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不連続殺人事件
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不連続殺人事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.84pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全44件 1~20 1/3ページ
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途中には、建物の配置図があり、また読者への挑戦状も差し挟まれるタイプの、いわゆる本格推理小説ですね。 天才的な名探偵が登場人物し、ラストは登場人物を集めて事件の謎を解明するあたり、どこかで見たような展開でしたが、よく考えると、この作品の方が古い訳だから、こちらが先駆者なのでしょうね。 途中には、アガサ・クリスティーだとかの名前が出てくる場面もあります。 全体的にとても面白かったです。 ただ、気になった点もあります。 短期間に5人も6人も殺される前代未聞の連続殺人事件が起きているのに、登場人物たちが頑なに舞台となる屋敷から離れないところです。 それから、何番目かの殺人で、大振りなトリックが出てくるので、そこである程度のミステリーファンは犯人の目星がつくと思います。 たぶん、この時代には凄く斬新だったんだろうなと思いますが。 | ||||
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推理小説史上の名作、恐れ多くも「純文学」系の作家様に書いて頂いた傑作、ということで、仮に命名すれば、推理小説協会選定<名誉推理小説大賞受賞>といった趣の作品。将棋や剣道の「名誉〇〇段」と似たようなもの。「推理小説のファン」が翻訳物推理小説のアイデア、構想をアレンジ、換骨奪胎して書いたゴリゴリに凝って、凝りすぎた推理小説といったレベルを超えていないが、強引に日本を舞台に「ありそうもないストーリー」に脚色した大胆不敵な手腕はさすがにプロ作家、というところではある。犯人像のアイデアが似ているというレベルを超えて、そっくりそのままであるから、江戸川乱歩が困惑したのも無理もない。それでも、乱歩の昼の顔は「温和な常識人、有能な編集者」であったから、なんとか「不連続」の誉めるべき点は、うまくお膳立てして、評価はしている。努力賞ぐらいの扱いはしたのだ。いかにも乱歩らしい。「D坂の殺人事件」で乱歩が生み出した探偵・明智小五郎の容貌風体をそのまま、そっくり金田一耕助という名で横溝正史が「本陣殺人事件」で利用した時も、乱歩は、金田一は明智のパクリじゃないか!などと批判したりせず、「大人対応」で、作品の短所をやんわりと指摘したのみで、全体としては、渋々ながらもほめた批評をものにした。 「不連続」が読みにくいのは文体のせいでも、容疑者が多すぎ、被害者が多過ぎのせいでもなく、登場人物達の人間関係(相関図)の説明の仕方、記述が雑なせいである。余りにも無造作すぎ。探偵小説は安吾の余技といえば、それまでだが。安吾は批判した横溝正史は、推理小説作家としては、比較するのも愚かしいほど安吾より数段上なのだ。横溝作品は虚仮威(こけおど)しアナクロ・トリック満載だが、それだけなら、とっくに古びている。しかし、横溝の書き方は推理小説の王道で、見事な構成で読者をグイグイ引っ張っていく力があるのだ。そうした横溝の力量がわからず、トリックの不自然さ、犯罪の不自然さを叩いて、いっぱしの私見を披露したつもりでいた安吾は、やはり、推理小説については、素人、一ファンの域を出ていなかった。横溝作品の構成美に魅せられて映画化した市川崑監督のほうが、はるかに、推理小説の美学を理解していた。 探偵小説は「犯人当てゲーム」という安吾の推理小説観(「純文学」と探偵小説は別もの)が、「不連続殺人事件」に心理描写が最低限というより、ほどんど描かれていない理由なのかもしれない。読者より作者の方が犯罪トリックを面白がっている感じで、楽しみながら書いたのであろう。安吾がお気に入りのクリスティ作品(「スタイルズ荘」「ナイル」「アクロイド」「ABC」etc.etc.)では緻密な心理描写が真犯人特定の場合、不可欠の要素になっているのだが。 「不連続」は、アガサ・クリスティの「ナイルに死す」のトリックというより、犯人設定を頂いた(パクリといえばパクリだが、一概に、そう決めつけることもない)作品で、新鮮味に欠けることおびただしい。クリスティの「ナイル」を知っていると、「不連続」でいかに多くの登場人物(容疑者)が出てきても、「行動が飛び抜けて異様で、しかも鉄壁のアリバイがあるため、かえって目立ちすぎる人物(達)」が怪しいのだと、早々と犯人が分かってしまう。