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獄門島



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獄門島の評価: 4.01/5点 レビュー 92件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.01pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全92件 1~20 1/5ページ
No.92:
(5pt)

今回もまた、縦糸横糸、巧みに織り込んだ名ミステリの醍醐味、読み心地を堪能しました。

久しぶりの再読、いや、三読か四読になります。大まかな筋立ては分かっていても細かなところはおぼろに煙っているので、今回もまた、わくわく、ぞくぞくと楽しむことができました。

今回、あらためて「すげぇなあ」と感嘆したのは、犯行の奥に隠されていた大いなる企みの恐ろしさと、その企みに翻弄されるしかなかった人たちの運命の痛ましさでした。そして、西洋のミステリ作品のトリックを巧みに取り込み、そこに日本ならではの道具だてを盛り込んで生かした著者・横溝正史翁のお話づくりの職人芸、名人芸に、惚れ惚れするしかなかったです。

冒頭、金田一耕助が獄門島にやって来るシーンも印象的ですが、金田一が島を去るラストシーンがまた、なんとも言えぬ風情があっていいっすねぇ。長く澪(みお)引く余韻にため息をつきながら、本文庫の頁を閉じたのでした。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.91:
(1pt)

日本ミステリーの始まりであることは理解するが

あくまで現代人の目線で書く。その方が平等だろう。
以下ネタバレあり

=======
探偵
言わずもがなの金田一耕助で、頼りないが変な主張がないため読みやすさに貢献している。

設定
集落もの。不自然なクローズドサークルではなく、普通に警察が来るのは良い。

文章
昔の小説なのでさすがに読みづらい。

キャラクター
数がちょっと多いがリアルであるとも言える。それぞれの個性もある。

事件
予知系なので仕方ない部分もあるがあまりにも予知のまますぎる。何の衝撃もない。被害者が不用心すぎる(ここから死亡フラグが始まったのかも、、、)

トリック
矛盾している。トリック本来の「捕まらないようにするため」という本質から大きく外れている。ギリ2つ目は意味あるかもだが、どれも不要なトリックばかり。普通にコソッとやった方がいい。遺言に従うという意味もあるが、それではミステリーとしては成立しないのでは?ただのサイコ小説に成り下がってしまう。

動機
意味が不明。遺言のトリガーの条件が理にかなっていない。普通に「〇〇が死んでたら」だけでよい。それより普通に平和な遺言書を残せばよい。ただの気まぐれに見える。あと戦争に行く前に普通に注意しろ。俳句を使う理由も不明。ただのサイコ野郎の戯言か。「まあうざいから56した」くらいな感じ。この小説の価値が無くなってしまった。

推理
突然閃いた系。突拍子がない。

ラスト
不気味な感じでよい。

その他
海賊いる?物語にあまり関係なく、超人的な爺さんにただ嬲り殺されただけで可哀想。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.90:
(5pt)

映画よりもストーリーがもっと複雑怪奇

映画よりもストーリーがもっと複雑怪奇。はるか昔読んだ事があったのだが、もう映画との違いをすっかり忘れていた。改めて読んでみると当時より面白かった。それだけ歳を取ったという事なのだろう。映画には出てくる、【坂口良子演じる"床屋の娘"】が本書では出てこないのも今回気付いた。ファンだっただけに残念である。映画やDVDしか観た事が無い人にはおすすめしたい。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.89:
(5pt)

ミステリの面白さをたっぷりと備えた素晴らしい作品

後世の推理作家に多大な影響を与え、日本ミステリの最高傑作とも称される横溝正史の長篇推理小説「獄門島」。昭和22年1月から翌年10月まで雑誌「宝石」に連載されたもので、名探偵・金田一耕助シリーズとしては2番目の作にあたる。時系列としては「百日紅の下にて」の直後ということになるが、執筆順は「本陣殺人事件」の次である。

昭和21年9月、金田一耕助は瀬戸内海に浮かぶ獄門島へ向かう。その島は古くから海賊の根拠地であり、江戸時代には流刑の場でもあった。金田一の胸中には復員船の中で死んでいった戦友・鬼頭千万太が遺した「おれがかえってやらないと、三人の妹たちが殺される……」という不吉な言葉が渦巻いていた。

獄門島に到着した金田一がもたらした千万太戦死の知らせは、島一番の網元である本鬼頭のみならず、島全体に大きな衝撃を与える。当主である父の与三松は気が触れた状態で座敷牢に幽閉されており、千万太は実質的な本鬼頭の跡継ぎだったからだ。

