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獄門島
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獄門島の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.01pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全92件 21~40 2/5ページ
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もう、すごく年季のはいった、本がきました。 汚すぎ、持つ気になれない代物。 でも、本を捨てることはしません。 なんとか読みます。 | ||||
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古い本なので、仕方ないですが、印刷がうすいところがあり、ひらがなが多くて、読みにくいです。金田一シリーズは、子供のころテレビで観ていたので、期待していたのですが、原作は、つまらないの一言だと思います。 | ||||
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ちょっと…表紙が改訂版前のものなのか大人でも怖いようなイラストのカバーだったんですけど… 内容は勿論問題ないけども、カバーが違うわ!怖いわ…売るならちゃんとしてよ… | ||||
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『八つ墓村』『犬神家の一族』を読み,そのあまりの面白さに横溝正史シリーズを読破しようと思い手にした,私の中でのシリーズ第3弾です. 正直な感想を述べさせていただくと,先に挙げさせていただいた2作品に比べると,殺人の背景にある人間ドラマも殺人のトリックも,甘い感じがしました.背景事由は最初から明らかなのは,そもそも本作品はそういうストーリー展開なので問題はありませんが,トリックはやや無理がある感じを受けてしまいました.なにより読んでいる途中で,トリックは解けないままでしたが,犯人の目星がついてしまいました. とは言え,面白かったことに変わりはないです.「筆の冴え」という言葉がありますが,横溝正史先生の文章の流れは読者を魅了します.あらためてテレビで観るより原作を読む面白さを感じさせていただきました. | ||||
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一昔前に刊行された小説のわりには読みやすい。古さこそありますが作中の時代自体が古いのでいわゆる古典小説のような読みにくさはなく、意外にも取っつきやすいお話でした。 「3人の妹が殺される。守ってやってくれ」という戦死した友人の遺言を叶えるべく主人公が獄門島に出向くところから話は始まります。サクサク進むので中だるみ感はさほどありません。たださすがに今読むとストーリーやトリックに斬新さはないですね。これといった衝撃もなく普通に読み終わりました。シリーズを通して読むつもりならいいと思いますが、これ単体で手に取るならあまりおすすめはしません。シリーズの中で1冊選ぶのなら他の作品のほうがいいんじゃないかな? だるいところは読み飛ばしたりもしたので全体評価としては☆2。派手さや奇抜さがない代わりに今風の叙述トリックや騙しもないので安心して読めるミステリー小説だと思います。 | ||||
