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下町ロケット



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【この小説が収録されている参考書籍】
下町ロケット
下町ロケット (小学館文庫)

下町ロケットの評価: 4.52/5点 レビュー 611件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.52pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全611件 581~600 30/31ページ
No.31:
(5pt)

万人にお勧めできる

下町工場の社長が宇宙ロケット作りに挑戦するという万人にお勧めできる企業小説。
前半は大企業を相手にした特許紛争、後半は主人公が夢を追う王道の展開。
主人公の佃社長が壁を乗り越えた瞬間は胸に響く。
日本人的な愛社精神が爆発する、ものづくりの魅力を描ききった作品だった。

直木賞受賞は、これが今日本に必要とされている物語だからだろう。
下町ロケットAmazon書評・レビュー:下町ロケットより
4093862923
No.30:
(4pt)

素敵です。

BBMの紹介がとてもよかったので購入してみました。
あまりノンフィクションは読まないのですが、これはぐんぐん
読み進めることができました。
東大阪の中小企業をまとめあげて、みごと人工衛星を打ち上げられた
アオキの青木社長や、北海道で独自にロケット開発をすすめられている
植松電機の植松さんなど実在の人物が躍動感をもって、
儲けはすくなくとも志高く活動されている姿が重なって
非常に読み応えがありました。
満足です。
下町ロケットAmazon書評・レビュー:下町ロケットより
4093862923
No.29:
(4pt)

これぞエンターテイメント

ビックリするほど面白いです。
大企業の論理にも屈せず、最後には見返すという展開には高揚感を感じずにはいられないでしょう。

これって何かなと思ってたら、まさしく時代劇の勧善懲悪の構造ではないでしょうか。
悪い人は単純に悪い人ですし、いい人はいい人です。ただ、いい人に関しては多少工夫されていて、バリエーションがありました。
人物が描けていないとの批判に対しての回答かなと思います。

昔、祖父が時代劇好きでよく見ていたのですが、自分も同じ構造の中にいるのだと実感されました。
見かけは違ってますが、正義がなされる、悪党が成敗されるときのカタルシスを期待する予定調和という点では全く同じです。
水戸黄門が終了するらしいですが、もっと様式化して、シリーズ物が作られればいいのにと思いました。
下町ロケットAmazon書評・レビュー:下町ロケットより
4093862923
No.28:
(5pt)

私の中では映画化決定の、「下町ロケット」です

ものつくりが大好きな私としては、いきなり感情移入・・・・。
その舞台が東京都大田区の町工場とくれば、長年かよった蒲田の風景とあいまって、読んでいるそばから映像になって頭のスクリーンに映し出されました。
私の中では映画化決定の、「下町ロケット」です。

映画キャッチコピー
 下町の町工場を舞台に、夢と感動の痛快娯楽大作。
 町工場の匠の技や夢に、大企業の金の力と保身主義が襲い掛かる。
 二重三重の困難から脱したと思えば、また新たな敵が待ち構える。
 はらはらドキドキの展開、逆転勝利の爽快さ、感動のラストシーン、
 今、日本再生の処方箋がここにある。

映画劇場予告編(90秒シナリオ)
 大田区の町工場 佃工業に突現襲い掛かる大企業
  「来月末までで、取引終了です」「ちょっと待ってください」・・・
  「3億円の追加融資ですか? まず借入金が多すぎる。このままでは難しいですね」
  「社長、大変です。ナカジマ工業から、特許侵害で90億の損害賠償請求です」
 社内で起きる不協和音
  「これは、エンジン・メーカーとしての、夢とプライドの問題だ」
  「オレたちは食っていいかなきゃならない」
  「正直、我々としては、かなり我慢してきたんです」
  「社長は公私混同してますよ」
  「社長の夢はわかります。でもそれはいま語るべきことじゃないと思うんですよ」
 そんな中、何とか迎えた最終製品検査で、また難題が
  「簡単な動作性能テストで、すでに異常値がでまして・・・・」
  「バッカ野郎!」「なんてことしてくれたんだよ! お前、みんなの努力、見てただろう!」
  「タンク内、圧力異常!」「エンジン緊急停止! 緊急停止!」
  「佃製作所の意見は?」「民生品レベルで考えていませんか」
 幾多の困難を乗り越え、町工場の夢を乗せたロケットが今、飛び立とうとしている。
  「九、八、七、六、五、四、三、二、一、固体ロケットブースター、点火!」
  「リフト・オフーーーー」