千万太には月代・雪枝・花子という3人の異母妹がいたが、みな父親同様に精神を病んでおり、彼女たちに鬼頭家の財産が渡るのは先代・嘉右衛門の望むところではなかった。そして間もなく、千万太が恐れていた三姉妹を巡る惨劇が現実のものとなるのであった……。

本作は横溝作品の中でも「見立て殺人」ものとして高い人気があり、作中に用いられた俳句を詠むと、美しくも残酷な殺人風景がまざまざと思い浮かぶ。用いられたのは江戸時代の俳聖・松尾芭蕉とその弟子・宝井其角の残した俳句。和歌の書かれた紙が貼ってある衝立や梅の古木、妖しげな祈祷所など印象的なものがたくさん出てくるが、特に千光寺の釣鐘を使った見立ては忘れられない。

鶯の身をさかさまに初音かな(宝井其角)
むざんやな冑の下のきりぎりす(松尾芭蕉)
一つ家に遊女も寝たり萩と月(松尾芭蕉)

また、この作品は鬼頭早苗にほのかな恋心を抱く、若き金田一耕助の姿が描かれていることでも知られている。事件を解決した金田一は、東京へ出る気はないかと早苗を誘うのだが、その答えは「島で生まれたものは島で死ぬ。それがさだめられた掟なのです。でも……ありがとうございました。もうこれきりお眼にかかりません」という毅然としたものだった。

巧妙な伏線、奇抜なトリック、そして意外な犯人。「獄門島」はミステリの面白さをたっぷりと備えた素晴らしい作品だ。市川崑監督の映画で本作をご存じの方も多いかと思われるが、原作は犯人が異なるので、ぜひご一読いただきたいと思う。

<登場人物>
鬼頭嘉右衛門 … 本鬼頭の先代。太閤と崇められていた。故人。
勝野 … 嘉右衛門の妾。
鬼頭与三松 … 本鬼頭の当主。精神を患い座敷牢に入っている。
お小夜 … 与三松が惚れて妾にした元旅回りの女役者。故人。
鬼頭千万太 … 与三松の息子。復員船で死んだ金田一の戦友。
鬼頭月代 … 与三松とお小夜の長女。千万太の異母妹。
鬼頭雪枝 … 与三松とお小夜の次女。千万太の異母妹。
鬼頭花子 … 与三松とお小夜の三女。千万太の異母妹。
鬼頭一 … 本鬼頭分家。両親は既に他界。近々復員との連絡有。
鬼頭早苗 … 一の妹。千万太の従妹。金田一が心を寄せる。
鬼頭儀兵衛 … 網元・分鬼頭の当主。本鬼頭と対立している。
鬼頭志保 … 儀兵衛の後妻。潰れた網元・巴屋の娘。
鵜飼章三 … 分鬼頭に居候する美しい男。復員軍人。
荒木真喜平 … 獄門島の村長。横に平たい感じの男。
村瀬幸庵 … 獄門島の漢方医。鶴のようにやせている。
了然 … 千光寺の和尚。島では網元の上に君臨する存在。
了沢 … 千光寺の典座。無愛想だがたいへん親切な若い僧。
竹蔵 … 潮つくりの名人。先代から本鬼頭に出入りしている。
清公 … 床屋の親方。金田一に獄門島のことを語る。
清水巡査 … 獄門島の駐在。無精ひげをはやした好人物。
磯川警部 … 岡山県警の古狸。金田一とは旧知の仲。
金田一耕助 … 鬼頭千万太の死を伝えるため獄門島へ渡る探偵。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.88:
(4pt)

「推理小説の名探偵は無能だ」

という皮肉な言葉があるが、本作の金田一にはのけぞった。

鬼頭千万太「名探偵が戦友で幸運だった!これで安堵して逝ける」

花子「兄さま、お久しぶり!けらけら」

千万太「えっ?・・・・」

読み物としては面白いんだけどね。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.87:
(1pt)

ボロ過ぎる

茶色に変色くらいなら文句は言いません。
カビが生えてるような本は売って欲しくないですね。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.86:
(3pt)

横溝正史さんの最高傑作とまでは思わなかったが、わりあい楽しめた。

『獄門島』という小説、横溝正史さんの最高傑作とよく言われるので読んでみた。個人的には『悪魔が来りて笛を吹く』の方が好きだが、結構たのしめた。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.85:
(5pt)

