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博士の愛した数式
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博士の愛した数式の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.32pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全704件 621~640 32/36ページ
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難点を抱えた博士、そのもとへ派遣された家政婦の私、私の息子のルート。この三人によって、物語は進みます。文体は無機質で、わるい言い方をすれば平坦です。でもだからこそ、三人の会話や行動から相手を思いやる温もり、愛情の大きさ、を感じ取ることができました。無限の可能性を持つ子ども。存在するだけでどんな人をもルートという記号に包み、人としての純粋な温もりを与えてくれる存在。だから私たちは、子どもを愛して止まないのでしょう。1-1は0です。そんな当たり前の、人を愛するということの式を、もう一度見つめることができる、素敵な本です。 | ||||
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子供が「背が小さい」と悩んでいる。博士は「それは、エネルギーをためている状態だ」と言葉を与える。 なんでも、数学の世界で考える。 なんでも、数学の世界の言葉で話す。 なんでも、数学の世界から物事を見る。一つの世界に入り込み、深く掘り下げていき、何かに到達する人がいる。その人達の見る世界は、私達が見るよりも更に広い世界が広がっているのではないだろうか。昔、何かに集中していると親に叱られた。「そんなに一つのことばかりしていると他の事が出来ない偏った人間になりますよ」この本の博士の姿を見て思う。一つのことを追求していくことは、人間をより深く、面白くしていくのではないだろうか。そして、そのほうが視野が広くなっていくのではないだろうか。楽しく、すっきりと読めるオススメの一冊です。 | ||||
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ここまで繊細に数式を語ることができるんだなぁ、と、じんわり染み入るような博士の愛に胸が熱くなりました。「数学は世界のすべてを形作っている」と聞くと何だか冷たい印象を受けますが、ここではそういうニュアンスは全くなく、まるでどこかの神話を聞いているようでした。博士と、私と、息子の、最初はぎこちなかった関係が、博士の数式でだんだん解けていく様子は、ほんとうに心あたたまります。数式と、江夏を見る目がすこし変わりました。 | ||||
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派手な出来事が有るわけでもなく、主要登場人物もたったの3人(博士、わたし、息子)。物語の舞台も9割が博士の住まう小さな離れ。これだけ無理なく無駄の無い話も珍しいですね。少ない登場人物に限られた空間で会話させ、何気ない仕草や周りの様子をうまく絡めて”さらさら”と物語が展開していきます。しかしだからと言って内容が雑になる事もなく、登場人物達の心情が一つ一つ心に染み渡っていき、読了した後には軽やかな暖かさが残りました。難しい「数式」も会話の端々に出てきますが、それを必ずしも理解できなくても大丈夫です。心で感じる事、それがこの物語を読むにあたって必要な唯一の事だと思います。 | ||||
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息子と二人暮しの主人公が家政婦として訪ねた家には、元数学博士の老紳士が一人で住んでいた。しかし、彼には秘密が!!交通事故で80分間しか記憶がもたないのだ。簡単に言えば「ドライビング ミス デイジー」なのだが、文書の構成が流れるようで、ドキュメンタリーを呼んでいるような錯覚に陥るほどだった。随所に挿入されている数式も「博士」の言うとおり、次第に美しさを帯びてくる。何よりも感動したのが、最後のページに掲載されている参考文献として挙げられた数学書の数々。著者はこの小説のディテールを練り上げる段階で相当の格闘があったことが創造できるが、作品には流れるような美しさがあるのみ。ただただ敬服です。 | ||||
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数学なんていう、鉄筋みたいに頑丈そうなテーマをもっているのに、そのそばに寄り添う人物がはかなすぎて、すこし切なくなります。八十分前のことは絶対思い出せない天才の博士(しかも子供と数学をこよなく愛するやさしい方なんです)が、時間の波に取り残されて背中を丸めているところが浮かんできて、鼻のあたりが痛くなります。それから、博士を思い切り傷つけても、八十分後にはそれを忘れてしまっている。そんなとき、「私」と「ルート」といっしょになって、読者の私もとても申し訳ない気分になりました。「博士」は、ある意味で無垢な赤ん坊と同じだったのかもしれません。それから数学を詩的にあらわしているところがとても素敵だなと思いました。でも、数学に通じた方にはちょっと首をかしげてしまうようなところがあったのかもしれませんね。超大作を期待している方にもあまりおすすめできないような気がします。 | ||||
