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(短編集)
メルカトルかく語りき
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メルカトルかく語りきの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 21~28 2/2ページ
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メルカトルと美袋ときたら、碌でもない話なのは最初からわかりきっていて、 それでも読んでしまう。ああなんとアンビバレントな… 全編コテコテの反推理小説です。「収束」なんて、メタミステリにも程がある。 爽快な読後感とかすっきりした解決とかがないと耐えられない方には向きません。 TV版エヴァが好きならOkかな? ってところですね。 | ||||
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基本的にはおもしろかった。実験小説ですよね、でも。 なので、あんまりネタバレはかけません。 端っこの方を触るようにレビューすると、 文章としては、最近マンネリ気味な東川作品よりも 毒が効いていて、好き。 そして、論理的なタッチも好みです。 本作は、この「論理」を突き詰めていった先の 結論の意外さを楽しむというか、馬鹿にするな!っていう 人には受けないだろうなぁというエンディングをするという ああ、何とも書きようがないですが…… 扉袖に、作者から、メルカトル(探偵)は不可謬です。 したがって彼の結論も無謬です。あしからず。 みたいなメッセージが書かれていて、全編読んだ後に 改めて見直したら、あ、それであしからずなのですね、 と腑に落ちました。 なので、読むものに困ってる人とか、とにかく本が好きな人は これ好きだと思うんですけど(僕は後者)、一発でおもしろい 推理小説に出会いたい、という人はやめた方がいいんでしょうね。 実験的「本格推理」としては興味深いけど。 | ||||
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左利きの人間もとっさに右手で何かすることがあるかもしれないけれど、そういうことを言い出したらきりがないからそれについては恣意的に考えない。 密室状態の室内でも、原子や空気が突然変な動きをして勝手に被害者を死に至らしめたのかもしれないけれど、そういうことを言い出したらきりがないからそれについては恣意的に考えない。 それが本格ミステリであるなら、「こういう方向に」恣意を働かせたって決してアンフェアではないよね? そんな声が聞こえてくるようです。 一分の隙もない論理を積み重ねた結果として現れる、幻想小説のように薄気味悪くカオスな光景。 解決するとはどういうことなのか? 根拠があるとはどういうことなのか? それを考えることで初めてこの本は幻想小説から本格ミステリに姿を変えるのだと思います。 余談ながら『答えのない絵本』の「もちろん、××は××より以前にぶら下げておく」には大いに爆笑しました…そのちょっと前から既に正気の沙汰ではないけどこれはもうだめだ、我慢できない。 | ||||
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左利きの人間もとっさに右手で何かすることがあるかもしれないけれど、そういうことを言い出したらきりがないからそれについては恣意的に考えない。 密室状態の室内でも、原子や空気が突然変な動きをして勝手に被害者を死に至らしめたのかもしれないけれど、そういうことを言い出したらきりがないからそれについては恣意的に考えない。 それが本格ミステリであるなら、「こういう方向に」恣意を働かせたって決してアンフェアではないよね? そんな声が聞こえてくるようです。 一分の隙もない論理を積み重ねた結果として現れる、幻想小説のように薄気味悪くカオスな光景。 解決するとはどういうことなのか? 根拠があるとはどういうことなのか? それを考えることで初めてこの本は幻想小説から本格ミステリに姿を変えるのだと思います。 余談ながら『答えのない絵本』の「もちろん、××は××より以前にぶら下げておく」には大いに爆笑しました…そのちょっと前から既に正気の沙汰ではないけどこれはもうだめだ、我慢できない。 | ||||
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「死人を起こす」「九州旅行」「収束」「答えのない絵本」「密室荘」収録。 メルカトルシリーズのうち2009〜10年と最近発表された作品4編と、書き下ろし短編が1編(「密室荘」)という構成。 著者の言葉からもわかる通り「銘」探偵メルカトル鮎は無謬の探偵としておかれた存在であって、その原理上彼が語る論理が誤りであることはない。だからこそ収録されている5編の結末のいずれもに読んでいる側は困惑させられることになる。なかでも後半3つ「収束」「答えのない絵本」「密室荘」はとても著者(メルカトル?)の性向が良く理解できるのでは。本格ミステリの本のレビューとしてあまり詳しくは話せないけれど「収束」は普通に1年に1度あるかないかの作品で、おすすめしたい。「答えのない絵本」「密室荘」は読んでいて途方に暮れてしまった。前作『メルカトルと美袋のための殺人』収録「遠くで瑠璃鳥の啼く声が聞こえる」を初めて読んだ時の困惑感。こちらは問題作ではあったが再読するほどに良くできた作品でしたがこちらは果たして・・・?少し時間を空けてもう一度精読するつもり。 相変わらず初めての方にはすすめづらい作風ですが、著者の本格を読み続けてきた読者の方には文句なくおすすめできる出来になっています。 | ||||