「アクロイド」にしろ「オリエント急行」にしろ「カーテン」にしろ、クリスティの名作に使われた推理トリックは、一回しか使えないという斬新なもので、パクりバリーエーションが難しいのだ。模倣すると、パクリだとすぐわかる。(にもかかわらず、パクリバリエーション作品は氾濫している。そうそう斬新なトリックなど量産できるはずもないから、これは致し方がないが。)「不連続」の場合、戦後まもないころとて、意外な犯人設定の元ネタであるクリスティの作品を知る読者は限られており、一般読者には新鮮で独走的に映ったという幸運に恵まれて、推理小説のプロ以外の受けは良かった。 本当の目的を隠すための連続殺人というアイデアは、クリスティのもうひとつの「ABC殺人事件」を参考にしたのであろうが(探偵小説の愛好家としての安吾が一番好んだのは、アガサ・クリスティの作品だった)、それはそれとしても、犯人設定は「ナイル」から離れたほうが良かったと思われる。トリックと犯人の意外性は密接に(密室に?)に結びついているから、切っても切れない。不可能犯罪を可能にする犯人像がトリック自体ともいえるところに、クリスティの「ナイル」の独創性(ぶっちぎりの独走姓で突っ走る)がある。そこまで、読み込んで、坂口安吾が「ナイルに死す」を参考にしたかどうか、「不連続」の犯人像の描き方、心理描写の不足を考慮すると、かなり、疑問なのである。表面的な模倣に終わっているところが、残念である。 d( ̄  ̄) | ||||
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初めての坂口安吾。本屋のおすすめコーナーにあった。 この時代の日本文学も、探偵小説も、なんとなく避けていたが、 読んでみると意外に読みやすいし、展開もよく、惹きつけられ、二日で読了した。 自分は、全く犯人がわからなかったが、謎解きの端緒となるシーンはなんとなく違和感は感じていた。 奇抜で下劣な登場人物ばかりで、非常識な展開の内容だが、その分、読書というものの非日常性の大事さを感じ、 日々の一服の清涼剤となった。ラストの描き方も素晴らしかった。作者の他の作品も読んでみよう。 アンゴウという、付録みたいな短編も、切なくて良かった。いつか読み返そう。 それにしても、小説家の、構想力、語彙力、文章力、ストーリー展開、その力量には恐れ入る。 今まで500冊近くは読んでるだろうが、自分には全く書けない。 古今東西の名著が読めるのは幸せな事ですね。生きてるうちにいい本いっぱい読みたい。 | ||||
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1948年に刊行され第二回探偵作家クラブ賞を受けた長編。『安吾捕物帖』と並ぶ坂口安吾のミステリにおける代表作であり横溝正史の諸作とともに大戦後の探偵小説復興の狼煙となった記念碑的名作。 雑誌連載時に附されていた作者による読者への挑戦状を収め、傑作短編「アンゴウ」を併録。さらに今回の版の底本となった創元推理文庫の〔日本探偵小説全集〕の編集に携わった戸川安宣、北村薫両氏の対談による巻末解説と、作品への大いなる敬意が感じられる復刊だ。 敗戦後の狂騒的な時代を背景に安吾独特の戯作的かつ露悪的な調子で物語は描かれるが、それまでの探偵小説に於ける心理描写の不自然なことに不満を抱いた著者の意気込みが反映されたプロットは極めて論理的でスマート。某大家のある長編との類似性が指摘される作品だが、巻末の対談では偶然の一致だろうとされている。ご存知の方は読了後、比較してみるのも一興だろう。 | ||||
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・サノーさん一言コメント 「無頼派の文学者がたたきつけた挑戦状。張り巡らされたトリックと、精緻な筆で、虚構のなかに真実を描く」 【サノーさんおすすめ度★★★★★】 ・ウノーさん一言コメント 「特殊な状況、あり得ない舞台が、矛盾なく本のなかで展開していきます。この犯人を追い詰めることは、誰にもできません」 【ウノーさんおすすめ度★★★★★】 ・サノーさん、ウノーさん読書会 サノーさん(以下サ):坂口安吾は、純文学デビューし、太宰治と同じころにデビューし、名作を世に出している。 ウノーさん(以下ウ):でも、この推理小説も「代表作」です。 サ:表現は文学の格調を残しながら、構成と運びは推理小説そのものだ。 ウ:当時、「犯人捜し」に「懸賞金」が出され、かの太宰さんも応募してたみたいです。 サ:多数の応募があったが、動機、トリック、犯人名を完全に当てたのは、一名だったそうだ。 ウ:一名いた、というのも驚きです。 サ:連載小説が発表された段階にもよるが、終盤を読まずして犯人とトリックを当てるのは、神業だとも言える。 ウ:それくらい、安吾さんの用意したトリックは、よくできていて、破綻していなかったわけです。 