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日本の長編推理小説の最高作とも言われる「獄門島」を原文通りに読めるのはありがたいです。 内容についてですが、確かに舞台設定はすばらしいです。 ただ私は「獄門島」を初めて読んだ時(当時は角川文庫版でしたが)から、「犯人の動機が人工的で不自然」と感じていました。 鬼頭三姉妹はただ愚かなだけで極悪人というわけではないのですから、遺言だけでは(釣鐘が帰ってくるという偶然はあったにせよ)普通、殺すことまではできないと思います。 また動機の核心部分に何かロマンチシズムがあれば多少、不自然なところや矛盾があっても受け入れられるのですが、 その部分が「封建的な、あまりにも封建的な」ものだとちょっと夢がなさすぎるような気がします。 そこでそれについて以下に書いてみます。 もともと「獄門島」の犯人については横溝氏によると以下のような経緯がありました。 <引用開始> ◆初刊本「あとがき」 この小説もまだ犯人はきまっていなかったが、大体、人物の配置や事件が決まったところで、 女房に話をしたところが、彼女の曰く、で、犯人というのは-なのねと。 私はそれを聞いて烈火の如く憤った。おまえは何という事をいうのであるか。 そんな犯人をこさえたら、それこそ鬼どもから罵詈雑言、ヒンシュク、糾弾の火の雨が降るであろう。 (中略) そのうちに、しかし、待てよ、それ、ちと面白いではないか。 なるほど不自然は不自然だが、書きようによってはなんとかなるであろう。 第一こんな犯人を書いた探偵小説は、いままで1つもなかったようだ。 <引用終了> では夫人は何と言ったのか?ですが、小林信彦編「横溝正史読本」の「横溝正史の秘密」「第二部 自作を語る」によると「一人ずつ犯人なのね」と言ったそうです。 つまり「三つの殺人ごとにそれぞれ犯人が異なる複数犯」ということです。 夫人に話した時点で犯人は決まっていなかったと言っても人物の配置や事件は大体決まっていたのですから、腹案はあったと想像します。 (おそらくいくつかの腹案があってどれにするか決めかねており、夫人の言ったことは自分のどの腹案とも一致していなかったのだと思います) そこでもともとの横溝氏の腹案では誰が犯人であったのか?を考えてみると まず「了然和尚の単独犯」という腹案があったと思いますが、それ以外に「志保か早苗を犯人にする」という腹案があったのではないかと想像します。 それは清公のセリフの中に 「もともとこの島の人間たちゃア、海賊の子孫と島流しにあった罪人とがなれあって出来たもンだというんですが、 あっしやそのうえにもうひとつ、平家のおちゅうどの血がまじってやアしねえかと思うンです。 それというのがあのお志保だ。ありゃァどう見たって、中国筋の人間じゃねえが、 ああいう化け物がひょいひょい現れるンだから、やっぱり先祖の血はあらそわれませんや。 (中略) 早苗さんだってそうだ。 (中略) 若いに似合わず気位のたかいところや、おっそろしく気の強いところが尋常じゃねえ。 そういっちゃ悪いが、早苗さんだってやっぱり化け物のひとりですぜ」 というものがあるのですが、横溝氏自身が化け物と規定しているのが志保と早苗だからです。 さらに志保については初登場した時に 「この女はあきらかに南国系ではない。 秋田とか越後とか、とにかく北国系の美人が、京の水で磨きに磨かれたというタイプである」 というふうに紹介されています。 横溝氏の小説は「八つ墓村」の津山事件や「悪魔が来たりて笛を吹く」の帝銀事件のように現実を元にしていることが多いので、瀬戸内海の島にまれに東北系の人間がいるというのも実際にあることなのだろうと思います。 これはおそらく瀬戸内海の島々は江戸時代から山形の酒田から新潟、福井、広島を経て大坂・江戸を結ぶ西廻り航路の途中にあったからではないかと思います。 以上の2つを考え合わせるともともとの横溝氏の腹案には「犯人は志保」というものがあったのではないかと想像します。 (横溝氏が犯人を了然和尚にするか志保にするか迷っていたところに夫人が「一人ずつ犯人なのね」(三つの殺人ごとにそれぞれ犯人が異なる複数犯)と言ったのではないでしょうか?) 以下、2つの腹案(の予想)について考えてみますと... ①「了然和尚の単独犯」の場合 ★嘉右衛門が鬼頭三姉妹の見立て殺人を依頼するのは了然和尚だけになり、「三人もの人間が遺言で三姉妹を殺すことに同意する」という動機の不自然さは軽減されます。 ただし読者にとって犯人の予想は現状より容易になってしまうかもしれません。 ★アイディアの元になったと思われるヴァン・ダインの「僧正殺人事件」と凶器が類似していることになります。 ★全体の流れは現状とそれほど変わらないと思います。 (ただし各建物への各人物の出入りの順番は変更が必要になるかもしれません) ★第二、第三の殺人を了然和尚が行うことになります。 特に第三の殺人の関係から復員服の男を岩陰から了然和尚が殺す部分はなくなると思われます。 (高齢の了然和尚が岩陰から復員服の男を殺すのは不自然ですからここはないほうが良いかもしれません...) ②「志保が犯人」の場合 ★志保が犯人となれば「八つ墓村」で辰也の前に現れた美也子のように志保は魅力的な女性として金田一の前に現れることになると思うので「怪しい人物がやはり犯人だった」ということになるという心配はありません。 また志保は本鬼頭、分鬼頭につぐ、つぶれてしまった第三の網元、巴家の出身なので、それから来るうらみも十分ですし、現在は分鬼頭の儀兵衛の妻におさまっているものの、本当は一(ひとし)が好きだったという話もあることですから、一(ひとし)に本鬼頭を継がせるために三姉妹を殺していったとしたら動機も十分です。 (「八つ墓村」と動機が似てしまいますが志保は美也子の原型ということなのだと思います。 獄門島での志保の立ち位置と八つ墓村での美也子の立ち位置は類似していますね) ★「獄門島」の見立て殺人は第一と第二の殺人でだいぶ腕力が必要になることから男性の共犯者が必要になります。 そこで志保の共犯者の候補として考えられるのは鵜飼章三、了然和尚、潮つくりの竹蔵の三人ですが、私は一(ひとし)が実は生きていたということにするのが面白いと思います。 一(ひとし)も三姉妹が殺されることを予感していたので、こっそり帰って来たところ志保の犯罪を目撃してしまい、愛する志保の疑いをそらすために腕力のいる見立てをしたとか... (「犬神家の一族」の見立てに似てしまいますが...でも「犬神家の一族」と「獄門島」は話の構造が似ていますね) ★復員服の男は最初の腹案では一(ひとし)だったのではないでしょうか? (例えば「犬神家の一族」の本物の佐清のように...) ★現状の小説中の志保というキャラクターは最初、主要人物の一人として登場するのに、第2の殺人の釣鐘を見てとりみだしてからは全くのその他大勢の一人になってしまいます。このあたりが最初の腹案から変更された痕跡のように私には思えます。 ★「犯人は志保」とすると全体の流れは現状とかなり変わると思われますので以下にその一例(真相)を書いてみます(あくまで一読者の想像です)。 ・嘉右衛門が鬼頭三姉妹の見立て殺人を考え、それについて了然和尚、千万太、一(ひとし)に話す。 ・千万太と一(ひとし)は二人とも戦争から生きて帰ろうと誓い合う。 ・志保は現在は分鬼頭の儀兵衛の妻におさまっているものの、本当は一(ひとし)を愛していた。 そして一(ひとし)も実は志保を愛していた。 一(ひとし)は志保にも嘉右衛門の見立て殺人計画について話していた。 ・嘉右衛門が死に際に「千万太が死に一(ひとし)が生き残った場合は三姉妹を殺す」ように了然和尚に頼む。 ・千万太は金田一に「三姉妹を頼む」と言い残して復員船の中で死ぬ。 ・一(ひとし)も千万太の死を知り、自分が帰ると三姉妹が殺される可能性があることから、故郷に帰ったものの、本鬼頭の本宅には戻れずにいた。 ・了然和尚は三姉妹を殺すにしのびず、月代に養子を取って本鬼頭を継がせることで対応しようと決める。 ・志保は長年の本鬼頭に対する恨みをはらすためと一(ひとし)に本鬼頭を継がせるために三姉妹を殺していく。 ・一(ひとし)は志保が花子を地神様の祠で殺すのを影から見てしまったが、「これは死んだ嘉右衛門が志保に乗り移って殺しているのではないか」と思い、また志保の本鬼頭に対する恨みを良く知っていたことから、「もしも志保が三姉妹を殺してしまったら自分が本鬼頭を継ごう」と覚悟を決める。 またいずれ嘉右衛門の見立て殺人の構想は知られるようになるだろうと思って、見立て殺人の構想を知っていた者に疑いを向けさせるためと、腕力のいる見立ては女性にはできないだろうと思わせ志保から疑いをそらすために三姉妹の死体に見立てをほどこしていく。 ・第1の殺人では、志保が鵜飼章三に手紙を書かせて三姉妹の一人を地神様の祠に呼び出す。 志保は鵜飼章三と同じ着物を着て(鵜飼は華奢な体形のため夜、遠くからでは区別がつかないのであった。 