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死の匂い



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【この小説が収録されている参考書籍】
死の匂い (創元推理文庫 140-4)
死の匂い (1963年) (創元推理文庫)

死の匂いの評価: 4.17/5点 レビュー 6件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.17pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全6件 1~6 1/1ページ
No.6:
(4pt)

愛し方が間違っていた女の悲劇

古典ミステリーにはまり、次々に読んできたが、ふとカトリーヌ・アルレーに関しては超有名な「わらの女」しか読んでいないことに気づく。検索してみると、作品数は多いのに、電子書籍化されておらず、古本のみである。手始めにこちらを購入して読んでみる。薄い本で、会話が多いからすぐに読めた。   主人公ステラ・フォールディングはアメリカでスーパーマーケットチェーンを展開する大金持ちの社長の父のもとに生まれた。しかも1人娘で美人である。誰も治せなかった父の病気を治してくれた若い研究医スペンサーに恋をしてしまう。それがすべての悲劇のはじまりだった。二人は住む世界も価値観もちがうのに欲しいものは何でも手に入れてきたステラは、スペンサーの生涯の夢である研究施設開設を餌にしてまんまと結婚する。結婚後もスペンサーは研究施設を諦めないし、ステラはスペンサーを愛していると言いながらペットのような愛し方しかできない。彼の夢にびた一文出そうとしない。研究所をつくれば彼が研究に熱中して帰ってこなくなるからである。そんな状態の中、父が死に、莫大な遺産をステラが相続する…最初から無理な結婚であった。だが、最初から最後までステラのスペンサーに対する愛はかわることはなかった。運命の恋が悲劇に終わったのはステラの勝ち気で負けず嫌いで利己主義な性格のせいであるのだが。
死の匂い (創元推理文庫 140-4)Amazon書評・レビュー:死の匂い (創元推理文庫 140-4)より
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No.5:
(3pt)

訳が減点

主人公ステラは最後までスペンサーを愛している。ただ、外の世界を知っていて出たがっている猫を、出さない飼い主のように、自分の世界に閉じ込めてその中で愛し合いたいのだ。自分の世界にいるのならどんなおもちゃも買ってやるが、断じて外に出すつもりはない。そのためにはどんな嘘もつく。
この小説は、一人称の独白と会話でできているが、3分の2は、ステラはベッドの中だ。そして自分の人生のために戦っている。自分が外に出られない猫になってしまった。
私が読んだ本は、すっかり茶色くなって、昔読んだ覚えがなければ手に取りたいとも思わない文庫本だ。表紙は幾何学模様で、四角と矢印が書かれている。1978年の11版。初版は1963年。14年半で11版を重ねている。今読んでみると、訳が気になってしまう。小説なのでよくわからなくても読み飛ばしてしまうが、ほかの読者は気にならないのだろうか?
訳が気になって、初めて投稿をした。
死の匂い (創元推理文庫 140-4)Amazon書評・レビュー:死の匂い (創元推理文庫 140-4)より
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No.4:
(4pt)

勝者

アルレーの本に対する評価の能書きに、完全犯罪の成功ということが良く書かれていますが、ある意味これもその完全犯罪の成功といえると思います。犯罪という言葉が的確かどうかは分からないですが。権力と財力と美貌を持ち、自己満足のためにはどんな手段を使っても相手をを支配する異常な人格の女性は、他人からみれば恐ろしくおぞましい境遇に陥りながら、彼女にとって最高の幸福を手に入れることができ、最終的に彼女は勝者となった、そのようなストーリーだと私は理解しています。個人的には、彼女はそんなににくめないので、悪くないエンディングでした。
死の匂い (創元推理文庫 140-4)Amazon書評・レビュー:死の匂い (創元推理文庫 140-4)より
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No.3:
(4pt)

勝者

アルレーの本に対する評価の能書きに、完全犯罪の成功ということが良く書かれていますが、ある意味これもその完全犯罪の成功といえると思います。犯罪という言葉が的確かどうかは分からないですが。
権力と財力と美貌を持ち、自己満足のためにはどんな手段を使っても相手をを支配する異常な人格の女性は、他人からみれば恐ろしくおぞましい境遇に陥りながら、彼女にとって最高の幸福を手に入れることができ、最終的に彼女は勝者となった、そのようなストーリーだと私は理解しています。
個人的には、彼女はそんなににくめないので、悪くないエンディングでした。
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4488140041
No.2:
(5pt)

