていなかったかもしれない。そして彼は、おまけにすぎない第一部を人々が「世界文学史上最高の傑作」などと祭り上げているのを見て、天国で苦笑しているのかもしれない。しかし、そうだとしても、そんなことはどうでもいいことだ。とにかく本書は面白いんだから。
カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)より
4102010122
No.187:
(5pt)

!!

この世界の営み。それ自体が神のなせる業、すなわち神なんだな。と思わされました。
作品全体(文字情報)で神を描こうとしている気がしました。
カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)より
4102010106
No.186:
(5pt)

真犯人は誰なのか?

「大人としての教養が必要なのでは」と思い読んでみました。

確かに長いセリフはありますが、
訳者あとがきにもあるようにテンポが良いため一気に読めます。

こういった、文学ひいては娯楽の源流に触れておくのも良いですね。
カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)より
4334751067
No.185:
(5pt)

圧倒的な・・・

どのようにしたら文学的な解釈ができるのかは分からないが、自分なりに強く感じたことはある。

この作品が、なぜ不朽の名作と呼ばれるのか、なぜ世界の文学界に未だ大きな影響を与えるのか、わかった気がする。

ただ圧倒的な現実が、実際の世界よりもはるかにリアルな世界が、見えたからだ。
あふれるほどの狂気の中にあって、それが現実であることに何の疑いも持てないほどに、リアルなのだ。

本書の登場人物は、その多くが心の中に狂気を抱えている。
時に恐ろしくもあるような、小説の中の人間の心情描写に、しかし不思議と心地よさを感じる瞬間が多くあった。
そこに書かれているのは紛れもなく人間そのものであり、現実の世界よりも納得感のある、自分たちを写す鏡だった。
それは、ただ過ぎていく日常に本来あるべきはずのリアルを、僕たちの心に呼び戻してくれるかもしれない。
カラマーゾフの兄弟2 (光文社古典新訳文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟2 (光文社古典新訳文庫)より
4334751172
No.184:
(5pt)

圧倒的な・・・

どのようにしたら文学的な解釈ができるのかは分からないが、自分なりに強く感じたことはある。

この作品が、なぜ不朽の名作と呼ばれるのか、なぜ世界の文学界に未だ大きな影響を与えるのか、わかった気がする。

ただ圧倒的な現実が、実際の世界よりもはるかにリアルな世界が、見えたからだ。
あふれるほどの狂気の中にあって、それが現実であることに何の疑いも持てないほどに、リアルなのだ。

本書の登場人物は、その多くが心の中に狂気を抱えている。
時に恐ろしくもあるような、小説の中の人間の心情描写に、しかし不思議と心地よさを感じる瞬間が多くあった。
そこに書かれているのは紛れもなく人間そのものであり、現実の世界よりも納得感のある、自分たちを写す鏡だった。
それは、ただ過ぎていく日常に本来あるべきはずのリアルを、僕たちの心に呼び戻してくれるかもしれない。
カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)より
4334751237
No.183:
(5pt)

圧倒的な・・・

どのようにしたら文学的な解釈ができるのかは分からないが、自分なりに強く感じたことはある。

この作品が、なぜ不朽の名作と呼ばれるのか、なぜ世界の文学界に未だ大きな影響を与えるのか、わかった気がする。

ただ圧倒的な現実が、実際の世界よりもはるかにリアルな世界が、見えたからだ。
あふれるほどの狂気の中にあって、それが現実であることに何の疑いも持てないほどに、リアルなのだ。

本書の登場人物は、その多くが心の中に狂気を抱えている。
時に恐ろしくもあるような、小説の中の人間の心情描写に、しかし不思議と心地よさを感じる瞬間が多くあった。
そこに書かれているのは紛れもなく人間そのものであり、現実の世界よりも納得感のある、自分たちを写す鏡だった。
それは、ただ過ぎていく日常に本来あるべきはずのリアルを、僕たちの心に呼び戻してくれるかもしれない。
カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)より
4334751326
No.182:
(5pt)

圧倒された

どのようにしたら文学的な解釈ができるのかは分からないが、自分なりに強く感じたことはある。

この作品が、なぜ不朽の名作と呼ばれるのか、なぜ世界の文学界に未だ大きな影響を与えるのか、わかった気がする。

ただ圧倒的な現実が、実際の世界よりもはるかにリアルな世界が、見えたからだ。
あふれるほどの狂気の中にあって、それが現実であることに何の疑いも持てないほどに、リアルなのだ。

本書の登場人物は、その多くが心の中に狂気を抱えている。
時に恐ろしくもあるような、小説の中の人間の心情描写に、しかし不思議と心地よさを感じる瞬間が多くあった。
そこに書かれているのは紛れもなく人間そのものであり、現実の世界よりも納得感のある、自分たちを写す鏡だった。
それは、ただ過ぎていく日常に本来あるべきはずのリアルを、僕たちの心に呼び戻してくれるかもしれない。
カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)より
4334751067
No.181:
(5pt)