またもしもの時は鵜飼を自殺にみせかけて殺し、罪を着せるつもりだった)祠まで行き、花子を殺した。 今夜は祠に泊まろうと思ってやって来た一(ひとし)は偶然、志保が花子を殺すところを見てしまう。 一(ひとし)は志保がいなくなってから花子の死体を千光寺まで背負って行き梅の木につるすが、逃げるところを了然和尚に見られてしまう。 了然和尚は花子の死体を見て「キがちがっているが...是非もない」とつぶやく。 志保はあとで自分が祠で殺した花子が千光寺の梅の木につるされていたことを知って驚き、もしや一(ひとし)が...と思う。そして第2の殺人を釣鐘の近くで行うことに決める。 一(ひとし)は第2の見立てのために本鬼頭の蔵から芝居用の釣鐘を持ち出すが後ろ姿を早苗に見られてしまう。 ・第2の殺人では、志保が鵜飼に手紙を書かせて天狗の鼻まで雪枝をおびき寄せる。 そして自分は鵜飼と同じ着物を着て天狗の鼻まで行き、雪枝を殺してしまう。 志保の動向に注意していた一(ひとし)は影から見ていたが、芝居用の釣鐘と棒を使って見立てをし、志保のアリバイを確保する。 志保はあとで自分が殺した雪枝が釣鐘の下にいたことを知って驚き、やはり一(ひとし)が...と思う。 ・第3の殺人では、本鬼頭に来ていた志保が祈祷所に忍び込んで月代を殺す。 嘉右衛門の見立て殺人計画について知っていた志保は死体の上に萩の花をまき散らした。 ・警察は「犯人は復員服の男」と判断し、一(ひとし)は山狩りで追いつめられて射殺されそうになるが、金田一が「一(ひとし)は犯人ではない」と言って救う。 一(ひとし)は「自分が犯人だ」と言い張る。 ・了然和尚は「嘉右衛門の見立て殺人の計画」について金田一と磯川警部に話す。 ・三姉妹を殺して本鬼頭へのうらみをはらし、分家の一(ひとし)が本鬼頭を継ぐことを知った志保は一(ひとし)の疑いをはらすために「自分が犯人だ」と告白し、自殺する。 ・一(ひとし)は妹の早苗に「刑務所から帰って来たら自分が本鬼頭を継ぐ。それまで本鬼頭を守っていて欲しい」と言う。 ※「八つ墓村」の美也子にならって志保に男装させてみました。 ※見立てを一(ひとし)と志保の以心伝心でやることにしたのでそこにやや無理があったかもしれません。 鵜飼章三が見立てをやることにすればそこは解決しますが、ロマンチシズムは後退するかもしれません。 もしも横溝氏が夫人の言葉を採用せず、また「犯人は志保」という腹案で「獄門島」を完成していたら「八つ墓村」や「犬神家の一族」の要素の入った「獄門島」になったかもしれないとも思います。 (と言うよりも「獄門島」で当初想定していた犯人を変更したために使わなかったアイディアをこれらの作品で使ったということではないでしょうか?「獄門島」の連載が終了した翌年から「八つ墓村」が、翌々年から「犬神家の一族」の連載が開始していますし...) 以上の通り、本当は「八つ墓村」の美也子の先駆けとなったかもしれない幻の悪のヒロイン、志保をサルベージしてみたのですが、いかがでしょうか? (私は志保のファンなので、横溝氏が夫人の言葉を採用せずに志保を犯人として 「獄門島」を執筆してくれていたら良かったのに...と思っています) さて「獄門島」はこれまで何度も映像化されており、私は金田一役の俳優の名前で言うと「片岡千恵蔵版」以外はすべて観ています。 私が観た中の志保役で誰が良かったか考えてみると片岡鶴太郎版の二宮さよ子がベストで、横溝正史シリーズの古谷一行版の浜木綿子が次点となります。 実は市川崑監督の石坂浩二版「獄門島」では犯人を部分的に変更しています(志保への変更ではありませんが)。 もしも犯人の変更が許されるなら犯人を志保に変更した「獄門島」の映像化も私は観てみたいです。 | ||||
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ミステリーとして普通に読めるが、傑作とか名作というまでではないと思う。 金田一が牢屋に入れられたくだりが面白かっただけ。 3人娘の描写があまりにも少ないので、殺されて可哀そうなどの感情移入がない。 殺しのトリックを金田一が説明しただけみたいな読後感。 シャーロックホームズやポアロなどとは比べようもない。 まだこの1冊を読んだだけだが。 | ||||
