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(短編小説)
完全・犯罪
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完全・犯罪の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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テレビドラマ”世にも奇妙な物語”で取り上げそうな物語を収録した短編集です。 全体に水準以上の作品が収録されていると思いますが、タイトル作のラスト一行の面白さが、ずば抜けています。 事件があって、謎があって、最後に解決するという物語ではないので、完全犯罪の謎を解く本格ミステリを期待すると、ちょっと違うと思います。 | ||||
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面白かったです | ||||
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完全・犯罪が面白いです。ハードなSFなのに笑いがでました。 コントでもありそうで面白いです | ||||
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「完全・犯罪」「ロイス殺し」「双生児」「隠れ鬼」「ドッキリチューブ」の5本収録です。「完全・犯罪」はライバルの博士を殺害する為に、5年前に爆弾を送り込みます。「ロイス殺し」は貧しい寒村に生まれた主人公が、好きな女の子の仇を追い求めます。「双生児」は自分は取り違えられたのではないか、と苦悩する双子の片割れの話です。「隠れ鬼」は河原でホームレスの襲撃を受け、子供時代の鬼ごっこの記憶が蘇ります。「ドッキリチューブ」は動画投稿クルーのひと悶着を綴ります。いずれの話も舞台設定や描写は上手く印象に残りますが、期待し過ぎたのかストーリー自体は普通で物足りませんでした。「完全・犯罪」は「」の「未公開実験」とはまた違うタイムマシーンの話で、実験したら予測と違ったという、まさに研究者らしい展開はワクワクしました。「ロイス殺し」序盤の寒村での生活描写はかなり良かったです。「完全・犯罪」終盤、「ドッキリチューブ」は読者がボケに付き合わなければならず、少々辛いです。表紙は可愛いですが、小林泰三作品の中では優先順位の低い商品だと思います。 | ||||
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ミステリー短編集となっているが、本格趣向のものはなく、どちらかというとショートショート的なブラックの落ち系の作品が多い。 あまりミステリ部分を特に期待して読まない方がいいだろう。 最後のドッキリチューブは世にも奇妙な物語で映像化されていたが、そういう系統の話が多いが、純粋に落ちの効いたブラックユーモア小説集として楽しめる。 | ||||
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世にも奇妙な物語が好きな方にはオススメ。世にも~にでてきそうな内容のお話ばかりです。 玩具修理人に惚れ惚れした身としては残念。いつからこんなにライトな作風に? | ||||
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ドラえもんの「ドラえもんだらけ」をさらに突き詰めた表題作「完全・犯罪」は著者の一連のSF短編の中でも最良の部類の作品だと思います。あとは双子をテーマに個人のアイデンティティーを疑う「双生児」も面白いです。「隠れ鬼」、「ドッキリチューブ」も悪くありませんが、「隠れ鬼」はねたとして弱く、「ドッキリチューブ」はネタがしつこすぎる印象です。 | ||||
