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博士の愛した数式



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【この小説が収録されている参考書籍】
博士の愛した数式
博士の愛した数式 (新潮文庫)

博士の愛した数式の評価: 4.32/5点 レビュー 849件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.32pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全704件 301~320 16/36ページ
No.404:
(5pt)

「不足数」たちによるオトギバナシ

「フェルマーの最終定理」(新潮文庫)を読み、「算法少女」(ちくま学芸文庫)を読み、「素数入門」(ブルーバックス)を読み、この小説にたどり着きました。ストーリーの起承転結を追い求めるのでなく、端正な語り口をゆっくりと楽しみ、静謐な世界観を味わいました。台所や野球場など日常生活を描く部分のリアルさ。「私」の内面の記述。数学をめぐる浮世離れした会話。これらの交錯が繰り返されることで、浮かび上がる濃淡ある現実感。それを瑞々しい水彩画のように感じました。登場する4人は全員が「不足数」です。ココロに大きな喪失感を抱えた4人によるオトギバナシ、でしょうか。人はココロから欠落したものを何かで埋めずにいられません。それは数学であったり、過去の記憶であったり、わが子に愛情をそそぐことであったりします。オトギバナシは隠喩と寓意に満ちていました。
博士の愛した数式 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:博士の愛した数式 (新潮文庫)より
4101215235
No.403:
(5pt)

さびしくも暖かい名作

80分しか記憶が持たない数学博士と家政婦・その子供の交流を描き、第1回本屋大賞も受賞した、ちょっぴりさびしくもこころが暖まる名作です。読後にほのぼのしたい人にはぜひお勧めです。これを読んだら数学に興味がわくかも?個人的には、未亡人(義理の姉)と博士の関係を描いたサイドストーリーが読みたくなりました。
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No.402:
(5pt)

人間として大切なことの順番を教えてくれる

博士は数学を愛し、美しい証明に、人生の情熱と80分しか持たない記憶力を捧げている。でも、その大事な数学より、幼くか弱い者を守ることの方がもっと当たり前に大事で、自分の子供でもないルート君を全力で包み、身を挺してでも守ろうとする。父親がいないルート君にとって、博士は、飢えていた父親の愛情を感じさせてくれる存在だったでしょう。母親である「私」は、博士がルートの父親だったら、と考えたと思います。数学者としては数学を愛し、人間としては子供を愛し、いたわろうとする。そういう純粋な愛情の在り方に、博士の魅力があると思いました。全体を通して、大きな事件が起こるわけでもなく、博士と私とルート君の静かな生活(温かくも壊れやすそうな)が、数学の美しさを随所に挟みながら、淡々と過ぎていく展開ですが、読み終わった後に感動がジーンと心に残ります。映画版より小説の方が個人的には好きです(映画版は、キャスティングが素敵ですが、シングルマザーとしての「私」の心の動きを作品から消してしまっているため)。
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No.401:
(5pt)

しずかなはなし

この小説は、どこにも所属しないような気がする。恋愛小説でもない、ミステリー系でもない、感動系かと聞かれたら、そんな単純じゃない気もする。とにかく、紹介するときの分類に困る作品だ。こういう、読み手が想像もつかない類の小説を手に取るのは、億劫だった。映画化されたから、もちろん題名くらいは知っていたが、内容を知るのは長い間面倒だった。時代遅れだと思うけれど、発刊から7年たって、やっと私はなんとなくこの本を開いた。結果、ジャンルなど関係なしに、これほど人を惹きつける小説があるのか、と思った。読み始めて、十数ページに1回くらい、その何気ない描写で、涙がこぼれおちた。無駄のない、研ぎ澄まされたうつくしい数式のエピソードや、博士のちょっとした行動や言葉に、なんとも言えないやさしい気持ちになれた。たとえば、博士が、一番星を見つけるのが得意なこと。野球選手の江夏が好きなこと。子どもを何よりたいせつにすること。そんな、どうでもないエピソードが、つもりつもって、博士が愛しくなる。小説を形づくる文章は、ただ、ありのままの事実を書いているだけ、という感じがした。そこから何かを読み取ってほしい、という作者の恣意は感じられない。ただ、愛すべき博士のすがたを、あたかもそこに存在するように、客観的に、距離を置いて冷静に、丁寧に、切り取っている。そんな感じがした。それなのに、こんなに涙が出たのはなんでだろう。とてもいい小説だった。明日からの生き方が少し違ってくるような気さえする、とてもうつくしい小説だった。
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4101215235
No.400:
(5pt)

