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獄門島
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獄門島の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.01pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全92件 61~80 4/5ページ
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「ミステリ」でなく、懐かしい古典的探偵小説として、横溝の、日本の、否、世界のタンテイ小説史上最高の傑作。ネタバレになるので書けないがトリックの一つは日本の土俗的雰囲気の中できわどいミスディレクションが駆使されていて、何回読んでもため息が出るほど。この素晴らしさを評価できる方こそ本当の「探偵小説」ファンといえるでしょう。 | ||||
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初めて横溝正史を読みました。名作と言われていたので、期待して読みましたが、犯人を知ったときは「そんなのあり?」と思いました。トリックは物理的なものがいろいろ使われていて面白かったのですが、なぜ俳句の通りにしなければならなかったのか、なぜ3人の娘を殺さなければならなかったのかに説得力がありませんでした。この事件のそもそもの首謀者の正体を知ってがっかりし、少し怒りを覚えたのは僕だけでしょうか。犯人を考えず、トリックを考えながら読むことをお勧めします。 | ||||
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横溝正史の魅力が凝結した一作である。横溝ほど万人に愛される推理作家も珍しいと思うが、 それにはやはり、トリックもふまえて革新的な開拓者の面を持ちながら、あくまで舞台背景に 強い拘りを持つ頑固職人的な二つの側面を合わせ持ち、尚且つそれが何の衒いもなく自然に 融和し、独自の世界観を築いているからだろう。 ここでのレビューでも、多くの名前が出ているが、まさに本作では英米の本格黄金時代に活躍 した作家達から多大なエッセンスを吸収しており、そのパズル要素を日本独自の因業が揺曳し 封建の極みともいうべき獄門島という舞台で、芭蕉の俳句など和の美で構築された見立て殺人 を用意した事により無類の一品になっており、まさに唯一無二の横溝の世界というものが最初 に確立した作品だろう。 そして、もう一つ重要な要素として人間の描写があり、彼の経歴や遅咲きの成功からもくみと れる事だが、「人間」というものに対しての非常な関心と観察の才があり、真実それこそが 最も天才的な部分だと個人的には思っている。。この作品の批評で犯人の動機がおかしい云々 というのは必ず上がる声だが、果たしてそうか?これ以上「人間」らしい動機が存在するの だろうか?横溝作品に関して謂えば、動機がおかしい等は、むしろ誉め言葉である。背後に 裏打ちが見えるからこそである、努力の結晶が見えるからこそである。。 それにしても、物語にどれだけ妖気がたちこめようとも邪知が跋扈しようとも、最終的には 胸がジーンと感動する感覚に陥るのは純粋に不思議だ。。それには、やはり金田一耕助に 抱いてしまう親愛の情に近いものがあるからなのかもしれない。 そういう意味では横溝の作品は、総合的には中庸を保ちえていて推理小説という枠組み内に 捉われず一つの話として高い完成度を誇っていると感じる。まあ、この作品はその最たるもの か。。永遠に伝達されるべき名作だ。 | ||||
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この作品は横溝ファンの間では最高傑作にあげられる事が最も多い 作品だそうですね。 たしかに謎解き大好きな人には傑作なのかもしれませんが、私のよ うに謎解きよりもストーリーや雰囲気を楽しみたいという読者には この作品は傑作ではありません。 犯人がわかったときは正直白けてしまいました。 | ||||