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5編の短篇集。推理小説ではなく、ミステリでもないような……。どちらかというとホラー。 題材は「狂気」とか「妄執」とか「他の人には理解できない部分に得体の知れない恐怖を感じる」ようなタイプのものだと思います。問題は「恐怖」を感じたら楽しめるかもしれませんが、私は「何か頭のおかしい人がいてドン引きした」という感じでした。 状況を説明するのに「〜じゃないのか?」「そうじゃない。〜なんだ」「つまり〜〜ってこと?」 のような調子で延々と会話を続けます。小気味の良さや、クスりとくるセンス(これに関しては好みかもですが)はまるでなく「ダベっている」だけ。また、地の文もその延長で「いやいや〜のはずだ」とか言ってる感じ。魅せるというか、内容に関係なく唸ってしまうような表現は一つもなかったです。 良く言えば、ラノベみたいで読みやすいですが。 また、「雅宙攝津県 嗚呼噛無市」などという意味がない上に読みにくい当て字を出したり、「山田川」「山田中」とか「こいつちょい役だしこれでいいでしょ?」という名前を出しやがるので「この人物は大事にされてないんだね」と思うと魅力も感じにくい。 ★ここから ネタバレ あり★ 「完全・犯罪」 タイムマシンを使って過去を改変により完全犯罪を目論む博士の話。 擁護不可のゴミ。ミステリでも何でもないド三流コメディ。センスがなく、「〜だろごらぁ!」などと叫びながら数ページ、暴力を挟みつつ会話するくだりは特に酷い。オチも酷い。何もかも酷い。 「ロイス殺し」 読める。ささやかながらトリックもある。タイトルに惹かれたけれど「ロイスを殺す」以上の含みはなかった。淡々と進み、驚きもなく、感想は「ああ、うん、はい」だったけれど、5作中2番めに好き。 「火計法廷」に連なる作品だと解説にありましたが、普段から読書をしない人だったのでそんなもん知らない上での評価。 「双生児」 これも酷い。外見が同じなら、双生児は何処まで別人なのか? 私は本当に私なのか? よく分からないアイデンティティの話。でも最終的には伏線ぶん投げて「唐突に不思議な能力で双生児の片方が片方を陥れて、やられた方がカウンターで何かして、ねえどんな気分? ふふふ」みたいなオチでした。双生児の同一性、アイデンティティの確立・崩壊みたいなのがテーマっぽい気がしたのですが、それにしたって無茶苦茶じゃないかと思いました。 「隠れ鬼」 ヤバイホームレスに追いかけられてたら、「和解しろ!」と言われたので頑張ろうとしたんですが、突然周りの人の頭がおかしくなって、主人公も頭がおかしいので「まあ仕方ないよね」と納得してフェードアウトする話。オチで「はぁ?」って思いました。 「ドッキリチューブ」 一番好き。ベタだけれど、これレベルの作品が5つだったら★3つにしたいです。でももうひと押し欲しい。 総じて、「得体のしれない」作品ですが、それが悪い方にばかり転んだ印象です。 | ||||
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2010年に出た単行本の文庫化。 「完全・犯罪」「ロイス殺し」「双生児」「隠れ鬼」「ドッキリチューブ」の5本を収める短編集。 「完全・犯罪」はSFコメディ。タイムマシンのパラドックスを扱ったもの。展開にもっとひねりがほしい。 「ロイス殺し」は、カー『火刑法廷』のなかの語られざる事件を扱ったもの。ミステリとホラーの融合。ひどい出来。 「双生児」、「隠れ鬼」、「ドッキリチューブ」はホラー。それなりに怖いが、どれも何だかスッキリしない。アイデアや展開にキレながないように感じた。 ちなみに、いずれも単発の短編であり、『大きな森の小さな密室』との関連性もない。 | ||||
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そもそもデビュー作「玩具修理者」の克明且つユーモラスな肉体崩壊描写からして筒井康隆の超傑作短篇集『宇宙衛星博覧会』に負う所が大きかったが、本作品集に於いても著者のツツイストぶりは随所に窺われた。 「完全・殺人」=タイムトラベルを繰り返す度に自分自身が増え続けドタバタ化してしまうのは『チューリップ・チューリップ』が元ネタ。 「隠れ鬼」=設定は『かくれんぼをした夜』、追われる者の不条理な恐怖は『走る取的』、犯した過去の罪に自ら惹かれ固執して行く様は『鍵』を連想させる。 「ドッキリチューブ」=過激にエスカレートする最悪の状況を一人称で淡々と語りながら死の諦念に至る迫真の狂気は『おれは裸だ』に通ず。 こうなったら次は『ロートレック荘事件』に比肩し得る傑作ミステリーを期待したい。著者はそれが出来る才能の持ち主だ。 | ||||
