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大絵画展



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【この小説が収録されている参考書籍】
大絵画展
大絵画展 (光文社文庫)

大絵画展の評価: 3.30/5点 レビュー 20件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.30pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全20件 1~20 1/1ページ
No.20:
(5pt)

以外

著者の作風が全く変わっていた。
大絵画展 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:大絵画展 (光文社文庫)より
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No.19:
(3pt)

是非、映像化を!

本格推理小説を期待すると粗さが気になってしまうと思いますが、エンターテイメント作品としては文章も上手く、題材も面白かったです。序盤はテンポも良くワクワク読み進めました。
なので。。中心人物の魅力不足と後半の冗長さ(何度も同じような描写や説明が繰り返される)が悔やまれます。そこをカバーする映画やドラマにしたら、すごく面白いのでは!
大絵画展 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:大絵画展 (光文社文庫)より
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No.18:
(2pt)

下降小説

「何かスケールの大きな話が始まるのでは」的予感にわくわくするような
オープニングに大いに期待したのですが、話が進むにつれてどんどんと
貧乏くさいコンパクトな内容にまとまっていきます。

取材がしっかりしていたようで、その世界の細かい描写は見事でしたが、
どうしても抜けきらない小者感。本当に面白い小説を読んだ時の、あの
早く続きが読みたい衝動が一切わきませんでした。
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No.17:
(3pt)

文章にアラはあるがスケールはでかい

文章に粗があって、何を指すのか誰を指すのかが曖昧だったり、句読点の打ち方が変だったり、語尾が同じのが続くとか、もうちょっと編集者が直せなかったのかなと思う部分はありました。
でも賞をとるにはこれくらいのスケール感と絵画に対するマニアックさがないと無理なんだろうなと思います。たぶんほかの候補のレベルがこれに達しなかったんだろうと思います。
国際的な規模のコンゲームを絵画の知識を生かして書かれたものです。
展開は幾度か無理があるところもあったのですが、その辺はフィクションとして多目に見れば結構楽しめると思います。
美術に対する描写が細かいのと、たくさんの人が出てきてそれを繋ぎ合わせる緻密さもあったと思います。
ただ、その緻密さに美術に特段関心のない読者がついていけない懸念はあります。私も無駄な描写はとばしながら読んでしまいました。
あと、これだけの大事件を企てるにしては動機がしょぼいです。たぶんトリックのほうを先に思いついて、動機をあとから考え付いたものと思われます。男が十億単位の金のために事件を起こすのは単純に金目当てでいいと思います。
★★★.5
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No.16:
(2pt)

期待したが。。。

登場人物が多く筋も混み入っているので一気に読まないとストーリーが追えない。
(文庫版には登場人物の紹介があるようですが)
ゴッホの絵そのものについて何か驚くべき事実や仮説があるわけでもない。
強奪のシーンなどは面白かったがだんだん疲れてきて後半は飛ばし読みしました。
「大絵画展」とは何か?と最後に期待しましたが。。。残念。
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No.15:
(2pt)

面白いけど…

面白いけど1つ1つの説明が回りくどく感じてしまい、まだこの説明続くの?と思いながら読みました。
自分の理解力がないのでしょうけど…
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No.14:
(3pt)

すっきり完成しなかったジグソーパズルのような気分

この小説は、ゴッホの『医師ガシェの肖像』が日本人によって
史上最高額で競り落とされる場面から始まります。
実際に、この絵は、日本人によって1990年に約124億円で競り落とされて有名になりました。

冒頭の「ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードに捧ぐ」という言葉から推察されるように
映画『スティング』を思わせるコンゲーム小説です。

確かに、ストーリー的には、かなりおもしろいですし、
読者をもだますという展開も『スティング』を思わせます。

ただ、重要な役割を果たす壮介と茜が巻き込まれるまでの転落ぶりが多少長すぎて、
そして暗くて、少々気が滅入るのと
登場人物が多すぎて
目次裏に記載されている登場人物表を見ながらでもわかりにくい、と思いました。