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本書は日本推理小説史上、最高傑作である。 が、本書に不満を言う人も少なからずいるようだ。最も多いのは金田一探偵の犯罪阻止についての無能ぶりに対する批判、次に多いのは殺人動機に納得できないということらしい。 それでまず、金田一探偵の犯罪阻止についての無能ぶりについて。 皆勘違いしているが、探偵の役割は謎を解き明かすことであって、犯罪を阻止することではない。例えば「Xの悲劇」のレーン、「エジプト十字架の謎」のクイーン、「ABC殺人事件」のポアロ、「グリーン家殺人事件」のヴァンス、皆、犯罪阻止に関して無能だった。 それに、次々と連続殺人が起き、探偵側が犯人に翻弄されながらも最後に謎を解き明かすから本格推理小説は面白いのだし、探偵が一々犯罪を阻止していたら推理作品自体が成り立たない。 それと動機について。 エラリー・クイーンを例に挙げると、推理小説を論理的なパズル小説と位置づけ、謎解きの整合性を何よりも重視し、動機など二の次としている。それは例えば「エジプト十字架の謎」では、解明された殺人動機も犯人がアレほどまでの殺人を起こさなければならなかった動機としては弱いし、同年書かれた「Yの悲劇」などは動機があるのかないのかよく分からないながらも、謎解きの論理を究極に極めたパズル小説として未だ最高の推理小説として賞賛されていることを見れば明らかなとおり、本格推理小説においては動機など瑣末なものに過ぎない。 本書も同様、作者は「Yの悲劇」のようにパズル小説としての究極を極めた、ただそれだけのことだ。 | ||||
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ヴァン・ダイン『僧正殺人事件』、クリスティ『そして誰もいなくなった』における 《童謡見立て殺人》に触発されて書かれた本作。 海外発祥のアイディアを日本の伝統的な《見立て》と連結させ、巧みに翻案しています。 また、《見立て》以外にも、本作を語る上で避けて通れないのは、 作品構造の根幹をなすのが、《操り》であること。 クイーン『Yの悲劇』からの影響も考えられますが、本作の事件を影で支配する 黒幕の計画は、すべて実現され、名探偵であるはずの金田一は(いつも通り?) 事件を防ぐことはできず、後追いの解説役にしかなっていません。 しかし、すべてが終わってみると、結果的に黒幕の 計画自体が無意味であったことが明らかになります。 金田一だけでなく、黒幕も事件に対し、超越的な立場には立てず、結局は誰もが 気まぐれな運命によって翻弄されていたにすぎなかったという、きわめて現代的な 読後感が漂います。 | ||||
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殺害方法が凝りすぎで不自然。その反面、動機解明には十分なボリュームが当てられていない。これは推理小説以前の探偵物語なのだろう。探偵ものとして読むなら、キャラの立て方や世界の作り方など、確かに凄い。 | ||||
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『獄門島』がいまもなお、傑作であり続けるのには2つの理由がある。 ひとつは、終戦直後の日本でしか描きえなかった時代背景。 戦争のため供出され、獄門島という瀬戸内海の島に戻ってくる寺の鐘は その象徴といえるし、そこには個人の思惑を超えた「運命」がある。 ふたつめは、青年の初々しさを残す金田一耕助をはじめとする人物造形。 のちの作品に登場する金田一は洒脱さも兼ね備えており、それはそれで 味があるのだけれど、本書の金田一からは青年ならではのまっすぐな視 線とやさしさを感じる。 事件は陰惨だが、読後は薄闇から光が射したような爽やかさがある。 過剰な感情や情報をおしつけられる(ように感じる)小説が多いなか、 この作品を何度も読み返してしまうのは、そのミニマムな魅力にあるの かもしれない。原点に帰りたいときに、読む一冊。 | ||||
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言わずと知れた横溝正史の傑作。 相変わらず、金田一の役立たずっぷりがすごい。殺人を防ぐためにやってきたのに、誰一人として助けられないとは。 トリックというかプロットとしては確かに傑作だ。すっかりだまされてしまう。 とはいえ、色々と納得できない点も残るので、星は4つ。 | ||||
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時代が時代なので許された表現とテーマである。 今の時代ではとても出版されなさそうな内容にカルチャーショック。 私にとって初の金田一(子供時代は明智で育ったため)だったが 大人が読むとすると明智よりはるかに謎解きが楽しい。 しかし明智より腕は劣るかもしれない。 | ||||
