―アダム神父の後任として門前通り教区の新任司祭となったエイルノス。

スティーブン王とモード妃の王権争いが激化するなか、州執行長官のプレストコートはウェールズの捕虜となった。

――深夜の修道院に響き渡る恐ろしい唸り声。それは、見習い修道士・メリエットが、悪夢にうなされてのものだった。

―四十歳以上も年下の花嫁を連れて、シュルーズベリに華燭の典を挙げに来たドンヴィル。

―自らの土地を教会に寄進することで楽隠居を考えた荘園主が、食事中に悶死する。

―教会では夜半の祈りが捧げられていた。その静寂は、若者芸人とそれを追いかけて雪崩れ込んできた群衆によって破られた。

――12世紀、イングランドはシュロップシャ、シュルーズベリ大修道院の修道士達は、副院長・ロバートを先頭にウェールズに向かった。

シュルーズベリの人々が楽しみにしている聖ペテロ祭。ところが祭りの前日に町の若者と商人・トマスが思わぬ諍いを起こす。

――女帝モードとスティーブン王の『骨肉の争い』は最終局面を迎えていた。

―リンカーンの戦いで女帝モード軍に敗れたスティーブン王は、ブリストル城に幽閉されていた。

―12世紀も半ばに差しかかろうというイングランド。

―時は1120年の晩秋。

―略奪者ジェフロワによってラムゼー修道院は廃墟と化していた。

―資産家の未亡人ジュディス・パールが夫の死後、門前通りの屋敷を修道院に寄贈したのは四年前のことだった。

――シュルーズベリは混乱の極みにあった。

聖ウィニフレッド移送祭を三日後に控えた修道院の広場に巡礼先で亡くなった羊毛商の柩を徒弟が運んできた。

ホーモンドにある修道院との間で土地交換が行われ、新たにシュルーズベリ修道院の所有地となった畑地で、朽ちかけた布にくるまれた女性の白骨化した死体が発見された。

教皇のお膝元ローマでアイルランドとサクソンの争いが再燃しかねない事件が発生。

疫病が国土に蔓延するなか、王の後継者である兄に呼ばれ故郷に戻ったフィデルマは、驚くべき事件を耳にする。

―瀕死の重傷を負った修道士ハルインは、苦しい息のなかで18年前に、身篭った恋人に堕胎を促す薬草を使わせたと院長に告白した。

修道院の寄宿舎に預けられていたリチャードは、亡くなった父親のあとを継ぎ十歳でイートンの荘園主となった。

クリスマスが迫るウィーンで、オペラ界の歌姫を看取った人々。

教会会議を前にアイオナ派の有力な修道院長が殺害された。

緑豊かなアラグリンの谷を支配する、氏族の族長エベルが殺された。現場には血まみれの刃物を握りしめた若者。

「オリヴィエ・ド・ブルターニュはわたくしの息子なのです」。

女子修道院で、頭部のない若い女性の死体が見つかった。

砦に滞在していたローマ派の修道士が殺され、第一発見者のフィデルマは容疑者として拘束されてしまう。

法廷弁護士にして裁判官である美貌の修道女フィデルマが、鋭い推理で数々の難事件を解決する。

近所にある別のホームに転居した知人から、幽霊が出るので調べてほしいと頼まれたアンジェラたちは、施設見学にかこつけて調査に出向くが……。

1514年夏。

敵対していた小国の族長がモアン王国を訪れたそのとき、族長とモアン国王を何者かの矢が襲った。

16世紀イングランド。

1955年7月、パイ屋敷の家政婦の葬儀がしめやかにおこなわれた。

時は紀元70年のローマ。

一人目は自販機業者、二人目は庭師…。お年寄りが優雅な老後を過ごす高級老人ホーム“海の上のカムデン”で連続殺人が発生。

法廷弁護士にして裁判官の資格を持つ美貌の修道女フィデルマが解き明かす事件の数々。

16世紀ロンドン。法廷弁護士シャードレイクのもとに、従弟殺害の罪を問われている少女エリザベスの弁護依頼が舞い込む。

ヨークヴィル大学構内でフォイル次長警視正が拾った紙片には“殺人計画"が書かれていた。決行は今夜八時。

念願叶って、ついにアガサはハンサムな隣人ジェームズとの結婚にこぎつけた。ところが式の最中に「中止しろ!」と叫ぶ声が。

秋の夕方、小さな村をドライブしていたジェリーは、一人の若い娘に出会った。

法廷弁護士にして裁判官の資格を持つ美貌の修道女フィデルマ。

自らの葬儀の手配をした当日、資産家の婦人が絞殺される。

英国史上最も悪名高い王、リチャード三世——彼は本当に残虐非道を尽した悪人だったのか？　退屈な入院生活を送るグラント警部はつれづれなるままに歴史書をひもとき、純粋に文献のみからリチャード王の素顔を推理する。

誰彼なしに顎でつかい、お高くとまった言動は数知れず。

法廷弁護士にして裁判官の資格を持つ美貌の修道女フィデルマが、もつれた事件の謎を痛快に解き明かす傑作短編集。

『制裁』『ボックス21』『死刑囚』に続く 北欧の傑作ミステリ！　冬の朝、43人の子供が市内に突然現れた。

国家犯罪捜査局の元凄腕長官ヨハンソン。脳梗塞で倒れ、命は助かったものの麻痺が残る。

12歳のマイロの両親が営む小さなホテル〈緑色のガラスの家(グリーングラス・ハウス)〉。

妻と喧嘩し、あてもなく街をさまよっていた男は、風変りな帽子をかぶった見ず知らずの女に出会う。

殺人から窃盗に至るまで、さながら犯罪見本市と化した一月のデントン市。

カーヴィ少年の失踪は誘拐事件に変貌した。

流感が猛威をふるう町に中傷の手紙がばらまかれ、切り裂き犯も老女を襲う。

肌寒い秋の季節。デントンの町では、連続婦女暴行魔が跳梁し、公衆便所には浮浪者の死体が転がる。

空港のバーで離陸までの時間をつぶしていたテッドは、見知らぬ美女リリーに出会う。

処女作がいきなり大当たりしたモニカ・スタントンは、ロンドン近郊の撮影所へやってきた。

生涯の伴侶を得て、幸せいっぱいのシャンディ教授をあらたな騒動が襲う。