サ:時系列で整理すると、多少、「ムリ」があるような気がする箇所もあるが、人間の「念」が、生存や寿命に作用すると考えるなら、矛盾と指摘できるレベルではない。 ウ:「巨瀬博士」も見事な設定だと思います。 サ:明智と金田一のいいとこ取りというか、天才の能力と人間味のある行動がとれる魅力的な「探偵」だ。 ウ:本当は「博士」じゃないのに、天才だから「博士」というのは、微笑ましいです。 サ:この「情念」の連鎖で起こる「殺人」という現象を描いた物語のなかで、唯一の理性を感じさせる「設定」だ。 ウ:意外な人物が意外な「因縁」をもち、それが動機となって「殺人」が起こる、それは推理小説のテンプレートでもありますが、この作品は「斜め上をいく仕掛け」がなされています。 サ:タイトルに込められたメッセージを知るとき、推理小説の楽しさをあらためて実感する一冊だ。 【了】 | ||||
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登場人物が多すぎ(その半分ほどはストーリーに関係なく最後までもう出てこない)。主要人物たちも、誰が殺ってもおかしくない怪しい人物ばかり。これが「木の枝は森に置け」方式の仕掛けになっているわけですね。それでも、途中かすかな違和感が…。その時には分からなかったのですが、結局、その違和感が犯人の「心理の足跡」だったのでした。さて、あなたはこの違和感に気づきますか? | ||||
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純文学作家の坂口安吾が、大好きな推理小説に挑んだ名作です。筋立ての見事さ、伏線のはり方、謎解きの面白さ、本格推理小説の技法を十分に生かした作品で50年以上たった今読んでも十分楽しめます。おすすめです。 | ||||
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戦後まもない昭和22年夏、歌人・歌川一馬の招きである山奥の豪邸に集まったさまざまな男女。作家、画家、劇作家、女優、女性作家ーいずれ劣らぬ変人ぞろい。邸内に激しい愛憎が交錯するうち、恐るべき(八つの)殺人事件が発生する。(不)連続殺人事件の裏に秘められた犯人の意図とは?ミステリー好きなら、後半に入って真犯人の正体に気づくだろうが、それで面白さが半減するわけではない。ラストまで緊張感をもって一気に読ませてしまうあたりは、さすが坂口安吾と言えるだろう。第2回探偵作家クラブ賞を受賞した、心理トリックの傑作である。 | ||||
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登場人物を把握するのに苦労させられたのはこれが初めて。 冒頭から出るわ出るわ。しかも読み進めていくと名前で呼ばれていた人物が苗字で呼ばれたり、渾名で呼ばれたりと 混乱極まる。とくに千草の存在が私はまったく頭に入らず、途中で出てきたときにはこれは誰だと散々ページを戻った挙句、 ネットで相関図を調べてようやく思い出したくらいだった。 だから正直序盤は辟易させられていた。 しかし、この物語、そこから次々と面白いように人が死んでいく。 そして真相に辿り着いたとき、この混乱極まる登場人物が、すでにトリックだったとわかった。 真相を知れば至極単純で、少し考えればわかりそうなものだった。むしろ気づかないほうが不自然に。 しかしこの多くの登場人物で、且つ複雑な関係がそうした単純な構図を見えにくくさせていた。考えるのも億劫にさせていたのだと思う。 | ||||
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映画を観て気に入ったので、原作本を読んでみました。 先に映画を観ていたので登場人物もスムーズに理解できました。 また、原作を読む事により、逆に映画で分かりずらかった部分も理解できました。 つまり、映画と原作本を観て両方が理解できた、って感じでしょうか。 どちらもお勧めです。 | ||||
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読み始めたところ、どんどん先が読みたくなってしまうので、Amazonで購入して1日で一気に読み終えてしまいました。人間関係が複雑なので、人間関係と、重要と思われる記述はページ数をメモして読み進めました。けっこう、私は探偵モノは読んでいる方だと思いますが、なかなか今回のように詳しくメモをとったりしません。ただ、この本はなんとか犯人を当てたいと思って、頑張りました。登場人物の奇人・変人ぶりが強烈で、この連中が最後はどうなるのか、殺人の動機はいったい、何か、というのが気になって、深夜までかかって読み通しました。 このように、とても面白いですが、登場人物の強烈さや結末が良くも悪くも記憶に残り過ぎてしまう気がします。内容を詳しく記憶しているのに、何度も同じ推理小説を読む気にはなかなかならないと思いますので、そういう意味では、同じ本を何度も繰り返し読んで、新たな発見を楽しむのが好きな人(私はその1人ですが。)には、その点は適しません。ただ、一気に読ませてしまう面白さはあると思います。 | ||||
