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シューマンの指
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シューマンの指の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.74pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 1~20 1/2ページ
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友達とのやり取りでシューマンの話をしていたときにこの小説の名前が出てきたので興味を持って、作者や本に関する前知識無しで読みました。 前半は音大を目指すピアノ弾きの高校生の青春ストーリーがシューマンの曲や思想と絡めて語られるという感じなのですが、これだけシューマンに耽溺してるならもう少し文章自体に詩情が欲しいなぁと思いながら読みました。 後半になると事件が起き、心情的にもドロドロした幻想的ロマン的な色合いを帯びてきて、おぉ、ロマン派か!となるのですが、最後二重のどんでん返しのような展開があって、結局描かれたことの半分以上は精神疾患がある人の妄想だった的なところに落ち着いてしまって、「何だよそれ」ってなりました。 著者がシューマンが好きなことは伝わりますし、面白く読めはしましたけど、読書体験としては終わり良くなくて台無しという感じでした。 あと、クラシックそれなりに好きな身としても、どの曲の何小節目のどの音がみたいな記述が多すぎて、わざわざ楽譜を確認したり曲を聞きながら読んだりはしないので、そういうところは流し読みしました。 | ||||
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シューマンファンの私には堪らない、シューマン贔屓解説書でした。物語としては作為が過ぎます。 | ||||
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シューマン愛ゆえに前半に☆100個 陳腐を超えるがっかりミステリーな後半に-☆100個 プラマイゼロだけど、評価困難の意を表して☆3個の気持ち。 シューマンが好きなので、それだけで即購入。 ミステリーだと知らずに、シューマンとピアノを愛する青年たちの青春群像だと思いんで読み進めました。シューマンへの偏愛っぷりが愛おしい。「シューマンが好きになるとショパンが嫌いになる」には全力で同意。もちろんショパンも大好きですが、とてもわかります。奥泉氏のシューマンへの並々ならぬ愛を感じます(実際のところはわからないけど)。 物語の中盤に訪れるクライマックスシーン、天才ピアニスト「永嶺修人」が夜の学校で幻想曲を弾く。物影でそれを聴く主人公の心情や楽曲の描写は秀逸で、その場で自分も聴いているかのように主人公と同じ気持ちになって浸りきって読みました。言葉だけで、こんなのも音そのものと聴く者の心情を語りつくせるなんて…もうため息しか出ません。 で。幻想曲が終わり、弾き終わった余韻に酔いがら目を数行先に進めると、殺人の描写が入ります。この瞬間、大いに落胆しました。ミステリーだと知らなかったゆえのがっかりですが、知っていたとしてもお約束すぎでがっかりだったと思います。 にしても、どうしてミステリーにしたのかな。シンプルに、ほろ苦くも爽やかな青春群像で私は良かったんですけど。殺人事件を持ってこなくても、これだけ力量のある作家さんならシューマンになぞらえた主人公の精神の破綻は描写できたと思うけど。 というわけで、後半を再び読むことはありませが、前半は今でもたまに愛でています。 でも、クラッシックに興味がなかったりシューマンがお好きでない方には楽しめる要素があまりないかも。 | ||||
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シューマンの病気による精神的闇の部分が強調されていて薄気味悪い。 怖いです。 シューマン作品の演奏に例えると、シューマン晩年の病気による狂気的感覚を強調した演奏がティピカルで凡庸に感じるのと 同じ意味で、このお話も有りがちでつまらないと思った。 ミステリーとしても私には現実味の無い作り話のよう。 ファンタジックな世界観を楽しむのならノヴァーリスでも読んでいた方が充実した時間が過ごせるし・・・ | ||||
