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モーダルな事象
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モーダルな事象の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.23pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 1~20 1/2ページ
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北川アキがいくら何でもバカすぎる キャラ設定だとしてもちょっと酷く書かれすぎてる それを差し引いても星5個 | ||||
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新品同様で、小説も期待通りの面白さでした。 | ||||
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主人公は短大の助教授という職業にもかかわらず、どちらかというと低俗な部類の人間なのが面白いと思った。 事件の鍵となる人たちの名前と血縁が複雑でわかりにくい。 物語はそれほど複雑でもないのにとにかく長いので、最後の方は飛ばし読みした。 | ||||
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序盤から怪奇で猟奇的な幻想が描かれ、ズシリと重い読み応え。作者の分身のような桑潟の自虐的な俗物ぶりと、この奇妙な幻想の乖離が生々しく、続いて起きる殺人の謎も到底一筋縄ではいかないと予想させた。そして探偵役のジャズシンガーが登場するが、作者の名作「鳥類学者のファンタジア」のヒロインフォギーがゲスト出演して大いに盛り上がった。個人的にはこの時点で5評価でも良いと思ったくらい。彼女と別れた夫との「元夫婦探偵」が良い味を出しており、ラストで復縁を果たしたらしい2人にエールを送りたくなった。 時空を超えた戦争犯罪が現在にも落とす暗い影や世界の根源に関わる物質などは「鳥類学者…」や芥川賞受賞作「石の来歴」を想起させ、読み応え十分の大作だけに、読んでいて楽しくなる軽妙な語り口は何よりだった。この作者にしか書けない、重層的なミステリの傑作である。 | ||||
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クワコーものの連作短編集三冊を読んだ後に、クワコー初出のこの作品に気付き読んでみました。 短編集とは随分違った雰囲気で進んでいきます。暗いです。しかも長いです。が、最後まで読み通せました。なんとか。 クワコー物の短編第3集がすごくよかったので、驚きました。前二作もそこまでよかったかとな、と思い出してみましたがそこまでではなかったように思います。テレビドラマも見ています。 ひょっとすると著者はドラマを見て、よりエンターテインメント寄りの作品にしたのかもしれません。 梶原一騎は、巨人の星の大リーグボール二号の消える魔球の秘密を考えてなくて、関係者はどうなるかと心配していたそうです。ところが、後から放映されるアニメを見て思いついたと言われています。アニメで毎回その日の題名が出るところの星飛雄馬の投球場面です。そのプロ野球編です。 | ||||
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うーん、とにかく長い!文字がびっしり! 全体としては不思議な魅力の作品ですね。 4流短大の助教授・桑潟(クワコウ)の元に、ある童話作家の遺稿が持ち込まれ、解説文を書くのだが、編集者が次々に殺されて…。正直、クワコウの巻き込まれっぷりと卑屈さが、徐々に癖になる面白さはあります。 話は、ミステリー?SF?コメディー?という感じで、読む方も柔軟でないと置いていかれるかも。 ドラマ化もされていますが、それとは別物だと思って読んでください。 | ||||
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良くも悪くも奥泉ワールドを楽しむことができる作品。桑潟助教授シリーズには欠かせない。 | ||||
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奥泉光の文筆家としての力をいまさら事細かに説明する必要があるとも思えませんが、変わらず読み応えがあって優れた作品だと思います。同じ主人公の「クワコー」が登場するとはいっても、続篇『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』とはかなり質が異なる作品で、全くの別物と思った方がいいと思います。個人的には断然こちらがお勧めですが、娯楽としては『桑潟幸一准教授〜』の方が気楽だと思いますので、嗜好や気分によってわけてみてください。本作を読まなくても『桑潟幸一准教授〜』は楽しめますし、逆に本作にはまると続篇は物足りない可能性があります。 本作の魅力は、評論よりの文学研究にとりつかれたかのような主人公「クワコー」の観念的世界の展開にあると思います。何が現実で、何が妄想なのか。あるいは、どこまでが健全で、どこまでが病理的なのか。この小説は物語世界で「クワコー」の感じる「意味」や「意識」の問題として、世界観の倒錯を追体験させるような力があると思います。「クワコー」の捉えた世界こそが「現実」に他ならないのではないか、と感じさせてくれるのは、奥泉の筆力あってのものと思います。ある程度読者は選ぶと思うので、文学評論なども好きな人にお勧めしたいです。 かといって、ミステリーとして破綻しているわけでは全くありません。諸橋倫敦と北川アキとの元夫婦が、あくまでリアリスティックかつユーモラスな世界観の元で事件の真相に迫っていくので、「クワコー」の倒錯との対比もまた本作の魅力だと思います。 | ||||