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見立て殺人の理由が分からない。金田一がいなかったら、誰も見立て殺人だって気付かないんじゃないか。 | ||||
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読書好きの友人から勧められて、普段小説はほとんど読みませんが、今回気合いを入れて読んで見ました。 この本の著者の名前も初耳(聞いたことはあるかも)で、ミステリーとか推理ものというと名探偵コナンくらいしか知らない私ですが、劇中の雰囲気に惹かれてどんどん読み進めてしまいました。 なんだか最後はあっけなかったというか、他の方も書いてあるように腑に落ちない点はいくつかありましたが、まあたまに読む小説としては十分満足できたので良かったです。 | ||||
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その島の名は…『獄門島』という。 《あらすじ》 「………金田一君… 俺の代わりに…… 獄門島へ行ってくれ……… 俺が帰ってやらないと……三人の妹たちが殺される………」 終戦後、日本に向かう復員船の中で、こう言い残して死んだ青年・鬼頭千万太。 昭和二十一年九月上旬、 戦友だった金田一耕助は、千万太の遺言を伝える為、瀬戸内海の孤島に向かう。 その島は名は、『獄門島(ごくもんとう)』と呼ばれていた―……… 金田一は、島の有力者である了然和尚、村長の荒木真喜平、医者の村瀬幸庵の三名に宛てた千万太の紹介状を携えていた。 船上で偶然出会った了然和尚に、金田一は、千万太の死を告げる。 和尚は、 「本家は死んで分家は助かる、是非もないことじゃ………」 と呟いた。 どうやら、分家の一(はじめ)は生還したようだった………。 鬼頭の本家に赴いた金田一を迎えたのは、 一の妹である早苗と 千万太の三人の妹・月代、雪枝、花子であった。 苦境の本家を切り盛りする早苗に恋情を覚える一方、 三姉妹の異様な雰囲気に胸騒ぎを覚える金田一であった……。 角川文庫 横溝正史 著 《紹 介》 探偵小説のモチーフの一つに、 “見立て殺人”というのがあります。 古くは、ウ゛ァン・ダインの『僧正殺人事件』や、アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』が古典的傑作です。 本作は、日本を代表する探偵小説作家・横溝正史が、 「日本でも、“見立て殺人”はやれないものか」の発想のもと創作されました。 また、横溝正史特有の“血族のしがらみ”も本作の特色として、大きく顕れています。 血族の因習と怨念に縛られたお馴染みの “横溝ワールド”を是非ともご堪能ください。 名探偵が活躍する、推理を基調とした本格探偵小説が読みたい、という方に、本作品を強く推薦いたします。 | ||||
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その島の名は…『獄門島』という。 《あらすじ》 「………金田一君… 俺の代わりに…… 獄門島へ行ってくれ……… 俺が帰ってやらないと……三人の妹たちが殺される………」 終戦後、日本に向かう復員船の中で、こう言い残して死んだ青年・鬼頭千万太。 昭和二十一年九月上旬、 戦友だった金田一耕助は、千万太の遺言を伝える為、瀬戸内海の孤島に向かう。 その島は名は、『獄門島(ごくもんとう)』と呼ばれていた―……… 金田一は、島の有力者である了然和尚、村長の荒木真喜平、医者の村瀬幸庵の三名に宛てた千万太の紹介状を携えていた。 船上で偶然出会った了然和尚に、金田一は、千万太の死を告げる。 和尚は、 「本家は死んで分家は助かる、是非もないことじゃ………」 と呟いた。 どうやら、分家の一(はじめ)は生還したようだった………。 鬼頭の本家に赴いた金田一を迎えたのは、 一の妹である早苗と 千万太の三人の妹・月代、雪枝、花子であった。 苦境の本家を切り盛りする早苗に恋情を覚える一方、 三姉妹の異様な雰囲気に胸騒ぎを覚える金田一であった……。 