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あくまで、個人的見解では、ありますが、横溝正史著『獄門島』は、パズラーの最高峰の高見に上り詰めた作品といえるでしょう。これ程の作品は大横溝でも2度書けなかった。それぐらいバランスがいい。あるいみ神懸り的な作品です。もっとも50年以上も前の作品を持ってきて「最高です!最高です!」と連呼してもあまり意味がないかもしれない・・・それにそれを連呼することは、それ以後のミステリ作家の努力を軽視しているようで失礼な気さえする・・・しかし、このバランス感は捨てがたい・・・それぐらいパランスがいいのです。 犯人が仕掛けるトリックや解明のプロセスは、爪が甘かったりして「こんなにうまくいくのか?」という疑問がないわけではありません。こうした点は横溝正史というひとは甘い部分があって「エラリー・クイーン」だったらもっと緻密にするだろう、怪奇趣味もカーならもっとくどく書くだろう・・・しかし、細部の不満が全体としては欠点になっていない。全体の構成の上手さが細部の欠点をカバーして、気にならない仕上がりになっています。なによりも人間が生き生きしている。題名からおどろおどろしい印象を受けがちですが、むしろ全体的に明るい雰囲気さえ漂っている。山狩りの場面で金田一耕助と床屋の清公の掛け合いに思わず、ニヤリとしていまう・・・しかし、この部分が解明の重要な伏線になっていて非常に上手い。全体として描写や登場人物に無駄がないのです。また、『本陣殺人事件』でもそうでしたが、トリックが犯人の人間性と有機的に結びついていてトリック自体が犯人を象徴している点は驚嘆に値します。トリック中心でなく、人間関係から事件が起こってくる・・・いわゆる黄金期のパズラーでなく「モダーン・ディティクティブストーリー」であり、少しも古くなっていない。恐るべき作品です。「横溝はカーの影響が・・・」がとよく言われましたが、むしろ、作風自体はクリスティに近い。クリスティ好きなら間違いなく感服するでしょう。 もっとも、評論家的な立場に立った時は、『獄門島』は横溝正史の最高作であると断言するのですが、個人的な趣味でいうと、『犬神家の一族』『悪魔が来りて笛を吹く』の方が贔屓だったりする・・・この辺が個人の趣味で難しいところですね・・・ | ||||
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石坂浩二の犬神家、TBSの古谷一行主演の金田一シリーズで横溝正史にはまった中学時代、そして昨年の犬神家のリバイバル上映で、30年ぶりに再度横溝、金田一を買い直し、読みました。やはり最高傑作は、獄門島。孤島で始まる奇奇怪怪の猟奇殺人、俳句に秘められた謎、名探偵、金田一耕助の推理は、やはりシリーズ最高傑作と思います。本格推理の名品数あれど30年経っても、やはり自分のNO.1は横溝です。金田一シリーズで、その他のお奨めは、「本陣殺人事件」、「八つ墓村」、そして「夜歩く」あたりでしょうか。横溝に駄作、凡作は在りませんが。 | ||||
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横溝正史の、そして国内本格推理小説の最高傑作です。 いわゆる「孤島もの」で芭蕉の俳句による「見立て殺人」は、アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』に触発されたものです。 元々はヴァン・ダインの『僧正殺人事件』を読んで、童謡の歌詞どおりに殺人が起こるというアイデアに感服しはしたものの、二番煎じと叩かれることを懸念して二の足を踏んでいたところ、クリスティーが同じようなことをやっており、それが許されるのだから、じゃあ自分もやってみようと思い立ったということが『真説 金田一耕助』(横溝正史著・角川文庫)に記されています。 日本探偵作家クラブ賞を受賞した坂口安吾『不連続殺人事件』や、そのとき次点に終わった高木彬光『刺青殺人事件』よりも、3位だった本書の方が上だと思いますが、横溝正史はその前年に『本陣殺人事件』で同賞を受賞しているため評価が抑えられたのだと思います。 | ||||
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終戦直後の瀬戸内海を舞台にストーリーが展開します。 獄門島という閉鎖空間の不気味さは勿論ですが、 ストーリーに厚みを増しているのは、日本独特の 地方社会における閉鎖性・封建制だと思います。 殺人の仕方がどれもビジュアル的で美しい。 その一方で、ストーリーの根底には 封鎖社会における、おぞましさが色濃く描かれています。 筆者としては、出版当時にも色濃く残っていた 地方社会の封鎖性へのアンチテーゼも表現したかったのではないでしょうか? | ||||