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人間の五感において、聴覚は最も言語化に不向きな知覚対象であると思う。 それが音楽であれば尚更のこと、「音」に対応する文は音楽そのものを、ほんとうに指し示すことになるのか?という疑念すら抱いてしまう。 ただ、本作ではその心配は杞憂であった(少なくとも修辞的には)。 だが、読み終えたあと、真っ先にYouTubeでシューマンの「幻想曲」を聴いたのはマズかった。 本作で語られたシューマンは、その曲には「いなかった」。 音楽も、文学も、「すでにある=アプリオリ」ものを無理やり枠の中にあてはめているだけなのかもしれない。 そこになんと無くの親和性を感じた。 | ||||
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ネット上で「お薦めミステリー」として紹介されており、著者が奥泉光であることから購入してみました。 筆者の「鳥類学者のファンタジア」を以前に読み、非常に充足したことから、期待しての購入で、まったく躊躇はありませんでした。 そのような私の前提で申せば、少し残念な作品です。 但し、ミステリーをどの程度読まれているか、ミステリーに限らず、皆さんのそもそもの読書量によっても評価は異なってくるかと思います。 筆者の表現力の豊かさは顕在ですし、特に音楽的な(本作はシューマンに関する)分析は特筆できます。 また、ミステリーに最も重要な「その先を知りたい」という読書欲についても、途切れないように物語がプロットされています。 | ||||
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ミステリに幻想・狂気・特殊能力(オカルトですね)を持ち込むと、 なんでもアリになっちゃって、面白くない。 いかようにも物語がつくれちゃう。 その手口があまりにも鮮やかだったり、幻想性に歴史的な奥行きや普遍性があると、それはそれですぐれた作品に仕上がることもある。奥泉氏の過去のミステリには、そういう作品があった。 しかし本作は、そうならなかった。残念。 物語の半ばまで、延々とシューマン論が繰り広げられ、クラシックファンであってもなくても、もういいよと、ちょっと辟易とするのではないだろうか。しかもいつもの奥泉氏の作品の小気味いい美文調と異なって、この装飾過多の文章は読み進んでいくうちにうんざりしてくる。 それもこれも、最後の最後まで読めば、それなりに納得できる理由がある。 過剰なまでのシューマンへの惑溺、文体の持つ作りモノめいた装飾性、ボーイズラブみたいな男の子同士の関係、そうしたことにはちゃんと根拠があるのである。なるほどと納得がいっても、 真相を知るまでは読者は我慢して長い文章を読み進まなければならない。このへんのところが、むつかしいなぁ、とつくづく思う。 物語の中盤でやっとこさ殺人事件が起こって、その謎に引きずられて読み進めるようになってくるのだが、前半の延々と続くシューマン論のところどころにも、思わせぶりな伏線をもっと張ってくれていたら、読みやすかっただろうにと思ってしまう。 天才を自らの内奥にに引きずり込もうとした凡なる人の物語、です。 余談ですが、 本作はキンドルで読みました。 紙の本って、読んでる間、物語全体が具体的な重さと大きさでもって自分の手中に納まっている という安心感があるのですが、 電子書籍にはそれがありませんね。 次のページが天からすいっと降りてくる感じで、なんだか落ち着きが悪い。 読んだ部分をちょっとぺらぺらめくって確かめてみる、ということも紙の本より数段めんどう。 いろいろメリットも大きいのはわかりますし、老眼にはありがたい機能もついていますが、 まだ慣れません。 | ||||
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学生時代、音楽評論家を職業としようとした友人がいた。 当時から「レコード芸術」なる月刊誌があり、その新譜評を書きたいという希望であった。ところがそういう希望者は何万人もいて、なおかつ新譜評担当の評論家ポストは十人前後で絶対にやめない名誉ある仕事らしい。事実、宇野功芳なる御仁などは当時から現在までそのポストにしがみついている、ゆうに40年はたっている。プロ野球選手になるよりも総理大臣になるよりもむつかしい日本国民あこがれの希少ポストらしい。 さすがに友人はあきらめて銀行員になった。 小説家奥泉 光さんも学生時代そんな夢を抱いていたのではないか、かなわぬ夢への趣旨返し。思いっきりシューマンのピアノ曲の評論を書いてみたかったのだろう。 あまりにお粗末なミステリーの顛末などは気にもとめない作者思い入れの一冊でした。 | ||||
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前半は、シューマンの音楽論が延々と続き、辟易しましたが、“永嶺修人”には興味津々。 この本の中核を成す曲、シューマン≪幻想曲ハ長調≫もインターネットで検索し、聴いてみました。 ミステリーという括りに、疑問を持ち始めたころ、物語は思わぬ展開を見せ、ページをめくる手も早まりましたが、このオチは如何なものなのか。 私は、フェアではないと思うのですが……アリでしょうか? | ||||