サスペンスの世界に新境地を開いたアルレーが、デビュー作で描く、すこぶる付きの悪女

この作品が、悪女書き、カトリーヌ・アルレーの記念すべきデビュー作なのだそうだ。したがって、この作品の主人公ステラが、悪女一号ということになるのだが、この悪女、現在、重版中の四作品に登場する悪女の中でも、最も嫌悪すべき、すこぶる付きの悪女である。いやはや、アルレーは、しょっぱなから、よくもこんな救いようのない悪女を描いていたものだ。アルレーが、その後、悪女書きとして勇名をはせるのも、さもありなんといったところだ。
そうは言っても、この悪女、別に人を殺したりするわけではない。大富豪の一人娘で、美貌にも恵まれたこの悪女は、お金に対する執着心が異常に強く、自分の享楽以外のものには、たとえ愛する夫のためといえども、一文たりとも使うつもりがなく、愛する夫も、自分の所有物としてしか、その存在価値を見出せず、騙して騙して騙し抜き、独善的な復讐心から、平気で人を陥れる嘘をつくといった、まさに、男が最も嫌悪する女として描かれているのだ。男であったら、こんな悪女にも、「女である以上、どこかに良い所があるはず」といったロマンを求めてしまうのだが、アルレーは、容赦なく、救いようのない悪女として、徹底的に突き放して描いてみせる。アルレーは、戦慄すべき境遇に陥ったこの悪女が、「生涯のなかで、もっとも稀な、もっとも完全な瞬間」と感じる至福のときにさえ、その束の間の幸せも許さないのだ。
アルレーは、写真で見る限り、なかなかの美人のようだが、その経歴は定かでない。この先、アルレーは、ひたすら悪女を描き続けることになるだけに、アルレーに、こうまで徹底して同性である悪女を描き続けさせたものは、一体、何だったのだろうかとも思ってしまうのだが、そうは言っても、そんなアルレーが描く悪女の世界が、やたらに面白いのも事実である。サスペンスの世界に新境地を開いたアルレーは、大いに称賛されるべきだろう。
死の匂い (1963年) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:死の匂い (1963年) (創元推理文庫)より
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No.1:
(5pt)

サスペンスの世界に新境地を開いたアルレーが、デビュー作で描く、すこぶる付きの悪女

この作品が、悪女書き、カトリーヌ・アルレーの記念すべきデビュー作なのだそうだ。したがって、この作品の主人公ステラが、悪女一号ということになるのだが、この悪女、現在、重版中の四作品に登場する悪女の中でも、最も嫌悪すべき、すこぶる付きの悪女である。いやはや、アルレーは、しょっぱなから、よくもこんな救いようのない悪女を描いていたものだ。アルレーが、その後、悪女書きとして勇名をはせるのも、さもありなんといったところだ。そうは言っても、この悪女、別に人を殺したりするわけではない。大富豪の一人娘で、美貌にも恵まれたこの悪女は、お金に対する執着心が異常に強く、自分の享楽以外のものには、たとえ愛する夫のためといえども、一文たりとも使うつもりがなく、愛する夫も、自分の所有物としてしか、その存在価値を見出せず、騙して騙して騙し抜き、独善的な復讐心から、平気で人を陥れる嘘をつくといった、まさに、男が最も嫌悪する女として描かれているのだ。男であったら、こんな悪女にも、「女である以上、どこかに良い所があるはず」といったロマンを求めてしまうのだが、アルレーは、容赦なく、救いようのない悪女として、徹底的に突き放して描いてみせる。アルレーは、戦慄すべき境遇に陥ったこの悪女が、「生涯のなかで、もっとも稀な、もっとも完全な瞬間」と感じる至福のときにさえ、その束の間の幸せも許さないのだ。アルレーは、写真で見る限り、なかなかの美人のようだが、その経歴は定かでない。この先、アルレーは、ひたすら悪女を描き続けることになるだけに、アルレーに、こうまで徹底して同性である悪女を描き続けさせたものは、一体、何だったのだろうかとも思ってしまうのだが、そうは言っても、そんなアルレーが描く悪女の世界が、やたらに面白いのも事実である。サスペンスの世界に新境地を開いたアルレーは、大いに称賛されるべきだろう。
死の匂い (創元推理文庫 140-4)Amazon書評・レビュー:死の匂い (創元推理文庫 140-4)より
4488140041

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