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晩鐘
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【この小説が収録されている参考書籍】
晩鐘の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.52pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全58件 21~40 2/3ページ
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風紋と合わせて是非お薦めな作品。何度も読み返したくなるほど切ないストーリー。 | ||||
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風紋と合わせて読むべき作品。一気に読みたくなるので寝不足必須・・・ | ||||
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気持ちが沈みます 読むときをえらぶかなぁ。 だけど、時間がたってもそんな気持ちにさせるのは、 すごいことなのかも。 | ||||
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辛くて重いけれど、本当に考えさせられる本でした。 母としてしっかり生きなければ、娘をこんな目に合わせてしまう、とも思いました。 義理の弟や建部さんの存在で、真裕子が救われていくのが実に感動的。 建部さんの大人のまじめさ、やさしさが、とても素敵!! | ||||
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「風紋」そして「晩鐘」、犯罪被害者とは単に犯罪の被害者当事者とその家族親類縁者かかわるすべての人々のみならず、加害者家族の人生望み希望すべてをも根こそぎ覆す事なのだというあまりの恐ろしさに身震いさせられました。こんなにも読み進めることがつらくなる小説は初めてでした。救いは被害者の娘の真裕子が7年の月日を要して尚母を失った悲しみを忘れられずもがきながらも建部記者や義弟の見守りによって少しずつ前に進もうという一筋の希望の光を見出せたこと。しかし、真実を知ってしまった息子大輔は、真実を妹には知らせたくないために与えられるべきはずだった(あちらの本物の)世界に自分の手でただ一人の妹を送ってしまった。大輔はそういう方法でしか妹を守れなかった。 12歳の大輔にもう希望はないのだろうか。母親も生き直すことは できないのだろうか。父親の犯罪の代償はあまりにも大きい。 | ||||
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テーマがテーマだけに、重い、重くて暗い…。 「晩鐘」の方は「風紋」のような中核になる事件が曖昧なせいか、前作のようなミステリー色は弱め。 全編を通して、いつ崩壊するか分からないような緊張感が、中だるみもなく張り通されてます。 明快なフィクション物サスペンスと違い、ドキュメンタリータッチな生々しさがあって、その分、 読んでいてかなり疲れますが。 大輔が過剰なまでに歪んでいく様は、さすがに作為的にすぎる感もありますが、食事がコンビニ弁当に 偏っていく件などは、大塚貢氏の著作などを踏まえて読んでみますと、言い知れぬ怖さもあります。 歳相応の少年らしい挿話などで均衡がとれていれば、とも思いますが……結末がより救いがたいか。 その点、三浦綾子の「氷点」の方がまだ救いがあったかもしれない。 リアリティ重視だとしても、読後感緩和のため、物語のラストは真悠子側で光明を示唆して〆てほしかった。 平易な文章で淡々とした叙述ながら、これでもか、と言わんばかりに繰り返される心理描写は、息苦しい までに濃密な情念の葛藤を、見事なまでに描き出してます。 暗くて、重くて、鬱になりそうで好きにはなれないお話ですが、作品の構成力や筆力は圧倒的でした。 | ||||
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風紋からつづく長い長いものがたり、コレはただの推理小説ではない、ある事件の、加害者と被害者の何年かに渡る、家族のドラマ、終盤まで、止まることなく読ます著者の筆力には、改めて感動させられる。 | ||||
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上下巻を読み、最後で泣きました。 映画”ほたるの墓”を見終わった時の涙と同じ種類の涙でした。 ”ほたるの墓”では戦争に翻弄される子供たち、そして、こちらは、犯罪に翻弄される子供たち。 どちらも、自分ではどうしようもない事で運命が決められていってしまう。 長い長い話なので、様々な事が起きますが、読み終わり、それら全てか関連しての結末だと感じました。 大傑作だと思います。 | ||||
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上下巻を読み、最後で泣きました。 映画”ほたるの墓”を見終わった時の涙と同じ種類の涙でした。 ”ほたるの墓”では戦争に翻弄される子供たち、そして、こちらは、犯罪に翻弄される子供たち。 どちらも、自分ではどうしようもない事で運命が決められていってしまう。 長い長い話なので、様々な事が起きますが、読み終わり、それら全てか関連しての結末だと感じました。 大傑作だと思います。 | ||||