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僕が思うに、横溝正史はこの作品を書くにあたり、ヴァンダインの「僧正殺人事件」、クイーンの「Yの悲劇」、クリスティの「そして誰もいなくなった」、この世界的傑作3作に強く影響されていると思いますね。「僧正〜」からは見立て殺人というシチュエーションを、「そして誰も〜」からは孤島ものというシチュエーションを、そして「Y〜」からは、あまりにも有名な、例のブラントインスタルメントと殺人シナリオというアイディアを拝借していると思います。横溝正史の凄いとこは、それを純和風にしている点だよなぁと感心してしまうのでした。 | ||||
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あくまで私個人の感想ですが、横溝作品の中でこの「獄門島」や「犬神家の一族」はCATVやDVDで石坂浩二さん演じる金田一シリーズを見てはまり、原作の本も読みたくなって購入しました。最初は「犬神家の一族」から横溝作品に入って、次がこの「獄門島」を読み始めました。 映像で見てから本を読んでも内容が深くて面白く、映像で判らなかったストーリーの詳細部分をこの本で私は補いました。 また原作で判らなかった部分はDVDの映像で補ったりして横溝作品を堪能しています。 有名なシリーズの中でこの作品も面白く、様々な戦争が終わった昭和の登場人物の個性が濃い人間性が出ていて、また主役の金田一探偵の素朴で優しい部分と、ひとたび事件に面すると、頭をもしゃもしゃ掻きながら、鋭く細かくなる部分と極端な所が現代にも通じるストーリーや人間味が深い作品だなと感じました。 謎の三つの俳句から殺人事件が次々と発生するところも読んでいて飽きない部分でした。 なぜこれだけ長い間このシリーズが愛されているのか何作品か観ているうちに解る気がしました。 これをきっかけに、CATVやDVDで観た横溝先生の金田一シリーズのいろんな原作小説も読んでみようと思いました。次は何を読もうか楽しみにもなりました。 | ||||
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漫画化・映像化もされている、横溝正史の最高傑作です。横溝先生の作品には「犬神家の一族」「悪魔が来りて笛を吹く」「悪魔の手毬唄」「女王蜂」「病院坂の首縊りの家」など、名作・傑作が数多くありますが、この作品の面白さはその中でも飛びぬけています。古くから対立する網元一族、巧妙な見立て殺人、和尚のつぶやいた「キチガイじゃが仕方がない」という謎の言葉など、本格推理の醍醐味が凝縮されています。既読の方は本棚から取り出してもう一読を。未読の方は是非一読を。決して損はしないはずです。 | ||||
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僕も殺人の動機に納得がいかなかったです しかし映画を見て よく人物の関係を見直していくと納得できました 前の人もかかれてた通り今の時代じゃ成立しないでしょう でも横溝生きていた時代には立派に成立しますし 今の時代の殺人動機より全然筋が通ってると思います 新しいから面白いわけじゃないんですよ 日本には素晴らしいものが沢山ありました もうちょっと古いものに目を向けてもいいんじゃないかと思いました | ||||
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こういう動機で犯罪が成立するのは、この時代がぎりぎり最後なんだろうなと思います。現代はもっと不条理な動機が溢れています。戦後、孤島、探偵、俳句、見立て殺人。古典として雰囲気を愉しむべき作品。 | ||||
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金田一探偵は犯罪阻止率が低いと非難する者が多い。確かに本作でも娘達が全て殺される。犯人にとって犯罪が完成してしまうわけだが……しかし金田一耕助の魅力は犯人に同情するというか感情移入するところにあると思う。彼のやさしさが陰惨な事件の結末を救っている。 | ||||
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