しんと静まった真夜中を旅する怪しい集団。

たとえば、苔むして古びた水路の先、住宅街にひしめく路地のつきあたり。

この世ならざる和風情緒が漂う表題作ほか、流罪人に青天狗の仮面を届けた男が耳にした後日談、死神に魅入られた少女による七十七人殺しの顛末、人語を話す囚われの獣の数奇な運命…暴力と不条理にあふれた世界に生きるやるせなさを幻想的にあぶり出す、大人の

十一月七日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

雷の季節に起こることは、誰にもわかりはしない―。

恐怖と哀しみがまじりあう、恒川光太郎を味わう短編集。 異才が10年の間に書き紡いだ、危うい魅力に満ちた11の白昼夢。

世界は終末に向けて暴走してゆく。 人類に、希望はあるのか――。

からくも一家心中の運命から逃れた少年・タカシ。辿りついた南の島は、不思議で満ちあふれていた。

元寇の時代、すべてを操る美しき巫女がいた。傑作ダークファンタジー。

江戸時代のこと――。

路上のくじ引きで一等賞を当て、異世界に飛ばされた斉藤夕月(34歳・無職)。

数多の世界を越えて、また会いましょう。異能の道具が導く魂の旅。

ヨマブリと胡弓の響き、願いを叶えてくれる魔物、ニョラの棲む洞窟、林の奥の小さなパーラー、深夜に走るお化け電車、祭りの夜の不吉な予言、転生を繰り返す少女フーイーが見た島の歴史と運命とは―。

「人間はおもしろい。だが、飼ってはならぬ」 スリルに憑かれ空き巣を繰り返す羽矢子。

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。

ホラー&ミステリ界アンダーグラウンドの帝王が、6年ぶりに復活! 戦時下の帝都。

おかしいのはこの家か、わたしか―夫の転勤に伴う東京生活に馴染めずにいた果歩は、幼馴染の平岩と再会する。

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。

初読はミステリ、二度目はホラー。この島の謎に、あなたもきっと囚われる。

父の遺した不動産で夜になると聞こえる「痛い、痛い」という謎の声。

毎日が黄金に輝いていた12歳の夏、少年は川辺の流木に奇妙な印を残して忽然と姿を消した。

その物語は、人を殺す――。

火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された…。

不毛の原野、存在せぬ牛、架空ファンド 隠岐と因幡── 詐欺の天才ふたりに売れないものなど、ひとつもない。

第37回横溝正史ミステリ大賞優秀賞受賞作! 戦慄のノワールサスペンス 26歳の守は生活保護受給者のもとを回るケースワーカー。

母親の遺品整理のため田舎を訪れた男が、農道ですれ違った般若の面をつけた女―記憶と時間が不穏に交錯する「面」。

若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。

小学四年生のぼくが住む郊外の町に突然ペンギンたちが現れた。

僕たちは双子で、僕たちは不運で、 だけど僕たちは、手強い 双子の兄弟が織りなす、「闘いと再生」の物語 常盤優我は仙台市内のファミレスで一人の男に語り出す。

1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。

櫛森秀一は、湘南の高校に通う十七歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。

謎解きを通し〈古典部〉メンバーの新たな一面と出会う、シリーズ最新刊! 奉太郎が省エネ主義になったきっかけ、摩耶花が漫画研究会を辞める決心をした事件、えるが合唱祭前に行方不明になったわけ……。

直木賞作家の真骨頂! 笑って泣ける人間讃歌。

琴子が挑む”さえづち”の祟りとは――比嘉姉妹シリーズ初の中篇集! 長編『ばくうどの悪夢』も絶好調! 書き下ろし中篇「さえづちの眼」を含む3篇が収録された、比嘉姉妹シリーズ初の中篇集。

白昼、老人が渋谷のスクランブル交差点で何もない空を指さして絶命した。正光秀雄96歳。

幼い息子の仇討ちを企てる、酒びたりの元殺し屋「木村」。優等生面の裏に悪魔のような心を隠し持つ中学生「王子」。

いっぺんしか願いを叶えない神様を探す少年とその友人の奇跡を描く感動の表題作「いっぺんさん」、田舎に帰った作家が海岸で出会った女の因縁話「磯幽霊」とその後日譚「磯幽霊・それから」、山奥の村で、ほのかに思いを寄せた女の子に起きた出来事「八十八姫」など、じんわり

あの日、あんなことをしなければ…。心ならずも親友を裏切ってしまった中学生さくら。

強大な帝国・東乎瑠にのまれていく故郷を守るため、絶望的な戦いを繰り広げた戦士団“独角”。

第58回メフィスト賞受賞作。

この違和感の真相を見破れるか? 一気読み&再読必至のダークミステリ! 僕は自分から何かを奪う人間を許さない――。

雨の日には、読まないでください。

村人たちはそれぞれに凶器を握り締めた。「屍鬼」を屠る方法は分かっていた。

美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。

十五年前、自殺とされた女性教師の墜落死は実は殺人―。警視庁に入った一本のタレ込みで事件が息を吹き返す。

急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。

検事を辞して弁護士に転身した佐方貞人のもとに殺人事件の弁護依頼が舞い込む。

地球上の全生命滅亡まで30年……。

「兜」は超一流の殺し屋だが、家では妻に頭が上がらない。一人息子の克巳もあきれるほどだ。

「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが…。

4月。桜祭りで開放された米軍横須賀基地。

現世から冥界へ下っていく道を、古事記では“黄泉比良坂”と呼ぶ―。なだらかな坂を行く私に、登山姿の青年が声をかけてきた。

エレベーターに暗証番号、廊下に監視カメラ、隣室に役員。厳戒なセキュリティ網を破り、社長は撲殺された。

N大学理論物理研究所助手の野々村は、ある日、研究所の大泉教授とその友人・番匠谷教授から一つの砂時計を見せられる。

「いいよんさんわん」―近所に住む老人から託されたという謎の探求書リスト。