ただ、一気に読める人はおもしろいかも。
少しずつしか読めない場合には、途中からわかりにくくなってしまって
話を追うのが精いっぱいという具合。

ジグソーのピースがぴたりと合った人にとっては
かなりおもしろいとは思いますが
そうじゃないと、全体の絵は完成したものの
いくつか違ったピースが残っちゃったぞ、という感じになっていささか消化不良になるかもしれません。

私は後者なので、星は3つ。
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No.13:
(1pt)

面白くなかった

面白くなかった。  面白くもなし、期待はずれでした。  今後書評を読むのは止めよう、と思います。
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No.12:
(3pt)

エンタメ小説としての魅力は十分

原田マハの「正統派美術小説」とは違って「エンタメ系小説」としての要素がふんだんにちりばめられており、久しぶりに読みながらワクワクとした躍動感を味わうことができました。結末を「そんなこと、ありえないだろう!」と思うか「なるほど!完全な勧善懲悪だ!」と感じるかは読み手次第。

「していいこととといけないことの間にはしっかりとした線引きがあるということだ。」「天性の嘘を嘘だと認識しない能力。」「美術品を購入するときは、それを所有するのではなく、ある時間について、その作品に対する保護の責任を果たすと、人類の歴史に公言すること。」などセリフにはしっかりと芯が通っており、さらに「バックシマスはガッツ石松に聞こえる。」などの小ネタも大いに堪能させてくれました。
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No.11:
(4pt)

スマートです

カタカナのものを含め出てくる人名が多いので、目次の次に登場人物一覧表があります。
その中では、耐え難い借金の返済催促を受けていたために、やすやすと新株への投資詐欺に嵌り、絶望的状況になってしまった大浦宗介と筆坂茜の二人が印象的です。二人は、詐欺に遭ったと自覚した後、そのパンフレットの発行会社に乗り込んで初めて出会いますが、その際会ったもう一人、自分も被害者だと言う城田に再度だまされ、状況を一気にチャラにするため絵画の強奪計画に取り組み、実行します。
茜さんの借金には同情できるところがありますが、大浦くんのは彼が自堕落で馬鹿さかげんが尋常でないことによるもので、そのため、絵画奪取のため厳重なセキュリティシステムをくぐり抜ける手際の良さが釣り合わず、ちょっとギモンです。ですが、話は緊張感がありスマートで、”ミッション インポッシブル”でも見ているような感があります。よく見ていないと話の筋を見失って、あれれっ?と思うところまで、そんなハリウッド映画に似ています。
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No.10:
(3pt)

ちょっと読みにくいギャラリーフェイク

最近、帯の文句に騙されることが多くて、大変なのですが。
この作品、初めてお目にかかる作者ですが、結構文章が達者。
しかも、内容豊富。本当か嘘かはよく分からないんですけど、
とりあえず、いい感じ。出だし好調って感じでページが進みました。

物語は、ついていない、どこまでいってもついていないお兄さんと、
場末のスナックの茜さん。そして若手の画家さん。絡まるのは、どこの
世界でもお見かけする、悪徳という言葉さえ甘い、悪いやつ。
とにかく、書き込みがたっぷり。思い入れがたっぷり。
事件が起こったのはもう半分くらい終わったあと。
さあ、これからだと勢いついたが、読みにくい。というより、
何を言っているのかわかりにくい。
とにかく壮介と茜さんの事件現場の描写が悪すぎ。全然意味不明。
素人の文章みたいで興ざめ。
はめられた悪役と、はめられた壮介さんと茜さん。見事と言いたいけど、
その後の説明が冗長。
最後の文章が、とても洒落てて、それが救い。

50点。出直してきなさい。
ギャラリーフェイクの方がずっと良好。
取材と発想はいいけど、自慢げな書き込みが、貴志祐介的で、オチが
貴志祐介にならないのが致命的。最後の文章がなければ30点。
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No.9:
(2pt)