素数な気持ち

ドラマのシチュエーション、運び、内容すべてのバランスがよく、ひとつになっていて、まるで目の前に博士がいるようだ。1度読んで、すぐ2度目は私が家政婦の私になりきって、読んでみた。生活の中に、数学の神秘、時間、空間がある。数と遊んでみる。気持ちを言葉で表現するプロセスを、そのロマンあふれる数式や公式に置き換えてみる。例えば、「割り切れない気持ち」=「素数な気持ち」だ。この本をきっかけに、藤原正彦さんの本も読んだ。「フェルマーの最終定理」も。そして今は「素数の音楽」を読んでいる。数学には友情をつなぎ育むちからがある。
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No.399:
(5pt)

やっぱ江夏は凄い

江夏豊は、選手としてのプレイもドラマチックだったが、彼の存在自身がドラマを産むのだと思います。彼の現役時代の姿を知っているワタクシは幸せものだと思ったな。そんなことを思わせる選手は、今ならどうだろ、イチローぐらいかなぁ。
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No.398:
(5pt)

これはいい小説。。。

これは珠玉の名作だと思いました。 とてもやさしくて暖かい博士が気持ちと数字の美しさが伝わってきます。 秋の夜長におすすめの一冊です。
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No.397:
(4pt)

あたたかい人間関係に和みます。

随所に現れる数式には苦手意識が湧きますが、博士の数学への熱い思いがひしひしと伝わってきました。家政婦さんと、その息子さん、そして博士の間に流れる不思議なひととき。息子さんの博士への信頼や愛情にも感嘆させられます。生涯独身だった博士にとり、三人で過ごしたひとときはかけがえのない時間だったのだと思います。
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No.396:
(5pt)

良すぎる

数学が苦手な僕でしたが、意外とさらっと読めました。数学を通して心を通わせていく様子は読んでいて本当に心が温かくなりました
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No.395:
(5pt)

知的好奇心がくすぐられつつ、せつなさで胸がいっぱいになる佳作

数学にまつわるさまざまな逸話を、非常に魅力的に語ってくれています。最初はストーリー面よりもそういった「数学小話」的な面白さが魅力的で、読み進むにつれて物語にも引き込まれていき、一気に読破してしまいました。とても読後感がよく、万人におすすめしたい佳作だと思います。小川洋子の文章は実に美しい。華美でなく、安くなく、手本にしたい文章ではないでしょうか。
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No.394:
(5pt)

家政婦さんと博士の穏やかな時間。

80分しか記憶の持たない博士を、ひとりの人間として、すぐれた数学者としての尊厳は傷つけることなく接する家政婦さんは、仕事のプロフェッショナルだと思った。翌日には、こちらの存在をもう一度分かってもらうところから始めなくてはいけない。痴ほう症の老人介護に関心もあるので、こんな風に人間として付き合うことが理想なんだと思う。素敵な家政婦さんと、とても物わかりのいい家政婦さんの子ども、ルート。三人のほのぼのとした時間が、暗くなりがちな話題も、ときには笑えるエピソードになり、読み終えたあと、さわやかな気持ちになれました。
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No.393:
(5pt)