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「死人を起こす」「九州旅行」「収束」「答えのない絵本」「密室荘」収録。 メルカトルシリーズのうち2009〜10年と最近発表された作品4編と、書き下ろし短編が1編(「密室荘」)という構成。 著者の言葉からもわかる通り「銘」探偵メルカトル鮎は無謬の探偵としておかれた存在であって、その原理上彼が語る論理が誤りであることはない。だからこそ収録されている5編の結末のいずれもに読んでいる側は困惑させられることになる。なかでも後半3つ「収束」「答えのない絵本」「密室荘」はとても著者(メルカトル?)の性向が良く理解できるのでは。本格ミステリの本のレビューとしてあまり詳しくは話せないけれど「収束」は普通に1年に1度あるかないかの作品で、おすすめしたい。「答えのない絵本」「密室荘」は読んでいて途方に暮れてしまった。前作『メルカトルと美袋のための殺人』収録「遠くで瑠璃鳥の啼く声が聞こえる」を初めて読んだ時の困惑感。こちらは問題作ではあったが再読するほどに良くできた作品でしたがこちらは果たして・・・?少し時間を空けてもう一度精読するつもり。 相変わらず初めての方にはすすめづらい作風ですが、著者の本格を読み続けてきた読者の方には文句なくおすすめできる出来になっています。 | ||||
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相変わらずのメルカトル、美袋の掛け合いが面白い。普通に読んでいて面白いというのも、存外大事なことだと私は思う。 内容だが、この五作はすべて同様の趣向が凝らされている。この趣向については前例はあるかもしれないが、ここまで徹底して様々な手法と実験精神で取り組んだのは麻耶が初めてだろう。この作家、とにかく独自の問題意識を持ち、非常に高度な論理構築の業を以てそれを支える。その問題意識を共有でき、論理の美しさを正当に評価できる読者、所謂マニアこそがどっぷりとはまってしまう所以だ。 「死人を起こす」で若干不満に思ったものの、全体の趣向から見れば妥当なラストか。何より面白かったのが「収束」。事件自体は単純なものなのに対し、途中まで著者の意図がまったくわからない。Who done itだのWhat done itだのそういう括りですら、もはやない。やはり問題意識を持たなければ真の創造はできないのだと身につまされる思いだった。そして単純にラストのどんでん返しの鋭さも一番だった。残りの三作も非常に個性的で粒ぞろい、独創的で意外なラストととても面白いのだが、欲を言えば若干問題意識が先行しすぎ、自縄自縛となった感もあり、評価が別れるところだろう。著者の作品の中でも実験要素が強い短編集となっている。 いずれにせよこの小品集には事件解決に伴う爽快感など欠片もないので、そういったものをミステリに期待される方は手に取らない方が懸命かと。 | ||||
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相変わらずのメルカトル、美袋の掛け合いが面白い。普通に読んでいて面白いというのも、存外大事なことだと私は思う。 内容だが、この五作はすべて同様の趣向が凝らされている。この趣向については前例はあるかもしれないが、ここまで徹底して様々な手法と実験精神で取り組んだのは麻耶が初めてだろう。この作家、とにかく独自の問題意識を持ち、非常に高度な論理構築の業を以てそれを支える。その問題意識を共有でき、論理の美しさを正当に評価できる読者、所謂マニアこそがどっぷりとはまってしまう所以だ。 「死人を起こす」で若干不満に思ったものの、全体の趣向から見れば妥当なラストか。何より面白かったのが「収束」。事件自体は単純なものなのに対し、途中まで著者の意図がまったくわからない。Who done itだのWhat done itだのそういう括りですら、もはやない。やはり問題意識を持たなければ真の創造はできないのだと身につまされる思いだった。そして単純にラストのどんでん返しの鋭さも一番だった。残りの三作も非常に個性的で粒ぞろい、独創的で意外なラストととても面白いのだが、欲を言えば若干問題意識が先行しすぎ、自縄自縛となった感もあり、評価が別れるところだろう。著者の作品の中でも実験要素が強い短編集となっている。 いずれにせよこの小品集には事件解決に伴う爽快感など欠片もないので、そういったものをミステリに期待される方は手に取らない方が懸命かと。 | ||||
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