イマイチ

期待が大きかったせいでしょうか? 一応最後まで読みましたが、何度か読むのを止めようか迷いながらやっと読んだという感じです。 どっかで聞いたようなトリックと、個性の感じられない登場人物。 題材が題材だけに、もっとスカッとした展開を期待してました。
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No.8:
(1pt)

筋の骨格だけで人間の表現が今一つ

紫陽花さんやイマイチさんに同感。書店で大々的に宣伝していたから読んでみたが、この本に引っ張り出されたガシェ氏がかわいそうであった。絵画好きで、ゴッホや、ゴッホの絵画自体の表現上のミステリーに興味があって期待する人は、関係ないから、間違わないようにして下さい。高額の絵画の流通の話は、真実の方が面白い位です。氏はただ、ダシに使われただけです。大体、登場人物の喜びや哀感の性格の表現が拙いし、筋の運びも、もう一つで、もっと面白く書けないのかなと著者の表現の限界を感じました。。どんでん返しと言ったって、逆に、どんでん返しがなかっら、読むに耐えないわけの筋なのに、別にワクワク感もありませんでした。
大絵画展 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:大絵画展 (光文社文庫)より
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No.7:
(2pt)

エスプリ、ユーモア及び読後の爽快感といったコン・ゲームに必須の要素を全て欠いた駄作

ゴッホの「医師ガシェの肖像」を巡るコン・ゲームを狙った作品の様だが、何ともお粗末な出来。コン・ゲームと言ってすぐに思い出すのは、ジェフリー・アーチャーの自伝的小説「百万ドルを取り返せ!」、日本においては、小林信彦氏の「紳士同盟」シリーズ、そして、絵画を扱ったコン・ゲームと言えば何と言っても連城三紀彦氏の鬼気迫る「美の神たちの叛乱」であろう。この中で、連城氏の作品は騙しの中に怨念・妄執を織り込んだ異色の傑作だが、コン・ゲームに共通するものは、エスプリとユーモアであり、読者に爽快な読後感を与える点であろう。その意味において、本作は全ての点において失格である。

まずは、全編に貧乏たらしいジメジメとした雰囲気が漂っている点が最悪であり、この点で既にコン・ゲームとして失格である。また、コン・ゲームと言いながら、実は絵画(名画)大量強奪事件が物語の核となっている上に、その強奪計画が杜撰極まりない点が本作の求心力を著しく弱めている。こんな杜撰な計画が成功するくらいなら、世界中で名画強奪事件が頻発している事だろう。登場人物の造形も弱い。ゲームを仕掛ける側をもっと知的でスマートな人物に描くか、さもなければ、怨念に憑りつかれた人物に描くかしないと読者を惹き付けられない。ゲームを仕掛けられる側の人間も同様で、もっと強い悪の個性を持たせないと、やはり読者を惹き付けられない。本作中の登場人物は物語の展開に合わせて型通り登場しました、という感じで物足りない事夥しい。更に、どうやら、作者が「芸術の価値とは何か」という形而上学問題を"上から目線"で読者に問い掛けているらしい点も嫌味な事この上ない。

そして、本作の中で、本当の意味で「医師ガシェの肖像」に執着しているのが(外国人)1人だけであるらしい点も、絵画を扱ったコン・ゲームという表看板を裏切っている。読んでいる途中のサスペンス・笑いもなければ、読後の爽快感もないという駄作である。
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No.6:
(5pt)