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この作者は知りませんでした。「風紋」も読んでいません。 それでも、深い洞察力、それも大人の男性、女性から多感な少年、幼少の女の子まで、これほど心理描写ができる作者はいないと思います。この作者の心のひだは奥深いと感じました。 被害者側の主人公、加害者側の主人公、というとらえ方もあるでしょう。実際、二人にまつわるエピソードが多いですから。ただ、被害者側の主人公の姉にせよ、加害者側の少年の妹にせよ、他の家族もとても苦しんで生きている様子が伝わります。少年の母だってそうです。「教師の妻」だった頃を知らない私ですが、「堕落していった」では済まされない、それは当事者にしか分からない辛い日々を経て、それでも必死に生きているのだろうなと思わせます。少年の妹、なにかにつけ周囲をよく見ているというか、把握している少女が、最後に下す決断にたどりつくまでの小さな心の偏移を思うと思わず涙がでできます。当然、あやめてしまった少年の少年なりの考えにもぐっときます。 被害者側主人公の重い心情が暗くページを割いて語られます。確かに重く、こちらもため息をつきそうになります。それでも、「わかる、その気持ち」と思わせるところも多々あり、犯罪に図らずも関係してしまった家族でなくても、理解できるその文章力が素晴らしいと思いました。 早速「風紋」も読んでみたいと思います。でも多分、今回そうだったように、夢にまで出てくる登場人物と紡がれる話なんだろうな、と覚悟します。 | ||||
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氷紋〜晩鐘がいわゆる連作とは思わず、購入しました。(中古品ばかり・・Amazonは大変迅速に、きれいに包装し梱包も完全な状態で発送してくださいました・・中古品にも拘わらず)自分が晩鐘(上)から読み、母は氷紋(上)から読んで、あらすじの話をしていて晩鐘が氷紋の七年後の被害者・加害者家族を描いた完結作なのだと気付きました。読み応えは大変ありました。地方には双葉文庫を扱っている書店は余りなく、新潮・角川文庫などに偏ってしまいます。”女刑事 音道シリーズ”や”いつか陽のあたる場所で"などなど乃南さんの作品は秀作ばかりですが、読書の秋 秋の夜長には最適の作品です。 | ||||
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ようやく読み終えた。 読むことを止めるのが難しい小説だが、風紋からずっと読み続けていたから、かなりのボリュームを感じた。 犯罪の被害者・加害者ではなく、その周辺の人々を描いた「風紋」の七年後を描いた作品。 被害者の娘は七年という月日を知った後も苦しみ続けていた。 一方、事件のことを知らない加害者の子たちにも、その影響は確実に現われていた。 結局のところ、自分も登場人物に対して共感するどころか「七年も経ったのに」という気持ちを抱いた。 それほどに苦しみ続ける描写が痛々しかった。 新聞記者・建部の「関係のない人にとってはいまさらかもしれませんが、事件に関わったものたちはその傷を癒せることもできず、必死に生きている」というような言葉はそんな自分に突き刺さった。 ラストはもう、やりきれず、悲しくて仕方がなかった。 せめてどうにかならなかったか。 憤りも感じつつ、衝撃を受けずにはいられない小説だった。 | ||||
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「風紋」のその後のお話。 事件というものは、起こした当人だけの問題ではなく、 その周囲にいる人間の人生に大きく影響を与えるということを痛感させられる。 文庫の裏の乃南アサさんのコメントにも書かれているが 「事件というものは必ず悲しみと憎しみの連鎖を生む。 そして、いちばん弱いものが最も深く傷つく」ことの意味が伝わってくる作品。 事件当時、多感な時期の真裕子のその後の人生に与えた影響。 加害者の息子の大輔に突きつけられる堪え難い現実。 電車の中でこの作品を読みながら、何度も涙を拭いた記憶がある。 真裕子の純粋すぎるがゆえの許せない思いや諦め、考え方に悲しさを感じた。 真裕子や大輔のような思いをする人がこれ以上多くならないことを願う。 | ||||
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何気なしに読み始め、大輔の小学生とは思えない無軌道ぶりに驚き、 レビューを読んで、慌てて「風紋」を購入、そちらを読んでから改めて「晩鐘」に入りました。 事件が起こってから7年後の話です。 真裕子の立ち直りの予感で終わった「風紋」でしたが、 心の傷はそう簡単に癒えるものではありませんでした。 姉や父は、彼女から見たらまるで何事もなかったかのように 新しい道を歩み始めていましたが、それも真裕子にとっては悲しみを増す因子でした。 一方の香織(犯人の妻)は同情しかねるほどに堕落し、 子供たちを実家に預けっぱなしにし、その結果、 子供たちは普通の小学生らしい子供でなくなってしまったのだと思われます。 何もそこまで、と言いたくなりましたが、 一つの事件が多くの人々を巻き込み人生を狂わせてしまうことは 痛いほどに感じられました。まさに痛いほどに。 真裕子は救われましたが、犯人の子供たちが哀れでした。 本であまりなくことのない私が、思わず涙した作品です。 決して楽しい本ではありませんが、是非ともお勧めしたい本です。 | ||||
