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(短編集)
或るろくでなしの死
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或るろくでなしの死の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全16件 1~16 1/1ページ
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全編いい。よすぎるくらいいい。 表題作では、 マチルダからレオンへの問いかけと、 ハンニバル・ザ・カニバルが、 愛するクラリスのために贈った、 二人の敵の殺し方を合わせたような、 美しい場面が表されてました。 これはオマージュなのかなと、 予想しかけて、すぐにやめる。 そんなのどっちでもいい。 それくらい素晴らしい。 痺れました。 あとがきに創作の秘密が書かれ、 そんなメタリカのアルバムみたいな、 創ったほとんどを捨てるような、 乱れ撃ち手法をつかっているのかと、 そこにまた猟奇的なものを覚え。 愛着とか執着とか、 あんまないのだろうなと、 作風に表れているように感じ、 勝手に納得しかけて、慌てて、 また、どーでもいいと反省する。 だって、すげぇんだもの。 触れてはならないもののように、 美しく完成しているのだもの。 すごい短編集でした。 味が薄くなったわけではないのに、 他の作品のように、一話読んだら、 次に進めないということもなく、 スルスルと読めてしまう。 でももったいないので、 やっぱり、一気には読まない。 グログロを中心に求めるなら、 他の平山さん作品もいいけど、 おお、と嘆息して、 本を閉じて余韻を楽しむなら、 これはかなりいいと思います。 悲しい話ですが、美しいです。 | ||||
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一気読みしてしまった | ||||
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外国のハードボイルド調が、ドライで、日本の湿ったそれとは、違って、読みやすい。内容はかなり暗いのだが。 「はぐれ者」は、否認の心理からも洞察できる。いじめは無い、性虐待は無い、という人たちは、はそんなものはあっては困る、という現実逃避から認知が歪んでいる、という説。人間は弱い。主人公は、人生の最後に、愛する者、それが死んだ子どもであれ、と出会い、その名前を指でなぞり、遺体だったものを、大事に持ち歩いて、丁寧に丁寧に埋葬してやろうとして、死んでいった。つまり、平山夢明の作品の主人公にしては、幸せなほうではないかしら。ラストのどんでん返しは、ありがちだけど、古き良き映画のように、きれいにはまっている。 「嫌われ者」SFの世界観は、この作者のドライな語り口に、よくあっている。カズオイシグロの「わたしを離さないで」もドライな語りだから、成功したのだ。ひとりの人間が死ぬという事を尊厳を持って書く、それが文学。最後の鍵の存在が、この物語に永遠性を、与えた。不在を描くとは、有限を超えた永遠を描くこと。 「ごくつぶし」これは語り手である主人公にぜひ死んでもらいたい、と読者に思わせるつくり。とてもリアルだし、似たような残酷は繰り返し社会のニュースになっている。 主人公がモテようとしてがんばった合コンで女の子に言われるセリフもリアル。同時に、この主人公のモテたいという、下らない努力は、人間の原罪意識にまでいたっている。普通になりたい、差別される側から抜け出したい、つまり、自分は普通では無い、醜くい、劣った存在なのだ、というありのままの自分を否定する意識。この絶望の地平で僅かな生きる理由を創造するのが物語り、または、神話なのだろう。 「愛情」これは、誰に感情移入していいのか、要素がバラつきすぎて、焦点がぼやけた作品。子どもがもっとも気の毒なのだが。現実を受け入れて淡々と生きるラストが、これでもか、これでもか、と悲惨な出来事の連打の後で、消化不良。ドラマにしては、悲惨なだけだし、神話に持っていくには、聖なる何かが弱い。タイトルは愛情が入っているのにね。 「ろくでなし」平山夢明の作品は怖い。リアルで怖い。この作品で、最もこわいのは、主人公と主人公に殺される「ろくでなし」が、おなじ立場に、ある事だ。やっていることは、全く反対に描かれている。少女の保護と虐待と。 つまり、主人公は、一歩間違えば、いくらでも、虐待する方になり得るのだ。その優位性が怖い。考えてみれば、私達は、誰でもみんな子どもで、この手の大人の優位性に怯えて育った。生き残ったから、忘れていたけど。 「英雄」これってドストエフスキーじゃん。