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ジュラシック・パーク
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【この小説が収録されている参考書籍】
ジュラシック・パークの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.38pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全45件 21~40 2/3ページ
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2015年8月現在、日本では映画『ジュラシック・パーク』三部作シリーズの正統続編、 『ジュラシック・ワールド』が絶賛公開中です。 ちなみに、表紙は講談社ノベルスなどを手掛けていた故・辰巳四郎氏によるものです。 ・・・・・・今や、前作『ジュラシック・パーク』は、スピルバーグ制作の「オリジナル映画」だと思ってる人も多いかもしれませんね。 書店に行くとまー『ジュラシック・ワールド』のノベライズが平積みされてるんですが・・・・・・あのね、「続編」なんですよ、この映画。 しかも、ハリウッドオリジナルの映画ではなく、有名作家のベストセラー小説を映画化したものです。 原作者マイケル・クライトンは故人です。彼の描くモンスター・パニックはすさまじく筆致が冴えわたっているので、映画がおもしろかった中高生の読書好きのかたは是非。 たとえば・・・・・・、 『進撃の巨人』は漫画だけど、あのように、巨大な「モノ」がバトルする話を臨場感たっぷりに「小説」で書くにはどうしたらいいんだろう? などと思っている「作家志望のかた」にもお勧めだと思います。 | ||||
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これまで、audiobookは2時間50分のabridged版しか存在しなかったが Jurassic Worldの公開に合わせて Scott Brick朗読による15時間9分のUnabridged Audiobookが発売されたので、さっそく読んでみた。 本書は1990年末、日本中がバブルに浮かれ、B.B.クイーンズ「おどるポンポコリン」をサラリーマンたちがカラオケで熱唱した年に発表されており、 初版から、今年でちょうど25年が経過した。 小説は1993年、映画の公開前に、日本語で一回、読んでおり、その後、abridged版のaudiobookは10回ほど聞いているが、 原書で、全体をとおして読むのは今回がはじめてであった。 小説が出版された直後は、琥珀の中に封入された吸血昆虫から恐竜の遺伝子DNAを取り出して、その情報をもとに恐竜をクローニングするというideaに研究者が魅了されて、 分子生物学会の会合で、研究者同士で飲みに行くとこの話でもちきりというように、そのideaが世界中の研究者を大きく刺激したことを覚えている。 その結果、Nature誌を含めた学術誌で今日まで、Jurassic Park関連の特集はたびたび組まれており、この25年間に恐竜に関する知識は驚くほど多く蓄積した。 現在、その復元図も、爬虫類のそれから、鳥類に類似したものへと大きく様変わりしており、これは羽毛の形が保存された恐竜の化石が、この25年間、中国のゴビ砂漠で見つかり続けていることにもよるが、 本書とその映画が研究者の恐竜感を大きく転換させた影響も大きいのではないかと思われる。 一方で、1993年Nature誌に、琥珀からの1億2000万年の昆虫のDNA抽出成功が報告がされたが、その後、追試ができないとされており、現実的には、 琥珀の中に封じ込められた、恐竜の血を吸ったジュラ紀の吸血昆虫の体内から、恐竜のDNAを抽出し、現代に恐竜をよみがえらせるという夢の実現は容易でないことが明らかになりつつある。 今回小説を、無心で読み返してみたが、まずいえるのは、現在でも、とにかく信じられないように話しが面白いということだ。 世界中の科学者たちを、この25年間、魅了させてきたような科学技術の独創的な使い方を、さらりと、作品の背景に利用しながら、 恐竜の自然動物園を、魅力的に読者に提示してみせる。 同時に、分子生物学や古生物学的な専門知識に偏ることなく、作品の中では、コンピューター知識や、統計学、数学理論等を提示しながら、 それらを衒学として披露するにとどめず、読者には、提示してきた科学的知識を背景として、知的な謎解きのゲームを楽しませて、推理小説的な喜びを提供する。 一方で、いったん、恐竜自然動物園のシステムが破綻し始めると、前半で披露していた様々な伏線が背景や引き金となり、 物語は、怪獣ものとしてジェットコースター様のスリルに満ちた展開で、結末に向けて、 読者を一瞬も気を抜くことのできない緊張感で引っ張っていくために、読者は眠ることも忘れて読書にふけることになる。 