何も殺さなくてもと思うが、閉鎖的な空間では何が起こってもおかしくない

今となっては、“家”の問題は薄らいでいると思うが、戦後はしかも島という独特の空間ではまだ江戸時代以前のような“家”は守るべき重要なものっだったのだろう。相次いで殺される本鬼頭家の三人娘(月雪花)。その殺害される理由が今では想像できないものだった。当時は殺人を犯す十分な理由だったのだろうが、島の呪縛に囚われた島民の行動が恐ろしい。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.84:
(5pt)

映画では伝わりにくい部分を細かく描写しており理解し易い

角川映画の素晴らしい出来を今更ながら再確認し、原作との違いを確認したく拝読。
やはり人物関係において若干の変更を確認しましたが、ストーリーの大きな矛盾にはなっておらず流石に作者がご存命だった当時の変更は実に巧く辻褄を合わせておられます。併せて、お亡くなりになった後の映像作品でかなりひどい変更の認められる作品もありそちらは別物と考えた方がよさそうです。

 多重に張られたトリックやミスリードも素晴らしいですし、この時代背景も時代的齟齬を絶妙に覆い隠すことに成功しています。ただ重版の時にスルーされたのか104p,14行の誤植は原作どうりなのかもしれませんがやや気になりました。

 今後、また映像化することが有ったとしてもトリックの”肝”の部分が現代解釈では規制に引っかかるというのは甚だ如何で、作者も墓石の影で嘆いていそうです。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.83:
(5pt)

情報の波

圧倒的な情報量で、文章の一文、一文に伏線が張られていて意味がある。それゆえ読者は気を緩めることなく読み進めなければならない。
金田一耕助の初登場作品の本陣殺人事件と違うところは、一部を除いて、金田一耕助の視点で物語が書かれていることである。
小説に天才的な人物が登場する場合、彼、彼女は、間に語り手や、主人公を挟んだ三人称として、物語に登場することが多い。羊たちの沈黙のレクター博士や、すべてはFになるの真賀田四季など。
その方が物語とともに彼ら自体が謎を孕み魅力的なものとして読者の興味を惹くからだろう。
また、天才の思考を一人称で書くことの難しさもあるのだろう。多くの場合、小説内の天才より作者が優れた頭脳の持ち主であることはないからだ。
だが、獄門島ではそれがなされており、事件に対する謎解きの思考を読者は金田一耕助とともに追うことができる。それによって読み手自身も巻き起こる事件を今まさに体験しているような臨場感をおぼえる。
謎と推理は波のように次々と寄せては引いていく。それでいながら、解決の章に至るまで事件の全容は読者に明かさせることはなく、タネもわからせない、その引き締まった構成を破綻なく書き切った技術に感服した。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.82:
(5pt)

封建的な島の殺人事件

復員船での友人の死。既に亡くなっている島の太閤の遺言。仲の悪い本家と分家の網元。美しいが尋常でない月雪花の三姉妹。和尚、村長、医者の三長老。獄門島での殺人事件が展開していきます。金田一探偵と磯川警部、島の駐在と六名の警官隊が活躍します。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.81:
(5pt)

濃い!

本陣殺人事件や悪魔の手毬唄、八つ墓村などと並ぶ横溝の名作です。
文庫本で購入しましたが、然程厚さが無い割に中身がめちゃくちゃ濃いですね。
当時の時代背景なくして語れない部分はあるものの、充分感情移入できたので大満足です。
東宝映画やTVドラマのDVDが市販されていますので、原作と比較してみるのも一興です。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.80:
(4pt)

きれいでした。

きれいでした。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.79:
(4pt)

世界観構築の巧妙さ

昭和二十一年。復員した金田一耕助が、帰国までに病没した男の頼みを受けて向かった戦友の故郷は、瀬戸内海は岡山・広島・香川の中間に浮かぶ獄門島。江戸時代には流刑場だった、断崖に取り巻かれるその島は、島民のことごとくが海賊と流人の子孫だという。遺族の鬼頭家は漁で生計を立てる獄門島を牛耳る綱元。耕助によって伝わる後継者の訃報に、島民たちは激しく動揺する。そして故人の通夜が取り行われるさなか、鬼頭家から千万太の妹の一人が姿を消していた。