横溝正史 著 《紹 介》 探偵小説のモチーフの一つに、 “見立て殺人”というのがあります。 古くは、ヴァン・ダインの『僧正殺人事件』や、アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』が古典的傑作です。 本作は、日本を代表する探偵小説作家・横溝正史先生が、 「日本でも、“見立て殺人”はやれないものか」の発想のもと創作されました。 また、横溝正史特有の“血族のしがらみ”も本作の特色として、大きく顕れています。 血族の因習と怨念に縛られたお馴染みの “横溝ワールド”を是非ともご堪能ください。 名探偵が活躍する、推理を基調とした本格探偵小説が読みたい、という方に、本作品を強く推薦いたします。 | ||||
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映画版の獄門島が大好きでしたが、視聴するたびに怪異現象が起こるので暫く見ていませんでした。でもつい一週間前にDVDを棚の一番奥から引き出して手元に置いていたのに何処かへいってしまった。 では小説を読もうということで集中して一日中読んで読了したら精神状態が不安定になってしまった。自分は精神力が強いと自負していましたが、ああ、この閉塞感・はっきりとしないぼんやりとした不安、逃れられない睡眠への恐怖。この精神状態が3日間続き現在では元に戻れましたが、あぁ、レビューを書いていると辛くなってくる、この辺で。 | ||||
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おお、これは見立て殺人ではないか! 横溝正史はヴァン・ダインの「僧正殺人事件」やクリスティの「そして誰もいなくなった」に触発されて、純日本風舞台で本作を書いたようだが、個人的にすぐ想起したのはFOGのゲーム「MISSINGPARTS sideA the TANTEI stories」で最高傑作と評されている第三話だった。まあ「ミッシングパーツ」なんて普通の人は知らないだろうけど。 戦地から復員する金田一が復員船の中で病死した男に手紙を託されて獄門島へやって来る。が、その男が最期にうなされるように、自分が帰らなければ3人の妹達が殺される、などと言っており、早くもミステリモード全開。そしてその言葉通り、三姉妹が次々に殺されてしまうのだが、それが芭蕉の俳句に見立てた殺害と言う、見事な見立て殺人。 初めの殺害現場を見た和尚さんが「気ちがいじゃが仕方ない」と謎の言葉をつぶやくが、これも含めて冒頭からビッシリと張り巡らされた伏線の密度が凄い。今さら再読する時間はさすがにないが、ほとんど無駄なくコンパクトに構成された見立て殺人の本格ミステリと言う印象。横溝正史の最高傑作と言う評価をされる一方で、有名作ゆえに酷評も多く受けている様子。「つまらない」とする評は、大きく分けて次の2点らしい。①金田一が無能で、むざむざ三姉妹を殺させてしまっている。②殺人の動機が弱く納得し難い。 こんな批判は結局本格ミステリと言うものがわかっていないのだと思う。社会派ミステリならいざ知らず、本格ミステリは謎解きを楽しむパズルなのだ。本書では「見立て殺人」と言う大きなテーマをいかに巧みに小説として組み立てるかが問題なのであって、名探偵が阻止してしまったら、せっかくの「見立て殺人」と言う趣向が成立しないではないか。さらに「見立て殺人」などと言う殺害方法は普通あり得ないわけであって、そこをいかにもっともらしく粉飾するか、と言うのが問題なのだ。そうゆう観点で読めば、この小説の構成の巧みさや随所に張り巡らされた伏線の見事さに感心しこそすれ、下らないケチを付ける気にはならないだろう。 「獄門島」というタイトルが一番怖いくらいで、横溝正史作品で思い浮かべるおどろおどろしさはほとんど感じられない。金田一を初め登場人物がみな魅力的で、真面目一徹な島の警察官が金田一を怪しんで座敷牢に閉じ込めてしまい、その夜殺人が行われてしまったエピソードなど、ほとんど笑い話である。繰り返すが「本格ミステリ」=「パズル小説」だと思って読めば、現代でも十分通用する傑作と思う。くれぐれも余計な邪念を持って読まないことだ。海外のミステリではマザーグースの見立てだったのを、芭蕉の俳句でやってのけた、記念碑的作品。 | ||||
