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(短編集)

ななつのこ



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【この小説が収録されている参考書籍】
ななつのこ
ななつのこ (創元推理文庫)

ななつのこの評価: 7.55/10点 レビュー 11件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.55pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全3件 1~3 1/1ページ
No.3:4人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

ななつのこの感想

都会に住む根っからの文系女子短大生てある、入江駒子はある日一冊の本に出会う。
表紙に描かれた麦わら帽子の少年とノスタルジックな田舎風景にどうにも惹かれる。
録に土を踏んだこともないのに、どこか懐かしさを感じ、一目惚れでその本を購入してしまう。
その本こそ「ななつのこ」。
「ななつのこ」は7つの短編で、主人公の「はやて」少年の日常の些細な謎を、〈あやめさん〉が解決するストーリ。
そんな「ななつのこ」の第1話は「すいかのお化け」で、たまたま駒子の日常ではスイカジュース事件が起きた。
血痕かと思ったらスイカジュースだったという軽い話を、駒子は「ななつのこ」の作者である、佐伯綾乃へのファンレターに書き記した。
すると、後日作者から返事が来たうえ、スイカジュース事件への思わぬ考察が書き添えられていた。
そして、駒子の日常の謎に、作者が答える手紙の往復が始まる-…
という展開になります。

とても穏やかな気持ちになれる一冊です。
ミステリというと、つい殺人事件、複雑な謎解き、緊張感やスピード感をイメージしがちです。
しかし、本作では誰かが亡くなるようなことはなく、解く謎も些細な日常に起きた、人によっては謎とも言わないものです。
しかし、作中駒子は最初のファンレターで書き記しています(ネタバレに含まれたらすいません)。

いつから疑問に思うことをやめてしまうのか
色々な全てに納得してしまうようになったのか
いつだって、どこだって、謎はすぐ近くにある
本当に大切な謎はいくらでも日常にあふれていて、答えを待ってる

これがこの作品のスタンスをよく物語っていると思います。
ミステリ=殺人事件など日常から解離したイメージだった私にはハッとさせられる言葉でした。

7つの短編で、先述の通り駒子の日常の些細な謎を、「ななつのこ」の作者である佐伯綾乃が解決します。
この駒子の謎が、作中作の「ななつのこ」のはやて少年の謎とリンクしています。
そのため、作中作の「ななつのこ」と2つの謎を楽しめる入れ子構成になっています。
どちらの謎もほのぼのとしつつ、どこか切なさもあって面白いです。

上手く言えませんが、ミステリを読んだというより、心地よく美しい作品に触れたという感じです。
優しい気持ちになりたい人におすすめします。


▼以下、ネタバレ感想

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あんみつ
QVSFG7MB
No.2:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

7つの手紙の物語

頭をひねるような複雑な謎は隠されていないので、自然体で読める作品です。主人公の入江駒子が気に入った絵本は、実際に「ななつのこものがたり」として出版されました。
親から子どもへ受け継がれる歌は、正しい言葉の意味がわからないものが多いなと改めて感じました。文字ではなく音で伝わることで、地方によって違った歌詞になったりと、興味深く思います。私は、「ななつのこ」は「七匹の子ども」と捕らえていたので、本書で「七歳の子ども」と言われたときに目から鱗でした。

花筏
12TTSXT9
No.1:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

あったかな日常の謎

やさしさに包まれた素敵なお話で、
とてもゆったりした気持ちで読めました。

ゆー
98N04ZLM

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