かつて民俗学の巨匠・柳田国男に師事し、戦後地元・足利でひっそりと暮らす中山太郎の元を、下野新聞記者が訪れる。

救急医・武田のもとに搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。

誰にでも青春があった。被害者にも犯人にも、そして刑事にもー。

些細なことで、私たちの運命は変わってしまう。

絵本作家として活躍する高城好子はかつて美弥子の継母だった。

認知症になった益恵を、二十年来の友人アイと富士子が最後の旅に連れ出した。それは、益恵の人生の足跡を辿る旅。

本当は怖い落語×驚愕のどんでん返し！ 著者渾身の作家生活30周年記念作品 その噺を聞いてはいけない 男たちを地獄へ引きずりこむ闇の落語会 落語会へ行くと、客は自分だけ。

その家には、何かある。

日本仏教の最大宗派・燈念寺派。

何度も同じような悪夢を見る。それはさまざまな女をいたぶり殺すことでエクスタシーを覚えるという夢だ。

カメラマンの新夏は啓久と交際5年。

里海町の町役場で働く由佳利は、二週間前に婚約破棄をされてしまい人生行き詰まり中。

一九八五年、上野の職安で出会った葉子と希美。互いに後ろ暗い過去を秘めながら、友情を深めてゆく。

母親が生活苦から新興宗教に入信し、教団施設で生まれた妹。

数百年続く、凄惨なる呪いの戦い――。至高の恐怖と異形の謎に挑め。

「とにかくヘンな小説をお願いします」 そんな型破りな依頼に応えるべく、炒めて煮込んで未知の旨味を引き出した傑作集。

真実を見抜き、罪を償わせる。 たった、それだけ。

大学三年生の吉乃は夏休みのある日、伯父が営む古書店を訪れた。

世界遺産・藤湖のまわりを囲むようにそびえ立つ、静謐な佇まいの十燈荘。

労働者相手の娯楽の街として栄えた多摩川市は、貧困、暴力、行くつく先は家庭崩壊と、児童相談所は休む暇もない。

戦だけが闘いの場じゃない。命と矜持を賭けた任務への挑戦が今、始まる。

謎の骨格標本が発掘されたことを報じる地元紙の小さな記事を見つけた家具職人・豊は、数十年前の小学生時代、仲間数人で山中に骨格標本を埋めたことを思い出す。

ホラー&ミステリの宇佐美まことのデビュー作。受賞作を含む7篇を収録。

駆け出しの造園設計士・高桑は大学の卒論で作庭師・溝延兵衛と、彼の代表作となったある庭を取り上げて以来、長年にわたり取り憑かれ続けていた。

ショートショートの先駆者であり、怪奇探偵小説の分野で多くの掌編小説を残した城昌幸。

老舗・桜山ホテルで、憧れのアフタヌーンティーチームで働く涼音。

おしゃべりと食べることと仕事が大好きな33歳のひまりは、ある夏の日交通事故に遭ってしまう。 目が覚めると体が動かない。

40歳の三文ライター・猪名川健人は、婚活事業を営む「ドリーム・ハピネス・プランニング」の紹介記事を書く仕事を引き受ける。

ここは青い夜露に濡れた甘い匂いの土の国ー狂気の恋に落ちた女子高生、奇妙な絵の修復を依頼された女、不治の病に侵された男、謎のケモノと少年、死んだ人間が見える女…都市の真ん中の城山の周辺で不可解な悲劇に見舞われる人々。

亡き夫に唇を触れられたと語り出した義妹（「魂疫」）。縁切り神社で行われる、奇妙な“儀式”（表題作）。

ケンブリッジ大学の貧乏学寮セント・アガサ・カレッジの卒業生で、国際的大企業の経営者が事故死したという報が、学寮付き保健師イモージェン・クワイのもとに入ってきた。

横浜で探偵業を営む遠刈田蘭平のもとに、一風変わった依頼が舞い込んだ。

ホームレスの老女が殺され燃やされた。犯人草鹿秀郎はもう18年も引きこもった生活を送っていた。

刺客は、思わぬところからやって来た。

1997年10月、神田明神下の路地で起こった轢き逃げ事案。

月島美佐はネイルサロン『月と星』を営むネイリストだ。

ピアノ調律師の一藤麻衣子には、秘密があった。

がんで余命半年と宣告されたヤミ金業のマキ子。落ちぶれた取り立て屋の乾。

大正8年、帝国新報の記者・可能勝郎は、玉電で東京郊外の世田谷村にやってきた。

32歳無職、天草美晴は高額報酬につられ、ゴミ屋敷の掃除を引き受けた。

女子高生、美優は予期しない妊娠をしてしまう。

群馬県警本部捜査一課の刑事、白澤蕗の前に、数年ぶり現れた兄・然。

江戸川乱歩『黒手組』風の暗号ラブレター、夏目漱石『こころ』みたいな三角(?)関係。

横濱で知らぬ者なき富豪一族、檜垣澤家。当主の妾だった母を亡くし、高木かな子はこの家に引き取られる。

上野恩賜公園で通報。全身六十一ヵ所に穴が空いた変屍体あり。

1967年末。

日本の聾学校ではじめてできた理髪科を卒業した第一号であり、自分の店を持った最初の人。

陰惨な歴史が残る四国山中の集落・尾峨に赴任した中学教師・金沢には、競技中の事故で陸上を諦めた疵があった。

ーー決して解かれえぬ謎と共に炎に包まれ、この世から消え去った「大樹館」。

優秀でありすぎるが故に引きこもりとなった18歳の堤隆太の前で、突然手首を切った女性。

鄙びた港町にある銭湯、みなと湯は地元で暮らす昭和世代にとっての密かな憩いの場だ。

タワーマンションが建ち、人口が急増する街で古くから続く花屋を営む桜子。

先の事件で心に傷を負ったフォーチュン。それでもシンフルは平常どおり――なのに、またもや事件が。

レジェンドへのリスペクトを胸に 人気作家7名が全力執筆! 真正面から挑戦する超絶技巧の本格ミステリから、 女子高に潜入する火村とアリスや 不可解なダイイング・メッセージに挑む 江神たちEMCの面々まで。

読字障害というハンディキャップを抱えながらもアメリカ留学の後、作家・評論家として活躍する三条公彦。

民生委員の千加子は、「レインボーハイツ」とは名ばかりの、くすんだ灰色のマンションをたびたび訪れる。