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天使の傷痕
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【この小説が収録されている参考書籍】
天使の傷痕の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.16pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 1~20 1/2ページ
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数十年ぶりに再読しました。やはりすごい作品だと思った。残念ながら社会的な差別や偏見について今もまだまだ変っていないと思った。トラベルミステリーが有名ですがこういうメッセージのこもった社会派のミステリーもすばらしいです。本当に多くの傑作ありがとうございました。 | ||||
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社会派。トリックが判明する前後からラストへかけて一気に引き込まれました。犯人が誰かより、なぜこんな事件が起きたのかの問題提起を著者はしたかったのでは。それはもちろん、現実社会にはびっこっている問題であり、今も残る問題である。 | ||||
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小谷野氏が「ベストワン」に上げていたので読んでみたが、推理も含めて文学作品は「好み」だな、と思った。私は、高い評価は与えない。時代背景も違うので、銀行などが「個人情報」を簡単にもらすあたりは愛嬌だとしても、作品のバックボーンになっている薬害と地方の閉鎖性に関する記述がいかにもくどい。これでもか、これでもか、と出てくる。もういいよ、という気になった。 | ||||
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以下ネタバレです。 この小説を30年振りに読みました。 古い作品なので、無理がある場面も ありますが、ストーリーとしては、 とてもよく出来た作品だと思います。 (上から目線でスミマセン) 読み終わると、あの相模原障害施設殺傷事件が、頭をよぎります。 裁判では、被害者を匿名にしていましたね。 何故なのか。この小説は40年以上前の作品ですか、あの頃から社会の考え方が今も全く変わっていない事が分かります。 確かに難しい問題です。当事者は本当に悩むところだと思います。考えさせられます。 | ||||
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本を手に取り開いた瞬間、飛び込んできたのが水に浸かったと思われるよれよれのページ。いっぺんに興ざめしてしまいました。古本は古本であることを思い知らされました。 | ||||
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1965年8月に刊行された西村京太郎氏の2冊目の著作にして第11回乱歩賞受賞作です。本書の主人公である新聞記者・田島は十津川警部シリーズに時々登場する警部の友人の新聞記者・田口とは年齢から言っても完全に別人なのですが、でも「田」の字が共通している事から見ても著者が造形した前身的な人物なのだろうなと推測しますね。 新聞記者の田島は恋人の山崎昌子と一緒に彼女がロマンチックさに魅かれて選んだという聖蹟桜ヶ丘の三角山にハイキング・デートに出掛けるがそこで不意に現れると同時に死んだ見知らぬ男の殺人事件に遭遇してしまう。偶然にも男の死の目撃者となった田島は男が死ぬ間際につぶやいた「テン」という言葉の謎を追って事件の調査に奔走して行くのだった。 ミステリーは意外性の文学ですから、もし最初から先入観を捨てて何事も疑ってかかる姿勢で臨んだら事件の真相は見えて来るかも知れませんね。でもまあ普通に読んでいたらばこの奇抜な犯行トリックと意外な犯人に気づけるものではないでしょうね。中々に凝った大胆な犯行の手口でシンプルさが却って効果的であると言えるでしょうね。さて「テン」が「天使」を意味する言葉であるという事実は早い段階で明かされますし、これは複雑な「ダイイング・メッセージ」の趣向ではないですね。難を言えば都合よく次々に被害者の周辺に「天使」の手掛かりが出て来るのが、あまりにも調子が良すぎる気はします。それから最後に振り返るとそもそも犯人が計画を立案して実行に移した手口がどうしてもかなり薄情に過ぎると思えますね。本音を言えば私は出来れば犯人にこんな卑怯なやり方は避けて欲しかったなと(真に効果的なのは事実ですが)そこが本当に残念に思うのですね。本書には中村警部補という有能な人物が登場しますが、犯行の解明についてはきっちりと事実を掴んで犯人の逮捕まで持って行く手腕が素晴らしく流石ではあるのですが、最後の真実の犯行動機を徹底的に調べ尽くすという所まで行かずに程々の線で満足するという姿勢を見ると、まだ十津川警部ほどの「人間の器」ではないと言えるでしょうね。本書の肝はやはりラスト2章に書かれた特異な犯行動機に関わる「ある不幸な社会問題」で、被害者の苦しみ・悲しみが誠に痛ましく強く胸に迫って来ますね。勇気を持てと言ってもそれ程に簡単な問題ではないですが、最後まで田島が犯人と心を一つにする事が出来ずに説得し切れなかったのが本当に心残りでしたね。でも最後に著者が未来への希望を込めてこの困難な問題に対して一歩を踏み出す明るい兆しが描かれた事でホッとし少しだけ気持ちが救われた思いになりましたね。 | ||||