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~~全国の本屋の店員さんが選んだ、「本屋大賞」で大賞を受賞した話題の本です。読む前に雑誌などから得たものからはみださない内容だったのですが、その分安心して読み進めることができました。~~~場面設定は瀬戸内の小さな町なのですが、阪神タイガースや江夏が出てくるまで、どこかの外国(例えばイギリス)で紡ぎ出された、ファンタジーのように感じていました。登場人物が「博士」「ルート」というように日本人的な名前が出てこないこと、家政婦が登場することなどが、そうさせたのだと思います。天才数学者の話という意味で、映画の「ビューティフ~~ルマインド」とイメージがだぶったこともあるかもしれません。~私は高校で理数科に在籍していました。大学受験の勉強で数学の難解さについていけず、結局文系に転身しました。ですがこの本を読み、受験の為だけではない、学問の尊さ、数式の美しさをあらためて感じました。~ | ||||
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小説を読むことはそこまで多くはなく、この本を買ったのもある雑誌に面白いと書いてあったからです。元々数学好きということもあって買ってみました。でも、読んでいくうちに引き込まれ残りのページが少なくなることが、とても惜しかったです。この話の最後がどうなったとか、その後の話を読みたいとか、そういうことより登場人物が作り出している雰囲気にもっと浸っていたいという気持ちになりました。 | ||||
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交通事故により80分しか記憶が持続しない元数論教授(独身)の世話をする子持ち・夫無し家政婦女性。教授から勝手にルート(平方根)とあだ名された息子とともに教授の知性と人柄に惹かれていく母子と教授の心の交流。全ての心理描写が自然。鮮やかな人物・場面描写。記憶障害をもつ教授がラストに向けてみせる母子への思い・・・。ラストは号泣、通勤電車で読んではいけません。ただただ唸らせられてしまう本。降参です。 | ||||
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記憶が80分しか持続しないという障害を持ちながらも博士は数への愛情は決して忘れなかった。そんな博士に家政婦の「私」とルートは次第に引かれていく。毎日毎日が初対面なのにそこにはなにか暖かさを感じました。なにげない数字も博士には違って見えた。博士は自分だけの世界を確かに持っていた。博士のルートをおもう気持ち、すごく伝わってきてやさしい気持ちになりました。感動した!!数学が苦手な方にも是非勧めます。 | ||||
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これほど感動した作品は久しくありませんでした。何も起こらない、静かな世界の物語です。でも、奥が深く、何度も感動させてくれる作品です。是非、映像にして欲しい。映画よりもテレビドラマにして欲しい。キャスティングが問題になりますが、義母役は八千草さんか吉永さんだなあ。博士は、津川さんでは若すぎるかなあ? | ||||
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著者の叫びは最後のページにある「博士の幸福は計算の難しさには比例しない。どんな単純な計算であっても、そのの正しさを分かち合えることが、私達の喜びとなる。」よくもこんな文が出て来たものだと感心する。まるで般若心経の一語の様に心に残る、私の父も数学をやっておりアルツハイマーになってからも微分方程式を楽しんでいた、若い時の色々の人生トラブルをよく数式で表言していたのを思い出す。その癖で私も、息子もそんな考えや言葉を話す。人生では無限大の数字を追いかける事には意味は無い,ただただ『0』から始まる多多の数字の正しさを確かめ合い、教えあい、歓び合えば良いだけだ。久しぶりに良い小説に出会った、有り難う。 | ||||
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図書館であまりに予約待ちが多いため、気になって読んでみました。 交通事故の後遺症のため80分しか記憶の続かない「博士」。その博士のもとに家政婦として派遣されてきたシングル・マザーの「私」と息子「ルート」の交流を描いた物語です。 記憶障害のせいか独身のまま年老いてしまった博士と、シングルマザーの主人公と息子ルートが一緒に過ごす時間は、まさに一家団欒のとき。三人がルートの誕生日会の準備をする場面では、いつまでもこの時間が続けば良いのに…と願わずにいられませんでした。 この物語で特にすばらしいのは、博士と主人公のルートへの接し方だと思います。。博士は記憶障害を抱えながらも全力でルートを守ろうとし、また母親である主人公も相手が子供だからといって決して誤魔化したり隠したりせずに、常に同じ目の高さでルートに接しているのです。 普通の家族と形は違っても、つっかえ棒になってくれる大人がそばに居てくれれば子供はきちんと育ってくれるはず…そんなメッセージが込められているのでは、と思いながら読みました。 | ||||
