あこがれの同級生に、告白する間もなくふられた僕。

死体って、光るのかな。文化祭の準備中、お化け屋敷の人形を見て眩いた女子の一言を、沖津は聞き逃さなかった。

夏休み、一人の少女が校舎の四階から飛び降りて自殺した。

絵を一枚仕上げるたびに、絵にサインを入れるたびに、もうやめよう、これで最後にしようって、考える―それでも私は、あなたのために絵を描こう。

全知の天に運命を委ねる占の国ヴィオン。生まれながらにして毒と呪いの言葉を吐き、下町に生きる姫がいた。

声の色が見える僕は、透明な君に恋をした。

伝説は美しい月夜に甦る。それは絶望の果てからはじまる崩壊と再生の物語。

普通の高校生活を送る僕・相葉孝司に突然起こった「自分以外の時が1時間だけ止まる」という不思議な現象。

大晦日までの僅かな期間、日没とともに開き、日の出とともに閉まる、謎に包まれた市「細蟹の市」。

自分で殺した女の子に恋をするなんて、どうかしている。 「私、死んじゃいました。

どうやら俺の人生には、今後何一つ良いことがないらしい。寿命の“査定価格”が一年につき一万円ぽっちだったのは、そのせいだ。

その日、兄とあたしは、必死に山を登っていた。見つけたくない「あるもの」を見つけてしまうために。

友達の死から始まった苦い夏休み。僕らは、幽霊に導かれて旅に出た。

「賭けをしませんか?」と受話器の向こうの女は言った。 「十二歳の夏、あなたは初鹿野さんに恋をしました。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

前触れなく人間が消滅し、その痕跡も、周囲の人々の記憶からも消え去ってしまう世界。

十一月七日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。

雷の季節に起こることは、誰にもわかりはしない―。

超情報化対策として、人造の脳葉〈電子葉〉の移植が義務化された2081年の日本・京都。

お姉ちゃんは高校二年までしか生きなかった。

失業中の青年・高坂賢吾と不登校の少女・佐薙ひじり。

二周目の人生は、十歳のクリスマスから始まった。

これは僕の失恋であり、同時に、初恋の物語だ。七草は引き算の魔女を知っていますか――。

誰にでも、失いたくない楽園がある。息苦しいほどに幸せな安住の地。

首都を襲った天災から長い時が過ぎた。

偶然の「雨宿り」から始まる、切ないラヴ・ストーリー。ある夜、舞原零央はアパートの前で倒れていた女、譲原紗矢を助ける。

親を亡くし、親戚中をたらいまわしにされる不幸な少女、勇希。

嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。

わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる―。

石橋を叩いても渡らない心配性の高校生・中崎夕也はある夜、七不思議を司る精霊・テンコと出会う。

視力をなくし、独り静かに暮らすミチル。職場の人間関係に悩むアキヒロ。

自分以外の人間が“ロボット”に見えるという紫色の瞳を持った中学生・毬井ゆかり。

しんと静まった真夜中を旅する怪しい集団。

たとえば、苔むして古びた水路の先、住宅街にひしめく路地のつきあたり。

第15回『このミステリーがすごい! 』大賞・隠し玉作品の本作は、“白いどんでん返し"です! 僕が大学とバイトを終えてアパートに帰宅すると、部屋の前に見知らぬ美女がしゃがみこんでいた。

11月19日午前6時42分、僕は彼女に再会した。誰よりも真っ直ぐで、正しく、凛々しい少女、真辺由宇。

退屈な日常から抜け出したいと思いながら毎日を過ごすシニカル男子・野々村。

恋人の過去と繋がる一冊の交換日記。本当に好きだった。

嘘をつく──それは、何を守るため? 風見高校に教育実習生がやって来た。

架空の青春の記憶を植えつけられた青年は、その夏、実在しないはずの幼馴染と出会う。これは、始まる前に終わっていた恋の物語。

ずっと妹と二人で生きてきた結城佳帆は、ある日、図書館の司書、舞原葵依に恋をする。

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。

人々が少しだけ違う並行世界間で日常的に揺れ動いていることが実証された時代―両親の離婚を経て母親と暮らす高崎暦は、地元の進学校に入学した。

小学生の青斗が住む海沿いの田舎町には、ひとつの伝説があった。

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。

彼氏にフラれた私・三浦加奈は、死のうと決意して屋上へ向かう。

1年2組の男子生徒が全員、姿を消した。

大晦日までの僅かな期間にだけ立つ「細蟹の市」。そこで手に入らないものはないという。

日本推理作家協会賞(短編部門)受賞後第一作! 2001年、長らく手付かずだった戦前の名家・旧紫峰邸の敷地内から発見された二つの白骨死体。

直木賞受賞、第一作 待望の書き下ろし長編 母と祖母の女三代で暮らす、伸びやかな少女、朱里。

とある地方都市でオフ会を開いた、『現代詩人卵の会』のメンバー9人。

ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。

現世から冥界へ下っていく道を、古事記では“黄泉比良坂”と呼ぶ―。なだらかな坂を行く私に、登山姿の青年が声をかけてきた。

―ぼくは、彼女が誰なのかわからない。

「たいへん遺憾ながら、美しく生まれてしまった」川村七竃は、群がる男達を軽蔑し、鉄道模型と幼馴染みの雪風だけを友として孤高の青春を送っていた。

新聞部の創設。柏原第二高校に転校してきた安達は、島で唯一の小学生・相原大地のために部活動を始めることを提唱する。