歴史小説の巨人・飯嶋和一の文庫最新刊！ 江戸寛永年間、栄華を誇った海外貿易都市・長崎に二人の大馬鹿者が生まれた。

慶長七年(一六〇二)陰暦十月、常陸国北限、小生瀬の地に派遣された大藤嘉衛門は、野戦場の臭気が辺りに漂う中、百軒余りの家々から三百名以上の住民が消えるという奇怪な光景を目の当たりにする。

故郷とは、人に何をもたらす場所なのか?「読む者をリングに立たせる」と言われた迫力満点のボクシング小説でありながら、人と風土との関わりを深く見つめた傑作―故・江藤淳氏が選後評で「いつの間にか引き込まれていた」と語った、第25回文芸賞受賞作『汝ふたたび故郷へ帰

空前の災厄続きに、人心が絶望に打ちひしがれた暗黒の江戸天明期、大空を飛ぶことに己のすべてを賭けた男がいた。

弘化三年(1846)日本海に浮かぶ隠岐「島後」に、はるばる大坂から流された一人の少年がいた。西村常太郎、十五歳。

凶作、飢餓、貧困に悪政が追い打ちをかけた天明、寛政年間、後世まで語り継がれる一人の力士が彗星のように現れた。

1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。

その男は決して屈しなかった。人が一生に一度出会えるかどうかの大傑作。

火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された…。

ひょんなことから、プロの殺し屋が集う会員制ダイナーでウェイトレスをする羽目になったオオバカナコ。

1975年、偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。17歳。

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。

優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。

櫛森秀一は、湘南の高校に通う十七歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。

シューマンの音楽は、甘美で、鮮烈で、豊かで、そして、血なまぐさい――。

キスカ島に残された四頭の軍用犬北・正勇・勝・エクスプロージョン。

切り立った岩の上で独り稽古を積む、藤戸藩お抱えの道具役(能役者)の長男・屋島剛(やしまたける)。

関ヶ原の戦い、大坂の陣、 そして日本史上最大級の内戦・島原の乱。

私は、彼の何を知っているというのか?彼は私に何を求めていたのだろう?大学教授・村川融をめぐる、女、男、妻、息子、娘―それぞれに闇をかかえた「私」は、何かを強く求め続けていた。

ある一家で見つかった「ユリゴコロ」と題された4冊のノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。

目覚める前、思念のなかで猛虎の爪に引き裂かれ、頭蓋が割れるさまを実感する。葉隠武士、斎藤杢之助独特の“死の鍛錬”―。

18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室からあるはずのない屍体が発見された。

刑事たちの執念の捜査×容疑者の壮絶な孤独――。犯罪小説の最高峰、ここに誕生! 東京オリンピックを翌年に控えた昭和38年。

庭・池・電燈付二階屋。汽車駅・銭湯近接。

会社員の安藤は弟の潤也と二人で暮らしていた。

2007年夏公開の映画化原作。

ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。

学校という閉鎖空間に放たれた殺人鬼は高いIQと好青年の貌を持っていた。ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー。

400年来の宿敵として対立してきた甲賀・伊賀の忍法二族。彼らは服部半蔵の約定によって、きわどい均衡を保っていた。

島原の乱に敗れ、幕府への復讐を誓う天草側の軍師、森宗意軒は死者再生の秘術「魔界転生」を編み出した。

一級建築士の青瀬は、信濃追分へ車を走らせていた。望まれて設計した新築の家。

泰平の世に積もりに積もった大借金に嫌気のさした先代は縁の薄い末息子に腹を切らせて御家幕引きを謀る。

広告代理店営業部長の佐伯は、齢五十にして若年性アルツハイマーと診断された。

闇に葬られた殺し屋“百舌”事件。東都ヘラルド新聞社の残間の元に、事の真相を解明する原稿の依頼が舞い込む。

娘の嫁ぎ先を攻め滅ぼすことも厭わず、下克上で成り上がる戦国大名・宇喜多直家。その真実の姿とは一体…。

昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上とコンビを組むことに。

「山の民」に置き去られた赤ん坊。

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。

白昼の駅前広場で4人が刺殺される通り魔事件が発生。

幼い息子の仇討ちを企てる、酒びたりの元殺し屋「木村」。優等生面の裏に悪魔のような心を隠し持つ中学生「王子」。

応仁の乱前夜。天涯孤独の少年、才蔵は骨皮道賢に見込まれる。

八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた頃。

兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。

誘拐×時効、二度敗北した静岡県警。三度目の機会は、ないはずだった。

なぜ「あの男」を自らの手で殺めることになったのか―。

7年前に行方不明になった少女の遺留品が発見され、県警捜査一課の都筑は捜査を再開。

本能寺の変より四年前。織田信長に叛旗を翻し有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起こる難事件に翻弄されていた。

希望に燃え、警察学校初任科第九十八期短期過程に入校した生徒たち。

“わたしたちは仲間です”―十四歳のある日、同級生からの苛めに耐える“僕”は、差出人不明の手紙を受け取る。

デザイン会社に勤める由人は、失恋と激務でうつを発症した。社長の野乃花は、潰れゆく会社とともに人生を終わらせる決意をした。

新宿署の刑事・鮫島は、捜査中に北新宿のヤミ民泊で男の銃殺死体を発見した。

丘の上の遊園地は、俺たちの夢だった―。

山深い寒村の旧家・蒼具家では、「盆に隠れ鬼をしてはいけない」と言い伝えられている。

目覚めると、鎖をつけられ、地下室で監禁されていた――。

頭脳明晰で剣の達人。将来を嘱望された男がなぜ不遇の死を遂げたのか。

ぼくに与えられた使命、それは勝利のためにエースに尽くすこと―。