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モーダルな事象



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モーダルな事象の評価: 4.23/5点 レビュー 26件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.23pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全26件 21~26 2/2ページ
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No.6:
(3pt)

結局は駄洒落に勝るものはないのかも・・・。

犯人(裏の裏の犯人ではなく)がすぐ分かってしまったにも関わらず、面白く読めた。
 主人公の桑潟幸一助教授のだめさ加減と、もう一人の主人公アキの、勝手にミステリー小説の主人公になりきっているところなど、二人とも自分をみているようだった。
 アトランティスのコインとかありえないけど、その一方で、ふつうのとりとめもない本が、なぜかベストセラーになってしまったがために事件に絡んでくる点はありえそうで、SFと現実の間の不思議な世界を醸し出していました。
モーダルな事象 (本格ミステリ・マスターズ)Amazon書評・レビュー:モーダルな事象 (本格ミステリ・マスターズ)より
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No.5:
(4pt)

エンタテインメントに徹してほしいものだ

解説は何のために付け加えられたのか?
 この長すぎる物語にさらにページを加える必要があったのだろうか?それは、たとえば部分的に現出する漱石風の文体に何らかのエクスキューズをしたかったからなのか?分かりやすくいい文章の間に混入する、主語のなかなか現れてこない、読みにくい文章に文学的な意味があるとでもいいたいのだろうか?
 エンタテインメントに徹してほしいものだ。啓蒙してほしくなんかない。
モーダルな事象 (本格ミステリ・マスターズ)Amazon書評・レビュー:モーダルな事象 (本格ミステリ・マスターズ)より
4163239707
No.4:
(4pt)

文学を愛し文学を憂える方々へ

今はやりの「本格ミステリ」の形式をとってテンポよくストーリーを展開させながら、現代の文学や活字文化に対する批評やパロディーの要素も盛り込まれています。お涙頂戴のベタな童話集に翻弄されるいまいち冴えない「普通の」人々。伝説のコインを巡って交錯する現在と過去、そして現実と幻想。「泣ける本」ばかりがベストセラーになる今日この頃ですが、こんなヘビーな本もあるものだとワクワクさせられる一冊です。特に活字を愛し、文学を愛でる方々にはたまらないでしょう。
モーダルな事象 (本格ミステリ・マスターズ)Amazon書評・レビュー:モーダルな事象 (本格ミステリ・マスターズ)より
4163239707
No.3:
(4pt)

過去の仮構

私のようなマヌケな探偵小説読者は大いに啓蒙される巻末解説にあるように、松本清張が日本ミステリ(国産エンターテイメント)における「モダン」の開拓者であったわけだが、清張の問題意識が「動機」の重視、即ち「事件」が生成する場としての「社会」の小説への転写にあったとすれば、その「語り」の透明化は必然だったと納得できる。この対極にある「講釈師」としての語り手――テクストを紡ぎながら、その内部を闊歩する融通無碍な主体――は、つまりは己が「事件」を生成する場そのもので、しかし、この語り手は都合によって、ずーっと透明でいたり、半透明になったりする面妖なヤツでもある。
この不透明な語り手が媒酌人になって、60年代的「社会派」と80年代的「伝奇小説」は華燭の典を挙げる。読者は、桑潟幸一助教授のスタイリッシュな生活と、幻の童話作家の遺稿をめぐる殺人劇に東奔西走する元夫婦刑事の推理の一部始終を饗される。清張作品における「悪」のイコンが、黒のコインに変換され、フェイク・ヒストリーが接合される。かくして、歴史の(再)改変の、テーマが浮かびあがってくるのだ。――しかし、「猫」というヤツは、いつでも時を駆けるのだなあ。
モーダルな事象 (本格ミステリ・マスターズ)Amazon書評・レビュー:モーダルな事象 (本格ミステリ・マスターズ)より
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No.2:
(5pt)

文句なしの痛快作!

『バナールな現象』の木苺を思わせるトホホな大学助教授、桑潟幸一。『鳥類学者のファンタジア』にて、主人公フォギーの友人としてちらりと登場した、北川“私の馬鹿心”アキ。物語はこの二人がそれぞれメインとなる二つのパートが、時に交錯しながら進行する。ミステリーの中核となるのは、黒い、ゴムのような材質でできた7枚のコイン。と聞いてピンときたあなたは立派な奥泉ファン。そう、毎度お馴染み“あの物質”が三度登場します(しかも今回はレシピ付)。またかよ! と思うのはまだ早い。今回は十八番であるメタ的演出もSF的道具立ても最小限に留め、著者自ら「ミステリ好きの人にちゃんと読んでもらいたかった」と語る通り、しっかり本格ミステリーとして仕上がっています。特に、桑潟助教授の身のまわりで起こる現実の事件が、もう一方の北川アキのパートで虚構のミステリーとして再構築されていく第2部は白眉。舞台は北海道、東京、大阪、京都、果ては終戦前夜の瀬戸内海と目まぐるしく移り変わり、登場人物もフォギー、トマス・ハッファー、野々村鷺舟など奥泉作品ゆかりの面々の友情出演(?)あり、しかも巻末には初心者のための奥泉文学入門と、過去の作品の解説まで付いてくる、まさに満足度120%、前作の消化不良を吹き飛ばす快作。読むべし!
モーダルな事象 (本格ミステリ・マスターズ)Amazon書評・レビュー:モーダルな事象 (本格ミステリ・マスターズ)より
4163239707
No.1:
(5pt)

軽快な文体がいい!!

難解そうな印象を最初うけますが、読み始めると軽快。特に主人公の大学教授のだめぶりが素晴らしい。
本格ミステリ以外にも、トラベルミステリ、伝奇小説、島文学、幻想文学としても読める懐の深さ。
モーダルな事象 (本格ミステリ・マスターズ)Amazon書評・レビュー:モーダルな事象 (本格ミステリ・マスターズ)より
4163239707

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