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『完全・犯罪』というタイトルで本格派推理小説ではないのはまだしも…推理小説ですらない小説の方が多いのはどうなんでしょう。 文章はしっかりしてると思いますが… 題材がどの年齢層をターゲットにしてるのか中途半端で読んでいて考えこんでしまいました。 中身は推理?の要素が少々加わったシニカルなホラー小説です。 とりあえず本格派推理小説を読みたい方には全くすすめません。 本格派推理小説を読む態勢で挑むと非常に疲れる小説です。 | ||||
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10年09月の単行本の文庫化.ポップなカバーイラストとは大違い,確実に読む人を選ぶ作品で, 全編に漂っているのは,グロテスク,ナンセンスなど,不快で負の感情が湧き起こるものばかり. 特に,一篇目はコントをも思わせるコミカルなタッチで,ほかの篇でもこの調子かと思っていたら, 次では狂気すら感じる内容にガラッと様変わりし,これ以降はどんどんと『重さ』が増していきます. その眉をひそめるほどの苦々しい描写は,途中で読むのを止めたくなってしまうほどなのですが, 無邪気な残酷さや不条理なやり取り,皮肉に,どこか同調,理解できてしまう部分があったりもし, そんな自分に驚き,嫌悪しながらも,ネットリとまとわりくイヤな空気が抜け出すことができません. また,ブラックとしての怖さのほかに,ホラーとしての怖さもあり,二重の恐怖がより印象を強めます. とはいえ,おすすめはしませんし,二度と読みたいとも思えません.でも面白い.不思議な一冊です. | ||||
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小林先生の作品は殆どと言って良いほど読ませて頂いていますが、 年々SFが面白くなっていく一方、普通の短編の奇抜さが無くなっている気がします。 私個人としては、初期短編集のようにオチにちょっと科学的、物理的な含みがある終わり方や、 密室・殺人のように、ミステリー調に仕上げた作品にがスキだったのですが、 今回はちょっとパンチが不足していると感じてしまいます。 もちろん面白いことには間違えがなく、目が肥えてしまっているだけかも知れませんが、 何となく物足りない雰囲気がします・・。 (世にも奇妙な物語に採用されそうな感じですね) SF作品とその他の作品で作風を変えてしまっている感じを受けますが、 今まで通りの作品を期待したいところです。 文句ばかりですが、色々考えさせられるところもある楽しめる作品です。 特に初めて読む方には物理的要素がないので逆にとっつきやすいかも知れません。 そのような方はぜひ読んでみて下さい! 小林先生の作品は中毒性がありますので、この期に読一緒にファンになっては如何でしょうか。笑 | ||||
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小林先生の作品は殆どと言って良いほど読ませて頂いていますが、 年々SFが面白くなっていく一方、普通の短編の奇抜さが無くなっている気がします。 私個人としては、初期短編集のようにオチにちょっと科学的、物理的な含みがある終わり方や、 密室・殺人のように、ミステリー調に仕上げた作品にがスキだったのですが、 今回はちょっとパンチが不足していると感じてしまいます。 もちろん面白いことには間違えがなく、目が肥えてしまっているだけかも知れませんが、 何となく物足りない雰囲気がします・・。 (世にも奇妙な物語に採用されそうな感じですね) SF作品とその他の作品で作風を変えてしまっている感じを受けますが、 今まで通りの作品を期待したいところです。 文句ばかりですが、色々考えさせられるところもある楽しめる作品です。 特に初めて読む方には物理的要素がないので逆にとっつきやすいかも知れません。 そのような方はぜひ読んでみて下さい! 小林先生の作品は中毒性がありますので、この期に読一緒にファンになっては如何でしょうか。笑 | ||||
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バラエティー豊かな短編集「完全・犯罪」タイムトラベルSF過去は不変だが、未来は変化する過去に戻る度に、新たなパラレルワールドが発生するよって、タイムパラドックスは発生しないこの短編が好きな人には山本弘著「去年はいい年になるだろう」がオススメだと思います「ロイス殺し」 カーの「火刑法廷」を下敷きとしたミステリ「火刑法廷」を読んで無いので、感想は控えます「双生児」名前とアイデンティティの関係を追及した作品「隠れ鬼」子供の頃に、途中で抜けた「隠れ鬼」が続いていたとしたら・・・というワンアイデアが光るホラー「ドッキリチューブ」ドッキリなら、いたずらをしても許される!?こちらも、ワンアイデアが光るホラー | ||||