キャステング
 佃航平(佃製作所 社長): 役所広司
 殿村直弘(佃製作所 経理部長): 竹中直人
 三田公康(ナカジマ工業 事業企画部法務グループマネージャ): 高橋克典
 材前道生(帝国重工 宇宙航空部宇宙開発グループ部長): 中井貴一
 富山敬治(帝国重工 宇宙航空部宇宙開発グループ主任): 平山浩行
 神谷修一(神谷・坂井法律事務所 弁護士): 大森南朋
 和泉沙耶(航平の元妻、研究者): 草刈民代
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4093862923
No.27:
(5pt)

第145回直木賞は池井戸潤氏『下町ロケット』。オメデトウゴザイマス

日本全国に対してガンバレって言っているように思います。
最高に素敵でクールな一冊!
何度熱くなり、涙したことやら・・・。

受賞も納得です。
是非本です!
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4093862923
No.26:
(5pt)

祝!直木賞受賞!

数日前に読み終えて、レビューを書こうとしていた矢先の直木賞受賞のニュース!おめでとうございます! 個人的にいわゆる企業が舞台という小説はあまり読んだことがなく(なんとなくしきりが高く感じていたので)でも今作の帯を見て、面白そうだと思い、手にとりました。 すごく面白かったです。専門的な知識なんかなくても全然大丈夫だし、読みやすくて一気読みでした。この物語に出てくる人達はみんな熱いです。自分の仕事に誇りを持っています。やはり、読んでいると主人公を応援したくなりますが、対峙するライバル達だって自分の仕事に誇りを持っていて(多少ずる賢く書かれていますが!笑)だからこその熱い闘い、そして最後の勝利の爽快感。 今の時代だからこその受賞という点もとりあげられていましたが、もし今の日本がこういう状態じゃなくても十分受賞に匹敵するに値する素晴らしい作品だと思いました。
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4093862923
No.25:
(5pt)

夢を追い続けることの素晴らしさ・・・

著者・池井戸潤氏が、素晴らしい小説 「下町ロケット」を
届けてくれた。

企業規模は小さいもが、将来の夢と技術力が抜群の佃製作所。
東京大田区にある、下町の中小企業が舞台となっている。
著者・池井戸氏の緻密に計算されたストーリ展開と、舞台演劇
の様な人間模様に、読者はぐいぐいと惹き込まれるのだ。

東京地方裁判所から、訴状が届く。一部上場の精密機械メーカ
「ナカシマ工業」からの損害賠償。金額九十億。大手・ナカシ
マ工業は、中小企業 佃製作所の買収を企てていたのだ。

しかし、問題はこれだけでは終わらなかった。次に登場するの
は日本を代表する「帝国重工」。
同社の宇宙航空部は大型ロケットの開発「スターダスト計画」
を掲げて、社長プロジェクトとして推進しているのだ。

大型ロケットのキーデバイスである、水素エンジンのバルブ
システムの特許戦略で、佃製作所に先行されてしまった。
国家プロジェクト推進という大義名分を掲げる、「帝国重工」
の横柄で独断的な要求を突きつけられる。カネで特許使用許諾
を独占するというものだ。佃社長は、最後までバルブシステム
の部品供給に拘る。それは、佃社長の夢だからである。

社内の反対勢力にあいながらも、佃製作所は一丸となって、
この難局に立ち向かって行くのである。
経理部長・殿村直弘の不器用であるが、技術開発部や営業部、
そして社内の若手を調整するのだ。その愚直な態度に・・・。
胸が熱くなった・・・。

一部上場企業と中小企業は日本に限らず、知的財産をめぐる法定
闘争や銀行融資などの資金調達面、あらゆる面でハンディキャッ
プがあるのだ。
しかし、この様な逆境に果敢に立ち向かい、自分自身の「夢」を
追い続け、運命を切り開いていく姿は、本当に素晴らしい。
こころの中で勇気が沸いてくる、充実の一冊である。
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4093862923
No.24:
(5pt)

怒涛の工場エンターテイメント作品

町工場と大企業が、特許をめぐり熱いバトルを繰り広げる、工場エンターテイメント。
この、町工場と大企業の駆け引きに、ハラハラドキドキしながら読み進めました。
最後まで怒涛の展開で、途中で止めるのが難しいです。