胸に静かに感動が降りてくる傑作

記憶が80分しかもたない「博士」とシングルマザー、そして鍵っ子の3人が数字/数式=論理/知性=父性を通して擬似家族としての時間を過ごす話。3人はそれぞれに欠落した何かを抱え、その欠落を埋め合うように惹かれしかし始めから一緒にいられる時間が有限であることを運命付けられている。だからこそ、その時間は暖かく尊く、緩やかに優しく、そして限りなく愛おしい。残りのページ数を左手で感じながら胸に静かに感動が降りてくる傑作。
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No.392:
(4pt)

柔らかい愛の物語

80分しか記憶の持たない数学者「博士」の元へ派遣された家政婦の「私」と博士にあだ名を付けられた息子「ルート」の柔らかい関係をつづった物語。毎日、「はじめまして」から始まる関係の不思議さと悲しさ。時代から切り離された博士の何年もの時間の重さ。それをいたわる、私とルートの優しさ。数学を語る博士のいきいきとした説明に数学の持つ美しさを感じる。友愛数という名称や、説明に、チャーミングな感覚すら覚えた。心理的にも大人の常識や、義姉の存在などがあるし、80分しか記憶が持たないという物理的な制約があるので明確な形は持たないが、博士の数学の説明に耳を傾ける私の姿には、尊敬の他にも、静かな静かな恋愛感情があったのではないかと思う。子供であるルートにとっては心理的に、大人の事情は関係なくよりシンプルに、博士は、友達であり、先生であり、父親であったんだろうと思う。ルートの成長した姿にそう感じた。優しい人間関係に心打たれる。
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No.391:
(5pt)

「ああ、静かだ」

事故の後遺症で80分しか記憶が持たない数学博士と、その博士の元に派遣された家政婦親子のふれあいを描いた詩のような小説です。 記憶が持たないがために起こる色々な齟齬を主人公の家政婦が上手く乗り越え、博士との会話を楽しみはじめる様子。 家政婦の一人息子を√と名づけ、愛情をそそぐ博士の様子。 それらが、博士の語る数学の式を織り込んできれいな文で綴られています。 博士が一人で暮らす寂しい印象の離れの一軒屋。 主人公が家政婦としてやってきてから清潔感がもどり、家政婦の息子が訪ねてくるようになると賑やかになり、読んでいるとホッとした気分になってきます。 愛情をそそがれて喜ぶ子供と、愛情をそそぐことを喜ぶ老人の姿に読んでいて暖かい気分になれます。 難解な数学の問題を解いたあとに「ああ、静かだ」とつぶやく博士の様子がとても印象的です。 
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4101215235
No.390:
(5pt)

胸にじわっとくるのもありよね。ちょっとしんみりしたい、本。

透明な、あまりに透明な。本当にスイマセン、小川洋子さんという名前があまりに平凡で逆に覚えられず、そんなこんなでしかも映画化?売れちゃうとね、あまのじゃくでね、遠ざかっちゃうんですのよ。まぁいいか、そのうちご縁があれば読むだろう。くらいに思っていた。薬指の標本と並べて、一気に読んだ。あぁ、コトバがたらない。ほんわりした温かい光の差し込む、ほこりっぽい小さな部屋に毛布を持ち込んで、ひざを抱えて本を読む、ほっぺたの真っ赤な女の子のイメージ。なんだそりゃ。でも、そうなんだってば。ストーリーを説明したら、多分3行で終わってしまう。80分しか記憶の持たない教授と、お手伝いさんと息子の物語。エンドも明らかに見えているし、散りばめられたエピソードもタイガースのそれ以外は、もうまっこう予定の範囲内。だのに、なぜかこの話は、多分自分でも気づいていない、自分の一番シアワセな心象風景を、むんずと掴んでつきつけてくるような、気がついたらすっげぇ素直になっちゃって自分でもびっくり、そんなシアワセな驚きに満ちている。
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No.389:
(5pt)