老婆の家からの話しには、「神」がでてくる。圧倒的な力を持ち、有無を言わさず主人公を罰する。描かれ方がファンタジー性を持っているからかな。不思議の国のアリスの不気味な双子みたい。 「からっぽ」定番のボーイミーツガールも平山夢明が描くと、うわぁ。素直な哀しみがあって、きれいと言えないこともない。 清水玲子の「秘密」という漫画に、主人公と同じ症状を持ついじめられっ子の話しがあった。 写真なら人の顔が見れる、それは、対人恐怖症の苦しみと喜びだろうか。現実は恐ろしくて直視も出来ないけど、カメラの中なら、写真という音や動き、匂いや感触の無い、安全で守られた世界なら、「見る」認識することができる。恐怖を、コントロールできた喜び。不確実な世界を私達は生きている。根源的な欲求なのだ。安心したい。 | ||||
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本屋で探したけどなかったのでネットで購入。 短編集ですが、短いページにもたっぷりの狂気が詰まっていていいですね! ちょっと読みづらい部分があってつかえつかえの読書だったので…星3。 | ||||
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友達からおすすめされ読みましたが。 個人的に今まで読んだ中で一番胸糞悪い小説でした、生まれて初めて本を捨てました。 まず、動物への理不尽な暴力が多い、それがウリなのでしょうが…。 猫が殺されるシーンはフィクションだとわかっていても、悲しくて気持ち悪くて吐いてしまいました。 動物が好きな方、子供好きな方は読まないことをすすめます。 | ||||
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短編なのでサクっと読めました。 この方の作品は2作目ですが、癖もなく、読後感がすごい悪いというわけでもなく、特に怖くもなく(笑) ジャンルも色々あるので無難に暇潰しに使えます。 | ||||
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七種類の死の形が描かれる。すべてが濃厚で悪質だ。「悪質」が褒め言葉になる作家って作者くらいではないだろうか。 『或るはぐれ者の死』ホラーではないが、ホラーより怖い。まっとうな主張が聞いてもらえない世界は、すでに実現している。 『或る嫌われ者の死』作者は日本政府が崩壊して日本人がマイノリティになる話を何本か書いている。 これもそのひとつだ。立場なんか簡単に変わるから、差別は自分に跳ね返ってくるぞ。 『或るごくつぶしの死』男のエゴ、ここに極まれり。相方の頼りなさにイラつく。こういう女性はいそうだなあ。 『或る愛情の死』切ない話なのだが、破壊的な作劇のためネオ江戸川乱歩的な猟奇小説になってしまった。でも好き。 表題作は洒落た変態犯罪小説だ。副題をつけるなら、「少女と殺し屋とオカマの物語」かな。あとハムスターもか。予測不能なプロットが魅力だ。 『或る英雄の死』唐突さに驚く。最も文学的な作品だ。 『或るからっぽの死』ホラーなのかSFなのか。哀感漂う結末に魅了された。死で始まり死に終わる作品集の、末尾を飾るにふさわしい逸品である。 驚いたことに、外れがひとつもない。ベスト1を選べないほど傑作揃いだった。この本も最高点だな。 | ||||
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おもしろいですね 短編集となっておりますので、少々頭脳にナンのある方でも読める気がします あくまでも「少々」ですので、あまり何のあるかただと理解できない気がします | ||||
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という感じの話が多い。グロテスクな表現が多い。でも、嫌いじゃない。 | ||||
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あとがきを書かれた漫画家片岡人生さんによる押絵がカッコいい。 また「死」に関する静止画的思い出話群も印象的だった。 本編お気に入りは、 表題作「或るろくでなしの死」:短編ながら長編傑作「ダイナー」ばりのイカした暗殺者と幸薄少女との交流を描く。 「或る嫌われ者の死」:SF要素がほんのり感じられる日本人にとっては辛い未来予想図。差別、偏見は決してなくなりはしない。 「或るからっぽの死」:今年読んだ物語の中では一番の悲恋もの。ヒロインであるシニコのシニカルな語り口がクセになる。 おすすめです。 | ||||