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バラエティー豊かな短編集 「完全・犯罪」 タイムトラベルSF 過去は不変だが、未来は変化する 過去に戻る度に、新たなパラレルワールドが発生する よって、タイムパラドックスは発生しない この短編が好きな人には山本弘著「去年はいい年になるだろう」がオススメだと思います 「ロイス殺し」 カーの「火刑法廷」を下敷きとしたミステリ 「火刑法廷」を読んで無いので、感想は控えます 「双生児」 名前とアイデンティティの関係を追及した作品 「隠れ鬼」 子供の頃に、途中で抜けた「隠れ鬼」が続いていたとしたら・・・ というワンアイデアが光るホラー 「ドッキリチューブ」 ドッキリなら、いたずらをしても許される!? こちらも、ワンアイデアが光るホラー | ||||
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タイトルからミステリかと思わせますが、そうではなく、『世にも奇妙な物語』 テイストの“日常生活の中の非日常”を描いた作品が収録されている短編集 (ただ、収録作の中では、「ロイス殺し」だけが例外で、ミステリといえます)。 ■「完全・犯罪」 〈あらすじ〉 実用的なタイムトラベル理論を実験によって実証した物理学者の時空惑雄博士。 しかし、タッチの差で、数理物理学的に同様の理論を証明した水海月只朗博士 に先を越されてしまう。 憤懣やるかたない時空博士は、タイムマシーンを使い、 五年前の水海月博士を暗殺しようとするのだが……。 〈感想〉 タイムパラドックスによって、しっちゃかめっちゃになり、最終的には トンデモかつトホホな結末に着地するという、ナンセンス・ストーリー。 ■「ロイス殺し」 〈あらすじ〉 カナダの奥地のギブール村という極寒の地で、 どん底の生活を送っていた少年アルフレッド。 村中から蔑まれていたアルフレッドにとって、唯一の友達がマリーだった。 しかし、そのマリーが、ロイスという村の 鼻つまみ者によって弄ばれ、殺されてしまう。 復讐を誓ったアルフレッドは、ギャングの世界に身を投じ、ゴーダン・クロス と名前を変えてロイスの行方を追う。そして、ついにルイスを見つけて……。 〈感想〉 『火刑法廷』の人名や設定を元ネタに書かれたオマージュ作品。 密室の謎については冒頭に抜け抜けと張られた伏線が秀逸です。 ■「双生児」 〈あらすじ〉 わたしには双子の姉妹がいる。両親や周囲の人間は、自分ともう一人の名前を 間違える時があり、わたしには不思議でしょうがなかったのだが、姉妹の方は、 全然気にしていない。長ずるにつれ、わたしも気にしないようにしていたのだが……。 〈感想〉 語り手の度を越えたアイデンティティへの拘りが、異様な印象を与えますが、 SF的設定に基づくツイストの効いたオチで、巧く締め括っているのが秀逸。 ■「隠れ鬼」 〈あらすじ〉 堤防の上の遊歩道を歩いてた貞二は、河川敷にいた ホームレスの男に睨みつけられ、追いかけられる。 貞二は、命からがら男から逃げることに成功するが、人に恨まれる覚えなど 思い当たらない。しかし、やがて子どもの頃にやっていた“隠れ鬼”という 遊びにまつわる記憶を思い出し……。 〈感想〉 どうやら、子どもの頃のいじめに淵源があるらしい――ということが 分かった時点で、オチの予想はつくのですが、妙に理屈っぽく、悪意 に満ちた子ども時代の会話に、著者の特質がよくでているように思い ます。そして、ナンセンスで不条理な結末にも独特の余韻があります。 ■「ドッキリチューブ」 〈あらすじ〉 事前の打ち合わせなしで、一般人にドッキリを仕掛け、撮影したものを インターネットの動画共有サイトにアップして広告料を得る――という あこぎな商売をしていた〈ドッキリチューブ〉だったが、社長が制作費 を使い込んでしまったため、スタッフへの給料の支払いが滞っていた。 うやむやにして誤魔化そうとする社長に対し、スタッフは……。 〈感想〉 お約束といっていいくらい、予想通りの展開なのですが、“ドッキリ”という 悪意を、狂気までエスカレートさせていく著者一流の筆致はさすがです。 | ||||