やさしい気持ちになりました。

矛盾点が気になりながらも、最後までゆったりした気持ちで読める小説でした。博士の優しさが親子を癒していて、親子の優しさが博士を支えていて、間を取り持つ数学と野球??必要以上の起承転結を求めない私にとって、この独特の空気感としみわたる優しさがとても心地よかったです。
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4101215235
No.388:
(5pt)

大好きな本です。

穏やかな、でも心が痛くなるような物語です。文章や感覚が女性的な感じで、女性の方にお勧めです。大好きな本のうちの一冊です。
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No.387:
(5pt)

世の中を数式で語れる人の物語

世界の成り立ちは数の言葉によって表現できると信じている「記憶が80分しかもたない博士」と家政婦とその息子が織り成す物語です。備忘録により何とか支えられている博士の日常は、記憶がリセットされてしまうことから、もはや毎日が新しい世界であり、それが繰り返される日常ともいえます。そのような中で、派遣された家政婦は数学とは縁遠い生活をしていたにも関わらず、朴訥とした博士が唐突に語り出す数学が織り成す世界に触れることで、その美しさと切なさに魅了されます。数学的立場で考えると各々の座標点に位置していた彼らは、博士が家政婦の息子へ注ぐ愛情と阪神タイガースへ向けられる一種の偏りのある情熱などにより、博士の関数とも言える根源的なものに触れ、より互いに複雑で強固に結び付けられていきます。数学的な解説を平易にしながらも、その学問がもつ特徴や美を十分に散りばめながら、更にストーリも繊細かつ感動的なものになっており、是非お奨めしたい本だと思います。
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4101215235
No.386:
(4pt)

たった80分の記憶

僕の記憶は80分しかもたない。彼は生き続ける限り、永遠に80分ごとの絶望を繰り返す。私は始め、そのことに全く気づいてなんていなかった。書中に出てくる「友愛数」とか「完全数」とか「三角数」、そういった数学の言葉に興味を持って、私でさえわかる、それらの解説を読むことで自己満足をしていた。大切なことを一瞬にして失ってしまっているかもしれない。事故の起こったその日までの記憶のある分、その事実は余計に彼を苦しめていたに違いない。辛さを忘れていられたのは、数学の問題を一心に解いているときと。ルートと、不器用な、それでいて愛情をたっぷり込めた、彼なりの方法で接しているときだけ。ただ、彼にとって、唯一の救いは、過去の大切なことは決して忘れないということ。だが、それは、決して忘れられない・・・と言い換えることも出来るのだと思うけれど。この本は、「全国書店員が選んだ一番読んで欲しい本」と紹介されていて私は、めいっぱい泣けて、めいっぱい感動するんだろうなと思って買ってみました。でも、最初全く泣けなくて。淡々と読んで、読み終わってしまいました…。話の本筋よりも、他のほうに意識がいってたから (数学用語とか)この感想なのかもと思います。ちゃんと心を入れて読むようにしてくださいね。お話はちょっと大人向けな感じがしました。
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4101215235
No.385:
(5pt)

数学も文学も、リズムが命。

文学も数学も、根っこは同じだったんですね。ということに気付かせてくれる作品です。最初から最後まで、予定調和の中で物語は進んでいきます。それなのに、どうしてこんなにドキドキするのだろう。それはきっと、小川洋子さんの紡ぎ出す文章が、オイラーの公式のような形式美を持っているからだと思います。作中、博士はルートに「(数学の)問題にはリズムがある」と教えます。これは文学も同じです。リズムの悪い作品は、心に響かないのです。その点、『博士の愛した数式』は、美しい旋律を伴って心に沁み込んできます。文句なしの★5つ。唯一気になったのは、3人でナイターを見に行った時の出来事。フェンスにかじりついて戦況を見守る亀山ファンの男が登場しますが、彼の羽織る亀山のユニフォームの背中に輝いていたはずの背番号「00」を見て、博士がどういう反応をしたのか・・・。それだけが気になって仕方ないのです。
博士の愛した数式 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:博士の愛した数式 (新潮文庫)より
4101215235

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