『八つ墓村』につづいて、私にとって二作目の横溝作品です。海山の違いはあっても、いずれも隔絶された辺鄙な環境にある村を舞台にしています。両作品を読んで共通点として感じたのは、プロローグにおける舞台となる村の来歴の解説と、序盤での癖の多い村人たちの紹介の時点で、早くも箱庭的で閉塞感の強い独特の雰囲気に読者を引き込んでしまう工夫にあり、ミステリ作品以前に、キャラクターを含めた環境面の構築と導入が巧妙な作家だという印象を強く持ちました。

以降は、前述にも関連して作品の雰囲気を伝える目的と、本書内にミステリ小説ではお馴染みの登場人物一覧が存在しないこともあり、参考も兼ねた主な登場人物の紹介にあてます。
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【金田一耕助】…大陸、南方の従軍を経て復員。昭和十二年の本陣殺人事件により、名探偵としてすでに広く知られている。
【鬼頭千万太】…鬼頭家の跡取りだった故人。耕助と同じく従軍し、戦後の帰国前に病没。鬼頭家への伝令役を耕助に託すとともに、死の直前には不可解な言葉を残していた。
【鬼頭嘉右衛門】…故人。昨年、七十八で死亡。存命中は獄門島一の綱元である鬼頭家当主として、島一番の権力者だった。
【鬼頭与三松】…千万太たちの父親。精神を病んでおり、長く座敷牢に閉じ込められている。
【鬼頭三姉妹】…月代・雪枝・花子の三姉妹。千万太の腹違いの妹たち。十六~十八の年子。美しいが、不健全で病的な印象。
【お小夜】…故人。与三松の後妻で三姉妹の母。女優だった。
【鬼頭一】…鬼頭の分家の長男。千万太のいとこ。やはり従軍後に帰郷していなかったが、生存の報が伝わる。
【鬼頭早苗】…一の妹。美しく若い女性。嘉右衛門の亡きあと、当主不在の鬼頭家を切り盛りする。
【お勝】…亡くなった嘉右衛門の妾。五十過ぎ。
【竹蔵】…鬼頭家に仕える腕の良い漁師。
【了然】…寺の和尚。用事から島に帰る船内で耕助と出会う。千万太の遺言状の宛先の一人。
【了沢君】…了然和尚の弟子で、後継者候補。無口で無愛想だが親切。
【村瀬幸庵】…島の漢方医。千万太の遺言状の宛先の一人。
【荒木真喜平】…村長。千万太の遺言状の宛先の一人。
【儀兵衛】…鬼頭家に対立する"分鬼頭家"の当主。六十過ぎ。
【お志保】…妖艶な魅力をもつ、儀兵衛の妻。三十前。
【鵜飼章三】…美しい少年にも見える、青年。以前は兵士として島にいたが、いまは"分鬼頭家"の居候。三姉妹との噂がある。
【清公】…床屋。島外出身。
【清水】…好人物のお巡り。
【謎の男】…近海の海賊の一人が島に逃げ込んだという情報が清水によって伝わる。
【磯川警部】…本陣殺人事件で耕助とともに働いた男。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.78:
(4pt)

金田一耕助って本当に名探偵なのだろうか?

本書は、金田一耕助が獄門島へやってくるところから始まる。
金田一が獄門島へやってきた理由は、戦友の鬼頭千万太が臨終の際に
「三人の妹たちが殺される。俺の代わりに獄門島へ行ってくれ。妹たちを助けてくれ」
という遺言を残したからである。
戦友のその遺言を守るために金田一は獄門島へとやってきた。

しかしながら、金田一は無能であった・・・。
三人の妹たちの一人たりとも助けることができず三姉妹は全員惨殺。
しかも、3日連続で殺されるという始末。
おまけに、犯人は金田一に対してフェアプレーとして殺人方法に関する重大なヒントまで授けている。
それなのに、全くその謎に気づく事なく3人とも死亡。
金田一がやった事と言えば、全員死んだ後でようやく犯人に気づくという体たらく。

金田一耕助といえば、明智小五郎と並んで名探偵という評価が確立してしまっている。
しかし、そろそろ「名探偵」という肩書を彼から剥奪すべきではないだろうか?

おそらく、天国で戦友の鬼頭千万太は泣いている。
「金田一なんかに頼むんじゃなかった。明智小五郎に頼めば良かった・・・」と。
情けないぞ、金田一!