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本はとっても綺麗でしたが、変な匂いが付いていて(多分たばこ!)気持ちが悪くなります。 匂いって取れなくて困るので気を付けて下さいね!! | ||||
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本はとっても綺麗でしたが、変な匂いが付いていて(多分たばこ!)気持ちが悪くなります。 匂いって取れなくて困るので気を付けて下さいね!! | ||||
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まもなく発表となる本屋大賞にもノミネートされている本作。 ミステリー作品として評判も高く、奥泉さんもこれまでほぼ全作読んでいて好みだったので 期待して読んだのですが。。。 まず、ミステリーだと思って読むと前半がのりきれません。あまりクラッシック音楽になじみが無い人にしてみればシューマンの曲名を言われても、曲が浮かばないのではないでしょうか(私はさっぱりでした。。。) いつもの奥泉小説なら「切断された指がいかに再生されたか」という点が掘り下げられて 縦横無尽な世界が広がりそうなのですが、そちらへは転ばず。 最後まで一気に読ませる筆力はさすがなのですが、最後がちょっと不満でした。 (一番楽しめなかった理由は、私がシューマンの造詣が無かった点にあると思うのですが。。。) | ||||
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まもなく発表となる本屋大賞にもノミネートされている本作。 ミステリー作品として評判も高く、奥泉さんもこれまでほぼ全作読んでいて好みだったので 期待して読んだのですが。。。 まず、ミステリーだと思って読むと前半がのりきれません。あまりクラッシック音楽になじみが無い人にしてみればシューマンの曲名を言われても、曲が浮かばないのではないでしょうか(私はさっぱりでした。。。) いつもの奥泉小説なら「切断された指がいかに再生されたか」という点が掘り下げられて 縦横無尽な世界が広がりそうなのですが、そちらへは転ばず。 最後まで一気に読ませる筆力はさすがなのですが、最後がちょっと不満でした。 (一番楽しめなかった理由は、私がシューマンの造詣が無かった点にあると思うのですが。。。) | ||||
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美しい言葉選びが恍惚とさせてくれます。 筆者のシューマンへの思いの深さを感じさせてくれるほど、一曲一曲の解説が描写細かく描かれています。 読んでいるとシューマンの楽曲を聞きたくなります。 私はクラシックを聞きはしますが、楽譜は読めないので楽譜を読める事が出来る方が読めば、 もっと面白さを感じられそうです。 個人的に一番好きな場面は永嶺修一の幻想曲の演奏シーンの一連。 想像すると溜息が出るほどの美しい情景が思い描かれて、うっとりさせられました。 肝心のミステリーですが、前半はなかなか進まないので、生粋のミステリファンには物足りなさを感じさせるかもしれません。 しかし結末の最後は不要だと思います。あの箇所が無ければもっとミステリアスで良い余韻を残せたのではないかと思ったのですが…。 そこは惜しいと感じてしまいました。 美しいミステリを読みたい方にはオススメです。 | ||||
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美しい言葉選びが恍惚とさせてくれます。 筆者のシューマンへの思いの深さを感じさせてくれるほど、一曲一曲の解説が描写細かく描かれています。 読んでいるとシューマンの楽曲を聞きたくなります。 私はクラシックを聞きはしますが、楽譜は読めないので楽譜を読める事が出来る方が読めば、 もっと面白さを感じられそうです。 個人的に一番好きな場面は永嶺修一の幻想曲の演奏シーンの一連。 想像すると溜息が出るほどの美しい情景が思い描かれて、うっとりさせられました。 肝心のミステリーですが、前半はなかなか進まないので、生粋のミステリファンには物足りなさを感じさせるかもしれません。 しかし結末の最後は不要だと思います。あの箇所が無ければもっとミステリアスで良い余韻を残せたのではないかと思ったのですが…。 そこは惜しいと感じてしまいました。 美しいミステリを読みたい方にはオススメです。 | ||||