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西村京太郎って、その多作ぶりと、TVでも次から次にドラマ化される人気ぶりから、逆に「食わず嫌い」だったんですが、小谷野さんの本に背中を押されて読んでみました。ま、赤川次郎とか夏木静子とかもそうなんですが、多作で人気の人って、きっとそれを可能にする何らかの才能があるんだろうと思うので、その一端でも垣間見られれば、という気持ちもありました。 で、感想。 残念ながら、やっぱり設定が古いかな。横溝正史か、みたいな。 あと、殺しのトリックが私的にはムリ。飛び道具でそんなにうまくいくなんて、ご都合主義もいいところじゃないでしょうか。 | ||||
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昨年、相模原の障害者施設で起きた事件の報道姿勢につながるモノを感じた。 (先日、yahooのニュースで公開された「匿名報道をめぐる葛藤」という内容のニュース記事から) >この事件では、警察の判断で被害者の匿名が決まり、発表されたのは、年齢と性別だけだった。匿名に至ったのは、遺族から警察へ、匿名報道への強い要望があったからだという。息子が施設にいた家族会の大月和真会長は、当時を「ご遺族の中から、その当日に出てきた話なんですけれども、自分たちの生活を守りたいという一心のことではなかったのかなというように思います」と振り返った。 このコメントを読んだ時に、ふと頭に浮かんだのが、「天使の傷痕」。 一家が地域(もっとはっきり言うと「ムラ社会」)での平穏な生活を守るために、(それこそ戸籍ごと)隠さざるを得なかった障害を持つ子供の存在、そして隠すという行動によって引き起こされた事件。この小説が書かれたのは半世紀近く前なのに、未だに解消されないこの風潮。なんだかやるせない。 | ||||
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とても面白いです、この本を買うには本当に賭けましたが、結果は既に証明しました、買う価値があるってこと | ||||
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新幹線のホームでよく売っている鉄道ミステリーの著者が、すごく深い内容の小説を書きました。社会的小説ミステリーとでもいうのでしょうか。時代を超えておすすめ。 Stone-cold masterpiece。 | ||||
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新聞記者の主人公は疲れた足を引きずって、徒労ともいえるこれまでの活動や情熱のすべてを否定されたかのような敗北感をもって立ち去ろうとする。そこへさっきまで敵愾心を持っていたある人物がそっと声をかける。 もうダメです。思い出しただけでも涙がこぼれてきそうです。 事件の謎を追いながら、社会の膿とも言える矛盾や不公平を摘出していく巧みな手法は社会派推理の極めて高い水準を誇る屈指の傑作だ! トラベルミステリーなどといった安易なライトミステリーのイメージを大きく覆してくれる著者渾身の作品をぜひお読みいただきたい! | ||||
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西村京太郎氏の長編2作目にして江戸川乱歩賞を受賞し、一躍名を世間に知らしめた最初の代表作である。 コンパクトなボリュームの中にトリックを使った屋外殺人にダイイイングメッセージなどの推理作品らしいギミックを盛り込みながら、社会問題に鋭くメスを入れた力作となっている。 トリックによる屋外殺人は特段優れたものでもないし、真犯人はほぼ中盤で分かる構成となっているが、著者が一番書きたかったのは最後の個所だろう。 この最後の展開により、読後を充実したものにさせている。 社会派でありながら娯楽性満載のプロットはこのころから健在である。 | ||||
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30年程前、中学生だった私が、読書にはまるきっかけになった本です。本を読む事で、こんなにも感動するということに驚きました。今でも読み終わった後の風景が思い出されます。夕飯が出来たと呼ぶ母親の声が聞こえるが、読後にこみ上げてくる感情で涙が止まらなかった。 自分ではどうしようもない社会の問題の大きさを感じて、悲しい、切ない気持ちになりました。 | ||||
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十津川警部シリーズでおなじみの西村京太郎だが、この作家の息の長いことと言ったらどうだ。私が幼いころから土曜ワイド劇場やら火曜サスペンスなどで、必ずやエンディングタイトルにその名を見つけた記憶がある。 西村京太郎と言えば、鉄道ミステリーに定評のある作家のせいか、鉄道ファンがこぞって入会したのではと思える(?)西村京太郎ファンクラブというのがあるらしい。また、西村京太郎記念館というものが湯河原にあるので、時間とお金に余裕ができたら、ぜひとも行ってみたいものだ。 とにかく安定した人気を誇る作家の書く小説にまずハズレはなく、安心して楽しめること請け合いだ。 特に私が高評価するのは初期の作品なのだが、『天使の傷痕』である。これは鉄道モノではないが、本格推理小説の形式を取っている。 読者は、読んでいるうちにおおよその犯人に目星をつけるのだが、この作品に限っては、良い意味で裏切られるのだ。 さらに、思いもつかないトリックに新鮮味とか意外性を味わうことができる。 だが何と言ってもこの作品が社会派の域にまで達するほどの仕上がりを見せたのは、日本の根強い家制度、つまり封建主義的な村社会にメスを入れたことかもしれない。 もちろん、この小説の舞台となっているのは1970年代なので、2013年現在読むには時代性を感じてしまうのも否めない。 