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ずいぶん前に読もうとして、挫折した作品でした。 久しぶりに文庫本を手に取り、再挑戦したのですが、やはり怒濤のごとく登場する複雑な人間関係にたじろぎました。冒頭の数十ページは行きつ戻りつして読み直し、今回も挫折かなあと諦めかけました。 ところが、心地よい文体に慣れた時、もうページをめくる手が止まりません。残りが少なくなるのが惜しいのに、早く読みたくて読みたくて。冒頭でくじけずにいて良かった。推理小説って面白いなあと、再確認させてもらいました。 | ||||
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僕はあまり推理小説を読みません。 また、読むときは犯人やトリックを自分で推理しようとすることをしません。 僕が推理小説を読むときに評価する点は、 1. トリックが現実的に(運頼みとかではなく)実行可能か 2. タネ明かしまでの間に読者に正確かつ充分な情報が与えられているか 3. 探偵役の推理の組み立てが論理的(納得できる)か この『不連続殺人事件』は上記みっつに関しては完璧です。 たしかに他の皆さんが指摘されているような小さな瑕疵はあるのですが、 読者に与えられた情報のみで探偵役が論理的に推理を組み立て、 それが納得できるという点で、個人的には間違いなく傑作です。 昔の作品なので文体とことばに癖があり、最初はとっつきにくいですが、 慣れればサクサク読み進められます。 僕は結局、一気読みしてしまいました。 | ||||
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「奇想天外なトリック」「歴史的名作」と謳ってあるが、 うーむ…正直そこまでのものだろうか。 いや、面白くないわけではない。 とても面白く読んだことは読んだのであるが、 この手の心理的トリックというか 騙しのテクニックは、多くの作家に作例がある。 すぐにパッと思い浮かぶクリスティーの作品があるが、 これを書くとネタバレになってしまうので、やめておく。 クリスティーのその作品は1937年に書かれていて、 坂口安吾の本書は1947年に書かれている。 やはり、「うーむ」といわざるを得ないのだ。 | ||||
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山奥の豪邸「歌川家」に集められた奇人・変人達。そして発生する連続殺人事件。戦後の混乱期の風紀紊乱な雰囲気が何とも魅力的な作品です。 この作品は、推理小説の愛好家であった作者が、当時の推理文壇に挑戦状を叩きつけたものであり、「小説家」として人間を描くという意図をもって書いたもののようです。 「不連続殺人」という趣向やメインの殺人の舞台立ては、クリスティーそのものであり、事件の手がかりとなる「心理の足跡」は、作者が酷評していたカーの有名な作品からの流用で、氏のミスデリ−愛好家ぶりが窺える内容となっています。 ただし人間関係がどろどろしているわりに、読後に余韻が感じられません。この点では人間の心理を合理的に描こうとした氏の「小説家」としての限界と、それを踏まえつつも不条理なものとして描こうとした横溝との違いを感じました。また探偵役の巨勢博士も設定の面白さの割りに印象が薄い気がします。このあたりはもの足りなさを感じます。 他の方も書いていましたが、かつての角川文庫の映画のカバーが強烈に印象に残っています。半ば露になった乳房と突きつけられるメス、そして怯えた女性の顔。高校生の頃に本書をレジに持っていくのを躊躇したのが忘れられません。 | ||||
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その名声に違わない面白さだった。 いやあ、犯人の知恵、トリックにただひたすら脱帽です。 見事に騙されました。 題名もいい。 | ||||