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タイトルからミステリかと思わせますが、そうではなく、『世にも奇妙な物語』 テイストの“日常生活の中の非日常”を描いた作品が収録されている短編集 (ただ、収録作の中では、「ロイス殺し」だけが例外で、ミステリといえます)。 ■「完全・犯罪」 〈あらすじ〉 実用的なタイムトラベル理論を実験によって実証した物理学者の時空惑雄博士。 しかし、タッチの差で、数理物理学的に同様の理論を証明した水海月只朗博士 に先を越されてしまう。 憤懣やるかたない時空博士は、タイムマシーンを使い、 五年前の水海月博士を暗殺しようとするのだが……。 〈感想〉 タイムパラドックスによって、しっちゃかめっちゃになり、最終的には トンデモかつトホホな結末に着地するという、ナンセンス・ストーリー。 ■「ロイス殺し」 〈あらすじ〉 カナダの奥地のギブール村という極寒の地で、 どん底の生活を送っていた少年アルフレッド。 村中から蔑まれていたアルフレッドにとって、唯一の友達がマリーだった。 しかし、そのマリーが、ロイスという村の 鼻つまみ者によって弄ばれ、殺されてしまう。 復讐を誓ったアルフレッドは、ギャングの世界に身を投じ、ゴーダン・クロス と名前を変えてロイスの行方を追う。そして、ついにルイスを見つけて……。 〈感想〉 『火刑法廷』の人名や設定を元ネタに書かれたオマージュ作品。 密室の謎については冒頭に抜け抜けと張られた伏線が秀逸です。 ■「双生児」 〈あらすじ〉 わたしには双子の姉妹がいる。両親や周囲の人間は、自分ともう一人の名前を 間違える時があり、わたしには不思議でしょうがなかったのだが、姉妹の方は、 全然気にしていない。長ずるにつれ、わたしも気にしないようにしていたのだが……。 〈感想〉 語り手の度を越えたアイデンティティへの拘りが、異様な印象を与えますが、 SF的設定に基づくツイストの効いたオチで、巧く締め括っているのが秀逸。 ■「隠れ鬼」 〈あらすじ〉 堤防の上の遊歩道を歩いてた貞二は、河川敷にいた ホームレスの男に睨みつけられ、追いかけられる。 貞二は、命からがら男から逃げることに成功するが、人に恨まれる覚えなど 思い当たらない。しかし、やがて子どもの頃にやっていた“隠れ鬼”という 遊びにまつわる記憶を思い出し……。 〈感想〉 どうやら、子どもの頃のいじめに淵源があるらしい――ということが 分かった時点で、オチの予想はつくのですが、妙に理屈っぽく、悪意 に満ちた子ども時代の会話に、著者の特質がよくでているように思い ます。そして、ナンセンスで不条理な結末にも独特の余韻があります。 ■「ドッキリチューブ」 〈あらすじ〉 事前の打ち合わせなしで、一般人にドッキリを仕掛け、撮影したものを インターネットの動画共有サイトにアップして広告料を得る――という あこぎな商売をしていた〈ドッキリチューブ〉だったが、社長が制作費 を使い込んでしまったため、スタッフへの給料の支払いが滞っていた。 うやむやにして誤魔化そうとする社長に対し、スタッフは……。 〈感想〉 お約束といっていいくらい、予想通りの展開なのですが、“ドッキリ”という 悪意を、狂気までエスカレートさせていく著者一流の筆致はさすがです。 | ||||
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まあ、ギリギリ小林泰三の短編集になってる感じでしょうか。 う〜ん… 全体的に、濃さがちょっと足りないというか、どの話も「これぞ小林泰三!」というほどのオチになっていないという感じ。 ちょっと、うまくまとまっていない。 話としては面白いのですけどね。 最近、薄い作品が多くなってきたようなイメージでちょっと心配です。 ※因みにタイトルからアレを連想していたのですが、読んだ限りでは無関係のようです。 | ||||
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まあ、ギリギリ小林泰三の短編集になってる感じでしょうか。 う〜ん… 全体的に、濃さがちょっと足りないというか、どの話も「これぞ小林泰三!」というほどのオチになっていないという感じ。 ちょっと、うまくまとまっていない。 話としては面白いのですけどね。 最近、薄い作品が多くなってきたようなイメージでちょっと心配です。 ※因みにタイトルからアレを連想していたのですが、読んだ限りでは無関係のようです。 | ||||
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