古い骨

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種別
長編
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5,037回
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5
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12
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あらすじ

2004年12月31日 古い骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

レジスタンスの英雄だった老富豪が、北フランスの館に親族を呼び寄せた矢先に不慮の死を遂げた。数日後、館の地下室から、第二次大戦中のものと思われる人骨の一部が発見される。フランスを訪問中だった人類学教授ギデオン・オリヴァーは、警察に依頼され人骨を調べ始めるが、今度は親族の一人が毒殺された!骨を手がかりに謎を解く、スケルトン探偵オリヴァーの名推理。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。(「BOOK」データベースより)

評判

古い骨の評価:

7.33/10点 レビュー 3件。 A ランク

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平均点7.33pt

古い骨の総合評価:

9.04/10点 レビュー 23件。

感想一覧

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Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.20
(5pt)

絵に描いたような古典的ミステリ。読んで楽しかった

最初の一章は訳が分からなかった。なにしろモン・サン・ミシェルの干潟で流砂に飲まれてしまう老人である。ちょっとこれで一週間ほど放置した。
 しかし、続けて読んでみると、1980年代なかばを舞台とするこの小説は(1987年に発表されている)、この小説の時点から40年前である第二次世界大戦のフランスにおいて、ナチスに協力したか、或いはレジスタンスしたかの内乱(というほど深刻ではないが)の対立が未だに怨恨があり「できればそこに触れない」ようにして避けて通ってきたかつての戦争の矛盾の記憶、とはなんと日本だけではなかったのだな、とつくづく嘆息する気分だった。
 その中でレジスタンスとして名を挙げた人物が、冒頭、流砂に呑まれて死亡する人物だったのだが、それが残した莫大な遺産をもとに、その一族の中で巻き起こる、そこはそれ欧州的にも横溝正史からおどろおどろしさを除去したような、ただしそれなりにいわれ因縁が関わる「一族もの」展開は、スケルトン探偵ギデオン・オリヴァーの合理きわまる古生物学の知識によって快刀乱麻を断つがごとくに解明されていく。
 これよ、これ。
 ヴァン・ダイン的な余裕のある世捨て人のペダンチックとユーモアをまぶした長広舌。
 オタク的でもある博引傍証、知識に惑溺する現実逃避、品の良い世界観で安定して供給されており、一度波に乗ると最後まで一気通貫できた。
 そして最後は一族の抗争(というほど深刻ではないが)はギリシア悲劇のごとき古典的な真相をあらわにして、しかしそこでユーモアによって悲劇なのか喜劇なのかわからない効果を生み出しており、筆者は爆笑してしまった。
 すべての要素が螺旋を描いたり行ったり来たりして最後にぴたりとはまりこむ。
 古典的と言っていいほど整った作品で、エドガー賞受賞は納得だった。
 35年後。
 著者はいまだ健在である。しかし、この本が出た後平成年間が始まり、そして終わり、一世代が過ぎた現在ではおそらく佳品としての評価は確立しているのだろうけれども、読書人の行き来があるかと言えば図書館の書庫でひっそりと「知る人ぞ知る」以上「もてはやされている」以下の静かな評価になっているのではないだろうか。
 その工芸品的な人為性のためもあるのだろうが、その静謐で知的で饒舌な、このペダンチックな世界がいまいち現代のSNSネット世界とマッチしないからでもあるのだろう。
 しかし、成功作と言えども小説はすべてが時の流れに押し流されて消えていく存在であるから、そんなものか。
 だが、作品は変わらぬ完成度でいつでも待ってくれているのだから、これからも具眼の士に見いだされ続けてほしいし、筆者がやきもきするまでもなくそうした作品でありつづけるだろうから、まあ良いか。
古い骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 古い骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151751017
No.19
(4pt)

謎解きなど、どうでもよいのであった

いや、間違いなくミステリーなのだから謎解きも大事なんだけど、書き出しのモン・サン・ミッシェルの海に潮が満ちてくる場面、そこだけでも読む価値のある本なのだ。何度読み返しても、実際にその場にいるような緊迫感が伝わってくる名文、いや名訳。だれか映画にしないだろうか。
 探偵ものとしても、これはまあまあだった。シリーズだというので他も何冊か読んでみたが、どうもいま一つ魅力に乏しい。
古い骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 古い骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151751017
No.18
(2pt)