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"ミステリは遊びの文学である"、という定義に従えば、本作は間違いなく傑作である。なんといっても、著者が楽しんで書いたことが文面から良く読み取れる。著者安吾がこれだけ楽しんだ作品だ。面白くない訳がない。 今風にいえばクローズド・サークルものといえるだろうか。怪しげな登場人物が一カ所に集まり、そこで殺人がおきる。多くの登場人物の間に愛憎関係やら何やらのドロドロしたものが存在して、みんながそろって怪しく見える。まさに、ミステリというか、古き良き探偵小説のムード満載といったところだ。 プロットは現在では陳腐に見えるかもしれない。トリックも、なんじゃこりゃ、といったものかもしれない。しかし、それを補って余りあるこの羊歯の根のような人間関係の縺れ方はどうだ。それがちゃんと書き分けられているんだから。ちょっと分かりにくいのは、ご愛敬といったところか。それとも、著者の頭脳にこちらが追いつけないせいか。 不連続といいながら、連続殺人なのもご愛敬だが、唯一、巻頭2ページで登場人物の多くを紹介するのだけはマイナスポイントだな。読んでいると段々と識別出来てくるが、名前だけではまったく人物の見分けはつかない。誰がだれやら、何をどういう気持ちで言っているのか、行動しているのかは、最初のうちはまったく認識不能である。 しかし、本書の面白さは、そんなことを帳消しにしてしまうほどである。どこがどう面白いのかはネタバレの恐れがあるために控えるが、とにかく人間関係に注目して、注意深く読むことをオススメする。 ミステリとしての破綻のない、キリリとしまった作品である。 | ||||
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"ミステリは遊びの文学である"、という定義に従えば、本作は間違いなく傑作である。 なんといっても、著者が楽しんで書いたことが文面から良く読み取れる。 著者安吾がこれだけ楽しんだ作品だ。 面白くない訳がない。 今風にいえば、クローズド・サークルものといえるだろうか。 怪しげな登場人物が一カ所に集まり、そこで殺人がおきる。 多くの登場人物の間に愛憎関係やら何やらのドロドロしたものが存在して、みんながそろって怪しく見える。 まさに、ミステリというか、古き良き探偵小説のムード満載といったところだ。 プロットは、現在では陳腐に見えるかもしれない。 トリックも、なんじゃこりゃ、といったものかもしれない。 しかし、それを補って余りあるこの羊歯の根のような人間関係の縺れ方はどうだ。 それが、ちゃんと書き分けられているんだから。 ちょっと分かりにくいのは、ご愛敬といったところか。 それとも、著者の頭脳にこちらが追いつけないせいか。 不連続といいながら、連続殺人なのもご愛敬だが、唯一、巻頭2ページで登場人物の多くを紹介するのだけはマイナスポイントだな。 読んでいると段々と識別出来てくるが、名前だけではまったく人物の見分けはつかない。 誰がだれやら、何をどういう気持ちで言っているのか、行動しているのかは、最初のうちはまったく認識不能である。 しかし、本書の面白さは、そんなことを帳消しにしてしまうほどである。 どこがどう面白いのかはネタバレの恐れがあるために控えるが、とにかく人間関係に注目して、注意深く読むことをオススメする。 ミステリとしても小説としても破綻のない、キリリとしまった作品である。 | ||||
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面白かったです。『不連続殺人事件』というだけに全然人死なないのかな・・・と、心配していたのを吹き飛ばす様にガンガン死んでいきます。ただ、面白かったんですけど、文章が・・・文体が??昔風なのでシンドイ☆これ最後まで続くのだろうか・・・と、思ってたら最後まで続くんですがwでもそのオカゲで、普通の小説なら流し読みの所をガッツリ読んでしまうので解決編の前迄には犯人も犯行状況も大概判ります。元より『懸賞付犯人当て小説』なので推理に必要な事はキッチリ書かれてます。誰が殺人犯なのか判らないのに1人でフラフラ逢引に行ったりするか?等、野暮な事は言っちゃいけません。登場人物なんだか皆、異常にエロスな方々ですw警察が色々甘過ぎる点も、昔の田舎が舞台なので目を瞑りましょうwそして解決編は電車内で読むのは止めましょう。泣きそうになってヤバかったw私は。 | ||||
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面白かったです。『不連続殺人事件』というだけに全然人死なないのかな・・・ と、心配していたのを吹き飛ばす様にガンガン死んでいきます。 ただ、面白かったんですけど、文章が・・・文体が??昔風なのでシンドイ☆ これ最後まで続くのだろうか・・・と、思ってたら最後まで続くんですがw でもそのオカゲで、普通の小説なら流し読みの所をガッツリ読んでしまうので 解決編の前迄には犯人も犯行状況も大概判ります。 元より『懸賞付犯人当て小説』なので推理に必要な事はキッチリ書かれてます。 誰が殺人犯なのか判らないのに1人でフラフラ逢引に行ったりするか?等、野暮 な事は言っちゃいけません。登場人物なんだか皆、異常にエロスな方々ですw 警察が色々甘過ぎる点も、昔の田舎が舞台なので目を瞑りましょうw そして解決編は電車内で読むのは止めましょう。泣きそうになってヤバかったw私は。 | ||||
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