本書は、世界中のプロの生物学研究者を今日まで巻き込んだ研究のトレンドを作ると、同時に、 映画シリーズ、小説、コミックシリーズ、ゲームと様々なmediaに対して、まさに「ジュラシック・パーク・ワールド」とでもいう娯楽のフランチャイズを確立したという意味で、真の意味でハードSFに娯楽を導入することに成功した90年代SFの最高傑作である。 映画は、この作品の20%ぐらいをシナリオに利用して作品を作っており、主に子供向きの娯楽作品であるのに対して、 残り80%の部分は小説にしか存在せず、まさにこの部分が、小説を大人の知的な娯楽小説にしている。 酒井昭伸氏の翻訳は(私はかなり好きな方で、タフの方舟など名訳だと思っているが) 原文に対して、かなり伸び伸びと翻訳している部分もあり、 それが本作でも魅力になっているのは事実である。 ただし、クライトンの文章は、酒井昭伸氏の訳文よりもずっと知的な感じがすることは付け加えておきたい。 | ||||
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小説は1993年、映画の公開前に、日本語で一回、読んでおり、その後、abridged版のaudiobookは10回ほど聞いているが、 原書で、全体をとおして読むのは今回がはじめてであった。 前回は小説を読んだ直後に、映画を見てしまったために記憶が混乱してしまい、映画と小説に根本的な違いがあることを失念していたことに今回の読書で気付かされた。 クライトンはほぼそのすべての作品で、科学の間違った利用について警鐘を鳴らしているが、本作でも、科学では先人たちの知識の高みに到達するためには、先行研究を読むだけで十分で、 その簡便さのせいで科学者は自然に対する敬意をはぐくむ機会に恵まれず、結果として、科学の世界には人より先んじて名を成そうという考えのみが幅を利かせていること、 そして新たに作られた科学技術は常に暴走していく可能性を秘めており、カオス論理で予見されるように、新技術が与える影響を、結局は、人間は予見できないということを、イアン・マルカムという数学者を登場させて警鐘させている。 クライトンの小説で描かれる、マルカムは信念の男であり、天才であり、理論家であり、科学に対して真摯な、誠実な男なのである。 対して、ジュラシック・パークを作る小説の中のハモンドという男は、小男で、傲慢で、嘘つきで、妄想家で、野心家で、金の亡者であり、現在の生命科学に存在する悪い力の象徴なのである。 ところが、映画ではこの部分が逆転している。 リチャード・アッテンボローの演じるハモンドは、幼いころから恐竜に思いをはせ、純粋に生きた恐竜を見たいという情熱を傾け、まやかしや小細工のない、誰が見ても驚愕する物を作るとの信念からパークを建設する。 対して、ジェフ・ゴールドブラムの演じるマルカムは、映画を通して、落ち着きなく、意味の通じない奇抜なことを口にし、時にはサトラー博士を口説こうとするなど、道徳心の低い皮肉屋のマッドサイエンティストとしてのみ描かれている。 これは、スティーヴン・スピルバーグが子供のころから恐竜に思いをはせていたことが影響していたせいなのだろうが、この改変のために、生命科学の暴走への警鐘という原作の柱が映画からはすっぱりと抜け落ちて、 単純な恐竜暴走映画になってしまっており、小説と映画は根本的に違うものを描いてしまった事になる。 映画は、単純に恐竜をリアルに描いたという点で十分に楽しめるが、大人の作品として、哲学的な味わいも期待する読者には原作を圧倒的におすすめする。 後半、作品の緊迫感に流されて思わず読み飛ばしがちだが、イアン・マルカムの語る内容を丁寧に追っていくとマイクル クライトンが本書で描きたかったものが見えてきて、 安易に書かれたベストセラー小説と本書が根本的に違うことに気付かされて、本書のことがより好きになると思う。 それにしても、分子生物学や科学概念に知識のある読者は、作品の前半部分、恐竜の遺伝子をサブクローニングしながらシークエンスしているあたりに、現在のシークエンス技術と較べて著しく遅れた技術でシークエンスしていると感じるし、また、カオス理論という言葉が、その後、複雑系という研究概念に吸収されていくために、言葉として少し古いなと感じると思うが、ここで、初めて作品が、ヒトゲノムプロジェクトが完成前で、インターネットが一般には普及していない25年前に書かれ事に気付かされる。 改めて、実際の研究論文たちがこの25年であっという間に、古めかしくなるのに対して、優れたSFは古くならないものだと驚かされる。 | ||||
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映画では描かれていなかった部分が多くあり描写も細かいです。映画を見てから原作を読むと面白さが増すと思います。 | ||||