知的財産をめぐり、さまざまな思惑が交錯する企業ドラマ。
資金繰り、貸し渋り、下請けいじめ‥‥中小企業の苦労がひしひしと伝わってきます。
苦境に立たされても決して諦めず、意地と矜持をかけ大企業と渡り合う姿に勇気をもらえ、町工場の底力に元気をもらえます。
こういったわくわくするビジネス小説はなかなかありません。

最先端の独自技術を持っているからこそ夢を追いかけられるのであって、現実はこういった中小企業は数少ないのでしょう。
夢と、モノ作りに対する情熱だけで生き抜いていくのは、なかなか難しい時代です。
この物語は、今の中小企業の危機時代を生き抜くヒントを提示してくれているように思います。

失敗から学び、挑戦し続けることが成功へとつながる。
夢を追いかける男の、熱いメッセージがこめられた物語です。
職種に関係なく、働く人にお勧めの一冊です。
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4093862923
No.23:
(5pt)

面白い。元気が湧いてくる。

ストーリーの展開にどきどきしながら、全編を通じて面白く一気に読めてしまう一冊。若干、理想型過ぎるかもしれないが、最近元気がないと言われる日本の経済において、懐かしい薫りをあたえてくれる作品である。

作者のバックグラウンドがふんだんに発揮されていて、経済小説としても十分面白いし、いろいろ勉強になった。
就活中の学生、新入社員、中堅社員等、世代を問わずに楽しめる、否、必読の一冊と思った。評者の個人的思い入れとしては、主人公の佃社長よりも、経理の「トノ」さんに強く惹かれた。

もちろん、こういう仕事人生は現実にはなかなか難しいのであろうが、その断片は誰にも手にすることができると思う。そのヒントを教えてくれるような、読後感の爽やかな作品であった。読んで大正解。
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No.22:
(4pt)

あの人の処分は……!?

ネットの評判が良かったので購入。
タイトルと冒頭で、まあ全体の雰囲気は読める。
こういった作りの作品は安定して読みやすいから好きです。
登場人物がちょっと多かったのは、
週刊誌での連載で読んでたら、まずはわかんなくなるだろうなー。
これも実写化しそう。

とある自社社員の処遇や
悪役で登場の技術担当者への扱いなど、
ちょっと腑に落ちない点があるので、
マイナス★です。
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4093862923
No.21:
(4pt)

こぶしに力を入れて

読みました。爽快でした。自分の仕事へのモチベーションにもつながります。
ただ、空飛ぶタイヤと比べると、とんとん拍子でうまくいくので印象には残りにくい作品でした。
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4093862923
No.20:
(5pt)

ゾクゾクするほど面白い!

経済って何て面白いんだろう!
下手な推理小説よりナンボも
ドキドキしてわくわくする。
最初から最後まであっという間に読んでしまった。
もっともっとこんな本読んでみたい!
池井戸さんって凄い人ですね。
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4093862923
No.19:
(5pt)

したたかに不屈のおじさん

町工場を経営する離婚したおじさん。かつては宇宙開発機構で働いていたのが、ロケット打ち上げに失敗した過去を持つ。
町工場のくせに開発費を潤沢にもち、使えもしないロケットエンジンの特許を持っている。
バカな勘違いおやじか。
理工系の夢見る勘違い経営者か。

特許をめぐってしかけられた大企業との訴訟。
特許をめぐって持ちかけられた別な大企業からの儲け話。

私だったらそうはしない。
いや、だれだってそんな選択をしないよ。

なぜ仕事をするのか。
何のために生きているのか。
働く意義を説きつける一冊。

でもこんな生き方をしてたら身が持たんぜ。
痛快町工場経営者の物語。

<後日追記>
 3度目の正直!直木賞受賞おめでとうございます!やたー!
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4093862923
No.18:
(5pt)

インフルエンザになってよかった!

とてもとても面白い本です。
実はインフルエンザで寝込んでしまって苦しみぬいた後、友達にすすめられ寝ながら読んだ本。
「病み上がりに読むにふさわしくなさそう・・・」とダラダラページを勧めたが、
これがこれが実によくできた本。
下町の中小企業を舞台にした地味〜な先入観は捨ててください。
倒産の危機に陥った佃製作所、でもそこで働く人たちには心があり、夢があり、情熱がある。
取引先から見放され、ライバル会社からは特許侵害されながらも腐らない。
夢が莫大なお金をうむ仕事へとつながっていく・・・。
読後はすっかり元気に復活できた、読む人に元気をくれる本。
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No.17:
(5pt)

