迷路荘の惨劇
登録されているタグ
※タグの編集はログイン後行えます
※以下のグループに登録されています。
6.50pt
6.11pt
Amazon平均点
4.09pt
楽天平均点
3.83pt
みんなの オススメpt 自由に投票してください!!
2pt
サイト内ランク[?]
C
↑現実的
20.00pt
10.00pt
←非ミステリ
40.00pt
ミステリ→
20.00pt
↓幻想的
初版刊行(参考)
種別
長編
閲覧回数
4,996回
お気に入りにされた回数
2回
読書済み登録回数
34回
- このページのURL
あらすじ
外部リンク
評判
迷路荘の惨劇の評価:
6.50/10点 レビュー 2件。 C ランク
迷路荘の惨劇の総合評価:
8.04/10点 レビュー 25件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
|---|---|---|---|---|
| | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 23件あります。
Amazon書評・レビューを見る
事件の遠因となる人間関係と第一の殺人事件まではほぼ共通ながら、現場の倉庫を馬車置き場と設定するとともに、馭者を金田一耕助の旧知の人物としている。
短篇では、第一の事件後すぐにクライマックスの騒ぎへ飛び、その所為で警察関係者は省かれていた。その点、本作では井原老刑事をはじめ富士署の刑事が登場して、関係者の訊き込みや秘密通路に洞窟の探検等々にぎやかに活躍することに加えて、名前だけながら、東京での協力として等々力警部も登場する。なんでもこれらの刑事が追加されたのは、中篇からとのこと。
中篇から本作への追加としては、馭者の譲治を含めて、短篇でチョイ役たちへの役割が大幅に増やされて、第二の殺人事件が構成されている。ただしこの追加された密室殺人は、現場で対抗心を燃やした井川老刑事とのやり取りで「金田一耕助っていやな野郎なのである」(P.302)なんて一文は楽しいけれども、なにしろトリックが明白すぎてつまらない。本文中にも金田一耕助の言葉として、「子供だましの密室のトリック」(P.443)と書かれているとおりである。あの程度のトリックなら、さすがに刑事に気づいてもらいたいw
金田一耕助シリーズでは、概ね彼と刑事たちの関係は良好であるが、彼を敵視する刑事もちらほら登場する。本作は長篇化されただけあって、昭和五年の事件に並々ならぬ執念を燃やす井川老刑事が、金田一耕助になかなか辛辣に対抗していて印象的。
「あんたの眼のまえでつぎからつぎへと事件が起こってるんですぜ。それにもかかわらずあんたただウロチョロするばかりで~あんたそれでも名探偵ですかい」(P.379)なんてのは、原作ファンの読者はまだしも、ドラマ視聴者の多くが思っているだろうことを見事に代弁していたw
一方、金田一耕助が呼ばれる理由となった謎の男(甲野信也/真野信也)を演じた人物が長短作品で異なっているのがステキだ。『金田一耕助の帰還』の解説では、「片腕の男に扮した人物が全て異なっている点」(P.435)と書かれているので、中篇でもさらに別の人物だったようだ。
短篇の最大の弱点は、迷路荘と謳いながらその要素が不足していたことだが、本作では洞窟探検の冒険要素が大幅に加わっている。読者によっては、またかと思ってしまうかもしれないが【注2】、特に二階堂黎人の『聖アウスラ修道院の惨劇』は本作からフィーチャーされたのではないかと憶測してみたが如何だろう。通常あの作品のフィーチャー元は、小栗虫太郎の「聖アレキセイ寺院の惨劇」とされるようだが、本作も「惨劇」が共通してるし、地下通路の構造を考慮すると……。
短篇から長篇では、新たに追加されたキャラも多いけれど、新旧で名前が変更されたキャラも多い。
種人(たねんど)に合わせて、一彦⇒一人(かずんど)、辰彦⇒辰人(たつんど)と変更したのは、より華族っぽくなったし、絲を糸に変えた理由も判るが、甲野⇒真野、朋子⇒陽子の変更の理由はわからないw
陽子は終盤、地下で襲われて意識不明となり一旦退場するのだが、事件が終了した後、耕助が最後に解説する前に、元気になった彼女が姿をみせ、地下での彼女の冒険が語られるという厚遇wを受けている。
しかし追加されたシーンで冒険サスペンス味は増えるものの、事件の解決に結びつくわけでもない。(すでに解決している)
わざわざこのシーンが加えられた理由はなんだろう?
地下の暗闇を跳梁して殺人を繰り返す犯人というイメージは、まさしく『八つ墓村』なので、セルフオマージュして冒険浪漫要素を追加したかったという理由はあっただろうが、かなりとってつけ感が強いし、陽子と篠崎の秘書奥村の恋愛要素があるわけでもないので、やはり『八つ墓村』に較べると評価は下がるw
奥村と云えば、オリジナルの短篇には、めずらしく動転した耕助が「奥村はどうした!」と叫ぶシーンがあったが、この長篇版ではなくなっている。
もうひとつだけ。
地下迷宮要素が大幅に増えて、もっとも割を食ったのは犯人かもしれない。
犯人に対して、「~と、口にするとき、金田一耕助の口調には、きたないものでも吐き捨てるような嫌悪のひびき」(P.423)があると厳しい。短篇ではそこまで悪しざまには云われてなかったが、まぁ長篇では罪も増えてるから仕方がないか。
となると、やはりタマ子がかわいそう。
彼女は、「出目金みたいな眼をした、ちょっと可愛い女中でさあ」(P.102)とよくわからない描写をされているが、個人的には、のび太のママを思いだしてしまった。たしか玉代だったか?
彼女も独身時代は美少女に描かれていたり、方や眼鏡を外すと、目が数字の3のようになってたり、よくわからないんだよw
【注1】 短篇「迷路荘の怪人」が収録された『金田一耕助の帰還』の解説や、Wikipediaによると、短篇と長篇の間に中篇版もあったらしい。中篇版を読む術は知らないが、この短中長の作品は、著者の作劇法を研究するにはもってこいの作品であろう。目撃された片腕の男の正体が変更されているところなどは、如何にも著者が云うところの、コネコネクチャクチャ小説の実践なのだが、それにも力量が必要だと理解できるw
【注2】秘密通路探検の要素は、なんといっても『八つ墓村』が有名だが、それ以外にも、『不死蝶』や「廃園の鬼」で使用されている。