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読んだら止まらなくなります。 個人的にはストーリーは映画より面白いです(映画より一層恐竜が怖い)。が、映画は映像で楽しめるので同じくらい好きですが。 ただ、ちょっとマルカムがくどい(カオス理論がw)のと、少女レックス(なんで恐竜ものでこんなややこしい名前なのか)が無茶苦茶うざい(笑) 少女レックスにはハッキリ言ってイライラしっぱなしです。この子供の描写は映画の方が好感が持てます。(映画は姉弟、小説は兄妹です) 主役のグラントは映画より子供好きで寛容。 本当ならハリソンフォードあたりがやってくれたら良かったなあ。 映画では活躍したエリーは存在感が薄いかも。 とにかくスリリングで面白いのでお薦めです♪ | ||||
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最初に映画を見て、その後ロスト・ワールドの方を先に読みましたが、「ジュラシック・パーク」は、やはり 何度読んでも面白い。そして、映画より遥に。。。(ロストワールドも、もちろんです!) もちろん、当時のCGの恐竜は子供の頃に見た図鑑とは随分と違っていて、迫力はあるし恐竜の名前と実物がすぐに分かってよかったですけれど。 「祖先の物語」で、実際にはできないことを知って本当に残念でしたけれど、いつもながらクライトンの作品は実話に基づいているように描かれているから感心します。 クローンのEmbryoにパテントをつける話ばかりに熱中する人達とか今でも充分通用しますね。先のリーマンショックでも同様のことが行われたんだなぁ、なんて。 もう彼の作品が読めないのは、本当に残念ですけれど、まだ読んでいない作品がかなりあるので、全て原作で読みたいですね。 | ||||
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最初に映画を見て、その後ロスト・ワールドの方を先に読みましたが、「ジュラシック・パーク」は、やはり 何度読んでも面白い。そして、映画より遥に。。。(ロストワールドも、もちろんです!) もちろん、当時のCGの恐竜は子供の頃に見た図鑑とは随分と違っていて、迫力はあるし恐竜の名前と実物がすぐに分かってよかったですけれど。 「祖先の物語」で、実際にはできないことを知って本当に残念でしたけれど、いつもながらクライトンの作品は実話に基づいているように描かれているから感心します。 クローンのEmbryoにパテントをつける話ばかりに熱中する人達とか今でも充分通用しますね。先のリーマンショックでも同様のことが行われたんだなぁ、なんて。 もう彼の作品が読めないのは、本当に残念ですけれど、まだ読んでいない作品がかなりあるので、全て原作で読みたいですね。 | ||||
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本書は初めて読んだのは10年以上前だが、映画がとても面白かったので、原作を読んだところ映画を上回る面白さであったことを記憶している。 今回、作者の最近の作品であるPreyを読んで、何だか本書に似ているなと思ったのを契機に再度読み返してみたが、結末がわかっていてもやはり面白かった。 Preyと似ていると思ったのは、何れも作者の「現代科学が人類の制御できる範囲を超えて暴走しているのではないか」という問題意識が反映された作品であるという点だ。Preyではナノテクノロジーがテーマとなっているが、本書は遺伝子工学だ。何れも科学から生み出された産物が制御不能となる様子が描かれている。 但し、本書はそのような問題意識を抜きに純粋にエンターテインメントとしても楽しむことができる。数千万年の時空を超えて恐竜が甦るというだけで、わくわくさせられる設定なのだが、そこに描かれる恐竜が実にバラエティに富んで実にリアルに描かれている。 史上最大の肉食動物であるティラノザウルスも怖いが、本書のチャンピオンは中型肉食恐竜で恐ろしいほどの知性を有するラプターだ。このような恐竜が本当に存在したかどうかはわからないが、実在したのではないかと思わせるような迫真の描写がすばらしい。 本書の中ではジュラシック・パークは最後に葬り去られてしまうわけだが、このような動物園があれば旅行代と入場料に数十万円をはたいても見たいと思う人は多いのでは。商業的には成功間違いなしという点ではハモンドの構想は正しいと思うのだが、やはり作者が描くようにこのような環境を制御するのは理論的に不可能なのだろうか。 | ||||
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僕は原作を読んでから映画を見ましたが、映画で見るより、この原作の方が数倍面白いと感じました。映画はエンターティメント色が強いですが、原作は科学的裏づけっぽいものがメインになっています。このくらいリアリティがないとSFは面白くない!映画よりマルコム博士がもっとクールです!マイクル・クライトンの最高傑作といってよいでしょう。SFの中でも秀逸の作品! | ||||