村上春樹にも通じる普遍的な問い

村上春樹の小説を読んでいると、カラマーゾフの兄弟のイワンのことを良く思い出す。

頭がとても切れるが、人生に対する深い諦めを抱いていて、結局自滅していく男性。
「ノルウェイの森」の永沢さん以来、繰り返し登場していて、最近の「1Q84」でいえば
小松、あるいはふかえりの父親もそうかも知れない。

なぜこのタイプの人物に彼がこれほど魅かれるのかを確かめたくて、改めてこの本を
読み返してみた。
昔は人を見下したようなイワンに反感を抱いていたが、今は真摯さと彼の不完全さが
良く理解できて、むしろ同情するようになった。

大審問官というシステムの権威に盲目的に従い、自分達が無数の悲劇を生んでいることにさえ
無自覚な民衆(現在の日本の社会人の大多数もそうだが)と異なり、イワンは孤独の中、
自分の頭で考え、何とか社会を変えようとし、挫折していたのだろう。

この本は、宗教書のように権威の象徴として崇めるのではなく、現代にも通じる普遍的な
問いを考えさせるきっかけになる、生きた本だと思う。
圧倒的なシステムの力の前で、自分はどう生きるべきなのか、と。

読んだことを誇りに思うだけの知的ファッションではなく、読んだ後もずっと自分に
厳しく問い続けるべき本だろう。
カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)より
4334751067
No.180:
(4pt)

人間の深みは永遠である。

この本を懸命に読んだ。作者に言いたい事は如何にも心理学を使った心を開かない人だと思っている。全然面白くない。……漱石にも、その様に思っている。凡その文学者は心理学を使ったあほである。
 3兄弟ミーチェ、イワン、アリョーシャは凡て、人間の様態を表している、多分に一人の人間なのであろう。ドストエフスキーが言いたい事は、カラマーゾフの兄弟イコール、一人の人間の姿である。言わずに、人間主義を貫いたロシアの作家の臭いがする。

カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟〈下〉 (新潮文庫)より
4102010122
No.179:
(5pt)

非常に読みやすい新訳

予想以上に読みやすく一気に読み切りました。
今までどうしても障害となっていた第2部の「大審問官」「ゾシマ長老の説教」の部分も、作者が非常に注力したのでしょう問題なく突破出来ました。

この部分を除けば、超一流のミステリー小説として読むこともできる訳で、物語の流れの中に身を置き、その結末に向かって溶けてゆく謎に胸を躍らせました。

登場人物の造型も素晴らしく、母親の違う3人の兄弟の性格の違いも実に丹念に描かれており、目の前にその人物がいるような気せしました。

更に、「大審問官」「ゾシマ長老の説教」が読みやすくなったことで、この部分の物語との関係も理解出来るようになりました。
個人的には、ラストの裁判のシーンには、その検察側、弁護側のやり取りに一喜一憂させられ、証人特にカテリーナの2度目にシーンには、あっと言わせられました。

この裁判のシーンでは、「父親」と言うものの在り方について考えさせられました。

いずれにしても、非常に楽しく読めたのですが、このあたりは作者の人物の呼び方の表現方法の工夫も大いに貢献していると思います。
どうしても、ロシア文学のネックになるのが、「名前」の問題だからです。

別巻に載せられた「歴史」「解題」は、この作品を読むにあたって理解を深めるのに、大いに役立ちました。
これを読んだ後でもう一度読んだら、きっといろんな発見があって、もっと楽しめるのでしょう。
カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)より
4334751067
No.178:
(5pt)

カラマーゾフ的世界を堪能!

「カラマーゾフの兄弟を読む」ということが、一つの体験だと思う。
読んでいる間、登場人物とともに時間をすごすわけだが、彼らは皆、まじめでキャラが濃く、感情表現が濃厚。現代日本の実人生においては、出会うことのまれなタイプの人々だ。
彼らと共にすごすうちに、自分の中に眠っている感情や誠実さが刺激されてくる。
一人では悩む力もない軽薄な私にとって、彼らと共に過ごした約1週間は、青春の再来ともいえるものだった。
彼らと共にいると、神をめぐる問題や、社会状況、個人の内面の問題まで、濃厚な問題が次々にあらわれてくる。
せめて読んでいる間だけでも、こういった問題を心に留めていられることも、貴重な体験だった。
カラマーゾフを読むことは、その世界に入り感じ考えるテーマパーク的な体験かもしれない。
自分の軽薄さがいやになったとき、また読もうと思う。
カラマーゾフの人々はいつでもそこにいて待っていてくれる。
カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟〈上〉 (新潮文庫)より
4102010106
No.177:
(4pt)

深すぎて手に負えない!?