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「モーダルな事象」が付かない方の「......スタイリッシュな生活(以下千葉編)」を先に読んでいたので、随分と異なった印象を受けた。「クワコー」の前歴が分かって面白いという面もあったが、中途半端な読後感は否めない。 大伽藍を構築しておいて、最終的には卑近な結末へと導く型の(アンチ)ミステリだが、こうした型のミステリにおける成功例を見た試しはない。本作もその例に漏れない。どうも作者が描きたかったのは現状の文学界や学会に対する不満らしく、作中に挿入される(本筋とはほぼ無関係の)断片も読者のためと言うよりは作者自身のためとの印象が強い。 無条件に笑える千葉編の方が、むしろ本格味においても上出来で、本作は作者の自己満足に終始している感がある。「ダサイお侍さんが来たよ」「左様(斜陽)ですか」の駄洒落が一番印象に残る様ではお寒い限りである。 | ||||
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クワコーの惰弱っぷりが半端ではなく、頑張れ頑張れと応援するうちに物語はミステリーの枠を越え超然とした形状を成し、爆笑と瞠目が一体になった読書体験ができる。ミステリーとしても素晴らしいし、なにより下品だったり高貴だったりするジョークのセンスが抜群なので、電車で読みながら、笑いをこらえて非常に楽しめた。しかし、本の裏のあらすじ紹介、中盤以降の展開までバラしすぎじゃないか!?これからもクワコーの活躍を、もっと読みたいよ!! | ||||
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先に『桑潟幸一のスタイリッシュな生活』を読み、面白かったので第一作を読んだのだが、主人公が同じなだけで全く違う小説と考えた方がいい。アトランティスの謎という壮大なスケールあり、三流大学教員の悲哀あり、盛りだくさんだが、最終的な謎の解決まで一気に長編を読ませる筆力はさすが。しかし、第三作は第二作の路線で行ってもらいたい。 | ||||
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意味もなく分厚い本が好きではない。本書を手に取ったとき、その厚さに眩暈がした。第一章だけ読んでお茶を濁そうとしていた。しかし、あれよあれよという間に読み進んでしまった。話の紡ぎ方がとてもうまくて好きだ。何本かの糸が紡がれて、だんだん太い糸になっていくのが好ましい。小説はストリーでなく、文章そのものを読むのだというくだりも好きだ。一冊にものすごい知識が詰まっている。その知識の源は深くにあり、まばゆいばかりだ。こんなに様々なものを織り込んでしまって、次回作用の引き出しには大丈夫なのかと心配してしまう。 ところで、著者は、他人の不注意よるミス多いことに一家言ある人物ではないだろうか。なぜなら「多くeasy miss 叱る」からである。わかる人だけ笑って下さい。 | ||||
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大阪にある4流女子短大で日本文学を教えている桑潟幸一助教授、略して桑幸。 縁あって無名童話作家の遺稿の紹介文を書くが、これが出版され、ベストセラーとなり、一躍時の人となる。 しかし一方で、関係した編集者が次々と殺されて・・という(一応は)ミステリー。 導入部は「文学部唯野教授」のノリです。 サブタイトルとは正反対に、全然スタイリッシュでないどころか、小物感満載の桑幸が、時ならぬ名声に舞い上がり、周囲に起こる異変に無頓着なまま、事件の深層に引きずり込まれていきます。 謎解きをするのは桑幸と仕事で関わったライター北川アキと、その元夫の諸橋倫敦。 主人公たる桑幸の役割は、中盤以降、周囲に振り回されるピエロみたいな印象があります。 さらに話が進むと、桑幸はどんどん訳が分からなくなり、話はカオスの様相を呈し、いったいどうやって終わるんだろう、と少々不安になりました。 しかし謎解きはすっきり、分かりやすいです。 日本文学にアトランティス、新興宗教や製薬会社や古物商やら出版社やら、盛りだくさんな内容で、しかも600ページを越す大作ですが、上手く構成されていて読みやすかったです。 最後まで読めば、桑幸もただ振り回されていただけではなく、やはり主人公としての役割をちゃんと果たしていたのだと分かります。 | ||||
