タクシー運転手である主人に長年仕えた一冊の道路地図帖。

訳アリの遺品と「不幸」をコレクションするオギーの依頼を受けた俺は、我が子の首を切断した母親の元に赴く。

凄絶な死の瞬間、破裂する電球、捻曲がる銀食器…。“顕現”と名付けたそれを蒐集するため、男は女たちを惨殺し続ける。

ひょんなことから、プロの殺し屋が集う会員制ダイナーでウェイトレスをする羽目になったオオバカナコ。

盲目の美女ロザリンドとのロマンスを描いた表題作他、全十編の最新小説集。

昼はピエロに扮装して子供たちを喜ばせながら、夜は少年を次々に襲う青年実業家。

“シュール”かつ“泥沼”のような状況を乾いた“ユーモア”とともにお届けする、異才の作家・平山夢明“最悪劇場”全四話。

ある時、夜中に高野は、半睡半覚で気がつくと腕が伸びていた。腕は壁を抜けて自宅の外まで達し、なにかを掴んだ「腕の魂」。

〈あむんぜんの頭の中身を見てみよう〉と、アックンに云われたのは体育祭が終わってすぐのことだった。

おれは確かにろくでなしだが、親でも糞でも厭なもんは厭なんだ。

空想が生んだ惨事が心の空白を埋める。無意味で不気味な心の暗渠を覗く14編。

42歳の課長さん、17歳年下のキャリアガールに恋をする。おたくの職場、どうよ?ユーモアとリアリティ。

濃霧の湖の中、兄妹が乗るボートに近づく水音と、湖面から這い上がろうとする手「霧嫌い」。

自称青年実業家のヨコケンこと横山健司は、仕込んだパーティーで三田総一郎と出会う。

おしまいにする前に読んでくれ。絶望の果てまで届く物語を。

1978年4月。18歳の久雄は、エリック・クラプトンもトム・ウェイツも素通りする退屈な町を飛び出し、上京する。

不況にあえぐ鉄工所社長の川谷は、近隣との軋轢や、取引先の無理な頼みに頭を抱えていた。

携帯電話を媒介にした気軽な出会いや、合コンで知り合った男の子とのはじめてのデート。

どこか生きづらいと感じている賢女子の皆様。それは、根本的に生き方が間違っているからかもしれません。

愛―、それは気高く美しきもの。そして、この世で最も恐ろしいもの。

「弟を殺そう」―身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。

見知らぬ相手から突然、殺害予告を受けた女性の恐怖を描く表題作。

及川恭子、34歳。サラリーマンの夫、子供二人と東京郊外の建売り住宅に住む。

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。

マイナス40度も珍しくない極寒の北海道・天塩研究林。そんな土地に立つ小屋に集まった、学者や仲間たち。

いつの時代も「家族」は、やさしく、あたたかく、いびつで、おそろしい。

「内臓を洗浄したい」と訴える女性が体験した壮絶な実話「都会の遭難」収録。

見覚えのない部屋で目覚めた田村二吉。

1958年の夏。

わたし、まだオッケーかな。ガールでいることを、そろそろやめたほうがいいのかな。

おかしいのはこの家か、わたしか―夫の転勤に伴う東京生活に馴染めずにいた果歩は、幼馴染の平岩と再会する。

1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。

現世から冥界へ下っていく道を、古事記では“黄泉比良坂”と呼ぶ―。なだらかな坂を行く私に、登山姿の青年が声をかけてきた。

三件の幼女誘拐殺人が起きた。ある被害者の死体は〈並べられて〉いた。

ホラー&ミステリの宇佐美まことのデビュー作。受賞作を含む7篇を収録。

櫛森秀一は、湘南の高校に通う十七歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。

本能寺の変より四年前。織田信長に叛旗を翻し有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起こる難事件に翻弄されていた。

“あれ”が来たら、絶対に答えたり、入れたりしてはいかん―。幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。

ホラー作家・鹿角南のもとに、旧友からメールが届く。ある廃墟で「肝試し」をしてから、奇妙な事が続いているというのだ。

この現実は、すべて虚構だ。価値観を揺るがす連作奇譚集! 元デザイナーで小説家の「僕」は、知人友人からよく相談を受ける。

全篇新作書き下ろし! ! 待望の復活第二弾! いざ、〈本〉を巡るワンダーランドへ―― 平山夢明、真藤順丈、三上 延、坂木 司、澤村伊智、大崎 梢、斜線堂有紀、柴田勝家…… 超ベテランから期待の新鋭まで、短編の名手15人が競演! お待たせいたしました。

その家には、何かある。

何度も同じような悪夢を見る。それはさまざまな女をいたぶり殺すことでエクスタシーを覚えるという夢だ。

永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

雷の季節に起こることは、誰にもわかりはしない―。

メキシコで麻薬密売組織の抗争があり、組織を牛耳るカサソラ四兄弟のうち三人は殺された。

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。

ホラー&ミステリ界アンダーグラウンドの帝王が、6年ぶりに復活! 戦時下の帝都。

全篇新作書下ろし! 生誕二十五周年を飾る５４冊目の《異形》 「異形気象」を遙かに凌駕する「超常気象」の世界へ―― 〈収録作品〉 朝松健　怪雨は三度降る　　 井上雅彦　彩られた窓　　 上田早夕里　成層圏の墓標　　 空木春宵　堕天児すくい　

アフリカにおける呪術医の研究でみごとな業績を示す民族学学者・大生部多一郎はテレビの人気タレント教授。

若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。

平凡な郊外の町に、災いは舞い降りた。熱に浮かされ、痙攣を起こしながら倒れる住民が続出、日本脳炎と診断された。

ある一家で見つかった「ユリゴコロ」と題された4冊のノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。

エレベーターに暗証番号、廊下に監視カメラ、隣室に役員。厳戒なセキュリティ網を破り、社長は撲殺された。

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。