初めて読みました

最近、ジェフリー ディーヴァーにハマリ、尽く期待を裏切られ(イイ意味で)さて、次はと新刊コーナーにあった「骨」に誘われ購入しました
「スケルトン探偵」としては充分楽しめましたがナンカ最後が消化不良気味でしたが、「ジュリー」の事が気になるので以前の作品も読んで
見ようと思います
古い骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 古い骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151751017
No.17
(5pt)

絵に描いたような古典的ミステリ。読んで楽しかった

最初の一章は訳が分からなかった。なにしろモン・サン・ミシェルの干潟で流砂に飲まれてしまう老人である。ちょっとこれで一週間ほど放置した。
 しかし、続けて読んでみると、1980年代なかばを舞台とするこの小説は(1987年に発表されている)、この小説の時点から40年前である第二次世界大戦のフランスにおいて、ナチスに協力したか、或いはレジスタンスしたかの内乱(というほど深刻ではないが)の対立が未だに怨恨があり「できればそこに触れない」ようにして避けて通ってきたかつての戦争の矛盾の記憶、とはなんと日本だけではなかったのだな、とつくづく嘆息する気分だった。
 その中でレジスタンスとして名を挙げた人物が、冒頭、流砂に呑まれて死亡する人物だったのだが、それが残した莫大な遺産をもとに、その一族の中で巻き起こる、そこはそれ欧州的にも横溝正史からおどろおどろしさを除去したような、ただしそれなりにいわれ因縁が関わる「一族もの」展開は、スケルトン探偵ギデオン・オリヴァーの合理きわまる古生物学の知識によって快刀乱麻を断つがごとくに解明されていく。
 これよ、これ。
 ヴァン・ダイン的な余裕のある世捨て人のペダンチックとユーモアをまぶした長広舌。
 オタク的でもある博引傍証、知識に惑溺する現実逃避、品の良い世界観で安定して供給されており、一度波に乗ると最後まで一気通貫できた。
 そして最後は一族の抗争(というほど深刻ではないが)はギリシア悲劇のごとき古典的な真相をあらわにして、しかしそこでユーモアによって悲劇なのか喜劇なのかわからない効果を生み出しており、筆者は爆笑してしまった。
 すべての要素が螺旋を描いたり行ったり来たりして最後にぴたりとはまりこむ。
 古典的と言っていいほど整った作品で、エドガー賞受賞は納得だった。
 35年後。
 著者はいまだ健在である。しかし、この本が出た後平成年間が始まり、そして終わり、一世代が過ぎた現在ではおそらく佳品としての評価は確立しているのだろうけれども、読書人の行き来があるかと言えば図書館の書庫でひっそりと「知る人ぞ知る」以上「もてはやされている」以下の静かな評価になっているのではないだろうか。
 その工芸品的な人為性のためもあるのだろうが、その静謐で知的で饒舌な、このペダンチックな世界がいまいち現代のSNSネット世界とマッチしないからでもあるのだろう。
 しかし、成功作と言えども小説はすべてが時の流れに押し流されて消えていく存在であるから、そんなものか。
 だが、作品は変わらぬ完成度でいつでも待ってくれているのだから、これからも具眼の士に見いだされ続けてほしいし、筆者がやきもきするまでもなくそうした作品でありつづけるだろうから、まあ良いか。
古い骨 (ミステリアス・プレス文庫) Amazon書評・レビュー: 古い骨 (ミステリアス・プレス文庫)より
4151000011
No.16
(4pt)

謎解きなど、どうでもよいのであった

いや、間違いなくミステリーなのだから謎解きも大事なんだけど、書き出しのモン・サン・ミッシェルの海に潮が満ちてくる場面、そこだけでも読む価値のある本なのだ。何度読み返しても、実際にその場にいるような緊迫感が伝わってくる名文、いや名訳。だれか映画にしないだろうか。
 探偵ものとしても、これはまあまあだった。シリーズだというので他も何冊か読んでみたが、どうもいま一つ魅力に乏しい。
古い骨 (ミステリアス・プレス文庫) Amazon書評・レビュー: 古い骨 (ミステリアス・プレス文庫)より
4151000011

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