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彼は彼女の顔が見えない



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【この小説が収録されている参考書籍】
彼は彼女の顔が見えない (創元推理文庫)

彼は彼女の顔が見えないの評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

作者の掌で転がされる楽しさ

「ときどき私は嘘をつく」、「彼と彼女の衝撃の瞬間」に続く、イギリス女性作家の邦訳第三作。結婚後10年以上が過ぎ、お互いに結婚生活に疑問を抱き出した夫婦が、関係の修復を目的に人里離れた古いチャペルに出かけたのだが、それぞれの思惑とは異なり、思いがけない事態に遭遇するサスペンス・ミステリーである。
多少は売れている脚本家のアダムは仕事中心の生き方がたたって、妻のアメリアとの関係に危機が訪れていた。そんな状況を修復すべくアメリアは人里離れた場所での二人だけの休暇を提案する。愛犬・ボブと共に出かけてきた二人だったが、長旅に悪天候が加わり次第に険悪な雰囲気になっていく。しかも、泊まる予定のチャペルはドアに鍵がかかっており、管理人に連絡することもできなかった。二人のストレスがどんどん高まるばかりという悲惨な状況に加え、アダムとアメリアにはそれぞれに秘密の企みがあったのだった…。
夫婦それぞれの視点とアメリアからアダムへの「渡されない手紙」の三つの語りで進められる物語は、思いがけないチェンジ・オブ・ペースと捻りに満ちており、最後まで読者に正体を明かさない。前作「彼と彼女の衝撃の瞬間」と同様、読む側の先入観をきれいに裏切って見事なクライマックスを見せてくれる。
作者の仕掛けに乗って騙されることが苦にならない読者にオススメする。

iisan
927253Y1

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