十六歳のビリーは、家畜を襲っていた牝狼を罠で捕らえた。いまや近隣で狼は珍しく、メキシコから越境してきたに違いない。

1949年。

ヴェトナム帰還兵モスがメキシコ国境付近で発見した死体と大金が、更なる殺戮を呼ぶ。〈国境三部作〉後の衝撃作。

1980年、ミシシッピ州。

レスター・バラード。暴力的な性向を持った彼は、家族を失い、家を失い、テネシーの山中で暮らしはじめる。

空には暗雲がたれこめ、気温は下がりつづける。目前には、植物も死に絶え、降り積もる灰に覆われて廃墟と化した世界。

十九歳になったジョン・グレイディ・コールは国境近くの牧場で働いていた。

麻薬取引に手を染めた弁護士の男。一度儲ければそれでおしまいのはずだった。

ヴェトナム帰還兵のモスは、メキシコ国境近くで、撃たれた車両と男たちを発見する。麻薬密売人の銃撃戦があったのだ。

【アーシュラ・K・ル=グイン賞特別賞受賞作】未知のパンデミックに襲われ、世界は一変した。

作家デビュー50周年に放つ、至高のクライム・ノヴェル 狙いは決して外さない凄腕の殺し屋、ビリー・サマーズ。

とある村で、〈魔女〉の死体が見つかる。彼女は村の女たちに薬草を処方し、堕胎もしてやっていた。

2021年、名もなきコードがブッダを名乗った。

「いままでに書かれた最高の犯罪小説の一つ」 レイモンド・チャンドラーが激賞した、 ノワール小説の古典的名作が、ついにそのヴェールを脱ぐ！ 強盗未遂で殺人を犯してしまい14歳で終身刑となった青年ボウイは、囚人仲間Ｔダブ、チカモウとともにアルカトナ刑務所を脱獄

ホームレスの老女が殺され燃やされた。犯人草鹿秀郎はもう18年も引きこもった生活を送っていた。

第96回アカデミー賞2部門受賞！「今世紀最も重要な映画」と評された『関心領域』の原作小説――おのれを「正常」だと信じ続ける強制収容所のナチ司令官、司令官の妻との不倫をもくろむ将校、死体処理の仕事をしながら生き延びるユダヤ人。

1425年、明の皇太子・朱瞻基は遷都を図る皇帝に命じられ、首都の北京から南京へと遣わされる。

世の中には、夜になっても鍵をかけない家があるのを知ってる?――シカゴの高校に通う黒人の少女ボーは、卒業を機にこの街を出ると決めていた。

ある日の放課後。 寄宿学校に通う15歳のオスカルは、荒廃した城館に迷い込み、そこに住む少女マリーナと親しくなった。

ロックスターの奇妙な死。少女連続失踪事件。

ヴァージニア州の高校で教師が銃撃され、容疑者の黒人青年が白人保安官補に射殺された。

遊園地で働く青年ハードリーはある日、煙草の火傷痕の残る幼い姉弟を見かける。

本が、殺人鬼を狩る――！ 作中作に仕掛けられた秘密とは？　 巧緻に長けた異形の報復サスペンス！ 12歳のイヴは、連続殺人犯〈ナッシング・マン〉に家族を惨殺された。

切り絵作家のアグネスに不穏な影が迫る。 彼女に肖像画を依頼した客が、次々と謎の死を遂げているのだ。

アラバマ州グレイス。連続少女失踪事件が解決されないまま、サマーという少女が失踪した。

避暑客が去り冷たい秋風が吹き始めた九月のメイン州の避暑地。ニューヨークから六人の男女が休暇をとって当地にやって来る。

殺人罪で服役した黒人のアイク。

父の冤罪をすすぐため、　 青年は身命を賭して復讐を誓った。

この小説は、「ぼく」ことジェイミーの回想記であり、そしてこれはホラーストーリーだ。

「浮かびゆく男」 冒頭を飾るのは、リチャード・マシスンの名作「縮みゆく男」、そしてバックマン名義の自作「痩せゆく男」を想起させる好作品。

壮絶な過去をもつ元スパイに託された仕事は、 腐敗した街をさらに腐敗させること――。

1963年、世紀の暗殺事件の秘密に近づきすぎた悪党(ギャング)がいた―― ハメット賞受賞作。

1997年。

失恋した瞬間を永遠に繰り返す幽霊、雨となって降り注ぐ幽霊、方向音痴の幽霊、瞬間転送装置が生み出す幽霊……イタロ・カルヴィーノ短編賞受賞作家が贈る、時に切なく、時におかしく、そして時にはちょっと怖い幽霊たちの物語を100編収めた不思議な短編集。

新町長シーリア就任のせいで、シンフルの町はいまだ落ち着かない。

砂漠に墜落し燃え上がる飛行機から生き延びた男は顔も名前も失い、廃墟となった屋敷に辿り着いた。

多重人格カップルの友情と淡い恋心と殺人と――。

デビュー作で思わぬ反響を呼んだ作家。次作の契約が決まるも原稿は一文字も進まず、前金は旅行に消えた。

被害者は、空から降ってきた。落下したと思われたフラットの五階の部屋は無人で、玄関ドアは内側から釘と板で封じられていた。

アパルトヘイト以前、以後──社会変革の渦中にある南アフリカ。

人類がはじめて月を歩いた夏だった。父を知らず、母とも死別した僕は、唯一の血縁だった伯父を失う。

頭の怪我によって恐怖を感じなくなり、連邦保安官を退任したベン。彼はかつての上司から行方不明の娘を捜索するよう依頼される。

〝新型コロナの時代の愛〟が育んだのは――。

世界最大のミステリ文学賞エドガー賞最優秀長篇賞受賞作 太平洋戦争迫るハワイ、香港、そして日本。

愛する夫ケリー、18歳のひとり息子トッドと、平凡で幸せな生活を送っていた離婚弁護士のジェン。

ウナギ取りの罠小屋の不可能殺人！ 「スウェーデンのディクスン・カー」、幻の名作 1960年代のスウェーデンに、こんな不可解な密室殺人が眠っていたとは……。

その女性はサマーハウスで首を吊っているのを発見された。

アフリカからロンドンに帰って来たリチャード・ハネーは退屈しきっていた。

人口40万人の街コルトンの地方紙『タイムズ・ガゼット』でスポーツ担当記者として活躍するドーランは、真実の報道より広告収入を重視する新聞社に愛想を尽かし退社、自ら雑誌『コスモポライト』を創刊する。

連続殺人事件の陪審員を務めたマリアは休暇を取って船の旅へ出る。

48年前に事故で亡くなった夫に再び会うため、海に潜った老婦人が見たものは(表題作)。

死んだはずの養子に見張られていると主張し、戸締まりを厳重にする妻。夫との会話から見えてくる真実は……（「雪解け」）。

1800年代後半、のちに『吸血鬼ドラキュラ』を生み出すことになる若きブラム・ストーカーは、人気俳優であり劇場経営者でもあったヘンリー・アーヴィングに雇われ、ライシアム劇場の支配人となっていた。

仏軍セネガル兵アルファは、友人を看取っていた。痛みから解放するため殺してほしいという友の願いは叶えられないまま。

誰もが容疑者。誰もが当事者。

神社に詩集を置かせてくれと頼んできた女子高生の佑紀奈には、玲斗だけが知る重大な秘密があった。