モウ半分、クダサイ
- 落語 (10)
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ホラーチックであるが、ホラーではない。最後に きちんと因果関係が説明されるミステリー小説。 第一に思ったのは、作者は文章が上手。昨今 はやりの新進ホラー作家さんの多くは、文章がつたなくて読みづらかったが、この本はとても読みやすい。また、新進さんたちの作品の大半は、明確な結論を出さず(というか つじつまのあった結論を考えつけず)に終わっているのに対して、きちんと話の因果を明らかにしているのは作家としての良心でしょう。 ただ惜しむらくは、大筋としての因果関係は説明しても、細部に不明点が残りすぎ。第一話の姉さんは なぜ協力したのか?第二話の公務員は、なぜ巻き込まれなくてはいけなかったのか?第一話と第二話で客引きをやった中年男性は誰?双子のはずの女性が、小学生のとき一人だったのはなぜ?そもそも因縁のある落語を聞かせてみせる必要性はないよね?それから、実は彼女は あのときの被害者の娘だったのだ!というのを二回もつかったり、加害者の義理の弟と被害者の娘の彼氏の姉が偶然 交際してるとか人間関係が都合よすぎるよね。作中では、「因縁というものは恐ろしい」で片づけられているけど、ちょっと興ざめ。 まぁ、そうした細かいことを気にせず、落語を聞いてるくらいの感覚でお気楽に読めばいいのでしょうね。 | ||||
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落語ミステリーの第一人者と言える筆者の30周年記念作品。 これまでも様々なテイストの作品を出しており、落語ファンとしてもミステリーファンとしてもずっと楽しませていただいていたが、本作は怪談をベースとした異色の短編3話の連作集。 表舞台から退いていた落語家の、お客が一人しかいない闇の落語会が思いもかけない災厄をもたらす流れで、それぞれオチのある驚愕の結末へと導いている。 そして、3つの作品が最後にすべてつながる構成も見事! また、何より落語に関する造詣の深さがスゴイです!文学界で随一なのでは? これからもまだまだ落語ミステリーの世界を広げてほしい貴重な作家だと思います。 次作も期待しています! | ||||
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基本、ホラーは苦手なので最初は怖い、怖い、と思いながら結局、一気読みしてしまいました。 三篇の話は本当は怖い落語の落とし噺をモチーフに、別々の男の話として進みますが、どの話もその男の思い出せないか思い出したくない記憶に纏わりながら、ひとりの老噺家が不思議な落語会の中でその因縁を暴いていく一つの物語になっています。 印象的なシーン、客はなぜかおとこが一人、 「~ いよいよドクロの台詞になったが、それを演じる姿を見て衝撃をうけた。完璧な無表情で口だけ動かす点は正蔵版と同じだが、それに加え師匠は黒門付きの両方の袖を合わせ、その上にひょいと顎を載せたのだ。ガリガリにやせ細っているだけにその姿はまるで地面へ顔を出した骸骨そのもの。~」 全編がダークな気配があるものの、ホラー映画のような没入感とは違って、語られている寄席で聞くようである種の軽みがいいところ。気の利いたサゲとともに悪夢のような語りの世界から帰還できますもんね。 作家生活30周年記念作品との事ですが、そういえば記憶を取り戻そうとする因果の話は、鮎川哲也賞をとったデビュー作「化身」を思い出しました。これからも噺の蘊蓄たっぷりの物語を期待してます。 | ||||
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この作者の落語ミステリーはすべて読んでいると思うが、今回は極めて異色で、全編怪談仕立て。ただし、牡丹灯籠とか四谷怪談のようなマジな怪談ではなく、無精床とか後生うなぎとか、普通の落語…でも、凄く怖い! 盲目になり、半ば引退した落語家が廃墟のような場所で開催している独演会に行ってみると、客はなぜかたった一人で、しかも、演じられる落語はなぜかひどく歪んだ形で、自分の過去の悪事を暴こうとしているとしか思えない。その一席を聞いたせいで、幸せな日常がガラガラと崩壊し、地獄へ落ちるはめに…かなり無理がある設定のようだが、リアリティがあり、主人公に感情移入しながら、一気読みしました。 3話ありますが、どれも二転三転し、ラストに強烈なオチが待ち構えていて、現代の怪談になっています。 内容が内容なので、続編は難しいでしょうが、もし出たら、必ず読みます。 | ||||
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