しんと静まった真夜中を旅する怪しい集団。

奇妙で凄惨な自死事件が続いた。被害者たちは、かつて自分が行った殺人と同じ手口で命を絶っていく。

ある時、夜中に高野は、半睡半覚で気がつくと腕が伸びていた。腕は壁を抜けて自宅の外まで達し、なにかを掴んだ「腕の魂」。

からくも一家心中の運命から逃れた少年・タカシ。辿りついた南の島は、不思議で満ちあふれていた。

“シュール”かつ“泥沼”のような状況を乾いた“ユーモア”とともにお届けする、異才の作家・平山夢明“最悪劇場”全四話。

たとえば、苔むして古びた水路の先、住宅街にひしめく路地のつきあたり。

廃屋で見つかった5人の女性の死体。そのどれもが身体の一部を切り取られ、激しく損壊していた。

腐乱自殺死体の爆発事件を皮切りに、続々と起こる異常な自殺事件。

東京都の果ての美しい島。少女、椰々子は、死者を通し預言を聞く力を持ち、不吉だと疎まれている。

15歳のとき、ある組織から「先導者」として認可された“わたし”。

訳アリの遺品と「不幸」をコレクションするオギーの依頼を受けた俺は、我が子の首を切断した母親の元に赴く。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

見覚えのない部屋で目覚めた田村二吉。

六本木の違法クラブで女子中学生が惨殺される事件が起きる。

両親が急死し、多額の遺産を相続した少女が恋をした。

凄絶な死の瞬間、破裂する電球、捻曲がる銀食器…。“顕現”と名付けたそれを蒐集するため、男は女たちを惨殺し続ける。

わたしの人生は充実する、あの夫、あの親族さえいなければ。

全てに無気力な私が拾った小さな蟹。何でも食べるそれは、頭が良く、人語も解する。

濃霧の湖の中、兄妹が乗るボートに近づく水音と、湖面から這い上がろうとする手「霧嫌い」。

アウトローの刑事ばかりが集められた、警視庁刑事部捜査零課。そこに所属する音無レイカは、驚くべき才能をもつ女性刑事だった。

盲目の美女ロザリンドとのロマンスを描いた表題作他、全十編の最新小説集。

東京郊外で両親と暮らす朋子は、三十歳過ぎの兄が何年も二階の自室にひきこもっていることに悩んでいた。

十一月七日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。

雷の季節に起こることは、誰にもわかりはしない―。

「弟を殺そう」―身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。

“あれ”が来たら、絶対に答えたり、入れたりしてはいかん―。幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。

東京と秋田で、トリカブトによる毒殺事件が発生。手口に一貫性がなく、同一犯か複数犯か絞れず捜査は難航していた。

異次元との接触現象〈涯て〉に侵食される地球。

おかしいのはこの家か、わたしか―夫の転勤に伴う東京生活に馴染めずにいた果歩は、幼馴染の平岩と再会する。

国民学校初等科に通う堀川真樹夫と中沢大吉は、ある時同級生の月ノ森雪麻呂から自宅に招待された。

上官の命令に服従する兵士、戦地で負傷した帰還兵、侵入者に拷問を加える憲兵、爬虫人のサーカスに夢中になる少年……。

昭和初期を舞台に、双子の兄弟を襲う恐怖と悲劇とは……。

不審死や迷宮入りした事件、事故などを科学的に解明すべく設けられた警視庁行動科学課。

正月の秋葉原で見つかった不可思議な死体。不自然に重たいその体内には、大量の小銭や紙幣が詰め込まれていた。

新人刑事・藤堂比奈子が里帰り中の長野で幼児の部分遺体が発見される。

その女を、入れてはいけない。入れれば最後、家はたちまち食い尽くされる。

杉並中央署生活安全課「何でも相談室」、通称0係に小学生から相談事が持ち込まれた。

街いちばんの名探偵の元には、奇妙な依頼人ばかりがやって来る。

「ギフト」と書かれた段ボール箱が発見された。中には体液のついた毛布。

新築・格安、都心に位置するという抜群の条件の瀟洒なマンションに移り住んだ哲平一家。問題は何一つないはずだった。

大学生の遼一は、想いを寄せる先輩・杏子の夜道恐怖症を一緒に治そうとしていた。

建物に憑く哀しき霊を鎮魂する男・仙龍 VS. トンネルに巣食う『黒の犬神』 犬神の呪いから春菜の命を守れ! 死体は全身噛み痕だらけだった。

事故で亡くなった愛妻の肝細胞を密かに培養する生化学者・利明。

日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞受賞作、待望の文庫化！ 岡山の遊郭で醜い女郎が客に自分の身の上を語り始める。

怪しい健康食品会社に勤める真城は霊が視えてしまう特殊体質。気味の悪い霊の出現と毎日の仕事にウンザリしていた。

多岐川瑠璃子は実家住まいの歯科衛生士、33歳。家と職場の往復だけの単調な日々を過ごしている。

究極のバイオハザードと――怒涛のどんでん返し! ! メフィスト賞出身作家・周木律の新境地&渾身、一気読みホラーミステリー誕生。

大学生の天崎悟は、家出した妹の帰りを待っている。ある日、家に見知らぬ老婆がやってきた。

十七歳の洋子は佐久間という工員の青年と恋に落ちる。だが仲間二名が殺害される事件が起き、犯人と疑われた彼は姿を消す。

男と女の間に流れる深い川。そこに広がる暗さは当事者にしかわからないという―。

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。

「お客さんに届くのは『首なし死体』ってわけ」。安全な食料の確保のため、“食用クローン人間”が育てられている日本。

その物語は、人を殺す――。

かつて乙霧村で、戸川稔という男によって一家五人惨殺事件が引き起こされた。

生真面目な女子大生の水沢琴音は、青年実業家・白石周平の秘書のアルバイトを始めた。

1944年6月6日、ノルマンディーが僕らの初陣だった。