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僕は原作を読んでから映画を見ましたが、映画で見るより、この原作の方が数倍面白いと感じました。映画はエンターティメント色が強いですが、原作は科学的裏づけっぽいものがメインになっています。このくらいリアリティがないとSFは面白くない!映画よりマルコム博士がもっとクールです!マイクル・クライトンの最高傑作といってよいでしょう。SFの中でも秀逸の作品! | ||||
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映画版『ジュラシック・パーク』を10年前に観て、ふとしたきっかけで原作を手にとって読んでみました。 映画版と対照させながら感想を述べたいと思います。 原作ではクローン恐竜誕生にまつわる科学的背景がより詳しく書かれており、登場する恐竜の数や種類も映画版の比ではありません。映画版『ジュラッシク・パーク』では原作の場面場面を切り取ってつなぎ合わせたというのが印象です。当時のCG技術や2時間という時間尺の制約があったからでしょう。私は映画版『ジュラッシク・パーク』を高く評価していましたが、原作を読んでその考えが少し変わりました。原作の方が圧倒的にスケールの大きい壮大なファンタジーだったのです。 映画版と違って、原作では裏切りを働くネドリーが単なる悪党として描かれていないことと、反対にハモンドが原作では憎まれ役として描かれていること、さらに映画版ではトイレでティラノに食べられた弁護士のジェナーロが原作ではグラントと同じように活躍しているのには驚きました。 原作の導入部のコンピーのシーンは映画版『ロスト・ワールド』でオープニングに使われ、翼竜ドームやボートでの河くだりのシーンは映画版『ジュラシック・パークⅢ』で使われていました。 以上から分かるように、原作「ジュラシック・パーク」は映画版3部作のいいとこを全て含んだ、非常に豪華な作品なのです。 | ||||
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映画版『ジュラシック・パーク』を10年前に観て、ふとしたきっかけで原作を手にとって読んでみました。映画版と対照させながら感想を述べたいと思います。原作ではクローン恐竜誕生にまつわる科学的背景がより詳しく書かれており、登場する恐竜の数や種類も映画版の比ではありません。映画版『ジュラッシク・パーク』では原作の場面場面を切り取ってつなぎ合わせたというのが印象です。当時のCG技術や2時間という時間尺の制約があったからでしょう。私は映画版『ジュラッシク・パーク』を高く評価していましたが、原作を読んでその考えが少し変わりました。原作の方が圧倒的にスケールの大きい壮大なファンタジーだったのです。映画版と違って、原作では裏切りを働くネドリーが単なる悪党として描かれていないことと、反対にハモンドが原作では憎まれ役として描かれていること、さらに映画版ではトイレでティラノに食べられた弁護士のジェナーロが原作ではグラントと同じように活躍しているのには驚きました。原作の導入部のコンピーのシーンは映画版『ロスト・ワールド』でオープニングに使われ、翼竜ドームやボートでの河くだりのシーンは映画版『ジュラシック・パークⅢ』で使われていました。以上から分かるように、原作「ジュラシック・パーク」は映画版3部作のいいとこを全て含んだ、非常に豪華な作品なのです。 | ||||
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映画版『ジュラシック・パーク』を10年前に観て、ふとしたきっかけで原作を手にとって読んでみました。 映画版と対照させながら感想を述べたいと思います。 原作ではクローン恐竜誕生にまつわる科学的背景がより詳しく書かれており、登場する恐竜の数や種類も映画版の比ではありません。映画版『ジュラッシク・パーク』では原作の場面場面を切り取ってつなぎ合わせたというのが印象です。当時のCG技術や2時間という時間尺の制約があったからでしょう。私は映画版『ジュラッシク・パーク』を高く評価していましたが、原作を読んでその考えが少し変わりました。原作の方が圧倒的にスケールの大きい壮大なファンタジーだったのです。 映画版と違って、原作では裏切りを働くネドリーが単なる悪党として描かれていないことと、反対にハモンドが原作では憎まれ役として描かれていること、さらに映画版ではトイレでティラノに食べられた弁護士のジェナーロが原作ではグラントと同じように活躍しているのには驚きました。 原作の導入部のコンピーのシーンは映画版『ロスト・ワールド』でオープニングに使われ、翼竜ドームやボートでの河くだりのシーンは映画版『ジュラシック・パークⅢ』で使われていました。 以上から分かるように、原作「ジュラシック・パーク」は映画版3部作のいいとこを全て含んだ、非常に豪華な作品なのです。 | ||||