今売れている

望月諒子の「大絵画展」が今売れている。6刷目がなんと2万部だという。ちょっと信じがたい部数である。計4万6千部だそうだ。2011年2月が初版だから、今になってのこの爆発的人気はなぜなのだろう。ともかく売れているというニュースを知って、早速Kindle版をポチった。そして1日で読み切ったのだが、確かにとてつもなく面白い。話の内容は他の人も述べているので、割愛するが、どんでん返しの繰り返しである。最初に登場する気が良いがアホな金持ちのボンボンにはイライラさせられる。一生懸命働きながらも、ドンドン落ちぶれていく女は気の毒だ。画家に絵を盗まれる若手画家。最後にこの悪徳画家にバチが当たらなかったのは、ちょっと残念だ。
 それにしても感心するのは作家の想像力である。前々作の「ソマリアの海賊」でもそうだったが、本来は知らないはずのことを、よくここまで書けるなあと感心する。日本の近代文学に多い私小説とは異次元である。作家の調査力と筆力に感心する。批判的な書評も見たが、それなら「お前書いてみろ」といいたい。素人にはできるものではない。私はプロを尊敬する。望月諒子はプロである。
 ところで本の主題となっているゴッホの「医師ガシェの肖像」だが、私には何が良いのかわからない。女の裸体画ではなく、辛気臭いおっさんの絵である。誰が見たがるのだろう。新古典派などの写実的な絵は、描くのに非常な技術を要しそうで、画家の画力に感心するが、印象派、後期印象派の絵は子供でもかけそうで、ありがたみがない。世間で良いというから良いのだろう。その辺のからくりも解説されている。こんな絵を124億円で競り落とした、日本の某会長にも多分芸術的価値はわからず、経済的価値だけで買ったのだろう。
大絵画展 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:大絵画展 (光文社文庫)より
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No.5:
(5pt)

いつか本屋大賞に!

書店員さん、これこそ本屋大賞にふさわしいと思いますよ。
登場人物がみんな固有の顔を持って目に浮かんできます。
大絵画展 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:大絵画展 (光文社文庫)より
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No.4:
(5pt)

人生を生きなおす

追い詰められた男と女が、
一発逆転を懸けた大勝負に加担します。
狙うのは、
バブル景気の時代に投機目的で購入され、
不良債権として焦げ付き、倉庫に塩漬けされた
ゴッホの絵画。
登場人物たちは、金にしくじった
いわゆるダメ人間なのですが、
不思議と、嫌悪感がわきません。
作者さんの力量なのでしょうし、
自分がバブル世代だからかもしれません。
ただ、
「金に踊らされた」という被害者意識ではなく、
自ら「金に踊った」事を自覚しているように
感じたからなのかもしれません。
とにかく、
日本の犯罪小説にありがちな湿っぽさを感じずに、
楽しく読む事が出来ました。
とわいえ、
スカスカの軽い小説でもありません。
コンゲームは中盤で終了して、
絵画と取り巻く人々の
行く末が語られるのですが、
ボクにはここからの方が楽しく読めました。
本当の主人公は『絵画』だったのかな。
ミステリーとして十分に楽しんだ上に、
ちょっと豊かな読後感を与えてくれる小説でした。
大絵画展 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:大絵画展 (光文社文庫)より
4334765491
No.3:
(5pt)

騙し騙され合いの、大どんでん返し

友人に「この小説、すごく面白いよ!」とすすめられて
読みました。
資産家のダメ息子、借金から逃げ回っているホステス、
売れない若手画家、したたかな画廊屋など、人間味あふれる
登場人物たちが魅力的です。

冒頭は、本の表紙に載っているゴッホの「医師ガシェ」の肖像画が
イギリスのオークションで180億円で日本人に落札される
ところから始まり、バブルがはじけた後、それが何者かに
よって盗み出されることになるのですが、何の関係もないと
思われた登場人物たちが、終盤に向かって、1本の線につな
がっていくのがすごくスリリングで興奮しました。

黒幕は誰なのか、盗みを成功させるための計画はどんなもの
なのか、登場人物たちの騙し騙され合いの大どんでん返しが
続きます。
ただの謎解きだけにはとどまらず、登場人物それぞれの心情も
丁寧に描かれているので、最後はほろっとさせられる部分も…。
もう一度、読み直したくなる小説です。
大絵画展 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:大絵画展 (光文社文庫)より
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No.2:
(5pt)

