太古の森をいだく島へ―学生時代の同窓生だった男女四人は、俗世と隔絶された目的地を目指す。

鮫島巧一は趣味が読書という理由で、会社の会長の別宅に二泊三日の招待を受けた。

強烈な百合の匂いに包まれた洋館で祖母が転落死した。

あたしは主人公にはなれない―。関根夏はそう思っていた。

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。

膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから―「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

「ねえ、あなたも最初に会った時に、犯人って分かるの?」こんな体験は初めてだが、俺は分かった。

舞台は、伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みを迎え多くが帰省していく中、事情を抱えた4人の少年が居残りを決めた。

津村沙世子―とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。

青い田園が広がる東北の農村の旧家槙村家にあの一族が訪れた。

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。

些細な事件が大騒動に発展していく、パニックコメディの大傑作！ 一億の契約書を待つ生保会社のオフィス。

舞台の上の、暗がりの向こう。そこには何かが隠されている。

記憶が80分しか持続しない天才数学者は、通いの家政婦の「私」と阪神タイガースファンの10歳の息子に、世界が驚きと喜びに満ちていることをたった1つの数式で示した…。

江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。

パーティー会場で孤独だった私に、不思議な目をした少女が突然声かける。

羊飼いの少年サンチャゴは、アンダルシアの平原からエジプトのピラミッドに向けて旅に出た。

私は知っている、このハサミで刺し殺されるのだ―。

いつもあなたを見つける度に、ああ、あなたに会えて良かったと思うの。

『あれ』と呼んでいる謎の存在と闘い続けてきた拝島時子。『裏返さ』なければ、『裏返され』てしまう。

英国留学中のリセは、十九世紀に建てられた「ブラックローズハウス」でのパーティーに招かれる。

才能豊かなパティシエの気まぐれに奔走させられたり、犬のボランティアのために水商売のバイトをしたり、難民を保護し支援する国連機関で夫婦の愛のあり方に苦しんだり…。

瀟洒なホテルの中庭で、気鋭の脚本家が謎の死を遂げた。

四つの高校が居並ぶ、東北のある町で奇妙な噂が広がった。「地歴研」のメンバーは、その出所を追跡調査する。

特殊能力を持つ“在色者”たちが、“途鎖国”の山深くに集まる“闇月”。殺戮の風が、次第に暴れ始める―。

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。

連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり、捜査一課長は世論と警察内部の批判をうけて懊悩する。

コンクール入賞者ツアーのはざま、亜夜とマサルとなぜか塵が二人の恩師・綿貫先生の墓参りをする「祝祭と掃苔」。

過去を変えることはできるのか。

懐かしい故人と再会できる場所「アナザー・ヒル」。

耽美派小説の巨匠、重松時子が薬物死を遂げてから、四年。

シリーズ第一作「MAZE」で非凡な才能を見せた神原恵弥。その彼が北国のH市を訪れた。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

魅惑のウイルスを求め、世界中を飛び回る凄腕ウイルスハンター・神原恵弥。

舞台は、アパートの一室。別々の道を歩むことが決まった男女が最後の夜を徹し語り合う。

川崎、上野、大阪、呉、六本木…日本各地の旧軍都に発生する「裂け目」。

六月という半端な時期に夏流に転校してきたミチル。

休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。

「何かが教室に侵入してきた」。学校で頻発する、集団白昼夢。

アジアの西の果て、荒野に立つ直方体の白い建物。 一度中に入ると、戻れない人間が数多くいるらしい。

沢渡三姉妹が山奥のクラシック・ホテルで毎年秋に開催する、豪華なパーティ。

立入制限区域のパトロールを担当するロボット「ウルトラ・エイト」たちの居住区に、国税庁から派遣されたという謎の女・財護徳子がやってきた。

雪降るある日、いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められた8人の高校生。

高校卒業と同時に三重県の山村に放り込まれた平野勇気19歳。林業の現場に生きる人々の1年間のドラマと勇気の成長を描く。

1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。

わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる―。

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。

さようなら、3フリッパーのスペースシップ。さようなら、ジェイズ・バー。

「『蝙蝠』が上海に入った」。豫園からほど近い繁華街の骨董品店に緊張が走った。

両親の離婚で別れて暮らす元家族が年に一度、集う夏休み。

「ゆりかご」か「養成所」か、はたまた「墓場」か。

太郎と散多は古道具店を営む兄弟。

九州の水郷都市・箭納倉。ここで三件の失踪事件が相次いだ。