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最近立て続けにTVで獄門島を観ることができた。映画とドラマ二本で三つの違う結末の獄門島だった。 どの作品が最も原作に近いのだろうか気になった。何十年前か、以前にも買って読んだはずなのに原作の結末を覚えていなかったとは。新鮮な気持ちで再読です。 | ||||
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クリーニングして送るということだけれど、ほんとかどうか、とても臭い本が送られてきました。 | ||||
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古本なので、それなりてすが、価格が安い上、店舗を探す必要がないので、コストパフォーマンスが高く満足です。 | ||||
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ミステリーマニアなら、一度は読んでおきたい本です。 時代を超えても、名著は衰えずといった感じです。 | ||||
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日本人作家によるミステリのベスト1と評される作品です。 この作品のユニークさは、戦後の世相とか 旧弊な村落共同体とか、その因習とか、犯罪を計画したものの執念とか 封建的な島の事情とかトリックの巧妙さとか犯人の意外性など言われますが、 いちばん恐ろしいのは、作品の舞台となる小共同体とは無縁な来訪者によって 「時限爆弾」のスイッチが入ってしまうことです。 その「時限爆弾」に関しては、スイッチを入れた当の本人はいっさい関知していないし、 「時限爆弾」の効果についてもまったく一切関知しないということでしょう。 何がいいたいかというと、この作品はフィクションですが、 まったく関係のない他人やその地に縁の薄かった人間が山間僻地などに来訪することで この作品のような事件(見立てるなどはないとは思いますが)は現代の現実でも起こりうるということです。 読み終えてぞっとするのはそこですね。 | ||||
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東西ミステリーなんちゃらかんちゃらで、80年代と'12年のどっちも1位という作品ながら読んだことなかったので、手にしてみました。 が・・・これ面白いですか? いくら被害者のおつむが足りないからって、簡単に誘い出され過ぎでしょうが。 そもそも金田一は、事件が起きるのを防ぐために島に渡っているのに、何の対策もしてないし。 まぁ実際犯人が犯人なので、防ぐのは難しいんでしょうが、 上陸早々に、その目的などを島の人間全員に伝えていたら、ちょっとした抑止力にはなったのではなかろうか。 ミスリード誘うような島への侵入者があったり、当初から怪しげだった鵜飼が 完全に噛ませ犬だったりその辺の構成は面白いですが、結局この作品は、 俳句の見立てとか、現場の衝撃度とか、その辺だけで評価されてる様にしか考えられません。 これがベストであるなら、自分には横溝は合わないな・・・と思わされました。 一応これを読む前に、「本陣殺人事件」を読んでおいた方が吉という事は、申し添えておきます。 | ||||
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みなさんコメントされているようにY先生の代表作。関東平野から出たことの無い小生からすると瀬戸内の島の風情が感じられる、その雰囲気を楽しむだけでも読んでいて時間を忘れてしまいます。映像化されていますがやはり原作が一番かと思います! やはり脳内BGMは市川作品のサントラ(田辺信一)ですね! | ||||
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