最高の「コンゲーム」小説の誕生

「大絵画展」

日本ミステリー文学大賞???知らなかったぞ。

でも、でも。
この作品は、素晴らしいぞ。
好みもあるだろうけど、あたしゃあ、美術モノ好きだし、コンゲームはもっと好き。
もともと「贋作」は「詐欺」と近いところにあるが、バブル期の遺産として日本に「眠っている」世界の名画、しかも、実際に、その後一旦行方不明になった「ガシェ」に注目したあたり、着眼点として秀逸。

実際の「ガシェ」は、1990年、大昭和製紙(現日本製紙)齊藤了英名誉会長がクリスティーズ(NY)での競売で、当時史上最高落札額の8250万ドル(約124億5000万円)で、競り落として新聞を騒がせ、さらに、その斎藤会長が「俺が死んだらゴッホの絵も一緒に荼毘に伏してくれ」と発言し、世界の大顰蹙をかって、もっと有名になった。
そして、その後一般公開されることなく、斎藤の死後、この絵は担保にされ、ひそかに売却されたといわれ10年くらい行方不明となった。

最近、1997年に斎藤家より売却を受けたサザビーズが、非公開でアメリカのヘッジファンド投資家ウォルフガング・フロットルに、噂では9000万ドルで売却したが、2007年、フロットルが破産し、サザビーズがこの絵を引き取ったことで所在が明らかになった。

この「ひそかに売却」「行方不明」の部分を、見事に、膨らませたのがこの作品。

こうした設定、着眼点の素晴らしさと、一方で、誰が誰を騙しているのか?全てがフェイク?というお約束をきちんと踏襲しつつ、タイトル「大絵画展」へ収束させていく見事さ!は、たまらない爽快感。思わず、「ヒューーッ」と口笛が出てしまうよ。
超一流の「コンゲーム」小説の誕生である。

この本の感想を肴に、ゆっくりワイン飲む相手、誰かいないかなあ。
大絵画展 (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:大絵画展 (光文社文庫)より
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No.1:
(5pt)

最高の「コンゲーム」小説の誕生

「大絵画展」

日本ミステリー文学大賞???知らなかったぞ。

でも、でも。
この作品は、素晴らしいぞ。
好みもあるだろうけど、あたしゃあ、美術モノ好きだし、コンゲームはもっと好き。
もともと「贋作」は「詐欺」と近いところにあるが、バブル期の遺産として日本に「眠っている」世界の名画、しかも、実際に、その後一旦行方不明になった「ガシェ」に注目したあたり、着眼点として秀逸。

実際の「ガシェ」は、1990年、大昭和製紙(現日本製紙)齊藤了英名誉会長がクリスティーズ(NY)での競売で、当時史上最高落札額の8250万ドル(約124億5000万円)で、競り落として新聞を騒がせ、さらに、その斎藤会長が「俺が死んだらゴッホの絵も一緒に荼毘に伏してくれ」と発言し、世界の大顰蹙をかって、もっと有名になった。
そして、その後一般公開されることなく、斎藤の死後、この絵は担保にされ、ひそかに売却されたといわれ10年くらい行方不明となった。

最近、1997年に斎藤家より売却を受けたサザビーズが、非公開でアメリカのヘッジファンド投資家ウォルフガング・フロットルに、噂では9000万ドルで売却したが、2007年、フロットルが破産し、サザビーズがこの絵を引き取ったことで所在が明らかになった。

この「ひそかに売却」「行方不明」の部分を、見事に、膨らませたのがこの作品。

こうした設定、着眼点の素晴らしさと、一方で、誰が誰を騙しているのか?全てがフェイク?というお約束をきちんと踏襲しつつ、タイトル「大絵画展」へ収束させていく見事さ!は、たまらない爽快感。思わず、「ヒューーッ」と口笛が出てしまうよ。
超一流の「コンゲーム」小説の誕生である。

この本の感想を肴に、ゆっくりワイン飲む相手、誰かいないかなあ。
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