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著者のストーリーの作り方のうまさには感心する。最新の科学知識を駆使したサスペンスは、作者の最も得意とするところ。まさに天才の仕事としか言いようがない。 また、映画監督の経験があるせいか、映像がリアルに浮かんでくるような情景描写である。ただ、恐竜の行動には少し無理がある。 クライトンの作品は、現代社会の発達しすぎた科学への警鐘となっていることが多い。この小説などは、その典型と言える。 作品中にたびたび登場するカオス理論は、非常に興味深かった。素粒子物理学や数学には限界があるという事実、さらには科学そのものに限界があるという主張は、現代社会の現実を見事に言い当てているように思える。科学の法則のひとつに、エントロピーの法則というものがある。有用なエネルギー(石油・石炭など)は一度使われると、二度と使えないエネルギーへと変化してしまうという法則であり、どれだけ科学技術が発達してもそれを補うことはできない。この法則などは、まさにクライトンの主張とぴったり一致する。 また、この本の中にはカオス理論を主張する数学者VS目の前の問題を解決する技術者という構図が出てくる。その数学者は技術者を見せかけの知能しか持っていないと言って非難し、技術者はその数学者を理論屋に過ぎないと言う。確かに、目前の問題の解決しか考えない技術者が原爆や水爆を作り出したのであるが、現実を変えることのできない理論など何の役にも立たない。人間の目の前にあるのは日々の生活であり、行動である。ある種の現象は予測不可能だとカオス理論は言うが、予測できないからといって人間は行動をやめるだろうか。人間を成長させるのは未知の物事に取り組もうとするチャレンジ精神だと思う。そういう意味では、クライトンの結論には納得できないものが残る。 そんなごちゃごちゃした理屈を抜きにしても、この本は十分面白い。極上のエンターテインメントである。オススメの一冊。 | ||||
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著者のストーリーの作り方のうまさには感心する。最新の科学知識を駆使したサスペンスは、作者の最も得意とするところ。まさに天才の仕事としか言いようがない。また、映画監督の経験があるせいか、映像がリアルに浮かんでくるような情景描写である。ただ、恐竜の行動には少し無理がある。クライトンの作品は、現代社会の発達しすぎた科学への警鐘となっていることが多い。この小説などは、その典型と言える。作品中にたびたび登場するカオス理論は、非常に興味深かった。素粒子物理学や数学には限界があるという事実、さらには科学そのものに限界があるという主張は、現代社会の現実を見事に言い当てているように思える。科学の法則のひとつに、エントロピーの法則というものがある。有用なエネルギー(石油・石炭など)は一度使われると、二度と使えないエネルギーへと変化してしまうという法則であり、どれだけ科学技術が発達してもそれを補うことはできない。この法則などは、まさにクライトンの主張とぴったり一致する。また、この本の中にはカオス理論を主張する数学者VS目の前の問題を解決する技術者という構図が出てくる。その数学者は技術者を見せかけの知能しか持っていないと言って非難し、技術者はその数学者を理論屋に過ぎないと言う。確かに、目前の問題の解決しか考えない技術者が原爆や水爆を作り出したのであるが、現実を変えることのできない理論など何の役にも立たない。人間の目の前にあるのは日々の生活であり、行動である。ある種の現象は予測不可能だとカオス理論は言うが、予測できないからといって人間は行動をやめるだろうか。人間を成長させるのは未知の物事に取り組もうとするチャレンジ精神だと思う。そういう意味では、クライトンの結論には納得できないものが残る。そんなごちゃごちゃした理屈を抜きにしても、この本は十分面白い。極上のエンターテインメントである。オススメの一冊。 | ||||