紹介する本で初めて4点をつけてしまいました・・・ドストエフスキーなのに・・・世界3大文豪なのに・・・アホか!という声が聞こえてきそうです。

光文社古典新訳文庫で非常に読みやすい訳ということで、東大教授の亀山先生が訳されて、確か100万部以上売れたはずです。古典が100万部というのは驚異的というより奇跡じゃないかと思うのですが、まだまだ日本の読者も捨てたもんじゃないですね。

訳はそれはそれは読みやすいです。あっという間に5巻まで読めました。各巻の末尾についている解説も面白すぎて、こんな面白い古典を今まで読んでなかった僕っていったい・・・と思いました。
それなら5点でいいじゃないかと思われそうですが、サクサク読めてしまっただけにちょっと考えこんでしまうのです。

この作品は父と子の愛憎劇、誰が父親を殺したかというミステリー、神とは何か・信仰とは何かという根源的な問い、など非常に多くの要素を持っている間違いなく世界文学トップ3に入る名作です。
ただあまりに奥が深すぎて、特に神・信仰の要素については正直一度読んだだけではまったく理解できませんでした。理解できないのは当時のロシア正教のことを全く知らないからだと考え、他の本を読んだりしましたがそれでもよくわからない。多分僕は死ぬまでにあと3回は絶対に読むと思いますが、それでもいったいどれだけこの作品の価値を理解できるのか・・・正直自信がありません。

これを5点とすることは「カラマーゾフの兄弟」の全てを理解したと宣言してしまうことになる気がしたので、4点にしました。作品が面白くないということでは決してありません。高校生以上なら誰でも読めます。ドストエフスキー入門には「罪と罰」より僕はこちらをお勧めします。「罪と罰」の主人公はかなり心を病んでて、暗すぎます(笑)

この作品に5点をつけることのできる日はくるのでしょうか・・・

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)より
4334751067
No.176:
(5pt)

海外文学などに親しみのない人たちへ

ロシア文学どころか基本的に海外の文豪にはほとんど触れたことがなかったが、
ちょっと不思議な装丁に惹かれて読んでみた。
はじめは「う〜〜〜〜む」という感じ。
この亀山訳はかなり読みやすく現代風に訳されていると他レビューなどには
書いてあるが、普段日本のミステリーなどに親しみの深い普通の読者には
やはりかなりとっつきにくいと思う。

なにより出てくる登場人物が主役から端役までそろいもそろって日本人の
感覚から言えば偏執的で理屈っぽく強欲で、はっきり言ってイカれている。
まず共感できるような人間は出てこない(主人公アリョーシャはまだ普通な方かな)。

セリフも異様に長く何がいいたいのかよくわからなかったりする。
1巻の途中まで読んで、私にはとても5巻まで読むのは無理だと思ったが、
不思議と最後まで読んでしまい、なおかつオマケで『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する (光文社新書)まで読んでしまった。
これは訳者の亀山氏による絶妙な解説の貢献も大きいが、この本の独特な世界、
独特なセリフ、独特な登場人物が織りなす不思議なリズムが最後まで私をこの世界にいざなってくれたのだと思う。

ミステリーなどは読んでいるときは楽しいのだが、読み終わって1年も経つと話の筋が
うまく思い出せなかったりするものだが、このカラマーゾフの兄弟のストーリーは
きっと忘れることがないと思う。
読後感は「とても無理だ」と思ったものを読み切った達成感とともに、
自分の世界観を1段すすめてくれたような気がする。


カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)より
4334751067
No.175:
(5pt)

改めてその偉大さに

再び『カラマーゾフの兄弟』のブームが来そうな予感がある。ロシアの連続テレビ大河ドラマで『カラマーゾフの兄弟』が始まったというニュースが出ていた。きっと日本でも公開されて話題を読むのだろう。となると遅まきながらも、読まざるを得なくなって、ようやく第一巻を読み上げたところだが、キャラが立っている、というのが第一印象だ。要するに、登場人物がすべてそれなりに現代人の顔をしているのだ。また、カテリーナとグルーシェニカの訳の方法もなかなか見事である。要するに、描写的でないのだ。描写的でないからこそ、声の訳しわけに最大の配慮がなされているからこそ、この翻訳は生きているし、次から次へとほとんど自動的にページをくることができるのではないか。これはきっと翻訳という概念の根本にかかわる大きな発見を含んでいるような気がしてならない。これから第二巻へ進む。世の中は、少しずつ『罪と罰』へ移っているようだが、あえて『カラマーゾフの兄弟』の再度の読み直しが来ることを願っている。
カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)Amazon書評・レビュー:カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)より
4334751067

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