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悪童 エリカ&パトリック事件簿
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悪童 エリカ&パトリック事件簿の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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けっこうページ数は多いけど、事件に関係ない話が多い。 そして具体的な物事よりも登場人物たちの心情描写が多いのだけど、その肝心の心情にリアリティが感じられなかった。 たとえば、被害者の友達が事件のカギとなる話を知っているのだが、それを大人に話すと死んだ被害者がよみがえって自分にいじわるをするかもしれないので、その話を秘密にしておこうとする。それがいかにも大人が考えた純粋な子供と言う感じで安っぽかった。 犯人が人格に異常をきたす過程も、やはり現実味がなく、漫画みたいな書き方だと思った。 ただ、女性陣の姑や育児に対する不満はリアルだった。 それから、美女アグネスが男を翻弄しながらどんなことを考えていたか、というところの描写も筆が乗っていると思った。(読んでて嫌になるところばかりだけど。) 著者が意図したかどうかは別として、女性向けなのだと思う。チック・リットにミステリーを混ぜておっさんを増やしたような感じ。 そっち方面ではイギリスの『ガール・オン・ザ・トレイン』の方が個人的には面白いと思った。(面白いことに、著者はレックバリと同じく経済方面でのキャリアがある) 重厚な北欧現代ミステリーを読みたいなら、アイスランドの『湿地』が断然おすすめ。 | ||||
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今回もたっぷりと妊産婦の経験談が盛り込まれ全体の嵩上げに貢献している。謎解きに「ムダ毛処理」の注釈が必要か?今回はでしゃばりのエリカが余り出てこないので出てくる度に妊産婦経験談とヒステリックな話と付き合うハメになる。慣れて来たので途中のエリカ話を飛ばして読む癖がついた。世界で1000万部売れてるそうだが明らかに勢いが鈍っている。そりゃ体重と美容にムダ毛処理のミステリーなんぞ世界の半数を占める我々男性は大抵読みたくもない。せっかくメインストーリーが面白いだけに邪魔くさくて残念だ。今回の謎解きも登場人物が多過ぎて反則気味ではあるが概ね納得できるモノだから残念至極だ。今回の最後にエリカの妹が旦那を殺した電話が掛かって来て次回作につながるという商売上手。アーンストは今回でついに懲戒解雇処分となった。次回から「イヌ」の名前に格下げとなる。メルバリ無能所長はアーンストの不始末で中央への復帰なんぞ有り得ない事をやっと少し理解したっぽい。 ミステリーとして推敲すれば充分に中身が有るだけに「エリカ」が邪魔だ。当分体重計の前で温和しくヒステリーを起こしてくれてりゃいいのに。 | ||||
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ナチスの幻影による傷の深さが今もなおスウエーデン人の心の中に沈積していることに驚かされた。 | ||||
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現在進行している事件と、過去のアグネスの物語が並行して進んでいくのだが、アグネスの物語の最終2〜3章がいきなり視点が変わってしまうのに当惑した。 思うに、この最後の2〜3章と犯人の独白でこの犯罪の背景・動機、及び犯罪者自身を総括する意図があったのだと思うのだが、過去と現在の繋がりが中途半端で整合性が取れていない感じがするし、犯行の動機も含めて犯罪そのものにリアル感がない。 あれだけ多くの人物を登場させ、掘り下げて話を大きくした割には、最後の部分は慌てて風呂敷を畳んで事件を終わらせてしまったという感じが否めず、次作につなごうとする露骨なエンディングは、シリーズ物が好きでない自分は少し白け気味だった。 | ||||
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到底信じられないし、ましてや理由などに思い当たりもしない。 後書きには<等身大の人間小説&ご近所関係の小ネタ満載>が受けるとあり、「ミレニアム」みたいな政府の陰謀が絡んだ話とかは、 高福祉社会スエーデンでは、感情移入出来る話ではないのか、と納得するしかない。 それにしても本筋と関係ない育児話とか(この辺のエピソードと言うか小ネタが親しまれれ、受ける原因か?)、 もうちょっと全体的に絞ってくれると、私の様なミステリー好きもウトウトせずに済んだのだが... 犯人にしても意外といえば意外だが、もともと<皆顔見知りの町>での犯罪であり、どんでん返し的なものを用意しようと すると、<やぱりここか>と言う感じで、<やられた>という衝撃は薄かった。 むしろ作者の意図としては、<過去の話>が生み出す因果関係で読者への衝撃を意図したと思うのだが、これも 全てが明らかになった後に思うのだが、<ここまで長々と読ましておいて、この程度のことか>というのが私の 感想だが、これは人に拠って感想の分かれる所でしょう。 | ||||
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本編と同時進行する過去の物語にすっかりひきこまれ、事件との関わりを考えては首をひねり、至福の時間を過ごしました。 理屈ではなく感性で楽しむタイプの方にお勧めしたいミステリです。 ゴシックロマン『屋根裏部屋の花たち』(V・C・アンドリュース)がお好きな方ならもうツボでしょう! 原作からのタイトル変更は、事件の根源にスポットライトをあてようとした訳者の試みでしょうか? 個人的には分かりやすくて好き(笑)。もちろん原題のままでも。 後から考えると不要と思われるかもしれないサイドストーリーにも「伏線か?」と引き回されますが、楽しい苦労でした。 強いて言えば育児のグチはもう勘弁して…次作ではエリカの妹アンナの顛末が語られる筈、待ち遠しい限りですが、 「もう少しハードボイルドな北欧ミステリの最新作は?」という向きには『黄昏に眠る秋 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)』(ヨハン・テオリン著)などいかがでしょう。 退屈な作品が横行する昨今、貴重なストーリーテラーである作者に期待しています。 | ||||
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シリーズ第3作を待ち構えて読んだが、結果は期待外れだった。このシリーズ最大の売りである主人公夫妻の生活に、子育てにまつわる過剰で大袈裟なセンチメントが綴られる以外に変化・進展は無く、エリカ〜アンナの姉妹関係にも最後のページ以外にも動きが無い。その代わりに警察内部での人間関係やエピソードにページが割かれるが、メルバリ署長のハプニングもアーンスト刑事の失策も強いインパクトに欠ける。 では、本筋の殺人事件をめぐる物語はどうか。前作同様の仕掛けで語られる「古い物語」には胸にこたえるようなリアリティが無く、「古い物語」と現在の事件との絡まりに緊迫した必然性や因果関係が納得できず、現在の事件における殺人の動機は際立って見えてこない。そのため、新旧の物語の特異性や意外性に拘わらず、すべて「ああ、そういうことか」で済んでしまう。 翻訳者が何故変わったのか、これがこのシリーズ最大の謎であろう。新しい翻訳者の仕事は、首をひねる箇所が数箇所あるほかは総じて無難で、前2作の調子をよく伝えている。但し、タイトルを原作の「石工」から「悪童」に変えた意図が理解出来ない。「悪童」は、必ずしも子供とは限らないところから、現在の事件に出没する子供や怪しげな大人たちに読者の犯人探しの目を導かんがためであろうか、それとも単に分かり易い読者受けを狙ってのことであろうか。「古い物語」の記憶を呼び起こすシンボルを消してしまったのは、単なる「誤訳」にあらず、「悪訳」であろう。第1作の「あとがき」において、シリーズ全体を俯瞰して第3作を「石工」と紹介していた前訳者の見識を諒としたい。 | ||||
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