現代の勧善懲悪ストーリー

勧善懲悪、池井戸氏の作品を一言で現わすとこうなると思う。高い志を抱き、筋を曲げずに、誠実に努力を重ねると必ず報われる。逆によこしまな考えから人を裏切ったり、貶めたりする者は罰を受ける。わかりやすい勧善懲悪ストーリーを池井戸氏は企業を舞台に繰り返し描き、私たちを「志を抱いて誠実に生きよ」と励ましてくれる。

本作は、夢と理想を追い求める中小企業経営者が主人公である。ロケット発射失敗で挫折して研究者から2代目経営者となった佃が開発したロケットエンジン技術がついに日の目を見る時が来る。幾度も妨害があり、危機が訪れるが、佃は的確な判断と行動で乗り切っていく。ここでも目先の利益ではなく「夢」や「志」の有無がものを言うのだ。シーンが浮かぶように描きだすリアルな筆致も池井戸氏の作品の特徴だろう。登場人物たちの造形が確かなのでそれぞれが身近な隣人のように感じられる。そのため読み進むにつれ魅力的な主人公に感情移入してしまう。

「空飛ぶタイヤ」「鉄の骨」と池井戸氏の作品を読んできてこの「下町ロケット」にたどり着いた。前2作も面白かったが、本作はさらにパワーアップしていて読みながらハラハラドキドキの連続。最後のロケット打ち上げのシーンでは不覚にも涙がにじみ、読み終えて「よかった」と私はつぶやいていた。

多くの人々が一度は悩むであろう「何のために働くのか」という命題にこの小説は説得力のある回答を示してくれている。退職を申し出た社員に「企業は2階建ての家のようなものであって、1階は食べるため、2階は夢を追うため、両方なければ意味がない」と佃は言い放つのだが、これは池井戸氏のメッセージそのものだろう。経済小説としても出色の出来である。とりわけビジネスに携わる人にこそ読んで欲しい。

追記:池井戸氏は元三菱銀行の銀行マンであり、「融資こんなときどうしたら」など金融関係書10数冊を上梓されている。銀行在職中はさぞ有能なビジネスマンであられたろうと想像するが、その体験が作品に生かされていて説得力を高めている。
下町ロケットAmazon書評・レビュー:下町ロケットより
4093862923
No.16:
(4pt)

経済小説のスタイルを借りたヒューマンドラマ

大企業に知財を荒らされる中小企業は枚挙にいとまがない。本書にでてくるナカシマ工業のように訴訟を起こしてくるのは、ある意味ましなほうで、中小企業に提携話をもちかけておいて、突然打ち切りにし、自社ブランドで同じ製品を出すなんてことをする大企業がある。どうせ訴訟にたえる資金なんかないと高をくくっているからである。あるいは周辺特許を固められて泣く泣くクロスライセンス契約を交わす中小企業もある。中小企業の特許戦略が甘いといえばそれまでなのだが、中小企業側からすれば腹が立つことこの上ない(もっとも最近は中小企業をリスペクトする大企業も増えているようには思う)。でも、本書にでてくる佃製作所は、優秀な弁護士の支援を得ることができて窮地を逃れるどころか損害賠償金まで獲得する。しかし、この話は枝葉にすぎない。

本番は、佃製作所が開発した水素エンジンのバルブの特許を丸の内の大企業(だれでもわかる企業)が売ってくれないかという話から始まる。売るにせよ独占使用を認めるにせよ、佃製作所には大金が入ってくる。だが、佃が下した決断は、どちらでもない。バルブを納品させろというものだった。大企業とのかけひき、社内のあつれきが丹念に描かれる。夢を追う(中小企業にとっては大事なことだ)か、現実を追うか。読んでいて引き込まれる。とくにメインバンクから出向してきている殿村がいい。彼がキーパーソンだといってもいいだろう。顛末はだいたい想像がつくと思うが、こうあってほしいという終わり方で、読後は爽快である。

あえて難点をいえば、佃製作所は、中小企業とはいってもかなり優秀な一握りの企業だということ。多くの中小企業は、こんなうまくはいかない。著者が勤めていた三菱銀行ならば、中小企業といえばこのクラスなのかもしれないが、できればもっと小さな企業を描いてほしい。


下町ロケットAmazon書評・レビュー:下町ロケットより
4093862923
No.15:
(5pt)