ま、金田一の無能ぶりは判明したが、娯楽小説としては面白かった。
色んな意味で突っ込みどころ満載。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.77:
(4pt)

良い

トリックも犯人も分かっていますが、面白かったです。
流石は横溝正史です。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.76:
(2pt)

オドロオドロしい舞台創りだけ凝って、肝心の推理の部分はスカスカという作者の悪癖が露呈した駄作

「日本ミステリ・ベスト10」等を選ぶと、しばしば「No.1」に押される作品。私は鮎川哲也氏と共に戦中・戦後の日本の本格ミステリの牙城を守った作者の功績を高く評価しているものの、個々の作品は評価していない。本作も作者の欠点が詰まった駄作である。(ネタバレあり)

まず、孤島で起こった美人三姉妹の連続殺人が軸な訳だが、動機が極めて希薄なのは作者の常として、三姉妹を別々の犯人が殺すなんて、ミステリ作家としての矜持が感じられず、トリックというよりは単なるズルでしょう。そして、有名な「季が違うが仕方ない」と「キチガイだから仕方がない」とを聞き違える名探偵が果たして居るだろうか ? しかも、この時、犯人と金田一との間の距離は階段にして数十段。この間に被害者を木に吊るすなんて出来る訳がない。読者は作者が常識に従って執筆していると思っているのに、非常識な事を書いてはイカンでしょう。重要なアイテムである寺の鐘にしても、本物の鐘とハリボテの鐘との区別が付かない人間(島民)が居るだろうか ? 金田一は事件を解決せず、事件が終わってから説明するのも作者の常だが、本作では金田一は犯人にヒントを貰うという情けなさ。また、第一の殺人に比べて、第二・第三の事件がアッサリしている点は第一の殺人の描写でお疲れという事か。

「犬神家の一族」でもそうだが、オドロオドロしい舞台創りだけ凝って、肝心の推理の部分はスカスカという作者の悪癖が露呈した駄作。「私はヴァン・ダインの様(「僧正」の事だろう)な見立て殺人は嫌い」と述べながら、本作を含め多くの「見立て殺人」ものを執筆している言行不一致にも呆れる。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.75:
(4pt)

裏テーマは「戦争の悲劇」

金田一耕助シリーズの中でもっとも本格色が強いとは言われるけれど、ぶっちゃけ本格として読んだら優れてるのは第一の殺人だけで、第二の殺人は後出しだらけでアンフェア、第三に関しては不可能犯罪。
横溝正史作品は推理小説ではなく、横溝小説と呼ぶほうが正しい。
舞台、歴史、設定、ビジュアル、雰囲気といった世界観や圧倒的なビジュアルがその最大の魅力。映画が売れたのもうなずける。なにより個人的には横溝正史の文章がたまらないので、昔の長編なんだがグイグイ読める。
面白かったーというより、読んでいて楽しい小説。決して本格ミステリとして読んではいけない。

真犯人の狂いっぷりや、オチの救えなさもいいのだが、なんといってもとある人物の味付けがたまらない。ネタバレになるので詳述は避けるが、謎のフェアプレー精神や外道すぎる発言など、もはやシリアスな笑い。

横溝正史の金田一耕助シリーズといえば、都会から隔絶した田舎、因習に満ちたドロドロのムラ社会といったテーマが一番に語られがちで、『獄門島』も一見その典型例のように見える。
でも本当は「戦争の悲劇」を描いているというのが秀逸。戦争という運命こそ、すべての悲劇を起こした真犯人なのである。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032
No.74:
(5pt)

ありがとうございました!

ありがとうございました!
横溝正史自選集〈2〉獄門島Amazon書評・レビュー:横溝正史自選集〈2〉獄門島より
4882933136
No.73:
(3pt)

結局は世界観なんですよね

動機が曖昧との評価もありますが、初めて読んだのが中学生の頃でしょうか。映画、テレビと相まって空前の角川、金田一、横溝ブーム。動機なんてものには目もくれず読んだなぁ。これは映画の補足として読んだ感が強いかなぁ。何せ大原麗子さんの演じた早苗さんが大好きで大好きで…当時の中学生の動機なんてそんなものです。ミステリーや謎解きとして読むには不備が多いのでしょうが、横溝作品はバックボーンの人間模様に入り込めるかでしょうか。面白かったです。
獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:獄門島 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304032

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