■スポンサードリンク
(中編集)
キッド・ピストルズの妄想
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
キッド・ピストルズの妄想の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
多元世界が舞台の本格ミステリ。一読の価値あり! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
多元世界が舞台の本格ミステリ。一読の価値あり! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
キッドピストルズシリーズの3作目で短編集としては冒涜に続く2作目となる。 本作は3編収録ということもあり、短編というよりは中編構成となっているが、その分中身も充実しており、この著者ならではの歪んだ世界観での狂人の論理が炸裂しており、殺人事件のトリック自体は突出したものではないのだが、その殺人に至る犯人の行動や動機がいずれも一般世界から突出したものでありながら、その犯人の世界観内でまごうことなき完全な論理が通っているということを読者に納得させる圧倒的な筆致が圧巻だ。 個人的には本作がキッドピストルズシリーズの短編集としては最高傑作ではないかと思う・ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
マザーグースがモチーフの連作短編集。 警察官の質的低下のために探偵士の方が地位が高くなったというパラレル英国ですが、そこからさらに捻って、探偵役を務めるのは冴えない探偵士たちにこきつかわれるパンク刑事キッド・ピストルズであります。 設定が奇抜な割に事件並びに解決は極めてシンプル、かつオーソドックスな、直球勝負といえる本格ミステリなので、地味な印象を受けるかも。収録作中のベストはSMのウンチクが楽しい「ボンデージ殺人事件」。 キッド・ピストルズとピンク・ベラドンナの凸凹コンビをお楽しみください。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
■「キッド・ピストルズの慢心 ―キッド最初の事件―」 キッドが、自身の生い立ちと犯罪捜査に携わるように なったきっかけを一人称で語っている番外編的な作品。 ■「靴の中の死体 ―クリスマスの密室―」 靴の製造会社の会長・シューメイカー夫人が、クリスマスの夜、 自宅の庭にある靴の形の館のなかで、何者かに殺害された。 現場で死体となって発見された放蕩息子の四男が、犯人と思われたが、 本館と犯行現場の館の間にある、雪の積もった庭には夫人の靴跡しか 残っておらず、しかも、検視解剖によると、四男のほうが母親よりも先に 死んでいたらしく……。 舞台や手がかりに靴を配した、まさに靴尽くしの作品。見立てに必然性が あるのが秀逸ですし、何といっても、犯行の破綻を暗示するラジオの伏線 が巧いです。 ■「さらわれた幽霊」 二十年前、女優アン・ピーブルズは、息子のジミーを誘拐される。 身代金を用意し、受け渡し場所で待っていたにもかかわらず、犯人 は姿を現さず、ジミーもついにアンの元に帰ってくることはなかった。 そして現在、ジミーの行方を探ろうと怪しげな霊能者にまで頼るアンの元に ジミーの霊から電話が掛かってきた。さらに、二十年前とまったく同じ文面 の脅迫状が送られてきて……。 オカルティックな装飾の内側に、陰鬱な家庭の悲劇が垣間見える本作。 手がかりとして機能させるために施された脅迫状のギミックが秀逸です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
1993年に出た単行本の文庫化。 「神なき塔」「ノアの最後の航海」「永劫の庭」の3篇が収められている。 トリックとしてはどうかなあというものが多いのだが、そこを奇妙奇天烈な世界観、衒学的な知識、わけのわからない登場人物たちの活躍で面白くしている一冊であった。というか、むしろそちらがメインなのだろう。「変な世界」を楽しむべき小説なのだ。 なかでも「永劫の庭」が気に入った。暗号、宝探し、首なし死体を混ぜ合わせたような内容で、犯人も意外。イギリスの庭園文化に関心のある人にも喜ばれるだろう。 それにしても、不思議な作家だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
1993年に出た単行本の文庫化。 「神なき塔」「ノアの最後の航海」「永劫の庭」の3篇が収められている。 トリックとしてはどうかなあというものが多いのだが、そこを奇妙奇天烈な世界観、衒学的な知識、わけのわからない登場人物たちの活躍で面白くしている一冊であった。というか、むしろそちらがメインなのだろう。「変な世界」を楽しむべき小説なのだ。 なかでも「永劫の庭」が気に入った。暗号、宝探し、首なし死体を混ぜ合わせたような内容で、犯人も意外。イギリスの庭園文化に関心のある人にも喜ばれるだろう。 それにしても、不思議な作家だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
◆「反重力の塔」(文庫版で「神なき塔」と改題) 塔から飛び降りたはずの反重力の研究者が屋上で死体と なって発見され、一方、塔の下では別の人間が死んでおり……。 「重力」に異常な執着を見せる研究者がたどり着いた逆説的帰結こそ、 作品のテーマでしょうが、議論を重ね、仮説をどんどん上書きしていく 濃厚な解明パートも面白いです。特に、綱渡りなメイントリックが秀逸。◆「ノアの最後の航海」 聖書根本主義を深く信奉したため、ノアの方舟を再現し、 来るべき大洪水に備えようとしたノア・クレイポールが、 彼と対立するいとこのクレイポール博士と一緒に変死した。 しかし、ノアの遺産は、八人の相続人が揃っていなければ、 全額寄付されるため、金銭面での動機を持つ人間はいない……。 宗教家の信仰と学者の論理の対立が描かれるとともに、それを俯瞰で 見下ろし、操る黒幕の存在がキッドの推理によって明らかにされます。◆「永劫の庭」 ラドフォード伯爵邸の壮麗な庭園で行われる「宝探しゲーム」。 しかし、当の伯爵は前日から行方不明となっており、その生死も判然としない。 そして、キッド達が宝探しの果てに見出したのは、宝物 ではなく、伯爵のものとおぼしき首なし死体だった……。 西欧庭園の特徴や変遷が解説されながら行われる宝探し には、作品の主題とかみ合った幕切れが用意されています。 また、ミステリの仕掛けとしては、首切りのホワイダニットが秀逸です。 本作で展開されているのは、それまでの二篇で見られた狂人 の論理ではなく、無用の論理と呼ぶべきものだと思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本格ミステリの短篇や中篇は、大抵推理の骨格だけ書きました、というようなスカスカのモノが多くて辟易するけど、この作品集中の中篇はどれも、深みを持ちつつ、本格の結構もガッチリと押さえている。ゼイタク感の高い一冊。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本格ミステリの短篇や中篇は、大抵推理の骨格だけ書きました、というようなスカスカのモノが多くて辟易するけど、この作品集中の中篇はどれも、深みを持ちつつ、本格の結構もガッチリと押さえている。 ゼイタク感の高い一冊。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!