頁をめくる手が止まらない

読みながら、随所に「仕事の矜持」というものを感じて、胸が熱くなりました。ストーリーも抜群に面白い。ロケット技術に関するディテールも適度に専門的で、適度に分かりやすく、リアルなエンタメとして、非常によく練られています。予定調和的なラストではあるんだけど、それでも気持いいですねえ。わくわくドキドキ、ときにホロリで、最後はスッキリ。なんとも気持ちのよい読書でした。
下町ロケットAmazon書評・レビュー:下町ロケットより
4093862923
No.14:
(4pt)

下町ロケットの書評

典型的文系人間のくせになぜか幼少期より機械いじりが大好きで、愛用品が故障するとこれ幸い、修理という名目でやたらと分解する悪癖が未だ抜けきれない。様々な技術者たちへのインタビューで綴る「メタルカラーの時代」(山根一眞小学館)は書棚の中央に鎮座しており、今も時折眺めて楽しむいわば図鑑代わりだ。そんな私が本書を目にして黙っていよう筈がない。汗と油にまみれた技術者の悲哀を求め、勇躍しつつページを捲った。
 ところが、読み進める内に作者の名前が「高杉良」または「楡周平」と混濁していく。もしやこれは経済小説?前半部分はそんな印象が強い。何事につけ日和見主義に徹する銀行の厚かましさや大企業の狡猾さ傲慢さなどを、執拗なまでに描いている。著者は元都市銀行のバンカーなだけに、多少は自責と自戒の念を込めたのかも知れない。
 後半に入ると内容は一変する。描かれているのは、夢を追い求める中小企業の社長とその夢につきあう社員たちの熱き人間ドラマ。しかも入念な取材の元、宇宙航空工学をリアリティ溢れる繊細な筆力で実にわかりやすく表している。一度は離散しかけた社員の心がプライドというキーワードによって一つにまとまっていく様は、本来日本人が持つべき品格の表象といえるのかも知れない。
 昨今、就活という言葉を耳にしない日はない。老若男女いずれを問わず、職を求める人で溢れている。特に新卒者の就職難は、国の存亡に関わる重大事といえよう。「仕事とは二階建ての家だ。一階は飯を食うため。そして二階は夢を育むためにある」辞めていく若い社員に投げかける社長の言葉は、単に「勤め先」だけを求めようとする若者達への著者なりの警鐘かも知れない。また「オレはもっと自分のために生きていいのかも知れない」社長自身が自問する言葉は、家族のためにと歯を食い縛ってもがき続けるオヤジ諸氏への、著者からの暖かいエールだといえるだろう。
下町ロケットAmazon書評・レビュー:下町ロケットより
4093862923
No.13:
(5pt)

あきらめるな!夢は、きっと叶う!

大手企業から取引終了を告げられ、資金繰りに苦労している佃製作所に魔の手が伸びる。ナカシマ
工業から、特許侵害で訴えられたのだ。会社存続の危機!次々に起こる困難に、佃航平はどう立ち
向かっていくのか?

吹けば飛ぶような町工場。父親の跡を継ぎ社長に就任した航平に、次々に試練が襲いかかる。大手
企業からの取引終了宣言、銀行の貸し渋り、特許侵害訴訟・・・。八方塞がりの中、航平はおのれの
信念を曲げることなく貫いていく。どんな状況の中でも、どんな困難に陥っても、夢をあきらめることなく
追い続ければ、いつか夢は叶う。この作品からは、そういう作者の思いがひしひしと伝わってくる。
「こんなにうまくことが運んでいいのか?」そういう疑問もあったが、あきらめないことの大切さを
教えられ、努力の先に待っている素晴らしい感動を存分に味わうことができたので、満足だ。
読後もさわやかで、心に余韻が残る面白い作品だった。
下町ロケットAmazon書評・レビュー:下町ロケットより
4093862923
No.12:
(5pt)

大企業ばかりが企業じゃない!

池井戸潤に中小企業を書かせたらピカイチですね。涙なくしては読めませんよ。
中小企業を踏みにじろうとする大企業、大企業ばかりを信用する世間、負けずに頑張る町工場の社長。
全く期待にたがわない名作です。後半はうるうる来る事確実です。
できすぎ感はありますが、これでいいのです。町工場に勤めてる人、中小企業で頑張ってる人、とにかく
働いている人は絶対読んで欲しい一冊です。
不朽の名作「空飛ぶタイヤ」はスポンサー問題で潰された感がありますが、これは地上波でドラマにする
べきでしょう!
下町ロケットAmazon書評・レビュー:下町ロケットより
4093862923

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