前作『六の宮の姫君』で着手した卒業論文を書き上げ、巣立ちの時を迎えたヒロインは、出版社の編集者として社会人生活のスタートを切る。

帝都に忍び寄る不穏な足音。ルンペン、ブッポウソウ、ドッペルゲンガー…。

士族出身の上流家庭・花村家にやってきた若い女性運転手。

最終学年を迎えた「私」は卒論のテーマ「芥川龍之介」を掘り下げていく一方、田崎信全集の編集作業に追われる出版社で初めてのアルバイトを経験する。

絵に描いたような幼なじみの真理子と利恵を苛酷な運命が待ち受けていた。

ある夏の夜、酔って遅く帰ってきた姉から、失恋の顛末を聞かされる。

昭和初期の帝都を舞台に、令嬢と女性運転手が不思議に挑むベッキーさんシリーズ第二弾。

遠く、近く、求めあう二つの魂。想いはきっと、時を超える。

若手編集者の岡部良介が担当する覆面作家こと新妻千秋の正体は、天国的な美貌を持つ可憐な大富豪のご令嬢。

19歳でデビューした覆面作家の正体は、大富豪のご令嬢・新妻千秋。

女子大生と円紫師匠の名コンビここに始まる。爽快な論理展開の妙と心暖まる物語。

真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。

天国的な美貌を持つご令嬢・新妻千秋のもう一つの顔は、覆面作家。お嬢様の推理力が光るのは、小説の中だけじゃない。

王女サロメが、FBI女性捜査官が、平凡なサラリーマンが、ドッペルゲンガーを見た男が出会った、恐るべき謎!傑作保証付き新時代の異色作家短篇集。

ニューヨークの小さなラジオ局で、ニュース・ディレクターをしているジェフは、43歳の秋に死亡した。

体育会系な文芸編集者の娘&定年間際の高校国語教師の父が挑むのは、出版界に秘められた《日常の謎》! □「応募してませんよ、わたしは」 新人賞最終選考に残った候補者からの思いがけない一言は?(夢の風車) □「実は、扱いに困っている手紙がありましてね」 あ

映画『赤い影』の原作となった表題作をはじめ、日常を歪める不条理あり、意外な結末あり、天性の語り手である著者の才能を遺憾なく発揮した作品五編を収める粒選りの短編集。

時を重ねて変わらぬ本への想い……《私》は作家の創作の謎を探り行く――。

昭和40年代の初め。わたし一ノ瀬真理子は17歳、千葉の海近くの女子高二年。

”原作者”と”盗作者”の緊迫する駆け引きに息を呑む。

小説誌編集者・田川美希は本にまつわる謎にてんてこ舞いの日々だ。

人生の大切なことは、本とお酒に教わった―日々読み、日々飲み、本創りのために、好奇心を力に突き進む女性文芸編集者・小酒井都。

見合い話に苛立ち、後輩の若さがふと眩しい美也子の淡々とした日々に鳴り響く謎の電話。そして一年が過ぎて…「恋愛小説」。

勤め先の二階にある「名探偵・巫弓彦」の事務所。

“私の事を、父は「ガラスの人形」だと呼んでいた。脆い、脆い、透き通ったガラスの人形だと。

40歳目前、文芸誌の副編集長をしている“わたし”。

田舎に引っ越してきた主婦につきまとう、美しい二頭の銀の犬――不安に揺れる女性の孤独を幻想的な筆致で描く、ケイト・ウィルヘルム「銀の犬」。

「頼子が死んだ」。

富豪の一人娘が、別荘で不審な事故死を遂げる。

神降市に勃発した連続猫殺し事件。芳雄憧れの同級生ミチルの愛猫も殺された。

ある日突然、人間を攻撃しはじめた鳥の群れ。

コーヒーの香りとともに蘇る、学生時代の思い出とほろ苦い暗号。いまは亡き夫が、俳句と和菓子に隠した想い。

家に出没するネズミを退治するため、罠を買うようにと妻に命じた夫が目にする光景とは…ぞっとする終幕が待ち受ける「ネズミ」。

9歳のさきちゃんと作家のお母さんは二人暮し。毎日を、とても大事に、楽しく積み重ねています。

ヴェネツィアは、今、輝く波に囲まれ、わたしの目の前にあります。沈んではいません。

団地に住むショウタと親友トモヤ。

五つの時計／白い密室／早春に死す／愛に朽ちなん／道化師の檻／薔薇荘殺人事件／二ノ宮心中／悪魔はここに／不完全犯罪／急行出雲／の十編を収録。

ミステリ作家にして名探偵エラリー・クイーンが出版社の招きで来日、公式日程をこなすかたわら、東京に発生していた幼児連続殺害事件に関心を持つ。

文藝編集者として出版社に勤める娘が仕事の現場で行き当たった〈謎〉を、高校の国語教師であるお父さんが見事に解決してみせる――北村薫さんの〈中野のお父さん〉シリーズは、本好き、文学好きにはたまらない知的好奇心に満ちた作品です。

梵貝荘と呼ばれる法螺貝様の異形の館。

子どもの頃に読んだ童話や昔ばなしに、スクリーンに映し出される奔馬の姿に、『吾輩は猫である』のなかの一文に――本格ミステリをこよなく愛する著者は、多岐に亘る読書や経験のなかから、鮮やかな手つきでミステリのきらめきを探りだす。

江戸川乱歩の造語である“奇妙な味”は、ミステリにもSFにも怪奇小説にも分類不能の、異様な読後感を残す小説を指す。

子供の頃、誕生祝いに買ってもらった人形の家には、外からは見ることのできない部屋があった。

猟銃を持った殺人犯(黒のキング)が、妻・友貴子(白のクイーン)を人質に我が家に立てこもる。

こんなはずでなかった結婚。捨て去れない華やいだ過去。

テーマは「名探偵」。新本格ミステリブームを牽引したレジェンド作家による書き下ろしミステリ競演。

湖から屍蝋が上がった―。小さなバーのママと常連客は、そのニュースに激しく動揺する(「水底の祭り」)。

たまたま台所にあったボウルに入っていた食用かたつむりを目にしたのがきっかけだった。

1815年、パリに向かう英国人青年が救った見目麗しい伯爵夫人。

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。

高校生の久太郎は、同じ1日が繰り返し訪れる「反復落とし穴」に嵌まる特異体質を持つ。

大正歌壇の寵児・苑田岳葉。二度の心中未遂事件で、二人の女を死に迫いやり、その情死行を歌に遺して自害した天才歌人。

鮎川哲也の戦後本格の出発点となった里程標的名作。綿密な校訂と著者の加筆訂正による決定版。

もう、駄目だと思った。

無政府主義者の秘密結社を支配している、委員長〈日曜日〉の峻烈きわまりない意志。

いたるところから恐怖は我々を狙っている。