大資産家の妻を目指して、知性と打算の見事な結晶の手紙を送ったドイツ人女性ヒルデガルト。

ダレハムの海岸で男の溺死体が発見された。その六週間前、自殺すると言って姿を消した一人の旅芸人がいた。

わたし、ミは、火事で大火傷を負い、顔を焼かれ皮膚移植をし一命をとりとめたが、一緒にいたドは焼死。

二人は学生同士の恋人だった。女は妊娠しており、男は結婚を迫られていた。

妻と喧嘩し、あてもなく街をさまよっていた男は、風変りな帽子をかぶった見ず知らずの女に出会う。

実直そうな青年アレックスは、茫然自失の状態だった。新婚旅行の初日に新妻のドリーが失踪したというのだ。

十一月の深夜、歴史教師のキャロラスはミンコット荘のレディー・マーガレット・ピップフォードから電話を受ける。

匿名の電話の警告を無視してフリーダは婚約者の実家へ向かうが、その夜のパーティで殺人事件が起こる。

不穏な空気をはらんだ夏の午後、医師シャーロットの診療所にやって来た若い女。

蒲田の老夫婦刺殺事件の容疑者の中に時効事件の重要参考人・松倉の名前を見つけた最上検事は、今度こそ法の裁きを受けさせるべく松倉を追い込んでいく。

平和な休日、婚約者が突然怒り狂う。路上では外国人に殴られ、ファミレスでは麻薬取引現場に遭遇。

事故で死んだ夫、未亡人は義理の息子に有利に条件づけられている遺産相続に不満だった。

越野ハルカ。父の失踪により母親の故郷である坂牧市に越してきた少女は、母と弟とともに過疎化が進む地方都市での生活を始めた。

破産寸前の夫、その若く美しい妻、彼女に恋する中年の資産家とオールドミスの姉、この四人の男女の頭の中には、それぞれ思惑がひそみ、それが運命の糸のようにからみあって、破局へと突き進んで行く……。

アメリカからの電報を読んで、キャシーは愕然とした。ノエルが結婚!なんて馬鹿な。

美しい社長秘書との結婚を目前に控えたモードデザイナーのポールは、ささやかな幸福にひたっていた。

クリスティ、セイヤーズらと並び、四大女流ミステリ作家のひとりに数えられるアリンガム。

膨大な犠牲者を出して、大戦は終わった。 真面目な青年アルベールは、戦争で職も恋人も失ってしまう。

マンションで孤独死体となって発見された女性の名は、鈴木陽子。刑事の綾乃は彼女の足跡を追うほどにその壮絶な半生を知る。

十年前に起きた二重殺人事件は、きわめて単純な事件だったと誰もが信じていました。

ある夜、自宅近くのたばこ屋でウィリングが見かけた男は、「私はベイジル・ウィリング博士だ」と名乗ると、タクシーで走り去った。

「最後のバラ色の三日間。あとはみなさん、さようなら！」　イリスが車に乗せた青年は、こう言うと笑った。

医師のノートンは、海岸の遊歩道で見かけた美貌の娘に、一瞬にして心を奪われた。その名はダイアナ、あだ名は“コマドリ”。

アメリカ随一の女流本格作家マクロイによる、趣向と技巧を凝らす短篇集が文庫化。

仏・ランス大聖堂の南塔から男が転落、地上八十一・五メートルにある塔は密室状態で、警察は自死と断定した。

連続殺人に挑むのはミステリー読みのプロたち――。

雇い主の車で初めての南仏を目指した女が巻き込まれた事件。

斜陽の領主一家と屋敷を静かに襲う、不幸な“事故”の数々。

ブレアトン女子学院に勤めて五週間の女性教師フォスティーナは、突然理由も告げられずに解雇される。

独房からは信じがたい静寂が漂ってきた。獄内の静けさを残らず集めたより深い静謐が。

その夏、英国の小さな村では蛇が異常発生していた。獣医のクララはある老人の死に疑問を感じる。

第一次世界大戦で父と兄弟を喪い、母とふたりで生きていくため屋敷の部屋を貸すことにしたフランシス。

ルーン文字を刻まれ、心臓をえぐられた死体に隠された忌まわしい陰謀とは。

地位も名誉もある男たちの事故死。病院に入院している少女の不審死。

伯母と犯罪学と切手蒐集から成る人生に安住していたチタウィック氏が、たまさか訪れた午後のホテルで毒殺の現場に遭遇する。

邸の氷室は十八世紀に小丘を模して造られた。

山中で交通手段を無くした青年クインは、〈塔〉と呼ばれる新興宗教の施設に助けを求めた。

ミステリ界注目の新鋭によるシリ-ズ第一作有名画廊の社長が密室で殺された。

スコットランドの地方都市で、帰宅途中の女性教師が何者かに襲われ、殺されかけた。

昆虫好きの、おとなしい少年による殺人。その少年は、なぜか動機だけは黙して語らない。

売春婦殺害の疑いがある男に拉致監禁されてしまったコニー。

母親と妹を切り刻み、それをまた人間の形に並べて、台所の床に血みどろの抽象画を描いた女。

英国で実際に起きた事件を基に執筆された表題作と、偏見がいかにして悲惨な出来事を招いたかを暴く「火口箱」を収録。

数学の教授だったアレックは六十、年の離れた妻リタと村はずれで平穏に暮らしていたが、バリーという若造の出現で状況は一変する。

最高に格好いい87歳、伝説の元刑事。

女は裸で波間にただよっていた。脳裏をよぎるのは、陵辱されたことではなく手指の骨を折られたことだった。

社会的地位も財産も美しい妻も手に入れ、満ち足りた生活を送っていた男が、それだけでは飽きたらず、途方もない計画を立てた。

英国史上最も悪名高い王、リチャード三世——彼は本当に残虐非道を尽した悪人だったのか？　退屈な入院生活を送るグラント警部はつれづれなるままに歴史書をひもとき、純粋に文献のみからリチャード王の素顔を推理する。

人里離れたリゾート地で、元女優が白昼堂々と命を奪われた! 犯人は滞在客の中にいる。