密航者
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世紀の犯罪行為の陪審員に選ばれた心理学者の女性マリア。 その投票行動の結果、世間のの猛バッシングを浴びる。 気分転換のためにクルーズ船の旅に家族と出るのだが、それが惨劇の幕開けだった、というストーリー。 閉鎖空間、異常な犯罪者、家族というある意味ではあきりたりな設定。 他の方々の評価が厳しめだったので、ハードル低めで読んだのだが意外と楽しめた。 それはひとえに、スピーディな展開にあると思われる。 途中から最後まではほぼ一気呵成に話が進むので、高いテンションを保ったまま読み切ることができる。 1.5時間映画のシナリオという感じだろうか。 ただ、この本を出す暇があれば、ショーン・ダフィーシリーズ「The Detective Up Late」をさっさと刊行して欲しい。まだ翻訳作業すら始まっていない様子。 殺人者、KGB、IRAの暗殺チーム、2重スパイなどが絡む非常にサスペンスフルな大作っぽいので、早く読みたくて仕方ないですが、6作まで出して、7作目は最悪翻訳されないで終わる可能性さえあります。 この本より、そっちの方がよほど恐ろしい。 | ||||
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. マリア・フォンタナはコロンビア大学の心理学科長を務めるシングルマザー。ニューヨークの刑事法廷で陪審員を務めたところ、評決が割れた結果、連続小児殺人犯ワイアット・バトラーが釈放されることになる。直後からマスコミやSNSは陪審員たちへの痛烈な批判を始める。これがきっかけとなった一連の騒ぎののち、マリアは大学から無理やりサバティカルを取らされる。そこで家族を連れてイギリスのサウサンプトンへと旅に出るが、乗った客船内でバトラーの手口そっくりの残虐な殺人事件が連続する。果たして犯人はバトラーなのか……。 ----------------------------- アメリカのコメディアンであるジェイムズ・S・マレイと、イギリスの作家ダレン・ウェアマウスの共作スリラーです。 原作『The Stowaway』はアメリカのAmazonで600人超のレビュアーのうち5つ星をつけた人が62%、4つ星は23%(2024年4月4日現在)とかなりの高評価を得ています。ですから私はかなりの期待をもって邦訳文庫の頁を繰り始めたのですが、結果的に肩透かしを食ったという思いだけが残りました。 物語にひねりがありません。込み入ったプロットを組み立てるつもりが作者にはないようで、お話は単純明快といえば聞こえは良いでしょうが、あまりに予定調和的で残念です。むしろ映像的に残忍凶悪ぶりをこれでもかと見せつけようというのが主眼のようで、読んでいてきつい描写が続きます。「人間にどんなことができるか知ったら、あんたはショックを受けるだろうよ」(280頁)という言葉が妙にぴったりきます。 ページ数こそ360ほどありますが、改行が多いので、同程度のページ数の小説に比べて文字数は少なめだと言えるでしょう。 最終章では新たなる事件の発生が宣言され、マリアの次なる活躍を読者に期待させようとする幕切れとなっていますが、これをシリーズ化しようというのが作者二人の魂胆でしょうか。正編の出来がこれでは、続編への期待は低くならざるをえないというのが正直なところです。 ----------------------------- 気になった点をひとつ記します。 *113頁:連続殺人犯ワイアット・バトラーの裁判の場面で「連続殺人犯とされる被告を訴追する」という表現が出てきますが、「被告」とは民事裁判で訴えを提起された者のことです。ですがワイアット・バトラーの裁判は刑事裁判であり、刑事裁判で検察官に犯人であると主張され起訴された者は「被告人」とする必要があります。 ----------------------------- 同じくサウサンプトン行きの客船内で発生する怪事件の謎を追うミステリー小説をひとつ紹介しておきます。 ◆セバスチャン・フィツェック『 乗客ナンバー23の消失 』 :ベルリンの覆面捜査官マルティン・シュヴァルツの妻と息子はクルーズ船<海のスルタン>号で旅行中に突然姿を消した。おそらく母子無理心中を図って海に身を投げたのだとみられる。 それから5年、同じクルーズ船に乗るようにとマルティンのもとに電話がかかってくる。電話の主は老婦人ゲルリンデ・ドプコヴィッツ。乗船客の彼女は、マルティンにテディベアを渡す。それは彼の息子が愛用していたものだ。ゲルリンデによれば、2か月前に船から姿を消した母娘がいたが、娘のほうがそのぬいぐるみを手に突然姿を現したのだ。マルティンは否応なく、新たな乗客失踪事件と向き合わざるをえなくなる……。 . | ||||
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主人公は、コロンビア大学心理学科長、マリア・フォンタナ。彼女は連続小児殺人事件の陪審員を務めています。被告人は殺害した子供の死体を残忍な「作品」に仕上げていたと思われる時計の修理人、ワイアット・バトラー。すべての状況証拠はバトラーが犯人であることを指し示しますが、陪審員十二人の内の一人が無罪に票を投じたことによって無評決審理が確定し、バトラーは現実社会に放たれることになります。多くの抗議、非難が巻き起こる中、マリアは記者会見を開き、自分がただ一人「無罪」に投票したことを発表します。このバトラー裁判の暴露本が出版され、その著者のジェレミー・フィンチと悶着を起こしたことからマリアは、大学から一年間の<サバティカル>を取るよう命じられます。そして、約一年の後、マリアは双子の我が子たちと婚約者のスティーヴと共に英国への十二日間のクルーズに出発します。しかしながら、そのゆったり、のんびりの船旅の船内で凄惨な人間の頭部が発見されることになります。犯人は一体誰?動機は?クルーズの行方は? ストーリーをまとめてみると裁判に纏わる"つかみ"の鋭さには感嘆しますが、その後の展開、要は中盤以降のクルーズ船内でのストーリーに特筆すべきものは発見できませんでした。決して面白くないわけではありませんが、Netflixが提供するミニ・シリーズのシノプシスのようなスリラーのまま小説はその結末を迎えます。いくつかツイストもありますが、それらはスリラーである以上あってしかるべきもの程度の小さな驚きに過ぎません。 ということで、私は次の読書へと向かうことにしましょう。 ■「密航者 "The Stowaway"」(ジェイムズ・S・マレイ&ダレン・ウェアマウス 早川書房) 2024/3/12。 | ||||
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無駄のないスピーディーな展開で、あっという間に読み進む。 その点はいいのだけど、主人公の行動、犯人の動機、解決策等が今一つ浅薄な印象。 鮮烈な場面を見せ場としたB級(あるいはC級)サスペンス映画の原作としてはいいのかもしれない。 | ||||
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異常性格の連続幼児虐殺容疑者の裁判で『無罪』を評決した陪審員の主人公は世間から強いバッシングにあってしまい心理学教授の職を休職する。そこで家族で豪華クルーズ船での大西洋旅行に出発するが・・・。 主人公は完全に追跡されており「密封」「密室」状態の船のなかでまたしても殺人が次々に起こり自らの子どもたちに危機が迫るなかで犯人との直接対決! というあらすじになります。ひじょうに映画的なスピーディーな展開であっという間の読了となりました。そのぶん犯人の犯行に至る動機や心理的な深みがすこしだけ犠牲にされた気もします。 | ||||
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