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下町ロケット
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下町ロケットの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.52pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全611件 601~611 31/31ページ
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東急池上線の長原駅、大田区上池台にある(株)佃製作所。資本金30百万円、従業員200名の精密機械製造業。物作りの街、大田区にある典型的な中小企業。しかしこの会社、一味も二味も違う。最先端のロケットを打ち上げるエンジンを制御する高品質のバルブの特許を保有する。しかしなりふり構わぬ大企業の論理を押し付けられ、中小企業の誠意や真心までを踏みにじる大企業の傲慢さに泣かされる。一方で佃航平社長や、彼を支える営業第一部長、第二部長、技術開発部長がいい。特に主力行である白水銀行出身の経理部長が、当社内で仲間として認められるのが泣けてくる。そして池井戸作品の十八番である若手・中堅社員の活躍が華を添える。勿論その過程には企業内の様々な深刻な問題が展開され、社長はひどく悩む。この作品にはとにかく感激した。涙も出てきた。 では池井戸作品の面白さはどこにあるか。(1)企業・銀行内の現実が描かれていること。(2)企業や組織、また非常に多くの人物が登場すること。(3)いつも舞台は著者らしく三菱村の企業で、銀行、商事、重工、自動車のつもりで読めること。(4)若手や中堅社員の活躍が素晴らしく頼もしいこと。基本は勧善懲悪だ。本書でも若手リーダー的存在、営業第2部の江原春樹課長、そして係長、主任クラスもいい。これは「オレたちバブル入行組」等の半沢直樹や、「鉄の骨」の富島平太と同じだ。 本書では我が国の科学技術水準の高さが重要とも教えてくれる。LDP政権の財源探しの事業仕分けでは、短期的な追及のみで、中長期的視野の科学技術予算が不安になる。女性の行政刷新担当大臣の「迷セリフ」が忘れられない。また本書内の帝国重工や京浜マシナリーという大企業の仁義なき戦略は、隣の成金大国が圧倒的軍事力で周囲の小国の海域を蹂躙する傲慢さと同じだ。 | ||||
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空飛ぶタイヤ、果つる底なき、俺たちバブル入行組、俺たち花のバブル組・・・と読みついで本作品を読みました。 この作品もまた面白い!最後まで一気に読んでしまいました。 中小企業が二代目社長の情熱と、技術で大企業に伍していくという展開、正に大人のビジネスマンみんなが心に抱く夢です。 それも製造業に携わる人ならなおのこと。 銀行や大企業が絡んだときのディテールとリアリティがたまりません。 また、基本的に性善説な感じの、登場人物の性格付けも爽やかです。 詳しくはネタバレになりますので書きませんが、買って損なし、読んで損なし。 文庫化まで待つのは勿体無い。 | ||||
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ロケット打ち上げ失敗により研究所を辞め、父親の会社を引き継ぎ自身の夢を追い求める物語だ。 ロケットと言うスケールの大きい話しながら、中小企業ならでわの技術力とスタッフのチームワークで 大企業相手に押し潰されそうになりながらも、立ち向かっていく姿がとても爽快である。 私自身も以前小さな町工場で車の部品の試作品を製造していた事を思い出し懐かしかった。 とにかく面白くてあっという間に読み終わってしまいました。 | ||||
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大企業で働いている人は偉くてかっこいい。 多くの人が漠然とそう考えているような気がする世の中で、 プライドを持って働くプロフェッショナルの素晴らしさを 教えてくれる名作です。すごく面白かった。 小さな会社だから、自分のしているのはたいした仕事じゃ ないからと卑屈になるのではなく、今いる場所で今すべき ことを力の限り頑張る、そういうのが一番素敵だなと思い ました。明日からまた仕事を頑張ろうと背中を押してくれ る本です。 あらすじだけ読んでもわからない面白さがたくさんつまって います。頑張りたいと思っているすべての人におすすめです。 | ||||
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ロケットの研究者であった佃航平は、打ち上げ失敗の責任を取って 辞職し、父がやっていた町工場・佃製作所の経営者に転身する。 大企業の下請けではあるが、独自の高い技術も持つ優良会社であった。 それが下請け苛めや銀行の貸しはがしにあい、突然存亡の危機に 立たされ、さらに追い打ちをかけるように特許侵害で訴えられる…。 現在の日本のおかれている状況に思いが重なる。 価格競争ではなく品質で勝負したいのは、現場で頑張っている人たちの 本音だろう。 機械に負けない人間の技術の高さ、金の力学に屈しない航平たちの生き方 こそ、戦後日本の発展の姿だった。 今ではもう、そんなやり方は古いのだろうか…? 誰もが不安な現在だからこそ、航平の姿は拍手をもって迎えられるのでは なかろうか。 例の「仕分け」で「二番目じゃダメなんですか?」と言った人にこの本を 読ませてやりたい。 安易で楽な道を敢えて選ばず、苦難の道を歩もうとするのは会社の明日を 見据えればこそだ。 それはまたエンジニアである航平の誇りであり、夢であったと思う。 実に爽快な一冊だ。 | ||||