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私は平山さんのファン、 これまで全ての作品に目を通しているだけに、 本書の内容は、個人的にはイマイチ。 大変申し訳ないけど、 どの短編も五十歩百歩。 ひとつひとつがあまり作りこまれていないし、 起承転結も支離滅裂の印象…… 読後感はまず、 『あれっ? いったいどうしちゃったの?』 ってかんじ。 これまでの作品がとても良かっただけに、 残念感が強くなってしまった。 平山さん個人もそれを感じているのか、 『あとがき』を数ページも使って、 言い訳めいたことを書いているのも残念。 本作は本作。 みなさんそこまで責めていないのだから、 もう少し自信持ってあとがきとすればいいのに、 と思いました。 | ||||
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収録作は以下の七つです。 「或るはぐれ者の死」 「或る嫌われ者の死」 「或るごくつぶしの死」 「或る愛情の死」 「或るろくでなしの死」 「或る英雄の死」 「或るからっぽの死」 題名の通りどの作品も<死>を描いておりますが、そこは平山夢明さん。単なる<死>ではなく、 読者の予想を超える<死>を提供してくれております。 エンターティメントの<死>には爽快感が付き纏うものですが、もちろん平山さんの本ですから爽快感などありません。あるのはどんよりとした、重苦しい鉛を一気飲みしたかのような胸の苦しさだけです。それが逆に何だか気持ちよくなってくるから不思議です。 個人的に一番嫌な話は「或るごくつぶしの死」です。愚かな若者の話です。頭からケツまで嫌な成分がどっぷり詰まってます。クソを無理やり飲まされたような気分になる絶望的なオチも素敵です。二度と読みたくありません。 「或るろくでなしの死」は平山大先生お馴染みの殺し屋ノワールです。或る少女と或る殺し屋が出会い、そして交流します。不器用な感じが素敵です。或るろくでなしの死に方がとてつもなくグロテスクで、もう感動すら覚えます。実はこの作品だけにはある種の爽快感があります。ちょっぴり切なくなります。一番とっつきやすいお話かもしれません。 「或る愛情の死」が私の一番のお気に入りです。もうラストが美しいのなんの。身体が震えました。実際に見てみたくなりますね、あの<図>。 他の4編ももちろんどれもこれも素敵です。 買いましょう。面白い読書がここにあります。 追記:ただ一つだけ困った点があるとしたら、それは「あとがき」の存在です。私としては「あとがき」は無かったほうが良かったなぁと思います。読み終えて、そのままフォローも何もされずにポーンと嫌な気分のまま放り出されてしまったほうが、より後味が悪くなって素敵だったと感じるのです。 | ||||
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待ちに待った平山さんの作品ですが、個人的にはライトテイストな感じでした。 平山作品の入門編と言った感じでした。 「独白…」、「他人事」、「ミサイルマン」といった短編集の中ではちょっとインパクトが足りなかったです。 でも、面白くって一気読みしちゃったけどね。 | ||||
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もともと氏のある種の破壊のカタルシスといってもいい テーマだけでなく、筆者自身のラジオ、コラム、嗜好そのものが好きなので 客観性のある感想にはならないがとても面白かった。 7つの短編からなるこの小説のテーマは『死』であるが、 いわゆるお涙ちょうだいものとは違って人というものがどうすれば最高に苦しんで、または最高に追い詰められて死ぬか というものが骨子にある作品郡である。そう聞くとなんてえげつない人道に背いた話なんだろうと 嫌う人もいるだろうが、今まで築いてきた物が高ければ高いほど崩れた時の衝撃は凄いものなのだ。 それは負のカタルシスとでもいうものでその今際の縁でもがく人間こそ『生』の強い光を放つのではないだろうか この小説のラストを飾る『或るからっぽの死』はどこかとても氏ならではのハートウォーミングな仕上がりに なっておりこの本一冊の読後感はとても素晴らしかった。 | ||||
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鬼畜系の作品を次々と発表される平山先生ですがそれだけではいずれ息切れしてしまうのではという心配をよそに、今作ではホラー、ミステリー、SFと様々な分野に触手を伸ばしてます。それが功を奏していずれの短編も味わい深いものになっています。ダイナーのような感動を味わう事は出来ませんが、小気味よい興奮を覚える傑作です。 | ||||
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