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風紋よりこちらの方が好きです。風紋のその後になりますが、こちらだけでも充分読みごたえあります。 犯罪被害者のその後となりますが、明るい部分より暗い部分が多少際立ち、重苦しさもありますが、きっと現実はそんなものなのでしょう。最後に多少光があるのが救われました。 心にぐっとくる作品でした。 | ||||
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風紋よりこちらの方が好きです。風紋のその後になりますが、こちらだけでも充分読みごたえあります。 犯罪被害者のその後となりますが、明るい部分より暗い部分が多少際立ち、重苦しさもありますが、きっと現実はそんなものなのでしょう。最後に多少光があるのが救われました。 心にぐっとくる作品でした。 | ||||
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風紋と晩鐘を1ヶ月ほどかけて読みました。 読んでる最中に度々思ったのは乃南アサさんの主張したい事は作品中の建部記者によって 代弁されているんじゃないかな、という事。 一度犯罪が起きると加害者、被害者双方の親族には想像を絶する運命が待ち構えてる。 ただ、加害者側と被害者側では時間の経過によって変わるものと変わらないものがある事に気づいた。 被害者側は犯罪被害者である事を忘れる事はできない、しかし現実を受け止め(諦めもあり)もがきながらも 前に進んで行ける。 加害者側は、変わるのは月日の経過だけで、加害者の家族である事は変わらない事。 またそれは最終的には精神的、肉体的に弱いものへ、しわ寄せがくる現実。 被害者の高浜家の方は何とかまとまって終わってくれたからほっとしたが、加害者の松永家はこんなにか? と思わせるほど悲惨だった。ラストはあまりに切なくて可哀想で読むのが辛かった・・・ 抜群の心理模写でどんどん物語に引き込まれました。 タイトルにありますが「面白い物語ではない」でも、時間をかけても「読む価値はある」作品であると思います。 | ||||
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犯罪そのものの発生やその謎解きではなく、加害者、被害者の家族らを丁寧に描いた「風紋」の続編。 前作で描かれた殺人事件から7年が過ぎ、深く傷ついた加害者、被害者ともに、何とか新しい生活で立ち直ろうともがく。 被害者側の家族らが、相変わらずギクシャクし、苦しみながらも、何とか前向きに生きていくのに対し、加害者側の家族は、坂道を転がり落ちていくように悲惨な状況に追い込まれていく。 確かに後味は悪いですが、この結末は必然といえます。 殺された人の家族と、殺した人の家族が、両方ハッピーエンドになるなんて、メロドラマでもあり得ないでしょう。 そんな都合のいい結末だったら、そのほうが後味が悪い気がします。 文庫本の裏表紙に、筆者の乃南さん自身が記しています。 「誰もが救われていて欲しいと願いながら、新たな悲劇をも、描くことになってしまった。事件というものは必ず、悲しみと憎しみの連鎖を生む。そして、いちばん弱いものが最も深く傷つくことに、改めて気づいた」 切ないラストを読んで、取り返しのつかいないほど傷ついた<いちばん弱いもの>の姿を見て、犯罪の本当の悲惨さ、について考えさせられました。 | ||||
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あれから7年。 父親は再婚し姉は新しい家庭を持った。 真裕子は7年経った今もひとりぼっちで孤独に耐えている。 殺人犯の子ども達は、自分の両親の事は知らされず遠い長崎で祖父母と暮らす。 そしてその妻は、過去に平凡な教師の妻だったことなどなかったかのように、なりふり構わず生きてきた。 一つの犯罪は、何年経っても終わる事を知らない。 一人でいる事に耐え切れなくて、好きでもない男と不倫に陥る真裕子。 父親が殺人犯だとも知らず、叔母だと信じていた母親と2人、東京で暮らす事になってしまった大輔。 変に大人びて心の底から甘える事を知らない大輔は、これから先どんな大人に成長していくのだろう。 癒されるはずのない心の傷は、いつか誰かが癒してくれるのだろうか。大輔は実父の犯した罪をどのような形で知ってしまうのだろうか。 乃南さんらしい心の描き方が最高の作品。 | ||||
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一つの犯罪が引き起こす波紋。 それは、どこまでも続く。 荒んだ母親の生活。 それと同じように大輔の心は荒れている。 自分ではどうしようもない自分の生い立ち。 殺人犯の息子、人殺しの息子。 外見はいくら大人びていても小学生。 それを背負って生きていくには、まだまだ幼すぎる大輔。 そのやり場のないもやもやが、幼い妹までも死に至らしめる。 大輔が最後に実父にいった言葉。 その言葉は、罪を犯した実父にとって裁判所で確定した刑よりも、もっともっと厳しく心に突き刺さる言葉だったに違いない。 ある意味、まだたった12年しか生きていない大輔の、自分の人生に対する復習の言葉だったのかもしれない。 犯罪がもたらした悲しみの大波は、周りの誰かが手を差しのべなけれ!ば、けっして一人では乗り越える事はできないと感じた。 そういう誰かを見つける事が出来た真裕子は、苦しんだ分幸せだと思う。 これ以上悲しみの連鎖が続かないように祈りたい。 | ||||
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