それでも尚、本格推理小説として充分に読み応えのある作品となっている。 あらすじはあえて言うまい。物語のきっかけとなる出来事だけ紹介しよう。 日東新聞社会部の記者である田島は、休日を取って山崎昌子と三角山にハイキングに出かけた。 ところが途中、男の悲鳴が聞こえ、その後、田島と昌子の行く手を塞ぐように男が飛び出して来た。 男の顔は苦痛に歪み、胸には短剣のようなものが突き刺さっている。 そして、力尽きたように、山道の崖を転がり落ちてしまった。 田島にしがみつく昌子をかばいながら、まずは警察に届けることを思案し、二人は登って来た道を引き返し、駐在所へ急ぐことにした。 こうして、田島はデートの最中ではあったが、新聞記者としてのプロ根性が猛然と漲るのだった。 この小説のキーワードとなるのは、殺された男が虫の息で発した「テン・・・」という最後の言葉にある。 それを聞き届けた田島が、あれこれ推理するところから、やがてこれが天使の「テン」であることに気づく。一体天使とは何を示すものなのか? こういう謎解きがミステリー小説の醍醐味でもあるから、あれこれ想像を膨らませながら読み進めていくのが楽しい。 ラストでは、アルドリン睡眠薬を服用した妊婦から生まれた奇形児についての記述がある。これは当時、社会問題ともなったサリドマイド事件から着想を得たのかもしれない。 次から次へと消耗品のように出版されては消えていく業界の現状で、この『天使の傷痕』はどれだけ版を重ねたことだろう? 西村京太郎というネーミングにだまされたと思って(?)読んでいただきたい。時の経つのも忘れて読了してしまうに違いない。 | ||||
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西村氏の社会派には傑作が実に多い。この作品が刊行されたのは1965年。いまから50年近く前である。 2013年現在でこの本を読んだが、色あせた感が全くない。殺人事件を解いていく面白さ×社会的な問題を考える難しさ が見事に同居しているのだ。どちらかが出すぎても中途半端な作品になってしまう。 今でこそトラベルミステリーで有名な作者であるが、社会派として書きたかったものをこの時期に一気に放出している。 この作品とともにおすすめしたいのが「四つの終止符」だ。どちらも体に障害を抱えた人が物語上重要な役割を担っており、 そこから社会的な問題を考えさせる話になっている。 トラベルミステリーも面白い。が、西村作品が好きな人は初期作品にもぜひとも目を通してもらいたい。 | ||||
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私は昭和の社会派推理小説というやつが好きで、本作も大変面白く読みました。そもそも「社会派推理」と書いてしまった時点で結構なネタバレになるおそれがありますが、今の時代に敢えて本作を手に取るような方は、別に謎解きの面白さを求めているわけでもないでしょう。もう半世紀も前の作品であり、恋愛の描写や、終盤主人公がぶつかる壁には時代を感じずにはいられませんが、そういう古くささが本作の大きな魅力になってます。現代の傑作推理小説と比べてしまうと高い評価もできないので星三つですが、個人的には大満足な作品でした。文章は平易で結構サクッと読めるので若い読者にもお勧めします。 | ||||
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1965年の作品にして、江戸川乱歩賞受賞作。のちに日本推理作家協会賞を受賞する1981年の『終着駅(ターミナル)殺人事件』と並んで、西村京太郎の堂々たる代表作である。 文章が平易で読みやすいというこの作者本来の美質に加えて、初期の作品だけに書きたい情熱のようなものがほとばしっている。ストーリーはわりと一直線で「そんなにポンポン都合よく謎が解けるかなあ」と思わないでもないが、本当の犯行動機というか、伏在する背景が、作品に奥行きを与えている。ラスト数ページはたたみかけるような迫力さえある。 今こうしたテーマを扱う場合は、もっと重量級の社会派ミステリになるのではあるまいか。それをエンターテインメントとして提示した作品性は今もって新しいが、一方で「ちょっと軽いかな」という気がしないでもない。しかし、最後はあの終わり方が余韻があっていいなあ、と思う。どんどんその先を書かれてしまうよりも、あれが断然いい。 さて、どんな終わり方なのか。それはぜひ、ご一読いただきたい。 | ||||
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恋人に殺人の疑いが。 原因は分からない。 恋愛小説でもある。 Angelが鍵となる。 薬害のような社会小説でもある。 それでいて、推理小説としては一流だと思う。 この本がなぜ爆発的に売れないのかが疑問。 | ||||
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恋人に殺人の疑いが。 原因は分からない。 恋愛小説でもある。 Angelが鍵となる。 薬害のような社会小説でもある。 それでいて、推理小説としては一流だと思う。 この本がなぜ爆発的に売れないのかが疑問。 | ||||
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今では目新しい社会的問題による悲劇とはいえないが、当時はこの作品のように、鋭く迫ったものはあまり無かったと記憶しています。兎に角、この作品は、正義感を随所に感じられ、静かな感動が心より沸き騰がってきて共感できるのです。意外性のあるトリックと人間の本性に正面から挑み問題意識を強く描ききったすぐれものです。時代が経っても普遍で超お勧めです。 | ||||
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