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サイレント・ジョー



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サイレント・ジョーの評価: 3.55/5点 レビュー 11件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.55pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(3pt)

冗長

良心的な作品だが長すぎる。そう感じさせるのには、背表紙のあらすじ紹介も一役買っている。いきなり「赤ん坊の頃、実の父親から硫酸をかけられ顔に大火傷を負った」と書いているが、作中ではこの部分が説明されるまでに主人公の心理描写を含めてかなりの頁数を割いている。おかげで読者にとっては、わかりきったことがもったいぶって明かされるという、まずい展開になってしまった。そのため、一気呵成に作品世界に引きずり込まれず、中断しながら読むと登場人物の多さが災いして誰が誰だかわからなくなる。読む価値はあるがいろいろな点で残念だ。
サイレント・ジョー (ハヤカワ文庫 HM)Amazon書評・レビュー:サイレント・ジョー (ハヤカワ文庫 HM)より
4151758518
No.2:
(3pt)

ハードボイルドな、“若者の成長物語”

本書は、アメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」・通称エドガー賞の’02年最優秀長編賞受賞作である。

日本では’02年「このミステリーがすごい!」海外編で第2位になっている。

保安官補であるジョーは24歳。刑務所の看守の仕事に出向している。赤ん坊の頃、実の父親に硫酸をかけられ、今も顔に醜い傷痕が残っている。施設に預けられていたが5才の時に引き取られ、養父母に愛情を持って育てられた。礼儀正しく、人呼んで‘サイレント(静かなる)・ジョー’。

6月半ばの夕方、敬愛する養父・南カリフォルニア・オレンジ郡郡政委員のウィルとともに、ある場所に物を届けた後、ひとりの少女に出会う。そして霧の立ち込めるなかで5人の男たちに襲撃され、養父はジョーの眼前で撃たれ、病院に着いた時には息絶えていた。
身を貫かれるようなショックを受けたジョーは、仇を討つべく、FBIの捜査官や保安官事務所の刑事らの助けを借りながら、真相を追う。

初めは、ある富豪の娘の誘拐に絡んだ事件だと思われていたが、やがてその背景には、現代アメリカ社会の持つ病巣とも言える、人種と貧富の差、富裕階級の傲慢さと腐敗、政治上の権力闘争による利権の奪い合いが見え隠れしてくる。そして、それらに関わるウィルの複雑な人間関係と、彼の暗い‘裏の顔’が明らかになる。

番犬のごとく養父の言うことだけを忠実に守ってきたジョーは、今や自ら考え、行動する。真剣な恋愛も経験する。それがどんなに醜悪な事実であろうと、真相を知ること、そして復讐することに対して、ジョーはクールなまでに迷わない。

本書は惹句に“感動のミステリ”という謳い文句が書かれているが、私は、淡々とした一人称の叙述で進行するストーリーのなかに、むしろハードボイルドな、“若者の成長物語”を見た気がした。

サイレント・ジョー (ハヤカワ文庫 HM)Amazon書評・レビュー:サイレント・ジョー (ハヤカワ文庫 HM)より
4151758518
No.1:
(3pt)

新タイプのヒーロー誕生。

どのような主人公か最初は見えてこない。ページが進むにつれジョーの
生い立ちが見えてくる。
いわゆる探偵小説であり、事件の当事者としてまきこまれていく過程は
ストーリーに引き込まれていく。何事にも対処できる能ある鷹が爪をか
くすジョーという人間性は読み手だけにあかされ、ストイックに鍛える
主人公ジョーとその控えめな物腰の理由がわかってくる。
ありうるアメリカ社会の現実とそこでもありえる犯罪にジョーがどう対
応し、対決していくか。謎解きもさることながらジョーの振舞いがい
い。ただ、このような人物像が現実社会とは遊離していると感じてしま
い実在感のなさが、ハッピーエンドのエンターテイメント小説にしてし
まっている。
サイレント・ジョー (ハヤカワ文庫 HM)Amazon書評・レビュー:サイレント・ジョー (ハヤカワ文庫 HM)より
4151758518

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