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シューマンもピアノもミステリも大好きな私。前半が苦痛で後半が良かったという人が多いようだが、私は逆だった。 筆者のシューマン論は実に面白かったが、ミステリとしては、一番やって欲しくない安易なオチだった。 | ||||
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シューマンもピアノもミステリも大好きな私。前半が苦痛で後半が良かったという人が多いようだが、私は逆だった。 筆者のシューマン論は実に面白かったが、ミステリとしては、一番やって欲しくない安易なオチだった。 | ||||
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この人も「シューマンの徒」であると知って勇んで手に取ったのです。ずいぶんシューマンに親炙されたようではじめのうちは喜びを覚えつつ頁をめくっていました。ところがこの本は私が勝手に予想していたシューマンの伝記小説ではなく、下らない民放テレビでよくやっている「家政婦は見たか見ないかなんちゃって殺人事件」の謎解きスタイルをベースにしながら、要所要所に音楽の蘊蓄を傾けるという趣向になっています。文中、音楽家シューマンとシューマンの楽曲の解釈や評価についての記述は迚も興味深く、この作曲家に多大の魅力を感じてはいても、そのよってきたる由縁についての理解が浅かった私などに裨益するところは多々ありましたが、さて全体的な小説としての出来栄えはどうであったかと問われれば、最末尾のあっと驚く殺人事件のどんでん返し、さらには本作の小説構造を一瞬にして解体してしまうという魔法のような裏技、そのトリッキーなお手並みを大いに評価するにしても、「で、それがどうしたの?」と呟かざるを得ない、このー、「なんだかかなあ」という白けた気分が、窓の外の木枯しのように心中を冷え冷えと吹き過ぎていったことも事実です。こんな大脳前頭葉でこねくり回した小説をでっちあげる代わりに、平野啓一郎のショパンの向こうを張って「音楽の友」でユニークなシューマン論を連載していただきたいものです。 書いて書いてもトカトントン読んでも読んでもトカトントン 茫洋 | ||||
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この人も「シューマンの徒」であると知って勇んで手に取ったのです。ずいぶんシューマンに親炙されたようではじめのうちは喜びを覚えつつ頁をめくっていました。 ところがこの本は私が勝手に予想していたシューマンの伝記小説ではなく、下らない民放テレビでよくやっている「家政婦は見たか見ないかなんちゃって殺人事件」の謎解きスタイルをベースにしながら、要所要所に音楽の蘊蓄を傾けるという趣向になっています。 文中、音楽家シューマンとシューマンの楽曲の解釈や評価についての記述は迚も興味深く、この作曲家に多大の魅力を感じてはいても、そのよってきたる由縁についての理解が浅かった私などに裨益するところは多々ありましたが、さて全体的な小説としての出来栄えはどうであったかと問われれば、最末尾のあっと驚く殺人事件のどんでん返し、さらには本作の小説構造を一瞬にして解体してしまうという魔法のような裏技、そのトリッキーなお手並みを大いに評価するにしても、 「で、それがどうしたの?」 と呟かざるを得ない、このー、 「なんだかかなあ」 という白けた気分が、窓の外の木枯しのように心中を冷え冷えと吹き過ぎていったことも事実です。こんな大脳前頭葉でこねくり回した小説をでっちあげる代わりに、平野啓一郎のショパンの向こうを張って「音楽の友」でユニークなシューマン論を連載していただきたいものです。 書いて書いてもトカトントン読んでも読んでもトカトントン 茫洋 | ||||
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クラシック音楽について詳しいわけでもなく、普通のミステリー好きが読んだ感想です。 ミステリーとしては、「そりゃないでしょう。最後の最後に出てくる妹の手紙はあんまりでしょう。後出しじゃんけんですよ。反則!!」ということになります。 ただし、シューマンのピアノについてはどうしても聞きたくなり、思わずCDを借りてきて聞いてしまいました。遠い記憶の中で「トロイメライ」という曲名と、鳴っている音楽が一致して心が豊かになりました。主人公の「音楽は演奏されていなくても、そこにある」というのは、「頭の中である時ぐるぐるエンドレスで思い出される、あの感覚なのかなぁ。」(違うのかもしれないけれど) いずれにしても、音楽を音でなく文字で表現することは、えらく大変なことだと感じました。もしかしたら映画化すると音も入って、もっと素敵になるのではないでしょうか。 | ||||
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