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映画「メメント」の主人公のように、記憶を80分間しかストックできない元数学研究者の老人「博士」と家政婦親子のキラキラと輝く淡いレース模様のような心の交流をやさしい筆致で描いた傑作小説。ぼくはどこからどう見ても「文系」タイプで数字関係にはからきし弱い。これまでの人生も意図的に数字を遠ざけてきたきらいがある。それがどうだろう! 数式が持つ優美な姿、数字が放つ神々しさが夏の強い日差しのごとくぼくの目を射抜く。また博士から見ると義姉にあたる未亡人の存在が物語に深い奥行きを与えている。直裁に語られているわけではないけれど、或る公式の答えのように心の中で花開くのだ。物語の終盤が近づくにつれて、「もっと読んでいたい・・・」と切ない一縷の望みを本に託す。 | ||||
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まず、この題名に惹かれました。特に数学を専攻しているわけではないのですが、とても魅力的だと思います。博士とルートのやりとりやそれを見守る母親の関係がとても微笑ましく、なにか自分までもが優しい気持ちになれる本です。教えることの素晴らしさ、思いやることの大切さ、様々なものがいっぱいつまった本です。是非読んでみて下さい。 | ||||
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~ミステリーであれホラーであれ恋愛小説であれ、どんなジャンルの本でも、読了後の最高の賛辞は、「面白かった」だと思います。最後の一行を読み終え、そっと本を閉じ、心の中で呟く言葉。私は、この言葉を送りたいと思います。面白かったです。~~とは言え、実際に手に取るまで相当悩みました。これは、私がよく読む数学読み物とは、少し違うらしい。数学をモチーフにした文学。かつてない分野です。~~でも、読み始めてみたら、文学書をあまり読まない私ですら引き込まれる、大変魅力的な世界が広がっていました。コルサコフ症候群?と思われる記憶障害を持つ博士も、苦労人の主人公も、実に活き活きと描かれています。作り話っぽいうさん臭さはなく、とても自然です。~~星4つなのは、あまりにも、明かされない部分が多かったせい。なぜ博士はあんなに子供を愛するのか。N、義姉との関係は? 等、いずれ明かされると思っていた伏線が未処理のまま残された点が、少し後味悪く感じました。まあ、それが微妙な余韻と取れなくもないのですが。~~ともあれ、数学読み物が好きな人にも、数学なんて、という人にも、おすすめできると思います。~ | ||||
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前々から狙いを定めていた作品だったので、一気に読んだ。期待通りだった。数字嫌いな私が読めたのは美しい形容をしているから。小学生に算数を指導する時、使えそうなネタもあったし、子どもを掛け値なしにほめる博士に感心した。何より数字に哲学を感じて、その並び方に涙してしまった。この数式はきっぱりとした人の性格をあらわしているのかな、私はこの式にはあてはまらないんだな、とか。タイガースのことが載っていると話題になっていたけれど、野球オンチの私にはチーム名やら選手名やらが理解できない。だから野球に関しては多少飛ばし読みしてしまったかも。それだけが残念。もう何回か読み返して読んでみよう。また次の発見があるかもしれない。 | ||||
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純粋文系、数字にはとことん弱い私ですが、主人公の博士の語る数字の理論は、まるでオルゴールのやさしい音のようでした。3人の小さな小さな、でも完璧な宇宙。幸福な日々が終わりに近づいていく様子が、もったいなくて、せつなくて、息が苦しくなりました。夕日のあたる部屋、台所に母を感じながら、狭いダイニングのキッチンで鉛筆を握って、宿題をしている、まだ背が低すぎて、足が床につかずにぶらぶらしていた私。そんな時代を思い出し、幸福な気持ちになりながら、でも涙がこぼれる・・・。久しぶりに本当に大好きな本に出会えた気持ちでいっぱいです。 | ||||
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現実離れした陶酔感を味わいながら、一気に読めました。素直に気持ちの良い余韻が残っています。生きることも、人の心も、曖昧で矛盾に満ちて誰もが納得する答えを用意することはできない・・・。数学の神秘と美と秩序がとても好い香りのエッセンスになって、それぞれに答えのない想いを抱えながら懸命に生きている人々の悲しみと美しさが一遍の詩のように心に入ってくる作品ではないでしょうか。それと小川洋子さんの作品初めて読んだんですが、情景描写が気持ちよかったです。オイラーの公式が少しでも理解できる人がうらやましい・・・ | ||||
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純粋にいい本です。文章も物語設定も適度に馴染みやすく、想像が働きやすくすんなりと、物語に溶け込んでいけました。数字嫌いの私にとってこの題名は一種の脅威を抱きましたが、数字や数学はあくまで物語を進める一つの道具であって、作者の思いはもっと違うところにあるように感じました。殺伐とした話が多い中でこの本が「本屋さんの店員さんお薦めナンバーワン」になっていることが、なんだかとても嬉しく思いました。本を読んでいる時間-文字を読み、その文章の描く世界を想像しそこに身をゆだねるその時間-がなんとも幸せに感じられる、本を読む楽しみを思い出させてくれる一冊でした | ||||
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