老人ホーム 一夜の出来事
- 老人 (21)
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日本では、存在感が薄れている作家の再評価、ということではよきことではある。実験的小説(複数の登場人物の同時進行的語り口)ということだで、手法的には、面白いが、私には、ちょっと入り込めなかった。☆3+というところか。 | ||||
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ある老人ホームの一夜で色々あり・・・というお話。 登場人物それぞれの一人称多視点で章が変わる度に視点人物が変わり、一夜の出来事を多視点で描いた実験的な小説。 視点人物がそれぞれ認知症という事で、記述が混乱したり、途切れたり、支離滅裂になるので、読んでいる方も今何が起っているのかよくわからず、煙に巻かれた様な感じになります。 著者の方はもう物故されているそうなので、何をやりたかったかは読者それぞれの解釈に任されていると思いますが、個人的には認知症が進行しているそれぞれのキャラクターの思考を追う事で、生きていても自分の自覚のない老人たちの末路を人類の営為の最終行為として描いたのではないかとか思いました。 短いので三時間くらいで読み終わって、内容も上記の様なので、読後のカタルシスはあまりありませんでしたが、読む価値のある実験小説だと思いました。 ポスト・モダンな老人小説。機会があったら是非。 上記は最初に翻訳されたエディションで読んだ際の感想です。今回文庫化電子書籍化で再度読みましたが、感想はあまり変わりませんでした。 同じ部屋で同じ時間に生きている人でも全く違う事を考えていたり認識している事で、現実の社会でも同じ場所で同じ時間に生きていても、全然別の事を考えている、という事を表現しているかもとか思いました。真実はあるけど事実はないというか。 サッチャーさんに「社会は存在しない」という発言がありますが、殆どの人の考えがまちまちで、それぞれ違うので、集合無意識など存在しない、全ての人がばらばらに考えて生きているという意味に解釈しておりますが、この小説でもそういう事を指摘しているのかもとも思いました。著者の方は黒澤監督の「羅生門」に関する物も所持していたそうですが、あの話も確か一つの事件の証言に別々の事を証人が語るという内容で、誰が正しい事を言っているかよく判らないという内容だったと記憶しておりますが、参考にしたらしいです。 あんまり関係ないですが、上記のエディションを読んだ感想も読んだ事も覚えていなかったので、作中の登場人物みたいに、加齢や病気で記憶力の低下が著しく、あまり他人事ではない感じで嫌でしたが、いずれこうなるみたいで、今回読み直して更に嫌な気分になりました。 同じ場所、同じ時間に生きていても、主観で認識している事はそれぞれ違う、という内容のメタフィクション。是非ご一読を。 蛇足ですが、出版社の断り書きがある通り、実験的な叙述の作品の為、普通の電子書籍のリーダーでは読みづらかったので、主にタブレットで読みました。 | ||||
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