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最近、『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』なる新刊を出した著者の2005年の旧作。新作を読む前にこの旧作も読んでみたが、なにやら新作とは異なる雰囲気。勤めている大学は違うんだけど、同じ人なの?なんて疑問はあるけど、とりあえずは、まずこの旧作。 文庫判で600ページ近くにもなる分厚い長編。物語は、主人公の桑潟幸一助教授が、ひょんなことから、埋れていた童話作家の遺稿の紹介を依頼されたところから始まる。 依頼した編集者が殺されたことをキッカケに、主人公は、「アトランティスのコイン」をめぐる謎に巻き込まれていく。主人公のほかに、元夫婦探偵なんかも登場して、謎解きに加わり、体裁はまさにミステリ。これに日本文学近代史といった文学の匂いをさせながら、オカルトやホラーめいた感じも漂わせ、ミステリというジャンルを超えた感じのする小説で、まさに著者らしい小説。 一応、ミステリなので、謎も解かれていくが、決してそれが話の中心になることはなく、少しずつずれていく。読み終えても、なんだか、また謎の中に放り出されたよおうな感じが残る。不思議な読後感のある1冊だった。 | ||||
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名前は存じ上げてましたが、初めて読んだ奥泉 光 氏の作品です。 作風を知らず、奇妙な本の題名、奇妙な装丁、分厚い本、びっしり詰まった活字、ちょっととっつきにく本でした。 さえない短大助教授の日常が続きます。 文学界の実情がわかり、それはそれで面白いのですが、何処がミステリーなの ? って、戸惑います。 そして、途中で、これって、オカルト? と不安を抱きます。 ある程度進むと、謎が謎呼ぶ・・・というように引き込まれます。 緻密に考えられたストーリーのため、読み飛ばしができす、疲れます。 元夫婦の素人探偵、倫敦 と 北川エリのコンビが、いい味出してます。 読後の満足感はすごくあります。 すごい本を書く人がいるんだ・・・と感心するばかりです。 | ||||
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ミステリとSFと純文学が融合しています。プロットはロス・マクドナルドを彷彿とさせます。伏線の回収もきちんとされています。ジャンルを越えて本好きは必読の一冊。 | ||||
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全く著名でない童話作家の遺稿を「発見したことにしてくれ」と頼まれあれよあれよという間にプチ有名になるとある大学の助教授「桑潟孝一」 そして「アトランティスのコイン」をめぐる殺人事件を追及する素人探偵北川エリ。 この二組の狂言回しを交互に描いて、徐々に「アトランティスのコイン」をめぐる謎に肉薄する・・・・という骨組み。 で、この「桑潟幸一」が凄いセコくて情けなくて卑怯きわまりない男なんで、読者たる私たちは「なんだかなー」と思いながら読んでいくとですね・・・・。 最後の最後で、弱くて愚かで卑怯であるが故に反転して一挙に英雄と言って良い人間に変貌するのです。 これは凄いよ。 是非一読して頂きたい傑作です。 | ||||
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帯の惹句にもあるように、連続殺人、首なし死体、アトランティスのコイン、怪しげな錬金術、孤島の洋館、複雑な縁故関係、およそミステリの要素を何でも詰め込んだ作品です。 奥泉作品の中では、正統なミステリーに近い作品だと思います。 おどろおどろしい幻視など、ミステリとしては反則すれすれのギミックもあり、犯人はこいつだ、という場面でのカタルシスはあまりありません。 奥泉作品らしい、一ひねり効いた正統派(?)ミステリーです。 | ||||
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まず、この作品の前に「鳥類学者のファンタジア」を読むのが前提だが、それは本作をより面白く読むためであって、屁理屈をこねるためであってはならない。奥泉光の作品は、登場人物たちの大真面目なおかしさと、目まぐるしい舞台の移動、文章の勢いを楽しむのが正解のような気がする。時間のあるときに一気に行くべきだ(一気に読まずに済ませられる人は、相性が悪いと見る)。ジャズに詳しい方、多摩地域、特に中央沿線在住だと笑える頻度は確実にふえる。 芥川賞作家に理屈を求める読者がいるのが不思議でならない。 | ||||
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昭和の東京を舞台に、荘厳華麗な本格推理の大伽藍を構築し、挙げ句一瞬で全てを夢幻のうちに消失せしめた恐るべき傑作「虚無への供物」。中井英夫の探偵小説史上に燦然と輝く金字塔は、読者より、むしろ実作者にとって一層強く意識され続ける存在だろう。 新本格とうたわれる作家達の中にあって、少なくとも奥泉光にとって「虚無への供物」とは作家として一度はぶつからねばならない作品だったようだ。しかし、中井英夫の傑作に相応しいリスペクトはどうあるべきか。真面目な中井英夫の衒学、耽美、レトリックを、ユーモア、滑稽に置き換え、あの大傑作をなぞるようにキャラを動かして、奥泉らしい遊びを工夫しながら、反推理小説として知られた結末を彷彿とさせるオチにつなげた技ありの作。 作家的野心を漲らせながら、思いっきり本歌を遊び倒した「モーダルな事象」は「虚無への供物」が好きな向きには堪らないはず。また「虚無への供物」を読んだことがない人にはセットで読むことをお勧めしたい。本格好きなら至福の時間が得られるはず。 | ||||
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