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著者のストーリーの作り方のうまさには感心する。最新の科学知識を駆使したサスペンスは、作者の最も得意とするところ。まさに天才の仕事としか言いようがない。 また、映画監督の経験があるせいか、映像がリアルに浮かんでくるような情景描写である。ただ、恐竜の行動には少し無理がある。 クライトンの作品は、現代社会の発達しすぎた科学への警鐘となっていることが多い。この小説などは、その典型と言える。 作品中にたびたび登場するカオス理論は、非常に興味深かった。素粒子物理学や数学には限界があるという事実、さらには科学そのものに限界があるという主張は、現代社会の現実を見事に言い当てているように思える。科学の法則のひとつに、エントロピーの法則というものがある。有用なエネルギー(石油・石炭など)は一度使われると、二度と使えないエネルギーへと変化してしまうという法則であり、どれだけ科学技術が発達してもそれを補うことはできない。この法則などは、まさにクライトンの主張とぴったり一致する。 また、この本の中にはカオス理論を主張する数学者VS目の前の問題を解決する技術者という構図が出てくる。その数学者は技術者を見せかけの知能しか持っていないと言って非難し、技術者はその数学者を理論屋に過ぎないと言う。確かに、目前の問題の解決しか考えない技術者が原爆や水爆を作り出したのであるが、現実を変えることのできない理論など何の役にも立たない。人間の目の前にあるのは日々の生活であり、行動である。ある種の現象は予測不可能だとカオス理論は言うが、予測できないからといって人間は行動をやめるだろうか。人間を成長させるのは未知の物事に取り組もうとするチャレンジ精神だと思う。そういう意味では、クライトンの結論には納得できないものが残る。 そんなごちゃごちゃした理屈を抜きにしても、この本は十分面白い。極上のエンターテインメントである。オススメの一冊。 | ||||
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この本が世に初めて出た時に私はメキシコシティにいました。その時本屋で偶然手にして買ったのがこれ。なんと襷に”全世界に半年先駆けでメキシコのみで発売”と書いてあったのを覚えています。で、全然作者の名前も知らずに表紙の恐竜の骨の絵に惹かれてなんとなく帰って読み出したらさあ大変。夕方から読み始めて次の日の朝までかかって飲まず食わずで読み終えてしまいました。それからですね、マイケルクライトンの新作が出たら全部買うようになったのは。はっきり言ってスピルバーグの甘口な映画とは別物。もの凄く冷たく怖いスリラーものです。そして、彼特有の理屈っぽさ(笑)が全面に滲み出ているのだ。私にとっては、恐竜より彼の文才の方がよっぽど怖い。大傑作。 | ||||
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皮肉屋マルカム博士の人物像が秀逸。 カオス理論をなぞるように展開していくストーリーが見事。 練り込まれたリアリティ。奇抜なアイデア。 ミステリー風の謎解きの要素があり、アクション描写も文章で描く臨界とも言える迫力がある。随所に散りばめてある最新学説も知的好奇心をくすぐるにじゅうぶんだ。 おおよそエンターテインメント小説の粋を極めたような作品だと言えるだろう。 映画は映画でよかったが、あれはこの作品の持つ視覚的な部分だけを抽出してあり、この小説の本来の面白さはやはり文章でしか味わえないものがある。 | ||||
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皮肉屋マルカム博士の人物像が秀逸。カオス理論をなぞるように展開していくストーリーが見事。練り込まれたリアリティ。奇抜なアイデア。ミステリー風の謎解きの要素があり、アクション描写も文章で描く臨界とも言える迫力がある。随所に散りばめてある最新学説も知的好奇心をくすぐるにじゅうぶんだ。おおよそエンターテインメント小説の粋を極めたような作品だと言えるだろう。映画は映画でよかったが、あれはこの作品の持つ視覚的な部分だけを抽出してあり、この小説の本来の面白さはやはり文章でしか味わえないものがある。 | ||||
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恐竜が本当に怖かったです。本だから音が出るわけじゃないんですけど、廊下の曲がり角の向こうから、大きなトカゲがノドをふるわせるような不気味な音だとか、硬くて尖ったツメのある足が、暗い廊下を歩く足音だとか、登場人物たちの恐怖がよく伝わってきました。そのくせ、お金儲けしか考えてない人間が恐竜の罠にはまったり、科学は万能だと自信満々な科学者がパニックに陥ったりすると、ちょっと「いい気味だ」と思ったりして。映画も有名だし、読む前から内容が大体わかっていたにも関わらず、だいぶはまっていしまいました。「こういう人いるなぁ」とセリフごとに納得してしまう、クライトンの人物描写に拍手。恐竜の習性に関する描写、例えば、carnivore:肉食性 herbivore:草食性 scavenger:清掃動物(死体を食べる動物、ハゲタカなど)などがちょっと普段目にしない言葉なので難しいですが、前後から推測して読むことができました。 | ||||
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