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大手の取引先から契約終了を告げられたり、ライバルの大企業に特許侵害で訴えられたりと次から次へと発生する苦難に従業員200人の中小企業である佃製作所が立ち向かっていくビジネス小説。 著者の別作品「空飛ぶタイヤ」もそうだったが、この著者は中小企業の苦労を描くのが本当にうまいと思う。社会的信用という観点では大企業が圧倒的に有利で、取引先の銀行からも信用してもらえない状況の中でも、自分たちにできること、自分たちがやっていることを信じて立ち向かっていく様子はリアリティがあっておもしろかった。企業で働く人なら誰にでも薦められる良書だと思う。 物語の中盤から後半にかけては、ロケットエンジンに必要な特許を取得している佃製作所が、大手企業の帝国重工と特許技術を巡る駆け引きが繰り広げられるのだが、中小企業らしく常に新しいことに挑戦していく佃製作所のスタイルは仕事に対する情熱が伝わってきた。 「仕事というのは二階建ての家みたいなもんだと思う。一階部分は飯を食べるなど生活に必要な金を稼ぐために働く。だけど、それだけでは窮屈で仕事には夢がなきゃならない。それが二階部分だ。夢だけ追っかけても飯は食っていけないし、飯だけ食えても夢がなきゃつまらない。」 佃社長が言った上記の言葉は、「働く」ということの本質をついていると思った。 | ||||
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Amazonの内容紹介や、腰巻きの惹句から想像される内容は、中小企業と、それを食い物にしようとする大手企業の闘い、だろう。 その期待は、良い意味で裏切られた。 物語の前半は、確かにその通りで、特許侵害を巡る法廷劇や、大企業による買収といったビジネスドラマであり、主人公は翻弄されながらも何とか生き残っていく。研究者として挫折し父の町工場を継いだ主人公、メインバンク、ライバル企業、巨大企業といったそれぞれの立場の人物の思惑とその錯綜がよく描かれている でも、それはプロローグに過ぎない。 嵐が過ぎ去って、主人公は、これが俺の人生なのか?という問題に立ち返る。 そこからが、この「下町ロケット」の本領だ。ロケットエンジニアリングをネタにした知財争奪戦というプロローグを軽々と踏み越えて、この物語は、真正面からロケット開発の現場へと挑戦する。主人公とともに。 「ものをつくる」ってことには、それ自体感動がある。自分がつくったものに惚れ惚れと眺め入ってしまうような感動。ものづくりは、現代であっても夢となりうる。数年前「レボリューション・イン・ザ・バレー」を読んだときにも、ものをつくるという行為に宿る昂揚と恍惚に打ち震えたが、「下町ロケット」の後半も、ものづくりに夢を託しつつ、それを夢物語でなく、現実のドラマとしてリアリティを持って書き抜いている。 自己の幸福を他者の評価に委ねず、自らの胸の裡に何らかの矜恃を秘め、辛うじてそれを守りながら生きている人であれば、必ずこの物語に勇気づけられるだろう。 | ||||
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池上彰氏が自著で、池井戸作品のことを 「勉強になる」「面白い」と絶賛していたが、 この作品も、今話題の「特許侵害」問題が 人間ドラマを交えてわかりやすく描かれており、 とても勉強になる。 ドラマはもちろんそれだけでは終わらない。 男にとって「夢の実現」とは何か、 人間にとって「一番大切なもの」とは何かが、 ロケットの打ち上げとともに、後半、熱く展開していく。 一気読み間違いなしの、今年一番の収穫作だ。 | ||||
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小さな組織でプライド持って働いている人だったら、涙なしには読めないんじゃないかな。 町工場版の「GIANT KILLING」といった感じ。描写がとても上手なので、まるで漫画のようにスイスイと読み進めていける。町工場の経営者が、自分たちよりも大きな組織との闘うというテーマも素晴らしいけれど、それぞれの組織に生きる沢山の登場人物を的確に書き分け、話をまとめあげる筆力は本当に素晴らしいと思った。 間違いないです。 | ||||
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一気に読みました!すごく面白かったです。どうなるのか気になって仕方ない反面、スピード出して読むとせっかくの楽しい小説がすぐ終わっちゃうというジレンマの中、やっぱりあっという間に読んでしまいました。 以前、知財侵害に携わる仕事だったこともあり、懐かしい思いで前半を読みました。そして後半は、登場人物の皆さんが生き生きと動く映像が、自然と頭に浮かびました。素晴らしかったです。 具体的な感想は、これから「下町ロケット」を読む方々のために控えますが、この小説を読んで深く思ったことは、自分が属する組織が大きいからと安住するのではなく、小さいからこの程度と限界を作るのでもなく、大切なことは、自分自身がどうあるかだなあということでした。 読み終わったばかりなので、こなれていない感想ですみません。年末年始に再読したいと思っています。1度読んだので、安心して(ってヘンですかね?)ゆっくり味わって読むことができそうです! | ||||
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元ロケットエンジン研究者が失敗の責任を取って研究所をやめた後、佃製作所という親の町工場を継いだところから始まるビジネス小説です。 この企業がもつエンジン部品の特許を巡って大手企業がおりなすさまざまな策略や圧力のなか、社長と社員が力を合わせて乗り切ってゆく姿が本当にリアルに描かれていて、時間がたつのを忘れさせてくれるほどぐいぐい引き込まます。私にとって、久しぶりに読みごたえのある小説で、実際私は通勤途中で読んでいて2駅乗りすごしてしまいました。 町工場の佃製作所が大手企業から降りかかる様々な難局に立ち向かい、ギリギリのところで乗り切ってゆく姿はエンターテーメント性も抜群ですし、主人公がつねに突きつけられる難局の中で「会社とは?」「仕事とは?」「生きるとは?」を問いながら選択をした結果、反対者、傍観者、協力者との関係性や態度が徐々に変化てゆく様子は感動ものです。 本書のタイトルを見たとき、実在する「植松電機」という会社のことが脳裏によぎり手にした本でしたが、植松氏の講演にも似たような高揚を感じる読了感で、大正解でした。また、「ハゲタカ」の真山氏に続き、新たに追いかけたい著者が増えてうれしい限りです。 | ||||
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