凄惨な連続殺人が発生した。独り暮らしの女性達が監禁され、全身を刺されているがレイプの痕はない。

愛も夢も奪われた。残されたものは、生きのびる意志だけだった。

ささやかでありふれた日々の中で、たとえどんなに愛し合っていても、人は知らずにすれ違い、お互いを追いつめ、傷つけてしまうものなのか…。

高校教師・巣藤浚介は、恋人と家庭をつくることに強い抵抗を感じていた。

聖者なのか、偽善者か?「悼む人」は誰ですか。

200余篇の生と死と愛の物語。

だからこそ潜るのだ。誰も潜らないから、誰かが潜らなければいけないのだと信じる。

出版社勤務の沙羅は40歳を過ぎ、かつて妊娠中絶した相手の川島と再会。それ以来、子供が欲しくてたまらなくなってしまった。

診察したいんです、あなたのセックスを―― 若き美貌の麻酔科医・野宮万浬のペインクリニックに現われた貴井森悟は、彼女にとって舌なめずりしたいような実験材料だった。

コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。

事故で母親を亡くし、児童福祉施設に引き取られた志場崎安那は、赤毛のアンに憧れ、明るく生きていた。

休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。

雅子、43歳、主婦。弁当工場の夜勤パート。

「お遍路さん」を迎える場所として道後温泉にある架空の宿「さぎのや」。

墨田区・大川公園で若い女性の右腕とハンドバッグが発見された。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。

誰もが容疑者。誰もが当事者。

19年前の大阪の質屋殺し。迷宮入りしたこの事件に関係した少年と少女が歩んだ道は…。

白昼、老人が渋谷のスクランブル交差点で何もない空を指さして絶命した。正光秀雄96歳。

ビール会社の営業課長、明良。部下からも友人からも信頼される彼の家に、謎めいた贈り物が?都議会議員の夫と息子を愛する篤子。

妻・夏枝が逢い引きをしている隙に3歳の娘を殺害された辻口は、夏枝への復讐のために、密かに当の殺人犯の娘・陽子を養女にする……。

急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。

優雅だが、どこかうらぶれた男、一見、おとなしそうな若い女、アパートの押入れから漂う、罪の異臭。

「人は誰でも、死にたがっている」「世界は絶望と悲惨に塗れている」でも僕は戦おうと思うんだ。

事件はなぜ起こったか。殺されたのは「誰」で、いったい「誰」が殺人者であったのか―。

昭和51年南アルプスで播かれた犯罪の種は16年後、東京で連続殺人として開花した―精神に〈暗い山〉を抱える殺人者マークスが跳ぶ。

十年ぶりに再会した美月は、男の姿をしていた。

女優の弓香の元に、かつての同級生・理穂から届いた故郷での同窓会の誘い。

若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。

帝都に忍び寄る不穏な足音。ルンペン、ブッポウソウ、ドッペルゲンガー…。

夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。

「こんにちは、章子。私は20年後のあなた、30歳の章子です。

僕たちはやり直せるのか。騙され苛まれて立ち尽す無気力の荒野に、陽はまた昇るのか。

少女の遺体が住宅街で発見された。捜査上に浮かんだ平凡な家族。

専業主婦の小夜子は、ベンチャー企業の女社長、葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めるが…。

火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された…。

誰の人生にも温かな光を灯す、青春小説の金字塔。 1980年代後半、時はバブル真っただ中。

十三年前に札幌で起きた殺人事件と、同じ手口で風俗嬢が殺害された。

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。

名門Q女子高に渦巻く女子高生たちの悪意と欺瞞。「ここは嫌らしいほどの階級社会なのよ」。

離婚の危機を乗り越えた岩見家だったが、娘・花奈のお受験や、夫・俊平の実家のある町田への引っ越し話を巡って、夫婦仲はぎくしゃくしている。

カスミは、故郷・北海道を捨てた。が、皮肉にも、北海道で幼い娘が謎の失踪を遂げる。

豊後羽根藩の檀野庄三郎は不始末を犯し、家老により、切腹と引き替えに向山村に幽閉中の元郡奉行戸田秋谷の元へ遣わされる。

若い夫婦が自宅で惨殺され、現場には「怒」という血文字が残されていた。

最愛の娘を殺した母親は、私かもしれない。

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。

嵐の晩だった。雑誌記者の高坂昭吾は、車で東京に向かう道すがら、道端で自転車をパンクさせ、立ち往生していた少年を拾った。

空虚な日常、目を凝らせど見えぬ未来。五人の男は競馬場へと吹き寄せられた。

兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。

泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。

聖母が死んだ。 薬物や性暴力によって心的外傷を負った女性たちのシェルター「新アグネス寮」で発生した火災。

田中幸乃、30歳。元恋人の家に放火して妻と1歳の双子を殺めた罪で、彼女は死刑を宣告された。

関東のはずれの町に暮らす高校生、ワラ、ディノ、タンシオ、ギモ、テンポ、リスキ。

引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。

恩人の命令は、思いがけないものだった。 不当な理由で職場を解雇され、腹いせに罪を犯して逮捕された玲斗。

この一冊で世界が変わる、かもしれない。 実業之日本社創業120周年記念! 小社文庫限定の書き下ろしあとがき収録。